災害の影響により、時には電気やガスなどのライフラインが断絶してしまうこともあります。特に、気温や湿度が高くなる夏場にライフラインが断絶してしまった場合、エアコンや扇風機などが利用できなくなり、熱中症のリスクが高まりますよね。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「災害時の熱中症対策」に関して紹介します。夏場に備えた防災グッズがまだ用意できていないという方は、ぜひ今回紹介する熱中症対策におすすめの防災グッズを参考にしてみてください。また、万が一熱中症になってしまった場合の対処法もあわせて紹介していきます。
質問:災害時の熱中症対策に必要な防災グッズは?
夏(最高気温35℃)に災害があって停電し、エアコンが使えなくなったらどうすればいいのでしょうか。
冬はカイロや防寒着で暖かくできますが、夏の停電時に涼しくするのは難しいですよね。暑い中で部屋の片づけをするのはとても大変だと思います。準備しておくべき防災グッズを教えてください。
熱中症はときには死に至ってしまう恐ろしい病気です。夏場の災害時に熱中症にならないためにも、必要な防災グッズを伺ってみましょう!
回答:災害時の熱中症対策におすすめの防災グッズ7選
災害時の熱中症対策におすすめの防災グッズを7選紹介していきます。
普段から自宅にあるようなアイテムも含まれていますので、特別な防災グッズを購入せずとも自然と自宅に準備できているという人もいるでしょう。一度ご自身で用意している防災グッズの見直しを行ってみてください。
おすすめ防災グッズ1 飲料水
熱中症対策にはこまめな水分補給が必要なため、「水・麦茶・スポーツ飲料・経口補水液」などの飲料水を用意しておきましょう。用意する際には、500mlほどの飲み切れるサイズがおすすめです。
水は1人1日3リットル×3日分を目安に用意しておく必要があります。水は、「食材を買って、それを食べて、食べた分だけまた買い足す」というローリングストック法という備蓄方法を用いて備えるといいでしょう。
水以外にも、脱水症のための食事療法である経口補水液も用意しておきましょう。経口補水液は普通のペットボトルタイプ以外にも、ゼリータイプやパウダータイプもあるので使いやすいものを用意してください。経口補水液はあくまでも脱水症のための食事療法であるため、普通の水分補給として飲用しないように注意しましょう。
水ばかり飲んでいても塩分が補給できないため、水分・塩分・エネルギーを補給できるスポーツ飲料を用意しておくのもおすすめです。ただし、こちらも過剰な摂取は控えたほうがいいため注意しましょう。スポーツ飲料も経口補水液同様に、ゼリーや粉末タイプがあります。
水やスポーツ飲料以外の飲料水も用意したいという場合には、カフェインが含まれていない麦茶がおすすめです。紅茶や緑茶など、カフェインが含まれている飲み物には利尿作用があるため、せっかく水分補給しても体の外に出てしまいます。そのため、カフェインが含まれているものは非常時の水分補給としてはあまり適していません。
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おすすめ防災グッズ2 塩分補給
熱中症対策のためには、水分だけでなく塩分も補給する必要があります。塩分補給のために、スポーツ飲料がおすすめと上記で説明しましたが、それ以外にも「塩分タブレット・塩あめ・塩分入りビスケット・塩キャラメル・塩こんぶ・梅干し・漬物」などの塩分補給ができる食べ物やお菓子を用意しておくのもおすすめです。
ただし、塩分を摂取しすぎると、かえって体調不良を招いてしまう可能性もあります。塩分摂取量は、女性の場合1日6.5gが目安と言われているため、食事から摂取する塩分量も考えながら一日の規定量を守って、水分補給とともに適度に塩分補給を行いましょう。
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おすすめ防災グッズ3 小型扇風機・うちわ・扇子
災害の影響によりエアコンなどの冷房器具が使えない場合には、コンセントからの電気を必要としないUSB充電や電池で稼働する卓上扇風機やハンディ扇風機、うちわ・扇子などで体を涼しく保つようにしましょう。
うちわ・扇子は仰ぐのに体力を使うため、特にに卓上扇風機やハンディ扇風機がおすすめです。
また、両手を使った作業をする場合には、首に取り付けられる首掛けタイプの扇風機もおすすめです。
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おすすめ防災グッズ4 冷却グッズ
冷却スプレー・冷却ジェルシート・冷却タオル・瞬間冷却剤・ひんやり寝具などの冷却グッズを用意しておくのもおすすめです。
これらのものは、充電や電池を必要としないため、停電が長期化した場合にも役立つでしょう。
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おすすめ防災グッズ5 遮熱シート
太陽の日差しを遮ってくれる遮熱シートを窓に貼っておくことで、室内の温度上昇を抑えられるため効率的に暑さ対策ができます。
遮熱シートは、はがした際にベタつかないよう、何度でも簡単に張ってはがせるタイプや水で貼り付けるタイプの商品を選択するのがおすすめです。
おすすめ防災グッズ6 ポータブル冷蔵庫
停電により冷蔵庫が使えなくなってしまった場合でも、冷蔵庫を開閉しない状態であればおおよそ2〜3時間程度、温度を保てると言われています。また、冷凍庫の場合は、開閉しない状態であれば半日から1日程度凍った状態を保てます。
停電してすぐに冷蔵庫や冷凍庫が使えなくなるわけではありませんが、停電が長引いてしまった場合、冷蔵庫や冷蔵庫の食材がだめになり、体を冷やすために利用したい氷や保冷剤なども溶けてしまいますね。
また、特に夏場は気温や湿度が高く食材が腐りやすくなる季節であり、食中毒も発生しやすい状態になります。
そのため、停電時でも冷蔵庫の食材を保ったり、熱中症対策に利用したい氷や保冷剤や冷たい飲み物などをしっかり確保できるよう、ポータブル冷蔵庫を用意しておくのもおすすめです。
おすすめ防災グッズ7 ポータブル電源
停電し電気が使えない中でも冷房器具や冷蔵庫などの家電が利用できるよう、1000Wh以上の大容量のバッテリーが搭載されたポータブル電源を用意しておく方法もあります。
しかし、大容量のポータル電源は価格が高くなるため、もう少しお手軽に備えたいという場合には200~1000Wh程度のキャンプなどのレジャー用に適したポータブル電源を備えておくといいでしょう。ポータブル冷蔵庫など小型の電化製品であれば十分に充電可能です。
もし熱中症の疑いがある場合どうすればいい?
熱中症の疑いがある場合には、次の3つの重症度のどれに当てはまるのかを確認しましょう。重症度ごとに適切な対処法もあわせて紹介していきます。
重症度Ⅰ(軽度)
重症度Ⅰの段階の場合、めまい・立ちくらみ・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の発汗などの症状が起こります。速やかに涼しい場所へ移動し、衣服を緩めて体を冷やしましょう。また、スポーツドリンクや経口補水液で水分・塩分補給を行いましょう。
この段階の重症度の場合、多くの場合は対策を行うことで序所に回復しますが、悪化したりなかなか回復しない場合には救急車を呼び医療機関へ搬送してもらいましょう。
重症度Ⅱ(中度)
重症度Ⅱの段階の場合、頭痛・嘔吐・倦怠感・下痢・集中力の低下などの症状が起こります。重症度Ⅰと同様の対処法を行い回復しない場合や、自力で水分補給ができない場合、意識障害がある場合には救急車を呼び医療機関へ搬送してもらいましょう。
重症度Ⅲ(重度)
重症度Ⅲの段階の場合、意識障害・手足の運動障害・全身のけいれん・高体温などの症状が起こります。重症度Ⅲの症状が疑われる場合、直ちに救急車を呼びましょう。しかし、重症度Ⅲの場合、自力で対処ができなくなってしまっている可能性が高いです。
少しでもおかしいと感じた場合には、直ぐに救急車を呼んだり近隣住民に助けを求めたりすることが大切です。
熱中症は時には死に至ってしまうほどの恐ろしい症状です。特に一人暮らしの女性の場合、一人でいるときに熱中症の症状が疑われた際に、周囲に助けを呼べないという危険な状況に陥ることも考えられますよね。
災害時に熱中症を引き起こさないためにも、夏場用・冬場用と季節ごとに分けた防災グッズも用意しておきましょう。また、万が一体調不良を引き起こした際に周囲に助けを求められるよう、普段から挨拶だけでもいいので近隣住民と交流を持ち、災害時に孤立しないようにしておくことも大切です。