私たち株式会社トラスト・ファイブは、小規模商業ビルを手がける不動産開発会社(デベロッパー)です。
しかし業界外の方からは、
「不動産開発ってなに?不動産屋さんとは違うの?」
「デべロッパーなのに大手ではない?」
「小規模でも開発って呼ぶの?」
などと戸惑われることが多いようです。
そこで今回は、不動産業界におけるデベロッパーの立ち位置と、デベロッパー業界の分類について、解説します。
「不動産業界」は、大きく4種類

不動産業界は、大きく4つの事業に分類できます。
- 開発(デベロッパー)
- 流通(賃貸仲介・売買仲介など)
- 管理
- 賃貸(物件所有)
また、関連する建築業界に、「設計」と「施工」があります。
不動産開発(デベロッパー)

開発は英語で「develop」なので、開発会社は「developer(デベロッパー)」とも呼ばれます。業界内では「デべ」と略すことも一般的です。
土地を取得し、マンション、戸建て、オフィスビル、商業施設などを企画し、完成した建物を販売する業種です。販売せず、賃貸収入(家賃・テナント料など)を収益とするケースもあります。
実際の建築や設計については、パートナー企業である建設会社・設計会社に委託するケースが一般的です。(一部には自社で行うケースもあります。)
また、中核とする事業を冠して「〇〇デベロッパー」と呼ばれることもあります。
- マンションを中心に手掛ける場合:「マンションデベロッパー」
- ビルを中心に手掛ける場合:「ビルデベロッパー」
- さまざまな種類の開発を手掛ける場合:「総合デベロッパー」
- Q「開発」とは、大規模なものだけを指す?
- A
実際には、小規模なものから大規模なものまで、さまざまな規模の開発があります。
しかし一般には、「開発=大規模なもの」というイメージを持つ方は少なくありません。この背景にはまず、大規模商業施設や大型再開発といった大規模プロジェクトが世間の注目を集めやすいことが挙げられます。
また都市計画法上、一定の規模・種類の建築工事には、「開発許可」が必要となるため、「開発=開発許可が必要となる開発行為のみ」と誤認している方もいるようです。
開発の種類や規模感については、後の段落で詳しく解説します。
- Q「小規模開発」と「建築」の違いは?
- A
「社会的・経済的な価値を生み出すことに重きを置いているかどうか」の違いです。
土地を仕入れて、どんな建物を建てるのか、建物を通してどのような価値を生み出すのか、という一連の企画(プロデュース行為)を重視して考えられたプロジェクトが「開発」です。
リノベーションの場合も、新たな価値を生み出すことを重視してプロデュースされている場合には「再生開発」となりますが、キレイに使いやすくすることが主目的であれば開発とは呼びません。
「開発」にあたる例
・新しい価値を生み出すことを重視したプロジェクト
(新築orリノベーション、規模の大小は問わない)「建築」にあたる例
・自分が住む or 使用するために建てる場合
・古くなった建物を、同じ用途でリノベーション or 建て替える場合
不動産流通(賃貸仲介・売買仲介など)

土地や建物を「売買したい人・買いたい人」、または「貸したい人・借りたい人」の間に入り、条件を調整して契約を成立させる業種です。
物件種別を問わず、顧客が個人 or 法人のいずれであっても、以下のような業務は、すべて「仲介」となります。
- 賃貸マンションオーナーに依頼され、入居者を探す
- 土地を売りたい人に依頼され、買い手を探す
- 貸店舗を探している人に、店舗用物件を紹介する
街で見かける「不動産屋さん」は、仲介が多いので、不動産業=流通(仲介)のイメージを持っている方もいるでしょう。漫画・ドラマの『正直不動産』で、主人公たちが行っているのも不動産仲介です。
また、以下のような事業も「流通」の一形態です。
- リーシング:特に投資用物件の賃貸で、マーケティング・収益最大化に重点を置いたものを指します。
- 買取再販:築古物件などを買って、リフォーム・リノベーションを行い、販売します。
- 販売代理:売主から依頼を受けて代理営業を行います。
一例を挙げると、新築マンションで、売主(開発会社)が子会社にモデルルームでの接客営業を委託しているケースでは、子会社が「販売代理」となります。
不動産管理

不動産管理会社とは、不動産オーナーから委託を受け、住宅・オフィスビル・商業施設などの運営管理を行う会社です。
「管理」という言葉から、清掃・修繕・警備などの維持管理業務をイメージされがちですが、これらは業務の一部に過ぎません。
(維持管理の実務については、清掃会社・ビルメンテナンス会社・警備会社などの各専門業者に委託し、管理会社は統括・ディレクションする立場を担うケースが一般的です。)
管理会社の業務の中心は、建物だけでなく「入居者」と「収益」を含めた不動産運営全体を支えることにあります。
具体的には、以下のような業務を行います。
- 入居者募集
- 契約管理
- 家賃の集金・督促
- 賃料改定や更新交渉
- 入居者からの問い合わせ・トラブル対応
- 修繕計画の立案
- オーナーへの収支報告・提案
これらは流通(仲介)と重なる部分もあるため、「流通×管理」を事業としている会社も珍しくありません。
また、投資用不動産では、単なる維持管理ではなく「収益最大化」を重視した運営が求められます。このような業務は特に「プロパティマネジメント(PM)」と呼ばれ、空室対策や賃料戦略、テナント構成の最適化など、マーケティングや経営視点を含む運営管理が行われます。
不動産賃貸(物件所有)

不動産オーナーです。自分の持っている物件(住宅・ビル・土地など)を貸し出し、賃料収入を得る立場です。
アパート1棟を所有する「個人の大家さん」から、丸の内一帯のオフィスビル・商業施設を所有している「三菱地所」まで、さまざまな規模の不動産オーナーが存在します。
不動産を通して得られる利益について語られる際には「不動産投資家・不動産投資会社」、所有不動産の活用や保全に関して語られる際は「地主・家主」と、シーンに応じて呼び分けられることもあります。
ちなみにホテルや民泊として部屋を貸し出すものは「旅館業」であり、不動産賃貸業には含みません。
デベロッパーは、どんな物件を開発する? 「種類×規模」ごとに解説
デベロッパーが開発する物件は、大きく以下の3種類に分けられます。
- 住宅(マンション・戸建てなど)
- ビル(店舗・オフィスなど)
- その他の施設(ホテル・リゾート施設・物流施設・データセンターなど)

すべての種類の開発を手掛けている会社は「総合デベロッパー」、特定分野に強みを持つ会社は「専門デベロッパー」と分類されます。
専門デベロッパーは、それぞれ中核事業としているジャンルと組み合わせて、「マンションデベロッパー」「ビルデベロッパー」のように呼ばれることもあります。
また、不動産開発には、さまざまな規模のものがあります。

それでは種類×規模ごとに、例を挙げながら解説します。
住宅開発
総合デベロッパーが住宅を開発するケースや、「マンションデベロッパー」「戸建てデベロッパー」などの専門デベロッパーが手掛けるケースがあります。
住宅全般を手掛ける場合は「住居系デベロッパー」や「レジデンス(Residence)系デベロッパー」と呼ばれます。
住宅開発 × 小規模
一般的な分譲住宅(いわゆる建売住宅)や、単身者向けアパートが該当します。

イメージ画像|分譲住宅、単身者向けアパート
(出典:Photo AC)
住宅開発 × 中規模
ファミリー向けアパートや、コンパクトなマンションが該当します。
また分譲住宅で数戸を一体として開発しているケースも、このサイズになってきます。

イメージ画像|コンパクトマンション、ファミリー向けアパート
(出典:レリアモード豪徳寺|株式会社トラスト・ファイブ、Photo AC)
住宅開発 × 大規模
一般的なマンションやタワーマンション、戸建てであれば分譲住宅街が該当します。

イメージ画像|マンション、分譲住宅街
(出典:レリア和光、レリアシーズン志木幸町|株式会社トラスト・ファイブ)
住宅開発 × 超大規模
1棟で開発されるケースは少なく、多くは「複数棟からなるマンション」です。
また住宅のみではなく「敷地内に商業店舗のあるマンション」「下層階が商業施設になったタワーマンション」のように、複合用途で開発されるケースも多く見られます。

イメージ画像|大規模マンション、タワーマンション
(出典:Photo AC)
ビル開発
店舗ビルやオフィスビルの開発です。
店舗が入ることを想定して建てられたビルは「店舗ビル」や「テナントビル」、オフィスの場合は「オフィスビル」と呼ばれます。
また複合用途(=複数の用途を兼ね備えた)ビルは「複合ビル」と呼ばれ、その中でも「店舗+オフィス」の場合は「商業ビル」と呼ばれることもあります。
複合用途のビルを指す言葉として、「雑居ビル」もあります。
しかし「雑居ビル」は報道シーンを通して広まった言葉のため、《事件・事故の現場》のイメージと結びつきやすく、不動産業界ではあまり使用されません。
ビル開発 × 小規模
総合デベロッパーが小規模ビルを開発する例はあまりなく、専門デベロッパーが活躍しています。
フロア面積でいうと、商店街の中にある個人店ほどの広さの店舗となります。
イメージしやすいように、1フロアに入るテナントの例を挙げてみます。
もちろんここに挙げた業種でも、より大規模な店舗で営業しているケースも存在します。

イメージ画像|小規模ビル
(出典:コレタス吉祥寺Ⅱ、コレタス阿佐ヶ谷|株式会社トラスト・ファイブ)
小規模ビル開発の例 (ブランド名 or 物件名/開発会社)
- コレタス シリーズ/トラスト・ファイブ
- DEAR HILLS シリーズ/Yours
- VORT シリーズ/ボルテックス
- グランプラス・白金台(再生開発)など/LOOPLACE
ビル開発 × 中規模
専門デベロッパーが手がける開発のほか、総合デベロッパーが実験的・先進的な開発として手がけるケースが見受けられます。
こちらもイメージしやすいように、1フロアに入るテナントの例を挙げておきます。
もちろんここに挙げた業種でも、より大規模なケース・より小規模なケースの双方が存在しますし、小規模ビルで複数フロアを使用して営業するケースもあります。

イメージ画像|中規模オフィスビル、中規模商業ビル
(出典:日鉄興和不動産のプレスリリース /『ユニクロ中延駅前店』編集部撮影)
中規模ビル開発の例 (ブランド名 or 物件名/開発会社)
- PMO シリーズ/野村不動産
- PREX シリーズ/住友商事
- BIZCORE シリーズ/日鉄興和不動産
- S-GATE シリーズ/サンケイビル
- REVZO シリーズ/中央日本土地建物
- ECLINE(再生開発)/リアルゲイト
ビル開発 × 大規模
総合スーパーやデパート、ショッピングモール、大規模オフィスビルが該当します。
総合デベロッパーや、ショッピングモールの専門デベロッパーが活躍する規模感です。

イメージ画像|大規模オフィスビル、大規模商業ビル
(丸ビル、福岡PARCO/出典:Photo AC)
この規模になると知名度が高いため、不動産業界に詳しくない方でも名前を聞いたことがあるビル・商業施設になるのではないでしょうか。
大規模ビル開発の例 (ブランド名 or 物件名/開発会社)
- 丸の内ビルディング(丸ビル)/三菱地所
- 東京日本橋タワー/住友不動産
- COREDO室町/三井不動産
- 渋谷ヒカリエ、キュープラザシリーズ/東急不動産
- 御茶ノ水ソラシティ/ヒューリック
- イオンモール/イオンモール株式会社
- PARCO/株式会社パルコ
※イオンモールやPARCOについては、「超大規模」も存在します。
ビル開発 × 超大規模
オフィス単体で開発される例はほとんどありません。店舗としては、イオンレイクタウンのように超大規模の商業施設として開発されることがあります。
「オフィス+商業施設」や、さらに「+住宅」「+ホテル」などを加えた複合施設となることも多いです。また、複数棟の一体開発となっているケースも多く見られます。
※この規模になると「ビル」よりも「施設」と呼ばれます。
都市近郊でこの規模の開発ができる土地は限られており、一般的には「再開発」の形になります。

イメージ画像|超大規模複合施設
(東京ミッドタウン八重洲、六本木ヒルズ/出典:Photo AC)
超大規模ビル開発の例 (ブランド名 or 物件名/開発会社)
- 東京ミッドタウン、ららぽーと/三井不動産
- MARK IS/三菱地所
- ヒルズ(六本木ヒルズなど)/森ビル
- Shibuya Sakura Stage、二子玉川ライズ/東急不動産
- イオンレイクタウン/イオンモール株式会社
その他の施設開発
住宅やビル以外にも、以下のような施設の開発が行われています。
- 宿泊施設(ホテルなど)
- 物流施設
- データセンター
物流施設やデータセンターのうち、自社で使用することを主目的とした施設は、一般的に「開発」とは呼ばれません。(住宅開発において、注文住宅は「開発」に含まないのと同様です。)
施設開発 × 小規模
宿泊施設では、簡易ホテル(ホステル、ドミトリー、カプセルホテルなど)や、戸建てをリノベーションした宿泊施設などが開発されています。
物流施設では、宅配便ロッカー(PUDOステーションなど)の規模感が該当しますが、この場合は「設置」と表現することが一般的です。
同様にデータセンターでは、マイクロデータセンターと呼ばれるものがこの規模感ですが、こちらも「設置」が一般的です。

イメージ画像|ホステル
(出典:『ファザーランド浅草』株式会社トラスト・ファイブ)
施設開発 × 中規模
都市型の小型施設が該当します。
※開発としては「中規模」の敷地面積ですが、施設開発としては「小型」とされるサイズ感になります。
宿泊施設では、都市型の小型ホテルが開発されています。
物流施設では、都市部でクイックコマース(即時配送)の拠点となる倉庫(=ダークストア)が該当する規模感ですが、これは「拠点開設」と表現することが一般的です。
データセンターとしては都市型通信拠点(=エッジデータセンター)が、都心部のオフィスビルの建替えや改修により開発されています。たとえば、「ヒューリック日本橋センター(TYO7)/ヒューリックとデジタルエッジ・ジャパンの共同開発」や、「HUBWAY®︎/MiTASUN(大林組の子会社)」などです。
また生活者の目に触れやすい施設としては、コンテナ型トランクルームも、この敷地面積で開発されることが多いです。

イメージ画像|小型ホテル、コンテナ型トランクルーム
(出典:『ファザーランド浅草Ⅱ』株式会社トラスト・ファイブ、Photo AC)
施設開発 × 大規模
宿泊施設ではビジネスホテルや比較的小さなシティホテルなどの開発が行われています。
物流施設としては、「プロロジスアーバンシリーズ/プロロジス」のように、ラストワンマイルの配送拠点に特化した都市型物流施設の開発が行われています。
データセンターでは、「DPDC品川港南サイト/大和ハウス工業」のように、大規模ビル型のものが開発されています。
施設開発 × 超大規模
施設開発ではボリュームゾーンとなる規模感です。
※この記事では「3000坪(1万㎡)以上」を超大規模としていますが、施設開発においては数万㎡を超えるものも珍しくありません。
宿泊施設では、シティホテル、リゾートホテルなどの多くのホテル。
物流施設では、「マルチテナント型ロジスティクスセンター」と呼ばれる超大規模な施設が開発されています。物流施設の専門デベロッパーのほか、「MFLP/三井不動産」「ロジクロス/三菱地所」のように総合デベロッパー各社も開発を行っています。
データセンターは、「ハイパースケール・データセンター」と呼ばれるタイプのものがあります。近年はさらに大型化が進んでおり、メガソーラーなどの再生可能エネルギー施設を併設したデータセンターも開発されています。

イメージ画像|大規模物流施設、リゾートホテル(出典:Photo AC)
ここまで見てきたように、不動産業界と一口に言っても、「開発・流通・管理・賃貸」とその役割は大きく異なります。
そして「開発(デベロッパー)」が手がける物件には、住宅・ビル・その他施設といった種別があり、それぞれ小規模から超大規模まで多様です。
私たち「株式会社トラスト・ファイブ」は、その中でも「小規模商業ビル開発」に特化したデベロッパーです。
誰もが名前を知る大型施設を手がける総合デベロッパーではありませんが、小規模ながらも価値を生み出す、地域に根ざした開発を行っています。
私たちの小規模ビル開発について興味を持ってくださった方は、「トラスト・ファイブの開発実績」もご覧ください。


