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【体験談】防災グッズでいらなかったものは?東日本大震災の実情を防災士が紹介

防災
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執筆者
防災士・大沢しの

東日本大震災の際は宮城で被災し、避難生活を送った経験から、2025年に防災士資格を取得。実体験に基づいた防災情報を発信しています。

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防災グッズを備えておこうと思っているけれど、たくさんありすぎて本当に必要なグッズは何なのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

こんにちは、株式会社トラスト・ファイブが運営するビル・土地の記事メディア担当の大沢しのです。

不動産とは切り離せない「防災」に関する情報を、被災経験を持つ防災士の立場から発信しています。

私は東日本大震災を宮城県の自宅アパートで経験しました。震災後は外出先で何が起きてもいいように、防災ポーチを持ち歩いています。

この記事では、震災後ライフラインが止まり不便な生活を体験した経験から「防災グッズでいらなかったもの」を紹介します。

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【質問】防災グッズでいらなかったものはありますか?

防災グッズは種類が豊富で、何が「本当に必要なもの」か悩んでしまいます。

むだなものを購入しないよう、参考にしたいので、防災グッズでいらないと思うものを教えてください。

【回答】東日本大震災の際、いらなかったのは…

一般的な防災グッズのリストに入っていることが多いものでも、実際に東日本大震災で被災した際に「いらなかった」と感じたものはあります。
具体的には、「乾パン、ナイフ、ロープ、マッチ・ろうそく、手回し式グッズ(手回しラジオや手回し懐中電灯)」です。

東日本大震災が起きた時、私は自宅アパートにいました。

今までに体験したことがない揺れの大きさと、揺れている時間の長さに恐怖しかありませんでした。一旦揺れがおさまり、部屋の中を見てみると、食器棚からはお皿が落ちて散乱していたり、飾っていたインテリア類が落ちていたりしました。

部屋の惨状から暮らせる状態ではありませんでしたが、それ以上に、電気が止まったことで真っ暗な夜を過ごさなければいけない恐怖が強くありました。
そこで一番近くに住んでいた親戚に連絡をとり、ライフラインが復活するまで避難させてもらうことにしました。

親戚家族と一緒に過ごしたことで、電気、ガス、水道が使えないことの不便さはあるものの、恐怖は半減できました。

私が住んでいたアパートの電気が復旧したのは7日後でした。ガス、水道も使用できるようになり、避難生活を終えることができました。

このような経験から、備えることの大切さを痛感すると同時に、みなさんにも防災グッズを備えてほしいと感じています。

近年は地震だけではなく、台風や大雨での災害のニュースも耳にします。

防災グッズを備える際は様々なシーンを想像して判断する必要があります。
やみくもに備えるのではなく、いざという時に役立つものや必要なものを考えて、優先順位の高いものから備蓄していってくださいね。

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東日本大震災のとき、いらなかったものランキング

東日本大震災の経験で、私が個人的に「いらなかった防災グッズ」を、ランキング形式で紹介していきます。

5位 乾パン

乾パンよりも「カップ麺」「レトルト食品」を食べていました | イメージ画像:写真AC

非常用の乾パンは、避難していた親戚の家にも備えてありました。

しかし、東日本大震災が起きたのは3月です。宮城県では震災が起きた夜は雪が降っていました。寒さをしのぐためにも温かい食べ物が欲しくなります。

幸いなことに、親戚の家にはカセットコンロがありましたので、カップ麺やレトルト食品を食べることができました。

温かいものを食べると何度も起きる余震への恐怖も少し和らぎ、ホッとできます。

そういうわけで、備えていた乾パンは、結局食べませんでした。

ただ、乾パンは調理が不要で、保存期間も5年と長いため備蓄に適しています。ですから優先度は低いですが、備蓄していても損はないでしょう。

4位 ナイフ

万能ナイフを使うシーンはありませんでした | 筆者撮影

ナイフの使い道として思い浮かぶのは調理です。
しかし、調理には大量の水を使います。食材を洗う、煮る、調理器具を洗うなど使用頻度も多いです。

断水しているなかで水を確保するためには、ポリタンクを使って給水車から運ばなければいけません。そのため、水を使う際は大事に使う意識が親戚家族全員のなかにありました。

貴重な水は、米を炊く、麺を茹でる、レトルト食品を温めることが優先でしたので、調理のためにナイフを使うことはありませんでした。

また、多機能な万能ナイフも実際に使用する機会がなく、防災グッズとしてはいらないものでした。

しかし、万能ナイフは平常時でもいろいろなシーンで使えることが想像できます。
アウトドアでも活躍しますので、持っていれば使うシーンはあるかもしれませんね。

3位 ロープ

一般的な防災グッズとしてロープが含まれていますし、親戚の家にもロープはありましたが、使う機会はありませんでした。

私は幸いなことに、自宅に被害が少ない親戚の家での在宅避難ができました。しかし、もし仮に親戚宅が津波被害を受けていた場合には、避難所での避難生活をよぎなくされたでしょう。

避難所の場合は、ロープを使用するシュチュエーションがあるかもしれません。
例えば、棒に結んで物干しロープを作れたり、ロープを張ってシーツなどをかけて目隠しができたり…といった使い道が考えられますね。

私はいらなかったものではありますが、持っていても損にはならないものです。

2位 マッチ・ろうそく

ろうそくとマッチ より「ランタン」が役立ちました| 筆者撮影

電気が止まってしまった夜の暗さは、平常時の夜に部屋の電気を消している状態とはくらべものになりません。

平常時であれば、隣家やお店の明かりや街灯など光がうっすら入ってくるため、ものの輪郭はある程度見えます。しかし、停電時はどこからも光が入ってこないので本当に真っ暗です。

ですから、ろうそくで明かりを作ろうと考えるかもしれません。

しかし、東日本大震災のあとの余震は、震度3から震度5程度の大きな余震が1日に何度も起きていました。

大きな揺れが何度も起きていてはろうそくは危険です。
揺れが起きるたびにろうそくの火を消さなければ、火事を起こしてしまうかもしれません。そして揺れが収まったあとに、真っ暗な中でろうそくの火をつけ直すのは、現実的ではありません。

そのため親戚の家族は、日が暮れる前から「ランタン」を準備していました。

地震の際はろうそくとマッチより、電池式ランタンの方が安心して使えます。もちろん乾電池も多めに備えておく必要があります。

1位 手回し式のアイテム(ラジオや懐中電灯)

防災グッズでいらなかったもの1位は手回し式ラジオ・懐中電灯 | イメージ画像:写真AC

電気が止まり、情報源となるスマホを充電できなくなったときはラジオが頼りです。
また、停電時の夜は真っ暗ですから、ランタンや懐中電灯が必要です。

電池には限りがあるので、手回し式のものがあれば安心だと考えるかもしれません。

しかし、手回し式のものは想像以上に疲れます。手回し充電器は、なかなか充電がたまりませんので、回し続けるには相当の体力が必要です。

日中はお水を確保をするためポリタンクを運んだり、避難先の散乱した部屋を片付けたり、という避難生活をしている中で、手回し充電器を充電する体力は残っていませんでした。

ラジオや懐中電灯を備える際は、電池式のものを。そして十分な量の乾電池を用意しておくとよいでしょう。

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一般的に推奨されている防災グッズは?

ところで国や公的機関はどのような防災グッズを推奨しているのでしょうか。
共通しているものを私なりにまとめてみました。

■水・食料
・飲料水(1人1日3L、3日〜1週間分)
・非常食(乾パン、アルファ米、缶詰、レトルト食品など)

■照明・情報収集
・懐中電灯・ヘッドライト(予備電池含む)
・携帯ラジオ
・マッチ・ライター・ろうそく

■救急・衛生用品
・救急用品(絆創膏、消毒液、包帯など)
・常備薬、持病薬
・マスク、ウェットティッシュ

■生活用品
・ロープ
・多機能ナイフ
・ポリ袋
・アルミ製保温シート

■貴重品類
・現金(硬貨を含む)
・身分証明書のコピー
・預金通帳・印鑑

参考:首相官邸(災害が起きる前にできること)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html

政府広報オンライン(【防災特集】ACTION01災害に事前に備える
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/bousai/preparation.html

リストにすると「こんなにあるの?」と感じるかもしれません。

推奨されている防災グッズを、被災経験のある防災士目線で「いる・いらない」を整理してみた

では、公的機関が推奨しているグッズは、実際の被災時にどうだったのか。東日本大震災の経験をもとに表にしてみました。

グッズいる・いらなかった理由私の備え方
飲料水いる断水時の水の確保は大変だった現在はウォーターサーバーを契約し、飲料水をローリングストック
乾パン(非常食として)いらない震災は3月で寒かったため、温かいものが食べたかった。ほかのものがあれば乾パンは食べない。食料はローリングストックがおすすめ。平時と変わらないものが食べられるので安心感がある
懐中電灯いる食事の時や、トイレに行く際に使用した置いて使用できるタイプ(ランタン等)が便利。
乾電池も多めに備蓄
携帯ラジオいる。ただし手回し式のものは不要電池式のラジオを情報源として使用。手回し式は疲れるため使用せず電池式・バッテリー式など手回し以外がおすすめ
マッチ・ろうそくいらない頻繁な余震の中では火事リスクが高く現実的ではなかった台風や大雨の停電であれば使える場面もあるかもしれないが、優先度は低い
多機能ナイフいらない在宅避難だったため、使うシーンがなかったアウトドアでは活用するが、防災グッズとしての優先度は低め
ロープ使わなかったが、あってもよさそう在宅避難だったため、使うシーンがなかった避難所では洗濯物干しや、目隠しに使える場面も。持っていて損はない
救急用品使わなかったが、いる出番はなかったが、必ず備えておきたい最低限、絆創膏・消毒液は備えておこう
常備薬・持病薬使わなかったが、いる出番はなかったが、必ず備えておきたい使わなくても備えておこう
現金(硬貨含む)いる停電が発生するとクレジットカードやキャッシュレス決済は機能不全に陥るリスクあり硬貨も忘れずに備えておこう
アルミ保温シート使わなかったが、あってもよさそう親戚宅で毛布があったため不要だった避難所だと毛布が足りないこともあるため、備えておくと安心
カセットコンロ・ガスボンベいる温かい食事ができた。お湯を沸かしてホットタオルを作れたのも助かった。ガスボンベは多めに備えておくと安心
モバイルバッテリーいる当時はガラケーの時代でまだ普及していなかったが、今は必須常にフル充電を心がけよう

この表はあくまでも、私個人の経験によるものです。
時代の状況も異なりますし、「使わなかった」ものでも、場面によっては必要になることがあります。

大切なのは、ご自身の住環境や家族構成に合った備えをすること。この表をひとつの参考として、取捨選択してみてくださいね。

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防災グッズで必要なものは?

防災グッズでいらなかったものを紹介しましたが、逆に必ず備えておくべきものは何か紹介します。

以下のものは震災を経験した私が実際に必要だと感じている防災グッズです。

飲料水

飲料水は必ず必要です。3日分程度(1日3リットルを目安にすると9リットル)は用意しておくことをおすすめします。

生きるためには「水」が必要不可欠です。私が親戚の家に避難した際も飲料水の確保が一番大変でした。

モバイルバッテリー

災害が起きた際に、情報がないととても不安になります。
いつでもスマホを充電できるよう満タンにして備えておきましょう。

カセットコンロとガスボンベ

カセットコンロとガスボンベがあったおかげで、電気・ガスが止まっていても温かい食事(カップ麺など)がとれました。

災害後の不安や緊張感ではりつめているなか、温かいものを食べることで、不安がやわらぎます。

電池式ランタンや懐中電灯

上記でも紹介しましたが、ろうそくやマッチでは火災の危険が高まります。
地震で揺れている中でも安心して使える、電池式のランタンや懐中電灯を備えておくとよいでしょう。

Q
防災グッズでいらなかったものは?
A

東日本大震災の経験から、いらないと考えているのは「乾パン・ナイフ・ロープ・マッチとろうそく・手回し式のラジオや懐中電灯」です。ライフラインが止まり、不便な中であっても、これらを使うことがなかったからです。

今回は私がいらなかったものを紹介しましたが、災害は地震だけではありませんし、個人によって「いる」「いらない」は異なります。
それぞれご自身にあったものを備えてくださいね。

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