東京都南部、大田区の中央にある「蒲田」駅。大規模な商店街をはじめとした活気あふれる街並みが、下町好きに人気の街です。JR京浜東北・根岸線、東急池上線、東急多摩川線の3路線が走っているため、都心へのアクセスもばっちり。今回はこの蒲田で一人暮らしをしたい女性のための暮らしの情報をまとめてみました。
こんにちは。原稿執筆時には緑茶が手放せない、カーサミアクラブ・ライターの畑です。この連載では、お店や周辺施設のこと・治安・防災情報・家賃相場・購入相場などを調べています。第1回では、治安・防災(地震など)を中心に書いていますので、引っ越しを考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
一人暮らし女性にとって「蒲田」駅の住みやすさ
交通アクセス | ★★★☆☆ | 複数路線利用可能。東京・横浜が20分以内と便利 |
---|---|---|
治安 | ★★★☆☆ | 治安は平均的 |
防災/地盤 | ★☆☆☆☆ | 揺れやすい地盤。浸水・液状化にも注意 |
生活利便性 | ★★★★★ | なんでも揃う便利な街 |
家賃相場 | ★★☆☆☆ | 便利な場所だけあって高め |
※★による5段階評価/カーサミア編集部まとめ
各項目の詳細については、順番に説明していきます。
蒲田駅の一人暮らし情報①駅情報

都心への電車アクセス
蒲田駅はJR京浜東北・根岸線の停車駅です。
東京には朝7時台の通勤時間帯で23分、日中も20分で到着します。品川へはわずか10分、いずれも乗り換えはありません。反対方面ですと、横浜には20分弱で着きます。
東急の蒲田駅には東急池上線、東急多摩川線が乗り入れています。
五反田や多摩川にも一本で出られるので、そちらの方面で働く人には便利です。
「蒲田」駅の路線情報 |
・京浜東北・根岸線(始発あり) ・東急池上線(始発) ・東急多摩川線 (始発) |
駅名 | 所要時間 |
東京 直通・乗り換えなし | 20分(朝の通勤時間帯 23分) |
品川 直通・乗り換えなし | 10分(朝の通勤時間帯 10分) |
横浜 直通または川崎乗り換え | 16分(朝の通勤時間帯 18分) |
※出典:ジョルダン
蒲田駅の使いやすさ

JR蒲田駅には南改札と中央改札の2つの改札があります。駅ビルは百貨店の「GRANDUO グランデュオ蒲田」が入っています。ファッションから生活用品、雑貨、生鮮食品など、雨に濡れずに買うことができるのはありがたいですね。
中央改札を出ると、目の前には「スターバックス コーヒー」や「おむすび権兵衛」など、カフェや総菜店が並んでいます。友だちとの待ち合わせや、仕事帰りのご飯の調達には困りません。
駅の西側に位置する東急電鉄の駅ビルは「TOKYU PLAZA蒲田」になっています。JRの改札と東急電鉄の改札は歩いて3分程度です。
蒲田駅の一人暮らし情報②治安・災害への強さ
蒲田の犯罪発生件数・割合
つづいて治安のお話です。やはり、どんな街でもまず気になるのは治安ですよね。
ここで東京23区の治安ランキングを見てみましょう。
犯罪発生割合をもとに、東京23区の治安ランキングを作成しました。
犯罪発生数 | 昼間人口(H27) | 流出人口(H27) | 犯罪発生率 | ||
1位 | 文京区 | 1,329 | 346,132 | 58,876 | 0.33% |
2位 | 千代田区 | 3,287 | 853,068 | 11,356 | 0.38% |
3位 | 中央区 | 2,595 | 608,603 | 41,117 | 0.40% |
: | : | : | : | : | : |
13位 | 大田区 | 5,871 | 693,865 | 173,860 | 0.68% |
※犯罪発生率は【犯罪発生件数÷(昼間人口+流出人口)】にて計算
※出典: 犯罪発生件数:警視庁犯罪発生状況、昼間人口+流出人口:東京都総務局統計
東京23区の犯罪発生割合を比較すると、大田区は13位。駅前にある百貨店や商店街のおかげで、夜遅くまで賑やかなのはありがたいですが、その分、治安が抜群に良いとは言えません。狭い道や深夜帯などの一人歩きは控えるようにしましょう。
地盤の強さ(地震の揺れ予測)
次に気になるのは地震や災害への強さでしょう。
蒲田駅周辺の地盤から推定される「地震の際の揺れやすさ(表層地盤増幅率)」は、以下の通りです。
地震の揺れは、震源地に近いほど大きくなるだけでなく、地盤が軟らかいほど大きくなります。地図の赤いほうが柔らかい(揺れやすい)地盤、青いほうが固い(揺れにくい)地盤になります。
蒲田駅周辺の「地震の際の揺れやすさ(表層地盤増幅率)」は2.0~2.5。 駅から少し離れたあたりには、1.4~1.6や、1.6~2.0のエリアもあります。地震ハザード評価は「高め」を中心に、「中程度」「やや高め」が混在している状況です。
蒲田駅周辺に点在する、ピンポイントで揺れにくい場所に住むことはなかなか難しいですから、地震による危険が「高め」であることを認識し、家具の転倒対策をしっかり行っておきましょう。
また、蒲田駅周辺で今後30年以内に、以下の強さの「地震がある確率(揺れに見舞われる確率)」は以下の通りです。
震度5弱以上の揺れに見舞われる確率 | 100.0% |
震度5強以上の揺れに見舞われる確率 | 99.5% |
震度6弱以上の揺れに見舞われる確率 | 84.4% |
震度6強以上の揺れに見舞われる確率 | 32.7% |
※出典: 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 地震ハザードカルテ
「地震の際の揺れやすさ」が「高め」の蒲田駅周辺では、30年以内に震度5強以上の地震が起きる確率はほぼ100%。ちなみに東京平野部では、ほとんどのエリアで90%以上になります。蒲田が特別危険というわけではありません。
また、住まいを選ぶときは、必ず「新耐震基準」の建物を選ぶようにしましょう。
「新耐震基準」(1981年以降)に建てられた建物であれば、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないように設計されています。「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」(2000年)以降の建物であれば、さらに安心できますよ。
もちろん揺れに強い建物を選ぶだけでなく、防災グッズを買っておくなど、地震対策はしっかり行っておきましょう。
その他の防災情報(土砂災害・洪水・液状化など)
防災情報については、駅の北西部が液状化の可能性が「ある」~「高い」エリアとなっています。蒲田駅周辺は吞川と多摩川にはさまれているため、暮らす際にはしっかりと防災対策をするようにしましょう。


また、いざというときのために非常用持ち出し袋・防災備蓄の準備もしておきましょう。
実際に歩いてみてよかった場所、気になった場所

駅の西口、東口にそれぞれ交番があり、駅前広場は夜遅くまで多くの人でにぎわっています。お店もたくさんあるので女性が一人で歩いていても大丈夫そうです。
西口には総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」をはじめとして、大きな商店街や商用ビルがあるため、騒がしそうなイメージがあります。 再開発計画も進んでおり、広場やデッキなどが整備されています。飲食店を中心に、商店街にはさまざまなお店が充実しています。
東口は人通りも落ち着いており、道も歩きやすいですし、駅と隣接するように「大田区役所」があります。ただし、パチンコ店など大人向けのお店が点在しているのが気になりました。
仕事帰りに買い物ができたり、自炊がしんどい時には手近で外食ができるなど、利便性の良い街は一人暮らしをするうえでポイントが高いですね。
東口から10分程度歩くと京急蒲田駅に着きます。こちらは羽田空港まで乗り換えなしで行けます。旅行好きな人にはうれしい路線です。
なにかと不安な女性の一人暮らし。少しぐらい騒がしくても、「人の目がある」と思った方が安心かもしれませんね。
次回は「蒲田駅周辺の施設やお店」についてレポートします。