支援物資が届けられるのは災害が発生してから、早くて3日程度と言われています。また、支援物資で生理用品が配布されたとしても、配られる個数に制限や限りがある場合も。
そのため、避難所で生理になったとしても、必ずしも生理用品を十分に入手できるとは限りません。また、生理用品をしっかり用意していたとしても、長期化した避難所生活で切らしてしまう場合もありますよね。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関するQ&Aに回答していきます!
今回は「避難所で役立つ生理用品」に関してです。
長期化する避難所生活でも役立つ生理用品や衛生用品を紹介します。一般的な生理用品にプラスして、今回紹介する商品もぜひ準備してみてくださいね。
質問:避難所で役立つ生理用品を教えて下さい!
避難所で生理になってしまったら、きっと気を遣うことがいろいろありますよね。私は非常用持ち出し袋に入れる生理用品として、何度も使える「エヴァカップ」を用意しています。
便利グッズがほかにもあれば教えてください!
ただでさえ不安な避難所生活の中で、生理になってしまうとさらに不安が増えそうですよね。
できるだけ不安を取り除くためにも、避難所生活で役立つ生理用品を教えてもらいましょう!
回答:避難所で役立つ生理用品・衛生用品6選
災害時に備えて、非常持ち出し袋の中に生理用ナプキンやタンポンを用意している方は多いでしょう。また、質問者の方のように、何度も使いまわしができて切らすことのない、エヴァカップなどの月経カップを用意しておくのもいいですね。
しかし、避難生活が長期化すると用意している生理用品で大丈夫なのかということや、男性の目がある中で気を遣うなど、色々不安に思う方もいるのではないでしょうか。
そんな不安を取り除き、避難所で生理になってもできるだけ困らないように準備したいですね。そのため、次のような生理用品・衛生用品を生理用ナプキンやタンポンと合わせて準備しておくことをおすすめします。
おすすめ生理用品1 月経カップ
エヴァカップなどの月経カップは何度も使えるのが魅力。
お手入れグッズも併せて用意しておきましょう。
月経カップの名前は知っているけど、実際に使ったことがないため詳しくは知らないという方もいるでしょう。
月経カップとは、シリコン製カップを膣の中に直接入れて経血を貯めるカップのこと。タンポンのカップバージョンと言えばわかりやすいかもしれませんね。
医療用シリコンなど身体への安全を考えた素材でできており、月経が少ない場合には最長12時間程度使い続けられるものもあります。
月経カップは何度も使いまわしができるため出費を抑えられ、かぶれ・むれ・ニオイが気にならないなどのメリットがあります。丁寧に利用すれば最長でも10年程度使い続けられる商品もあるため、生理用ナプキンなどの消耗品とは違い切らしてしまうという問題がありませんね。
しかし、メリットがある一方でデメリットも。月経カップは感染症などデリケートゾーンのトラブルを防ぐためにも、生理サイクルごとに煮沸消毒を行ったり、毎日の使用後は水や石鹸でキレイに洗ったりと、お手入れに一手間かかります。
普段の生活であれば、なんら問題のないことですが、災害時にきれいな水や石鹸を確保し、煮沸消毒できる環境が必ずあるとは限りませんね。
そのため、月経カップを用意する場合は水・石鹸または月経カップ用の洗浄剤など、お手入れに必要なものも合わせて用意しておく必要があります。お手入れの方法に関しては、商品ごとに異なる場合があるため、購入した月経カップの使用方法をしっかり確認してください。
また、月経カップは平常時に事前に使用して使い方を覚えておく必要があります。いざというときにうまく使えなかったり、自分の体質には合っていない可能性が考えられるためです。
詳しいエヴァカップの洗い方はこちらを確認! 月経カップのお手入れは面倒? いいえ、簡単です! | インテグロ株式会社 |
おすすめ生理用品2 布ナプキン
見た目がハンカチのような布ナプキンなら、避難所でも洗濯しやすいです
布ナプキンも何度も使いまわしが可能な生理用品です。しかし、こちらも月経カップ同様に、使用後はお手入れが必要なことが、災害時にはデメリットに。
布ナプキンを用意する場合は、お手入れに必要な道具も合わせて用意してくださいね。お手入れには、ぬるま湯・水・洗剤などを用いて、もみ洗いやつけ置きなどが必要です。
しかし、布ナプキンはハンカチのような見た目のため、男性の目がある避難所でも抵抗なく洗濯しやすいといったメリットもあります。
また、月経カップ同様に、事前に普段の生活で使用し、使い方に慣れておく必要があることに留意してください。
布ナプキンの洗い方はこちらを確認!(一例です) 簡単3ステップ!布ナプキンの洗い方|nunonaの布ナプキン |
おすすめ生理用品3 デリケートゾーン用ウェットシート
ウェットシートは、お風呂に入れないときに役立ちます。
災害時は、ライフラインが断絶する可能性があるため、必ずしもお風呂に入れるとは限りません。そのため、生理中でもデリケートゾーンを十分に洗えない可能性がありますね。
災害時でもデリケートゾーンを清潔に保てるように、デリケートゾーン用のウェットシートを用意しておきましょう。また、ウェットシートを利用することで生理中の不快感や、ニオイもスッキリできますね。
おすすめ生理用品4 パンティライナー
パンティーライナーは、取り換えに便利なタイプだとより快適。
パンティーライナー(おりものシート)は、おりものが多いときや生理の終わりかけなど、下着の汚れを防ぐために役立ちます。
災害時は下着を洗濯できなかったり、予備の下着を確保できず取り替えられなかったりする可能性もあります。そのためパンティーライナーは、災害時に下着を変えずともシートを取り替えるだけで、デリケートゾーンを清潔に保てるため大変便利です。
おすすめ生理用品5 携帯用ビデ
万全を期すなら、ビデもあると安心です。
災害時にお風呂に入れないことなどでデリケートゾーンを清潔に保てず、膀胱炎や膣炎などを引き起こす可能性があります。
そのため、デリケートゾーンを洗浄できる携帯用ビデを備えておくこともおすすめです。ジェルタイプとシャワータイプがあるため、事前に使用して自分に合う商品を用意してくださいね。
おすすめ生理用品6 ペーパーショーツ(紙パンツ)
洗濯できないときには、使い捨てできるペーパーショーツが役立ちます。
災害時は水の確保が十分にできるとは限らず、生理で下着が汚れてしまってもすぐに洗濯できない場合がありますね。そのため、使い捨てのペーパーショーツを備えておくこともおすすめです。
避難所で生理になっても困らないためのその他の準備
避難所生活で役立つ生理用品や衛生用品と一緒に、次のようなものも合わせて用意しておくといいでしょう。
生理用品用のミニポーチの準備
避難所では男性の目もあるため、生理用品を持ち歩きにくい場合がありますね。そのため、非常用持ち出し袋(防災リュック)の中には、生理用品を隠すためのミニポーチ・風呂敷なども合わせて用意しておきましょう。
生理用品を使い終わったあとの処理の準備
生理用用品を使い終わったあと、処理しやすいようにビニール袋も合わせて用意しておくといいです。
ニオイが気になるという場合は消臭袋を用意したり、周りの目が気にならないように中身が見えない黒色タイプのビニール袋を用意したりするのがおすすめ。
簡易ナプキンの作り方を覚えておこう
避難所生活が長期化したり、支援物資の生理用ナプキンが確保できなかったりと、生理の際に困らないように、簡易ナプキンの作り方も覚えておくことも大切です。
ハンカチ・タオルなどの布と、テッシュペーパーやキッチンペーパーなど身近なもので代用が可能です。
過去の記事では、簡易ナプキンの詳しい作り方も紹介していますので、合わせてご覧ください!
生理用ナプキンとは違い何度も使い回せるものや、水が使えない災害時でもデリケートゾーンをきれいに保てるものなど、避難所生活で大きく役立つものがあることをご理解いただけたでしょう。
しかし、今回ご紹介したものはいずれも平常時に事前に使い方の確認や、自分の身体に合っているのかを確かめておく必要があるものが多いため、準備する際には注意してくださいね。
また、避難所でのトイレ・お風呂問題や、性被害に関しても過去記事で紹介しています。万が一避難所生活を送ることになった場合でも、できるだけ快適に過ごし危険を避けるためにも、今回の記事と合わせて確認してみてくださいね。