今回は、メガネの曇り止めの代用品として、洗剤やハンドクリームを使っても大丈夫?という疑問にお答えします。
こんにちは、カーサミアライターで眼鏡作製技能士のあんどうです。
寒い季節に、マスクをするとメガネのレンズが曇ります。
市販の曇り止めもありますが、できれば手持ちの洗剤やハンドクリームで代用したいときもありますよね。
ですがメガネに致命的なダメージを与える恐れがあるので、残念ながらおすすめできないんです…!
お気に入りのメガネを長持ちさせたい方は、最後まで読んでくださいね。
メガネの曇り止め、洗剤やハンドクリームでの代用がNGな理由
市販のメガネの曇り止めアイテムには界面活性剤が含まれていて、メガネレンズに塗布することで、レンズ表面に膜を作り、曇りを抑えるはたらきをします。
そこで、「洗剤や石鹸、ハンドクリームには界面活性剤が含まれているので、これらをメガネの曇り止めとして代用できる」という意見を見かけることがありますが、こうした代用は、元眼鏡屋としておすすめできません。
成分の問題
メガネのレンズは、アルカリ性や酸性の成分が付着すると、表面のコーティングが劣化する恐れがあります。
その結果、コーティングが剥がれたり、傷がつきやすくなったりといいことなしです。
洗剤や石鹸、ハンドクリームにはアルカリ性や酸性のものも多く、様々な薬剤が含まれているのが気になります。
中性なら大丈夫?
メガネの洗浄にも使用する中性洗剤なら良いのでは、と考えるかもしれませんが、曇り止め効果は一時的であり、専用のメガネ曇り止めアイテムには当然効果が劣ります。
それに、中性洗剤とはいえメガネに薬剤を付着したままにするのは心配です。
衛生面の問題
例えば、ハンドクリームのようなクリーム状のものがレンズとフレームとの隙間に入ってしまったら、通常のお手入れではなかなか取れません。
そのままにしておくと不衛生ですし、フレームの劣化にもつながります。
このように、成分以外にも様々な問題が懸念されるため、メガネの曇り止めを他のアイテムで代用するのはおすすめしません。
【結論】専用のメガネ曇り止めアイテムがおすすめ
身も蓋もないですが、メガネの曇りが気になる時は、専用のメガネの曇り止めアイテムを使うのがおすすめです。
ジェルタイプ
濃密ジェルでしっかり皮膜ができるので、防曇効果高く、効果も長持ちします。
液が飛び散らないのもいいですね。
スプレータイプ
外出先でシュッと一噴き、スプレータイプは持ち運びにも便利。
手が汚れにくいのも嬉しいポイント。
効果も長持ちです。
使い捨てシートタイプ
指紋や皮脂汚れなどメガネの汚れが気になる時に、きれいにしながら曇り止め効果を付与できる使い捨てシートタイプもあります。
防曇効果はジェルやスプレーには劣りますが、携帯できて便利です。
メガネの曇り止めアイテムの正しい使い方
メガネの曇り止めアイテムを使う際には、まずはメガネを清潔にしておく必要があります。
汚れやゴミが付着したままのレンズに使用すると汚れを塗り広げることになり、場合によってはレンズのコーティングに傷をつける恐れがあります。
外出先などで急いでいる場合でも、できるだけ水洗いをして、ティッシュなどで水気を拭き取ってから、メガネの曇り止めアイテムを使用すること。
一般的なジェルやスプレータイプの曇り止めの場合、レンズに塗布または噴射してから塗り広げ、きれいなティッシュペーパーや柔らかい布で乾拭きをして仕上げてください。
アイテムによって使い方が異なるので、必ず使用前に使用方法を確認しましょう。
メガネの曇り止め以外の対策も検討しよう
メガネの曇りは、マスクの隙間から漏れ出る呼気がレンズに触れたり、寒い場所から温度の高い場所に移動したりして、レンズ表面に結露が発生することで起こります。
であれば、マスクの付け方や形状を変えたり、レンズ自体を防曇効果のあるものにしたりなど、曇り止めアイテムを使用する以外にも対策を講じることはできます。
メガネの使用環境に応じて、いろいろな方法を併用するなど試してみてください。
- Qメガネの曇り止め、洗剤やハンドクリームで代用できる?
- A
専用のメガネの曇り止めアイテムには界面活性剤が使用されていて、メガネレンズに塗布することで、レンズ表面に膜を作り、曇りを抑えます。
洗剤やハンドクリームにも界面活性剤が使用されているとはいえ、曇り止めの代用として使うとレンズやフレームの劣化に繋がる可能性があるため、おすすめはできません。メガネを長持ちさせるためにも、専用の曇り止めアイテムを使用しましょう。