東急東横線「学芸大学」駅。目黒区中部に位置し、西側には世田谷区との区境もあります。個性的なお店も多いことから人気の街で、2024年にはグローバルメディア『タイムアウト』の「世界で最もクールな街」15位に選ばれたそうですよ。
現在では「学芸大学」は移転していますが、駅名は以前からのものが使われ続けています。
カーサミアでは、首都圏で30年近く不動産開発を行なってきた「土地のプロ」として、街の住みやすさ、地盤や防災情報などを発信しています。
街で見かける「普通の不動産屋さん」と違って、賃貸物件や中古マンションの紹介をしていないので、不動産屋さんが書きづらいことも記事にできる立場です。
一人暮らしのあなたのお部屋探しに、ぜひ役立ててくださいね。
学芸大学駅周辺の防災情報
目黒区と世田谷区にまたがる学芸大学駅周辺は、近くに河川がないので、洪水リスクのない地域となっています。
ただ、全体的に下水道や排水路などの排水機能が追い付かず、雨水が溢れ出す内水氾濫が発生する可能性はあり、浸水深0.1〜0.5mの想定箇所が点在しています。碑文谷と下馬の一部地域では、最大で1.0mの浸水が想定されています。この高さまで浸水すると、歩行や自動車の通行が難しくなるので、日頃から迂回するルートを確認しておきましょう。
学芸大学駅周辺は比較的しっかりした地盤が広がっており、ごく一部の地域のみ軟弱な地盤が見られます。地盤が弱い場所では地震の影響で揺れが強まりやすくなりますが、学芸大学駅周辺のエリア内は地盤の違いによる差は出ていませんでした。今後30年間に、学芸大学駅周辺で震度5弱の地震が発生する確率は100%、震度5強では97%程度と、震度5の揺れに見舞われる可能性は高くなっています。
学芸大学駅周辺における地震の二次災害リスク(建物倒壊・火災発生など)は、低め~中程度となっています。火災リスクでは、北側のエリアで周辺地区より高リスクの場所があります。最も低リスクなのは、高級住宅街として人気のある碑文谷エリアでした。
お部屋探しの際は、住みたいエリアの防災情報も参考にして、安心して暮らせる住まいを見つけてみてくださいね。
学芸大学駅周辺の洪水リスク|全体的に深さ0.1〜0.5mの浸水想定
目黒区と世田谷区のホームページでは、水害ハザードマップを掲載しています。2つの自治体のハザードマップは同様の浸水想定となっているので、本記事では学芸大学駅周辺を占める面積が広い目黒区の水害ハザードマップを使って、浸水リスクを確認していきます。
学芸大学駅の周辺エリアは河川氾濫による洪水リスクがないものの、全体的に内水氾濫のリスクがあります。0.5m以下の浸水想定箇所が多いですが、最大1.0mの浸水が想定されているエリアもあります。
なお、学芸大学駅周辺における土砂災害や津波、高潮、液状化の警戒区域はありませんでした。
学芸大学駅周辺の水害ハザードマップ
目黒区の水害ハザードマップを見ると、黄色で示された浸水深0.1〜0.5mの場所が広範囲に及んでいるのがわかります。最も浸水想定が深いのは碑文谷2・5・6丁目や下馬5・6丁目の一部で、緑色で示された浸水深0.5〜1.0mの地域が見られます。
学芸大学駅周辺では河川氾濫による洪水の心配はありませんが、局地的な大雨による内水氾濫には注意が必要です。
学芸大学駅周辺の避難所情報
学芸大学駅近くの避難所は、3ヵ所あります。中央町1丁目にある「鷹番小学校」と五本木2丁目にある「五本木小学校」、碑文谷6丁目の「碑文谷公園」が避難所として指定されています。
学芸大学駅周辺の地盤|地盤による地震の揺れやすさに影響なし
水害ハザードマップで最大1.0mの浸水が予想されていたエリアの一部は、軟弱な地盤で形成されています。
地盤が弱いと地震発生時に揺れが強くなりやすいですが、学芸大学駅周辺エリアではそうした傾向が見られません。震度の大きい地震発生確率も、東京近郊の中では標準的なものとなっています。
国立研究開発法人の防災科学技術研究所が提供している「地震ハザードステーション」の地図で、学芸大学駅周辺の地盤を詳しく見ていきましょう。
学芸大学駅周辺の地形区分
上のマップは、地盤の種類を色分けして示したものです。
学芸大学駅周辺は、大半が「火山灰台地」となっています。火山灰台地は火山灰が降り固まって形成された場所で、関東の中では比較的しっかりした地盤のひとつとされています。
碑文谷や下馬の一部地域では、「谷底低地」が見られます。谷底低地は、粘土状の土や砂などで形成された軟弱な地盤です。谷底低地の地域は、水害ハザードマップで浸水深0.5〜1.0mの想定がされていたエリアとほぼ一致しています。
学芸大学駅周辺の「揺れやすさ」目安
表層地盤増幅率を示した地図を使って、地震の際の揺れやすさを見ていきます。表層地盤増幅率の数値が上がるほど、地震の際に揺れやすくなる場所と考えることができます。
増幅率1. 6〜2.0の地域が多く見られ、学芸大学駅の北側や西側では数値の低い場所があります。谷底低地となっていた下馬5丁目付近の一部地域は増幅率1.2〜1.4となっており、学芸大学駅周辺で最も揺れにくいエリアになっています。
学芸大学駅周辺では、地震の際の揺れやすさは地盤の種類とあまり関連が見られません。
学芸大学駅周辺で地震に見舞われる確率
以下の表は、学芸大学駅周辺で今後30年間に起こる地震の確率を、震度ごとに表したものです。
震度5弱 | 100.0% |
震度5強 | 96.9% |
震度6弱 | 62.1% |
震度6強 | 15.4% |
震度5弱は、この先30年の間に100%の確率で発生すると予想されています。震度が大きくなるにつれ発生確率は下がりますが、震度6強の15.4%も安心はできない数値です。
東京を中心とした首都圏は、震度6強以上の揺れに見舞われる確率が6〜26%のエリアが広範囲にわたっています。学芸大学駅周辺における地震の発生確率は、東京近郊では標準的と見られます。
学芸大学駅周辺の地震リスク|碑文谷エリアが最も低リスク
ここからは、東京都が提供する「地震に関する地域危険度測定調査(第9回)」で、学芸大学駅周辺における地震発生時の二次災害(建物倒壊・火災発生)リスクを見ていきます。
この地図では、地区ごとに5段階のランク付けがされています。ランク1が最も低リスクで、ランクが上がるほどリスクが高くなっていきます。
学芸大学駅周辺における震災時の二次災害リスクは、中程度と予想されています。火災危険度は北側の地区でランク3が見られますが、全体的にはランク1とランク2が大半を占めています。
碑文谷エリアはどの危険度でもランク1が多く、学芸大学駅周辺の中で最も二次災害リスクが低く出ています。
学芸大学駅周辺の「建物倒壊危険度」
学芸大学駅周辺における建物倒壊危険度は、大半の地区がランク2に該当しています。
最も建物の倒壊リスクが低いランク1は、目黒本町2丁目と碑文谷2・4・5丁目、野沢3丁目となっており、その他の地区はすべてランク2にあたります。
昔ながらの町並みも残る学芸大学駅周辺では、地震による建物の倒壊リスクが少なからずあるようです。
学芸大学駅周辺の「火災危険度」
学芸大学駅周辺の火災危険度は、ランク1からランク3までのエリアが混在しています。
最も低リスクのランク1は、中央町1丁目と目黒本町2丁目、碑文谷2・4・5・6丁目、野沢3丁目となっています。
ランク2に該当する地区は、中央町2丁目と鷹番1・2・3丁目、五本木3丁目、下馬6丁目、目黒本町1丁目、中町2丁目です。
この一帯で最も高リスクのランク3には、五本木2丁目と下馬5丁目、中町1丁目が該当します。
建物が密集した住宅街では火災リスクが高くなる傾向にあり、学芸大学駅周辺でも北側の住宅街が中程度のリスクと予想されています。
学芸大学駅周辺の地震に関する「総合危険度」
総合危険度でも、学芸大学駅周辺にはランク1からランク3までの地区があります。
ランク1の最も二次災害リスクが低い地区は、鷹番1丁目と目黒本町2丁目、碑文谷2・4・5丁目、下馬6丁目、野沢3丁目となっています。
ランク2に該当するエリアは、中央町1・2丁目と鷹番2・3丁目、中町2丁目、碑文谷6丁目、下馬5丁目、五本木2・3丁目です。
学芸大学駅周辺で最も高リスクとなるランク3は、目黒本町1丁目と中町1丁目が該当します。
高級住宅街である碑文谷エリアは大半がランク1となっており、地震発生時の二次災害リスクが低い地域となっています。
学芸大学駅周辺の災害事例|広範囲にわたって多数の浸水履歴
目黒区と世田谷区のホームページでは、過去に区内で発生した浸水被害を一覧で見ることができます。また、東京都が提供する「水害リスク情報システム」でも浸水実績を閲覧可能です。
学芸大学駅周辺では、平成11年から令和2年までの間に多数の浸水被害を受けています。被害の発生地区にほとんど偏りは見られず、広い範囲で定期的に浸水が起きている印象です。
台風による床上浸水は三度のみで、多くは大雨による被害となっています。学芸大学駅周辺は、近年多発している集中豪雨の影響を受けやすいエリアとみられます。
学芸大学駅周辺の浸水事例(床上浸水)
平成11年8月29日 | 大雨(集中豪雨) | 下馬5・6 野沢3 |
平成16年10月9日 | 台風22号 | 中町2 中央町2 碑文谷2 |
平成16年10月20日 | 台風23号 | 中町1 五本木3 中央町2 目黒本町1・2 碑文谷2・5 下馬5 |
平成17年9月11日 | 大雨 | 中町1 目黒本町1 碑文谷2 |
平成22年9月8日 | 台風9号 | 中町2 五本木2 碑文谷2 鷹番3 |
平成25年7月23日 | 大雨 | 中町1・2 五本木2 中央町2 目黒本町1・2 碑文谷2・5・6 鷹番2 |
平成29年8月19日 | 大雨 | 碑文谷4 |
平成30年8月27日 | 大雨 | 中町1 |
令和2年8月23日 | 大雨 | 碑文谷4 |
上の表は、目黒区と世田谷区のホームページ上で掲載されている浸水履歴をもとに、学芸大学駅周辺における床上浸水の被害をまとめたものです。目黒区の浸水履歴は平成16年度から令和5年度までの被害、世田谷区は平成元年から令和6年までに発生した被害となっています。
学芸大学駅周辺では、九度の床上浸水が確認できました。大半の被害が集中豪雨によるもので、平成25年7月の被害では多数の地区で被害が発生しています。
平成16年10月は短期間に二度の台風による被害を受け、中央町2丁目と碑文谷2丁目は二度とも床上浸水が発生しています。
東京都「水害リスク情報システム」に掲載された浸水実績図
東京都の「水害リスク情報システム」では、浸水被害のあった場所を地図上で見ることができます。こちらのシステムで確認できるのは、1989年(平成元年)7月26日から2019年(令和元年)10月13日までに発生した浸水被害です。
水害リスク情報システムで確認できる学芸大学駅周辺の一番目立つ浸水実績は、1999年(平成11年)8月29日の集中豪雨による被害です。五本木1丁目などの広範囲で床上浸水が発生しています。
2002年(平成14年)8月2日の集中豪雨では、下馬6丁目で床下浸水6棟の被害が出ています。下馬6丁目は、2日後の8月4日にも床下浸水4棟の被害履歴が残っています。
学芸大学駅周辺における直近の浸水実績は、2013年(平成25年)7月23日の集中豪雨によるもので、碑文谷5丁目で床上浸水11棟・床下浸水1棟の被害を受けています。
学芸大学駅周辺の治水対策
近年、ゲリラ豪雨などの局地的な大雨が増加傾向にあります。各地で河川やマンホールなどから水があふれ出し、甚大な被害が発生しています。学芸大学駅周辺の浸水履歴でも、集中豪雨による被害が多数見られました。
増え続ける集中豪雨による被害を受けて、目黒区ではさらなる治水対策に取り組むため、平成22年5月に「目黒区総合治水対策基本計画」を改訂しました。雨水流出抑制対策として、道路や公園、学校の校庭といった公共施設に、雨水浸透ますや貯留施設の設置を行なっています。また、公共施設に雨水を地中へ浸透させる透水性舗装を施し、河川の氾濫などによる被害の軽減を図っています。
世田谷区でも、平成21年10月に「世田谷区豪雨対策基本方針(平成28年3月修正)」、平成22年3月に「世田谷区豪雨対策行動計画(最新版 令和4年3月策定)」が策定され、豪雨対策が進められています。目黒区と同様に、河川や下水道の整備に加え、大量の雨水流出を抑制する「流域対策(雨水貯留浸透施設の整備)」に力を入れています。
参考:総合治水対策の取組み|目黒区ホームページ、世田谷区の豪雨対策|世田谷区ホームページ
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