東急目黒線、武蔵小山駅。隣は西小山駅と不動前駅で、急行列車も停まります。朝の通勤時間でも、品川駅や渋谷駅には15分前後で出られます。
武蔵小山駅は、目黒区寄りの品川区に位置しています。駅名の通り、小さな山を持つ地域です。
駅前には再開発が進んだ街並みと、昔から続く商店街が広がっており、住みやすそうな雰囲気です。
カーサミアでは、首都圏で30年近く不動産開発を行なってきた「土地のプロ」として、街の住みやすさ、地盤や防災情報などを発信しています。
街で見かける「普通の不動産屋さん」と違って、賃貸物件や中古マンションの紹介をしていないので、不動産屋さんが書きづらいことも記事にできる立場です。
一人暮らしのあなたのお部屋探しに、ぜひ役立ててくださいね。
武蔵小山駅周辺の防災情報
武蔵小山駅周辺は品川区と目黒区にまたがるエリアで、立会川が流れています。現在この地域の立会川は地下に埋設された暗渠(あんきょ)となっているため、地上からはその存在が分かりにくくなっています。
武蔵小山駅周辺に住もうと考えているなら、水害から身を守るために、自治体が公開しているハザードマップで浸水リスクのある場所を確認しておくことをおすすめします。
武蔵小山駅の隣駅に当たる西小山駅付近では、立会川が流れていることから、大雨などの際に最大で約3.0mの浸水が想定されています。そのほかのエリアでも、広範囲に深さ0.5ｍ程度の浸水が起こる可能性があります。内水氾濫（下水道などの排水能力を上回る大雨で地上に水があふれ出す現象）による浸水にも要注意です。
武蔵小山駅周辺の地盤は概ね安定していますが、立会川の流域に限っては軟弱な地盤です。立会川付近は地震発生時に揺れやすく、「震度6強の揺れに見舞われる確率」も周囲より高い予想です。
武蔵小山駅周辺における地震発生時のリスクは、火災リスクがやや高めの地区が見られます。小山2丁目は火災リスクだけでなく総合的な二次災害(地震によって引き起こされる火災や建物倒壊など)リスクもやや高めに出ているので、二次災害につながる要素が多い地区のようです。
武蔵小山駅周辺でお部屋探しをする際には、ぜひ本記事の防災情報も参考にして、安心して暮らせる住まいを見つけてください。
武蔵小山駅周辺の洪水リスク｜立会川流域は深い浸水に注意
武蔵小山駅周辺では、最大3.0mの浸水が発生する可能性があります。特に深刻な浸水が予想されているのは、武蔵小山駅の南西に位置する立会川流域です。
立会川から離れた地域でも、約0.5mの内水氾濫が発生する恐れがあり、局地的な豪雨への警戒が必要です。
なお、武蔵小山駅周辺における土砂災害や高潮、津波、液状化の警戒区域はありませんでした。
武蔵小山駅周辺の洪水・内水氾濫ハザードマップ
武蔵小山駅周辺の浸水リスクは、品川区と目黒区が提供している水害ハザードマップで確認することができます。
2つのハザードマップを見比べると、浸水が想定されているエリアは同じですが、浸水深の区分が異なっています。品川区は5段階の浸水深、目黒区は6段階の浸水深で表記されています。
品川区の浸水ハザードマップ
品川区の浸水ハザードマップでは、立会川流域で最大3.0ｍの浸水が想定されています。河川から離れた場所でも浸水深0.1～0.5ｍ未満の想定エリアが点在しており、広範囲で内水氾濫が起こる可能性があります。
目黒区の水害ハザードマップ
目黒区の水害ハザードマップによると、立会川流域では最大で2.0mの浸水が想定されています。一方、品川区のハザードマップでは最大3.0mの浸水が想定されています。品川区のマップには浸水深2.0mの区分がないため、目黒区の想定よりも深い浸水が示されていると考えられます。
2.0ｍの浸水は、一般的な住宅の1階の軒下に相当する高さです。この深さまで水が達すると、外に出て避難するのは困難。そのため、天候が悪化する前に避難の準備を整えることが大切です。
武蔵小山駅周辺の避難所情報
武蔵小山駅周辺には3カ所の避難所があります。
品川区内では、小山2丁目にある「後地小学校」と平塚3丁目にある「荏原平塚学園」が自主避難施設に指定されています。自主避難施設とは、台風などによる深刻な被害が予想される場合に、自主的な避難を希望する住民を受け入れる施設です。
目黒区では、目黒本町4丁目にある「月光原小学校」が水害時の避難所に指定されています。「隣接区の避難所」として品川区の「荏原第六中学校」「小山小学校」「小山台小学校」などが記載されていますが、品川区のサイトやハザードマップを見る限り、地震時のみの避難所（水害時の避難所ではない）なので、注意が必要です。
避難所は状況に応じて随時開設されますので、開設状況やそのほかの避難場所については区のホームページなどでこまめにチェックしましょう。
武蔵小山駅周辺の地盤｜立会川流域は強い揺れの地震が発生しやすい
ここからは、国立研究開発法人の防災科学技術研究所が提供している「地震ハザードステーション」のデータで地盤を確認していきます。
武蔵小山駅周辺は比較的しっかりした地盤が広がっていますが、立会川流域は軟弱な地盤が見られます。立会川付近は地震発生時に揺れやすく、震度6強の揺れに見舞われる確率も周囲より高い予想です。
武蔵小山駅周辺の地形区分
上の地図は、地盤の種類を色分けして表したものです。武蔵小山駅周辺では、「火山灰台地」と「谷底低地」が見られます。
このエリアの広範囲を占めている火山灰台地は、火山灰が降り積もって形成された場所です。関東の中では、比較的しっかりした地盤のひとつとされています。
南西エリアにある谷底低地は、柔らかい土壌や枯れた植物などが積み重なって形成された軟弱な地盤です。主に河川の周辺で見られるもので、武蔵小山駅周辺でも立会川沿いに広がっています。
武蔵小山駅周辺の「揺れやすさ」目安
上の地図は、表層地盤増幅率を表したものです。表層地盤増幅率の数値が高い場所ほど、地震時に揺れが大きくなる可能性が高いと考えられます。
武蔵小山駅周辺で最も揺れやすいとされるのは、増幅率2.0〜2.5の目黒本町6丁目や小山6丁目付近です。この辺りは立会川が流れる場所で、谷底低地で形成されたエリアと一致しています。
反対に最も揺れにくいのは、増幅率1.2〜1.4の小山4丁目や荏原1丁目付近です。
武蔵小山駅周辺で地震に見舞われる確率
上のマップは、震度6強以上の揺れに見舞われる確率を表したものです。全体的に6～26％のエリアが広いですが、谷底低地の地域では26～100％の確率となっています。
東京近郊全体に範囲を広げて確認すると、武蔵小山駅周辺と同様に6～26％のエリアが広く分布しており、一部地域で26～100％の場所が見られます。立会川流域は東京近郊の中でも、比較的震度6強以上の揺れが発生しやすいエリアと言えます。
| 震度5弱 | 99.9％ |
| 震度5強 | 92.3％ |
| 震度6弱 | 47.4％ |
| 震度6強 | 8.7％ |
上の表は、武蔵小山駅周辺で今後30年間に起こる地震の確率を、震度ごとに表したものです。
震度5弱はほぼ100％、5強も90％を超える確率で発生する予想です。震度6弱でも50％近い確率となっており、いつ大地震が来てもおかしくない数値となっています。
武蔵小山駅周辺の地震による災害リスク｜火災リスクがやや高い
東京都が提供する「地震に関する地域危険度測定調査（第9回）」で、地震発生による各種リスク(二次災害リスク)を見ていきましょう。この地図では、地区ごとに5段階でランク付けされています。ランク1が最も低リスク、数字が上がるにつれてリスクが高くなります。
武蔵小山駅周辺の地震による建物倒壊リスクは、全体的に中程度の予想。火災リスクは、やや高い地区があります。小山2丁目では火災危険度と建物倒壊危険度や火災危険度などを合わせた総合危険度ともにランク4となっており、武蔵小山駅周辺の中では最も地震によって起こる建物倒壊や火災といった二次災害リスクが高い地区です。
武蔵小山駅周辺の「建物倒壊危険度」
武蔵小山駅周辺の地震による建物倒壊危険度は、ランク2とランク3の地区があります。
比較的低リスクのランク2の地区は、目黒本町1丁目と小山台2丁目、西五反田4・5丁目、小山1・3・5丁目、荏原1・2丁目、平塚3丁目です。
ランク3には、目黒本町3・4・5・6丁目と原町1丁目、洗足1丁目、小山台1丁目、小山2・4・6丁目、荏原3・4・5丁目、西中延1丁目が該当しています。
武蔵小山駅周辺の「火災危険度」
地震による火災危険度は、ランク1からランク4までの地区が混在しています。
最も低リスクのランク1の地区は、林試の森公園を含む小山台2丁目のみです。
ランク2には、目黒本町1・3丁目と西五反田4・5丁目、小山1・3・5丁目、荏原1丁目、平塚3丁目が該当しています。
ランク3の地区は、目黒本町4・5・6丁目と原町1丁目、洗足1丁目、小山台1丁目、小山4丁目、荏原3・4・5丁目、西中延1丁目です。
武蔵小山駅周辺の中で最も高リスクとなるランク4は、小山2・6丁目と荏原2丁目となっています。
昔ながらの商店街や住宅街が残る武蔵小山駅の周辺では、火災リスクがやや高い場所が見られました。
武蔵小山駅周辺の地震に関する「総合危険度」
建物倒壊危険度や火災危険度などを合わせた総合危険度では、ランク2からランク4までの地区が見られます。
武蔵小山駅周辺で最も低リスクとなるランク2には、目黒本町3丁目と小山台2丁目、西五反田4丁目、小山3・5丁目、荏原4丁目、西中延1丁目が該当しています。
ランク3の地区は、目黒本町1・4・5・6丁目と原町1丁目、洗足1丁目、小山台1丁目、小山1・4・6丁目、荏原1・2・3・5丁目、平塚3丁目です。
武蔵小山駅の中で最も総合的な二次災害リスクが高いのは、ランク4の小山2丁目。
武蔵小山駅周辺では昔ながらの建物などが残る影響で、地震発生時に二次災害へつながりやすい予想になったと考えられます。
武蔵小山駅周辺の災害事例｜西五反田で過去に多数の床上浸水
品川区と目黒区のホームページでは、区内で発生した浸水被害の履歴を閲覧できます。品川区は平成元年から令和6年現在までの被害、目黒区は平成16年度から令和5年度までに発生した被害を掲載しています。
武蔵小山駅周辺では、過去に13度の床上浸水が発生しています。大半が集中豪雨や大雨による被害で、台風による被害は2度のみです。多くの被害が東五反田で発生しており、浸水が起こりやすい地域と考えられます。
また、東京都が運営する「水害リスク情報システム」でも過去に都内で発生した浸水被害を確認できます。この浸水実績図に掲載されている被害は、平成11年8月に起きた集中豪雨によるものです。
品川区・目黒区の浸水事例（床上浸水）
| 平成9年8月23日 | 集中豪雨 | 品川区西五反田4・5 |
| 平成11年8月29日 | 集中豪雨 | 品川区荏原1・2・4 品川区平塚3 品川区西中延1 品川区小山1・5・6 品川区西五反田4・5 |
| 平成11年10月27日 | 集中豪雨 | 品川区西五反田4 |
| 平成12年7月3日 | 集中豪雨 | 品川区西五反田4 |
| 平成13年8月27日 | 集中豪雨 | 品川区西五反田4 |
| 平成14年8月4日 | 集中豪雨 | 品川区荏原2 |
| 平成16年10月9日 | 台風22号 | 品川区西五反田4 |
| 平成16年10月20日 | 台風23号 | 品川区荏原2 品川区西中延1 品川区西五反田5 目黒区目黒本町1・5・6 |
| 平成17年9月11日 | 大雨 | 目黒区目黒本町1 |
| 平成20年7月12日 | 大雨 | 品川区西五反田4 |
| 平成22年12月3日 | 大雨 | 品川区小山5・6 品川区西五反田5 |
| 平成25年7月23日 | 集中豪雨 | 品川区荏原2 品川区平塚3 品川区小山台1 品川区小山1 品川区西五反田4・5 品川区原町1 目黒区目黒本町1・3・4・6 目黒区洗足1 |
| 平成26年6月29日 | 大雨 | 品川区西中延1 品川区西五反田5 |
上の表は、品川区と目黒区で提供されている浸水実績をもとに、武蔵小山駅周辺における床上浸水の被害をまとめたものです。
平成9年から平成26年までの期間で13度の床上浸水が起きており、集中豪雨による被害が多くなっています。西五反田4・5丁目の被害が多く、浸水が発生しやすいエリアと考えられます。
東京都「水害リスク情報システム」に掲載された浸水実績図
東京都の水害リスク情報システムでは、平成元年7月26日から令和元年10月13日までに都内で発生した浸水被害を掲載しています。
武蔵小山駅周辺における浸水実績図では、平成11年8月29日の集中豪雨で発生した被害が確認できました。発生地区は荏原1・2・4丁目と平塚3丁目、西中延1丁目、小山5・6丁目となっています。
立会川の水害対策
近年、気候変動による集中豪雨が増加傾向にあります。それに伴って、各地で浸水被害が頻発するようになり、自治体や関係機関などは対応に追われています。立会川流域でも、平成11年8月29日の集中豪雨により、2009棟が浸水する被害が発生しました。
立会川流域は都内の中では比較的早い時期から市街化が進み、主要な幹線道路や鉄道も通っています。洪水や高潮、津波に対する安全性を向上させるため、立会川流域では生態系などの環境に配慮しながら河川整備が行われています。
現在、浸水対策や勝島運河の水質改善などを目的として、立会川幹線雨水放流管と浜川幹線の整備が進められています。平成25年度に整備が完了した第二立会川幹線と合わせて、3つの下水道幹線から集めた雨水を勝島ポンプ所から京浜運河へ放流することで、雨水の流下能力を高める計画となっています。
東京都や自治体などが積極的に浸水対策を進めていることで、近頃は大幅に浸水被害が軽減されてきています。さらなる水害に強いまちづくりを目指し、関係機関が連携して様々な取り組みを実施中です。
参考：立会川｜東京都建設局、水害のない品川区をめざして｜品川区ホームページ
武蔵小山駅周辺の家賃相場
ここでは、2025年2月時点の武蔵小山駅周辺の家賃相場をご紹介します。
武蔵小山の家賃相場は、ワンルームで9.58万円、1Kで10.33万円となっています。（「LIFULL HOME’S」より引用、2025年2月26日時点）
武蔵小山駅周辺の家賃相場についての最新情報は、こちらをご確認ください。
引用元：LIFULL HOME’S「武蔵小山駅の家賃相場情報」
最後に、これから武蔵小山での新生活を考える方に向けて、役立つツールや情報をご紹介します。
生活費・家賃・貯金額シミュレーション計算ツール
武蔵小山駅周辺への引っ越しを検討するなら、まずは「家賃の目安」を把握することが大切です。
このツールでは、あなたの手取り月収をもとに、適切な家賃などの目安を簡単に計算できます。新生活の予算計画を立てる際にぜひ活用してみてください。
手取りから、家賃の目安をシミュレーション
あなたの手取り月収から、適切な家賃の目安を計算してみましょう。
「毎月、実際に振り込まれているお給料（通勤交通費等の実費を除く）」を選択してください。
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