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防災リュックに、水は何リットル入れる?3.11経験者が備えているのは…

防災
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執筆者
防災士・大沢しの

東日本大震災の際は宮城で被災し、避難生活を送った経験から、2025年に防災士資格を取得。実体験に基づいた防災情報を発信しています。

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防災リュックを備えているけれど、「水を十分に入れようと思うと重すぎる」と感じている方も多いのではないでしょうか?

こんにちは、株式会社トラスト・ファイブが運営するビル・土地の記事メディア担当の大沢しのです。不動産とは切り離せない「防災」に関する情報を、被災経験をもつ防災士の立場から発信しています。

私は、東日本大震災を宮城県の自宅アパートで経験しました。今回の記事は、震災後、親戚の家まで歩いて避難をした経験を踏まえて、防災リュック(非常用持ち出し袋)に入れる水はどれくらいがいいかご紹介します。

突然やってくる災害時に備えられるよう最後までご覧くださいね。

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【質問】防災リュックに入れる水はどれくらい?

防災リュックに入れる水は1.5リットルから2リットル | 筆者撮影

災害時に備えて水を3日分用意するべき、と言われていますよね。
でも3日分の水を全て防災リュック(非常用持ち出し袋)に入れたら、重すぎて避難所まで持って行けないと感じます。防災リュックにはどのくらい入れればよいでしょうか?

【回答】防災リュックに入れるなら、1.5リットルから2リットルです

災害時に備えた備蓄品の水は「1日3リットルを3日分」と言われていますが、これは自宅に備蓄しておく量です。

また「1日3リットル」には調理する際のお水も含まれています。防災リュックにはレトルト食品など水分を含む食品も入れるでしょうから、ペットボトルで「防災リュックに入れる水」は1.5リットルから2リットルほどがよいでしょう。

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東日本大震災を経験した防災士が考える、具体的な「防災リュックの水」の備え方

必要な水の量は把握できても、実際に防災リュックへ入れてみると、その重さに驚きますよね。いざというとき背負って動けなくなるようでは本末転倒です。

ここでは、重さという観点から防災リュックに備える水の量を考えていきます。

防災リュック、何キロまでなら持てる?

防災リュックを用意するとき、「何を入れるか」と同じくらい大切なのが「何キロまで背負えるか」という視点です。

どんなに完璧な中身を揃えても、重くて持って逃げられなければ意味がありません。

重いものを運ぶときの、重さの指針

それでは、何kgまでなら持って逃げることができのでしょうか?

防災リュックの重さとしての一般的な基準で、重さを示したガイドラインは見当たりません。

いろいろと調べた結果、仕事として重量物を運ぶ場合の基準として、労働基準法・女性労働基準規則(厚生労働省)には次のような制限があるのを見つけました。

対象断続作業(1〜数回)継続作業(長時間)
成人女性(18歳以上)30kg未満20kg未満
成人男性(18歳以上)体重の40%以下が目安体重の40%以下
若年女性(16〜18歳未満)25kg未満15kg未満
出典:厚生労働省(女性労働基準規則)
https://www.mhlw.go.jp/index.html
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73031000

しかし、これはあくまで仕事として運ぶ場合に関する基準です。

避難時にあてはまるものではありません。

避難中は通常時とは異なり、足元が不安定だったり、階段しか使えなかったり、長距離を歩いたりするかもしれません。

火災や津波が迫っていて、走らなければいけないこともあるでしょう。

心身の体調が万全とも限りません。

「重量物を運ぶ場合の基準」の数字はあまり参考にせず、必ず一度背負って、できれば避難所までの道を歩いて、「自分の背負える重さ」を確かめてみてくださいね。

2リットルの水を入れて背負ってみたら

実際に私が備えている500mlのペットボトル4本(2リットル)を入れて背負ってみました。

バランスが悪いうえ、肩にずっしりと重みがありました。もちろん水以外のものも防災リュックに入っているので、総重量で約6kgです。

これ以上重いと長時間歩くのは困難だと感じました。

避難時、道路が歩きにくい可能性も

災害時、防災リュックが必要になるシチュエーションであれば、自宅が危険であることが考えられますよね。まずは逃げることが優先です。

交通機関がストップしていることが予想されるため、避難先までは徒歩で行かなければいけません。

私が経験した東日本大震災では、あちこちで道路の隆起やひび割れがありました。
そんな中を徒歩で親戚の家付近まで向かいました。寒いし、道路はデコボコだし、とても疲れた記憶があります。

豪雨や台風による避難であれば、雨や風が強い中を歩かなくてはなりません。震災のときとは歩きにくさの種類が違うでしょうが、普段のようには歩けないでしょう。

また、普段は問題なく歩ける距離の避難先であっても、場合によっては、いつもの道が通れず遠回りをしなくてはいけないことも考えられます。防災リュックは軽さがとても重要です。

家族で避難するとき、水をどう分担して持つ?

防災リュックに入れる水は、歩いて運べる重さを前提に考えるのが現実的です。

家族と一緒に避難する場合は、誰がどれだけの水を担当するかを事前に決めておくと安心です。

たとえば、小学生のお子さんと保護者2名で避難する場合、お子さんのリュックには500mlを1〜2本だけ入れて、残りは保護者が持つのが現実的です。

こうした現実的な分担方法について、公的機関による統一基準はありません。

しかし目安があったほうが考えやすいと思うので、私からは以下のように提案させていただきます。

対象防災リュックへの目安ポイント
成人1.5から2L
(500ml×3〜4本)
重さとバランスを優先
子ども(小学生以下)0.5〜1L
(500ml×1〜2本)
本人のリュックに少量、残りは大人が分担
高齢者1〜1.5L
(500ml×2〜3本)
リュック全体を軽くすることを最優先に
乳幼児保護者のリュックに0.5〜1Lを追加ミルク用途も想定して多めに

家族の体力・体格・避難距離などによって必要量は変わります。最終的にはご家族で実際に背負って判断してください。

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東日本大震災を経験した防災士がリュックに備えているもの

備えの基準として、まず国が推奨する「非常用持ち出しバック」の中身をみてみましょう。ただ、正直なところ、これをすべて揃えると相当な重さになり、現実的ではないと感じます。

首相官邸が推奨する「非常用持ち出しバッグ」の中身

参考までに国が推奨する防災リュック(非常用持ち出し袋)の中身のリストです。

  • 食品(ご飯(アルファ米など)、レトルト食品、ビスケット、チョコ、乾パンなど:最低限3日分の用意)
  • 防災用ヘルメット
  • 衣類・下着
  • レインウェア
  • 紐なしのズック靴
  • 懐中電灯
  • 携帯ラジオ
  • 予備電池・携帯充電器
  • マッチ・ろうそく
  • 救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
  • 使い捨てカイロ
  • ブランケット
  • 軍手
  • 洗面用具・歯ブラシ
  • タオル
  • ペン・ノート
  • マスク
  • 手指消毒用アルコール
  • 石けん・ハンドソープ
  • ウェットティッシュ
  • 体温計
  • 貴重品(通帳、現金、パスポート、運転免許証、病院の診察券、マイナンバーカードなど)

出典:首相官邸(災害の備えチェックリスト)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html#c3

私が防災リュックに備えているものリスト

東日本大震災の経験者が備えている水は2リットル | 筆者撮影

続いて、震災を経験した私が防災リュック(非常用持ち出し袋)に備えているものを紹介します。

私が防災リュックに備えているものリスト

震災を経験した私が防災リュック(非常用持ち出し袋)に備えているものを紹介します。

  • 飲料水500mlのペットボトルを4本
  • 固形のタオル
  • アルミシート
  • 非常食
  • 衛生用品(マウスウォッシュ、洗面用具など)
  • 1泊分の着替え

また、常に持ち歩くバッグで携帯している防災グッズ(防災ポーチ)は以下の通りです。

  • 小銭
  • ウェットテッシュ
  • 固形タオル
  • ボールペン
  • 絆創膏と鎮痛剤
  • ペーパーソープ
  • ナプキン
  • アルミシート
  • ぶどう糖
  • アルミの袋(ゴミ袋として使用)
  • ホイッスル

本当に最低限ではありますが、備えていて損はないと感じています。いざ地震に遭遇したあとは、必要なものを取りまとめる気持ちの余裕がなくなるからです。

実際、私が東日本大震災の際に持ち出せたものは、普段使いの通勤バック(財布や化粧ポーチが入ったもの)のみでした。

経験したことのない揺れに冷静さをなくしており、水や非常食、着替えなどを持って行くことには考えが及びませんでした。当時は在宅避難をさせてもらえる親戚の家が近かったことが不幸中の幸いでした。

個人によって必要なものは違うかもしれません。
無理なく背負える重さにすることが大前提ですが、それぞれ必要なものを備えましょうね。

Q
防災リュックに入れる水は何リットル?
A

防災リュックに入れる水は1.5リットルから2リットルでよいと思います。1日3リットルの中には調理をするための水も含まれているため、災害時に避難するときは「飲むための量」と考えればよいでしょう。

水は重いため、多くを持って移動することは困難です。
避難の際は足場の悪いことも想定されますし、長時間徒歩での移動が必要になるかもしれません。走って逃げなくてはいけない場面もあるでしょう。必要最低限の量を入れて、できるだけ軽く体に負担がないようにしましょう。

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