自宅でしっかり対策を行っていたとしても、ときにはマンション・アパートの隣家から火事が発生し延焼による被害を受けてしまう可能性もありますよね。そんな、もし火事の被害にあってしまった際、みなさんは何を持ち出して避難しますか?
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「火事で持ち出すもの」に関して紹介します。火事の際には、パニックになり冷静な判断ができない可能性が高いと考えられます。そんな際でも、素早く必要なものを持ち出し避難できるよう、火事の際に最低限持ち出したほうがよいものを事前に知っておきましょう。
質問:火事のとき何を持って逃げるべき?
マンション・アパートの別の部屋が火事になった場合、何を持って逃げるべきですか?
持ち出したいものを全部持って逃げるとなると、逃げ遅れる可能性もありますよね。
では最低限何を持って逃げるべきなのか、紹介してもらいましょう!
回答:火事のときに持って逃げるべきもの4選
火事のときまずは持ち出すものを考えるのではなく、一番優先すべきは自分の命です。
しかし、火事の際に何も持たずに逃げたことでその後困ったという声も少なくありません。また、火事という危険な状況下で、冷静な判断ができず持ち出す必要性が低いものまで持ち出してしまうという声も。
そのため、火事の後に困らないよう、無駄なものを持ち出すことで逃げ遅れないよう、素早く持ち出せることを前提とするのであれば、最低でも次のような4つのものを持って逃げるといいでしょう。
スマホ
スマホは、無事火事から避難したあとに家族や友人に連絡をするのに欠かせないものです。
火事で自宅が焼失してしまった場合、その後どう生活すればいいのか困ってしまいますよね。自治体によっては、住む場所の支援を行ってくれる場合もありますが、自身でホテルなどを手配しなければならない場合もあります。
もし、自治体からの支援を受けられないとなった際に、住む場所や今後のことに困らないためにも、手助けしてくれる家族・友人・会社の同僚などに連絡を取れるスマホは欠かせません。
また、いざという時に充電切れとならないためにも、スマホは普段から充電しておくことを心がけましょう。
財布
火災保険への加入は任意ですが、ほとんどの賃貸住宅で契約時に火災保険への加入が必須となっています。そのため、火災保険に加入しており条件に合致していれば、保険金を受け取れる可能性があるでしょう。しかし、保険金を受け取れるのは火事の後日です。
着の身着のまま逃げ出し、お金がない状態では保険金が入るまでの数日、生活に困る可能性がありますよね。生活する場所がないのであればホテル代、替えの衣類代、飲食代などさまざまな費用が考えられます。
火事の後、困らないためにも財布の持ち出しは最低限必要です。また、いつでも持ち出しやすいように、普段から決めた場所や手に取りやすい場所に置いておくことをおすすめします。
身分証明証
火事の際に、絶対に持ち出したいものとして「通帳・印鑑」を上げる人も多いでしょう。しかし、身分証明証さえあれば、通帳は再発行が可能であり、印鑑も改印が可能です。そのため、実は「通帳・印鑑」は持ち出すものとしては優先度が低く、身分証明証さえ持ち出しておけば問題ないのです。
また、支援金など各種手続きで身分証明証は必要になるため、普段から財布とセットでいつでも持ち出せるようにしておきましょう。
ハンカチ・タオル
ハンカチやタオルは火事から避難する際に必要なアイテムです。逃げる際にハンカチやタオルを鼻や口に当て低い姿勢で避難することで、有毒ガスを吸い込むリスクを低減できます。
しかし、ハンカチやタオルは万が一持ち出せなかったとしても、服の袖口や上着など他の布製で代用できます。そのため、他のものよりも持ち出す優先度は低いです。
火事のときに注意すべきこと
火事のときに注意すべきことを紹介していきます。
一番優先すべきは自分の命
まずは何よりも一番優先すべきは「自分の命」です。火事で燃えてしまったら二度と手に入らない、大切なものを絶対に持ち出したいという人も多いでしょう。しかし、一刻を争う状況下ではときには諦めなければいけない場合もあります。
火事になった際に大切な命を失わないためにも、例えば思い出の詰まったアルバムであれば、写真はすべてデータにしスマホやクラウドサービスに入れておくなどの対策も考えられます。
また、耐火金庫を用意し、火事の際に大切なものや重くて持ち出せないものをその中に入れておくことで、火事で燃えないよう対策も取れます。
忘れ物に気がついても絶対に引き返さない
持ち出し忘れたものに気がついたとしても、絶対に引き返さないようにしてください。引き返した際に、扉や窓を開けることにより空気が流入し、爆発的な燃焼現象を起こす「バックドラフト現象」などを引き起こす可能性があります。
また、室内の限られた場所で火の手が上がっていたとしても、短期間で一気に部屋の全域に火が拡大する「フラッシュオーバー現象」などが起こる危険性も。そのため、過去の火事では避難した後に、引き換えしたことにより犠牲になった人も少なくありません。
もし火事にあった際に、どのような補償を受けられるのか把握するためにも、事前に加入している火災保険の内容を確認しておくことをおすすめします。また、迷わず素早く逃げるためにも、火事の際に持ち出すものを明確に決めておき、普段から手に取りやすい場所にそれらを置いておきましょう。
過去の記事では、家庭用消火器に関する記事も紹介しています。もし火事が発生した際に、初期消火が行えるようぜひ消火器を室内に一つ設置しておくこともおすすめします。
また、最低限のものを詰めた「非常用持ち出し袋」が事前に用意できていれば、火事の際にも役立ちますよ。火事になってから用意していては遅いので、日頃から準備しておきましょう。