近年では、雪国だけに限らず都心部でも大雪が観測されることが増えました。そのため、大雪に慣れていない地域の方の中には、どう対策を取ればいいのか不安な方もいるでしょう。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「大雪に備える方法」に関して紹介します。大雪の際には、雪の重みで電線が切れるなどし、停電が発生することがあります。このような停電が発生した際にも困らないためにも、大雪への対策をしっかり学んでおきましょう。
質問:大雪に備えるには?
先年の大雪のとき、不安な気持ちで過ごしました(実家は雪の少ない地域で、大雪の経験がありません)。
我が家はオール電化のマンションなので、もし停電になったら暖房も使えないし、料理もできなくなります。どのように対策すればよいでしょう?
大雪で停電になってしまったら、寒さのなかどう過ごせばいいのか不安ですよね。大雪に備える方法を伺ってみましょう!
回答:大雪に備えて防災備蓄を行おう
大雪に備えるためには、まず普段から寒さに強いお部屋づくりを行っておくことが重要です。防寒具や冬物の寝具を用意したり、床には絨毯を引いたり、すべての窓にカーテンを設置したりなどの対策が考えられます。
また、地震や台風などの災害同様に、大雪に備えて防災備蓄を行っておくことも大切です。ではどのよなものを備蓄しておけばいいのか紹介していきましょう。
防災備蓄1 食料・水・日用品
大雪の際には、交通機関がまひすることや外出することが危険な場合があるため、買い物ができなくなる可能性があります。そのため、最低でも一週間程度の食料・水と日用品を備蓄しておきましょう。
また、食料は停電により火や冷蔵庫が使えなくなることも想定し、パン・缶詰・アルファ米・レトルト食品・カップ麺・フリーズドライ・栄養補助食品など、調理をあまり必要とせず、常温で日持ちするものも用意しておくといいです。
その他にも、水道管の凍結により水が利用できなくなる可能性があるため、飲料水に加え調理用の水やお風呂の水を貯めておくなどし生活用水の準備もしておきましょう。
【大雪に備え、用意しておきたい食料・水・日用品リスト】
・水(飲料水+生活用水)
・食料
・燃料
・トイレットペーパー
・ティッシュペーパー
・生理用品
・コンタクトレンズ
・化粧品 など
防災備蓄2 除雪用具
食料や日用品の備蓄だけでなく、除雪用具を用意しておくことも大切です。
マンションやアパートの場合、エントランス周辺などの雪かきは管理会社が行ってくれる場合もありますが、必ずしもそうでないこともあります。
また、管理会社や大家さんの対応を待つよりも、住民みんなで協力して除雪を行ったほうが素早く作業が終わりますよね。自身の部屋のベランダなど、管理会社による除雪の対象外の場所に雪が積もる可能性もあります。
そのため、除雪作業が行えるよう、最低限の用具を用意しておきましょう。
【大雪に備え、用意しておきたい除雪用具】
・除雪用スコップ(雪かきスコップ)
・長靴
・防水用の作業衣類、雨具
・手袋、軍手 など
防災備蓄3 停電に備えた備蓄
大雪の際には、停電が発生し電気機器類が使えなくなる可能性があります。そのため、停電に備えた備蓄も必要です。
特に、停電の影響により暖房器具が使えなくなるのは致命傷です。寒さにより体力を奪われ、免疫力が低下し風邪などの症状が重症化する恐れがあります。また、低体温症・凍傷など命を脅かす危険性も。そのため、寒さ対策グッズは必ず用意しておきましょう。
また、電気がなくても温かい食事ができるよう、カセットコンロと一週間分のカセットボンベも用意してください。
その他にも、情報収集やいざというとき助けを呼ぶために必要なスマホがいつでも利用できるよう、モバイルバッテリーやポータル充電器も用意しておきましょう。
【大雪に備え、用意しておきたい停電対策】
・懐中電灯
・電池
・携帯ラジオ
・モバイルバッテリー、ポータル充電器
【寒さ対策グッズ】
・カセットコンロ+カセットボンベ
・湯たんぽ
・使い捨てカイロ
・冬用の寝具、ブランケット
・寝袋
・防寒具、保温性の高い衣類
L手袋
Lニット帽
Lマフラー、ネックウォーマー
Lタイツ、レギンス、厚手のソックス
Lルームシューズ
など
過去の記事「停電時にスマホを充電するなら…プロおすすめ防災グッズ6選 | カーサミア」では、スマホ充電グッズの紹介もしているので購入する際の参考にしてください。
冬季の災害におすすめの防災グッズ4選
大雪に限らず、冬季の災害による停電時におすすめな防災グッズを4点ご紹介します。
アパート・マンションの場合は、石油ストーブなど灯油を使った暖房器具が禁止されていることも多いです。そのため、まずは灯油を使わないものを紹介していきます。
おすすめの防災グッズ1 加熱袋
加熱袋とは、火を利用せずレトルト食品・缶詰などを温められる商品です。加熱袋と発熱剤がセットになっており、加熱袋の底に発熱剤を敷いて水(海水も可)を注ぐことで加熱される仕組みです。
そのため、災害時や停電時にも火を使わずに温かい食事がとれるといった大きなメリットがあります。また、コンパクトなため場所を取らず、備蓄しやすいでしょう。
その他にも、加熱袋と非常食がセットになった商品も販売されています。こちらの商品は、水を必要とせず発熱剤と発熱溶液を入れることで加熱できます。
おすすめの防災グッズ2 カセットボンベ式ストーブ
カセットボンベ式ストーブとは、カセットコンロなどで利用する「カセットボンベ」を燃料としたストーブです。そのため、電気や灯油がなくても利用できるストーブであり、停電時や災害時などの緊急時にも役立つ暖房器具。
しかし、一本のカセットボンベに対して使用できる時間は、約2〜3時間程度のため、予備のカセットボンベを多く備えておく必要があります。購入の際には、一本のカセットボンベでどれくらいもつのか連続燃焼時間も確認しておきましょう。
また、通常のストーブよりも暖房効果は弱いですが、商品によっては部屋全体を温めてくれるものもあります。中には足元など部分的に温めることに向いている商品もあるため、部屋全体を温めたい場合は最大発熱量が大きい商品を選ぶといいでしょう。
■Iwatani カセットガスストーブ
おすすめの防災グッズ3 アルミシート
アルミシートとは、身体に巻くことで布団や毛布の代わりに保温できる防寒グッズです。寝袋タイプになった商品なども販売されています。また、100均でも手に入り、コンパクトで入手しやすい利点があります。
■アイリスオーヤマ 非常用アルミ保温シート
もし、お住まいのマンションやアパートで灯油を使った暖房器具が禁止されていないなら、以下のような防災グッズを揃える選択肢もあります。
おすすめの防災グッズ4 石油ストーブ
石油ストーブとは、灯油を燃料とした暖房器具です。電気がなくても利用でき、暖房効果が高いため広範囲をしっかり暖められます。
また、石油ストーブの中には、上に鍋を置いて煮炊きをしたりヤカンを置いてお湯を沸かしたりと、調理にも利用できるものもあります。その他にも、燃焼する炎が灯りの代わりにもなるなど、石油ストーブは様々な用途に利用できます。
一方で、取り扱いに注意しないと火事や火傷を引き起こす可能性がある点はデメリットともいえます。また、狭いワンルームや、最近の気密性が高い住戸では、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性もあるため、換気をしながら利用しなければならない手間もあります。
石油ストーブを購入する際には「石油ファンヒーター」と間違えないように注意しましょう。こちらも石油ストーブ同様に灯油を燃料としますが、電気を利用する暖房器具のため停電時には利用できません。
■CORONA(コロナ) 石油ストーブ (木造6畳 / コンクリート8畳 まで)
大雪になり電気やガスがストップしてしまった際、どの暖房機器や家電が「使えなくなるのか」「使えるのか」を事前に把握しておくといいですね。
大雪に備えて暖房器具等を購入する際には、マンションやアパートの契約内容もよく確認してから、問題のない商品を購入しましょう。
都心部や暖かい地域でも大雪になることが増えてきましたが、雪国のように頻繁に大雪に見舞われることは少ないかもしれません。しかし、自分の地域は大丈夫と思わずに、今後のイレギュラーな気象にも対応できるよう、大雪に備えてどういった物が必要なのか覚えておいてくださいね。