災害時、水が使えない環境で食事をすることになったら――。
「どうやって手を洗う?」「調理道具は洗えない」「食器はどうする?」など、食事や調理に関する不安が次々に浮かびます。
そんなとき、過去の災害で実際に活躍したのが、意外にも“いつものキッチンにあるラップ”だったそうです。
こんにちは。カーサミアライターのあんどうです。
避難生活を想定すると、「食事や調理」だけでなく、「衛生対策」や「におい対策」など、暮らしに直結する細かな課題がたくさん出てきます。
そんな状況で頼りになるようにと、被災経験者の声から生まれたのが、クレハの「防災クレラップ ミニ(22cm)」です。
今回は、防災クレラップの特徴や災害時に役立つ活用アイディアを、実際のレビューを交えながらご紹介します。
最後までチェックしてくださいね。
防災クレラップとは?製品概要と特徴

防災クレラップは、日常使いの「NEWクレラップ」をベースに、災害時の使いやすさを意識して設計された特別仕様のラップです。
東日本大震災(2011年)や能登半島地震(2024年)では、「NEWクレラップが本当に役立った」という多くの声が寄せられました。
そうした実体験をきっかけに、「ラップを防災用品として備えてほしい」という思いから誕生したのが、この防災クレラップです。
防災の専門団体の監修を受けて開発されており、信頼性の高いアイテムとして注目されています。
サイズは22cm幅×50m巻きと扱いやすく、一般的なラップよりもコンパクトで、防災バッグや避難リュックにもすっきり収納できます。

また、パッケージには災害時の活用アイディアが写真付きで紹介されており、初めて手に取る人でも直感的に使い方がわかる親切設計。

さらに、災害用伝言ダイヤル「171」やハザードマップへアクセスできるQRコードも印刷されており、情報確認にも役立ちます。
刃は平らな金属刃を採用しているため、子どもでも安心して使いやすいのも嬉しいポイントです。
災害時に使える、防災クレラップの活用アイディア8選
災害時は、いつもの生活道具が思うように使えず、小さな不便が積み重なりがち。
そんなとき、防災クレラップのような身近な日用品が、驚くほど多くの場面で役立ちます。
ここでは、過去の災害で活用されてきた事例や、私自身の備えの中で「あると安心」と感じた、防災クレラップの活用アイディア8選をご紹介します。
衛生的な食事づくりに

断水時など、水が自由に使えない状況では、調理や片付けにひと工夫が必要です。
そんなときに頼れるのが、身近なラップ。
おにぎりを握るときにラップを使えば、手を汚さず衛生的に調理でき、水を使わずに済むので貴重な水の節約にもつながります。
また、余ったおかずや食材を小分けにして包んでおけば、短時間の保存や持ち運びにも便利です。
共有のまな板や調理台にラップを敷いて使えば、直接触れずに作業できるため、肉や魚を扱うときの感染対策としても安心です。
容器や調理器具の衛生維持に

断水時は、少しの水もとても貴重です。
そんなときに役立つのが、ラップを使った食器の工夫。
皿やお弁当箱にラップを敷いて使えば、食後はラップをはがして捨てるだけ。
洗い物を減らせるので、限られた水を使わずに済みます。
また、鍋やフタの上にラップをかけておけば、汚れやほこりの付着を防げて衛生的。
次に使うときも、洗う手間なくすぐ調理に取りかかれます。
一時的な傷の保護に
ケガをしたときの応急処置にも、防災クレラップは役立ちます。
切り傷や擦り傷に清潔な布やガーゼを当て、その上からラップで軽く押さえると、一時的に汚れの侵入を防ぐことができます。
ただし、医療行為の代わりにはなりません。
止血や消毒を済ませたうえで、「汚れを防ぐための保護」として使うのがポイントです。
また、濡れタオルをラップで包めば乾きにくくなるため、打撲の冷却や熱中症対策にも役立ちます。
冷たさを長持ちさせる簡単な工夫として、覚えておくと安心です。
におい対策に
避難生活では、ゴミや汚れ物の臭いが思いのほかストレスになります。
そんなときは、防災クレラップを使って臭いを封じ込めましょう。
生ごみや使用済みの紙オムツなどを、小分けにして包んで密閉すれば、においの広がりを抑えられます。
共有スペースでも周囲に気を遣わずに済むので安心です。
また、ゴミ袋が足りないときの代用品としても便利。
小さくまとめて捨てられるため、限られたスペースでも衛生的に過ごせます。
体温維持や防寒対策に
防寒にも、防災クレラップは意外な力を発揮します。
熱を逃がしにくい性質があるため、体温維持に役立つのです。
寒い夜や停電時には、衣類の上から体幹部分を包むようにラップを巻くと、風を遮って体の冷えを防げます。
肌に直接巻くと蒸れの原因になるため、必ず衣服の上から使うのがポイントです。
また、窓や換気口の隙間に貼れば、冷気の侵入を軽減し、室内の温度キープにも効果的。
段ボールや毛布と併用すると、より高い保温効果が期待できます。
伝言ボードの代わりに

避難所や停電時など、メモ用紙が手に入りにくい環境では、防災クレラップが“即席の掲示板”として活躍します。
壁や机にラップを貼り、その上に油性ペンで安否情報や連絡事項を書き込めば、簡易的な伝言ボードに早変わり。
文字を消したいときは、アルコールや消毒液を含ませたティッシュで軽く拭き取れば再利用もできます。
なお、ラップは強度が高くないため、直接壁に貼ると書きにくいことがあります。
ダンボールなどに巻きつけてから使うと、スムーズに書き込めるのでおすすめです。
物資が限られた状況でも、工夫次第で情報を整理・共有できるのは心強いですね。
水濡れ対策に
防災クレラップは透明で密着性が高く、水濡れ対策にも心強いアイテムです。
懐中電灯やスマホを包めば、雨や泥を防いで一時的に保護できます。
ただし完全防水ではないため、長時間の使用や浸水した環境での利用は避けるようにしてください。
また、荷物や衣類を覆って汚れを防いだり、窓や換気口の隙間に貼って風雨の侵入を和らげたりと、活躍の幅はまだまだ広がります。
整理収納と衛生維持に

防災クレラップは、整理や収納の工夫にも役立ちます。
避難バッグの中でかさばる衣類をラップで巻けば、即席の圧縮パックになり、省スペース化が可能です。
湿気やにおいも一時的に防げるので、長引く避難生活でも清潔を保ちやすくなります。
また、薬や衛生用品などの細かい物は、ラップで包んでラベリングしておくと“迷子”になりません。
荷物が散らかりやすい避難生活でも、中身が分かる状態で保管でき、必要な物をすぐ取り出せます。
さらに、地面に荷物を置くときにラップを広げて敷くだけで、汚れ防止にもなります。
防災クレラップは小さくて万能!普段使いしながら備えよう
防災クレラップは、22cm×50mのミニサイズながら、驚くほど多用途に使える防災グッズです。
調理や保存はもちろん、衛生対策・におい防止・体温維持・伝言ボードまで幅広くカバー。
小さくて軽いのに、災害時の「暮らしの細かい困りごと」をしっかりサポートしてくれます。
自宅でも場所を取らずに備蓄でき、事業所でも配りやすいサイズ感。
初動から復旧期まで活躍する“万能消耗品”と言えるでしょう。
備蓄のコツは、年に一度の入れ替えを習慣にすること。
長期間放置するとベタつきやにおいの原因になるため、防災週間(9月)や防災の日(3月)に見直すのがおすすめです。
使用感は一般的なラップと変わりませんが、パッケージには災害時の活用アイデアや緊急情報が印刷されているのが便利なポイント。
“防災用”として1本分けて備えておけば、いざというときも慌てず取り出せます。
「水や食料は備えているけれど、日用品まではまだ…」という方は、防災クレラップを1本、備蓄リストにぜひ加えてみてくださいね。

















