災害時の非常食といえば、ご飯やパンをイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし、長期保存できる食品には「パスタ」という選択肢もあります。
今回実食するのは、サタケフードビジネスの「マジックパスタ カルボナーラ」。
5年間保存でき、お湯だけでなく水でも調理できる非常食です。
こんにちは、株式会社トラスト・ファイブが運営するビルと土地の記事メディア担当のあんどうです。
不動産とは切り離せない「防災」の情報をお届けしています。
今回は、実際にお湯と水の2通りで調理し、味や食感にどのような違いがあるのか比較してみます。
非常食としての実力もレポートしますので、最後まで読んでくださいね。
・マジックパスタは5年間常温保存でき、お湯だけでなく水でも調理できるパスタの非常食です。家庭だけでなく施設での備蓄食にも向いています。
・カルボナーラは、お湯なら3分、水なら約20分が調理時間の目安です。実食では、水でもしっかり食べられる状態になりました。お湯調理との大きな差は、温度と香りでした。
・実食では、お湯3分だと一部に芯が残りましたが、水で約20分戻したものは予想以上にしっかり戻りました。
・袋がそのまま食器になり、スプーンも付属しているため、断水時でも洗い物を増やしにくい仕様です。
サタケの「マジックパスタ」とは?

「マジックパスタ」は、サタケフードビジネスが販売するアルファ化パスタです。
味は、カルボナーラ、ペペロンチーノ、きのこのパスタ(デミグラス風味)、ミートパスタの4種類。
ご飯やパン以外の主食も備えておきたいときに、選択肢のひとつになります。
大きな特徴は、5年間の長期保存ができ、お湯なら3分、水でも約20分で調理できることです。
鍋でゆでる必要はなく、袋にお湯や水を注いで待つだけなので、熱源が限られる災害時にも使いやすい仕様です。
袋は底が安定する形になっており、調理後はそのまま食器として使えます。
スプーンも付属しているため、別に皿やカトラリーを用意する必要もありません。
また、パッケージにはリサイクルPETやバイオマスインキが使われており、環境にも配慮されています。
マジックパスタのカルボナーラを実食!お湯と水で食べ比べてみた
ここからは、マジックパスタのカルボナーラを実際に作って食べてみます。

今回は、お湯と水で仕上がりにどのくらい違いが出るのかを比較するため、1袋を半量ずつに分けて調理しました。
マジックパスタ カルボナーラは、内容量63.8gに対して必要なお湯・水が150mL。
そのため、パスタとブロック状のソースをできるだけ均等に2つに分け、それぞれに75mLのお湯・水を加えています。
ラップをして、お湯は表示どおり3分、水は約20分待って、パスタの戻り具合や味、食感などを比較しました。
まずはマジックパスタのスペックをチェック
まずは、マジックパスタのスペックをチェックします。
- ■パッケージを手に取ったときの印象は?
パッケージを手に取って最初に感じたのは、かなり軽いこと。
振ると、中で乾燥したパスタがカサカサと動くのがわかります。
一方、パスタをつぶさないように保管することを考えると、重量のわりにはある程度のスペースが必要そうです。
オフィスなどで大量に備蓄する場合は、保管スペースも確認しておいたほうがよいでしょう。
賞味期限はパッケージにわかりやすく記載されています。
今回、2026年8月に購入した商品の賞味期限は2031年10月でした。
- ■作り方はわかりやすい?

パッケージ裏面|筆者撮影 作り方は図解されていて、初めてでも手順を追いやすいです。
袋の内側に注水線も太い線と大きな文字で示されているので、どこまでお湯や水を入れればよいのか迷いにくくなっています。
- ■1袋249kcal。1食分としてはどう?
カルボナーラ1袋あたりの栄養成分は、エネルギー249kcal、たんぱく質9.5g、脂質3.3g、炭水化物45.4g、食塩相当量1.8gです。
今回はお湯と水で半量ずつ作り、合計で1袋分を食べましたが、思っていた以上にお腹にたまりました。
食べ終わるころには、量としては十分という感覚です。
ただし、エネルギーは1袋249kcal。
満腹感はあっても、これだけで1食を済ませるにはエネルギー面でやや心もとありません。
また、カルボナーラだけを1袋分食べると途中で味が単調にも感じました。
実際に備蓄するなら、缶詰など別の食品と組み合わせると、エネルギーを補いながら食事にも変化をつけやすそうです。
- ■袋の中には何が入っている?

袋の中にはパスタ、ソースのブロック、スプーン、脱酸素剤が入っています|筆者撮影 袋には切り口があり、手でスッと開けられました。
中に入っているのは、乾燥したパスタ、ブロック状のソース、スプーン、脱酸素剤です。
パスタは短く細めで、少しねじれた形状。長いスパゲッティとは異なり、スプーンですくいやすいサイズになっています。
開封しただけでは香りはそれほど強くありませんが、鼻を近づけるとカルボナーラらしいチーズの香りがほんのり感じられました。
スプーンはすぐに取り出せた一方、脱酸素剤は袋の底に沈んでいて少し探すことに。
調理前には、脱酸素剤を取り出したこともしっかり確認したほうがよさそうです。
- ■ソースは簡単に混ざる?

お湯をかけて混ぜる前の様子|筆者撮影 実際に調理してみて、少し注意したいと感じたのがソースです。
ソースはブロック状になっていて、お湯を加えてもすぐに完全に溶けるわけではありません。付属のスプーンで混ぜられますが、軽くかき混ぜる程度ではダマが残りました。
しっかり混ぜれば、食べたときの粉っぽさはほとんど気になりません。
本来は袋の中で調理するため、底や隅まで意識して、少し念入りに混ぜるのがおすすめです。
- ■袋と付属スプーンだけで本当に食べやすい?

調理後のパスタを袋に戻した様子。きちんと自立しています|筆者撮影 食べやすさは、かなり好印象でした。
袋は中身が入った状態でもしっかり自立し、付属スプーンの柄も十分な長さがあります。
短いパスタのサイズとも合っていて、袋の底まで無理なくすくえました。
食べている途中に袋が倒れることもなく、手もほとんど汚れません。
食後に残るのも、基本的には袋、スプーン、脱酸素剤だけ。食器を使わないので洗い物が発生せず、ゴミも比較的コンパクトにまとまります。
断水時には洗い物に使う水も節約したいため、袋から直接食べられる仕様は実用的だと感じました。
お湯でマジックパスタを実食!本当に3分で食べられる?
まずは、お湯で調理したカルボナーラから食べてみます。
- ■お湯を入れて本当に3分でパスタになる?

お湯をかけて3分経過した様子|筆者撮影 パッケージに記載されている待ち時間は3分です。
ところが今回試したところ、3分では一部のパスタに芯が残っていました。5分程度でもまだ硬い部分があり、7分ほど経つと全体的にやわらかくなってきました。
今回は比較のため半量に分け、通常とは異なる容器で調理しています。そのため「3分では戻らない」とは一概にいえませんが、今回の条件では3分ですべてが均一にやわらかくなる仕上がりではありませんでした。
硬めのパスタが苦手な方は、3分経った時点で一度戻り具合を確認し、必要に応じて少し長めに待つとよさそうです。
- ■パスタは本当に「モチモチ食感」?
しっかり戻ったパスタには、モチモチとした食感がありました。
ただし、全体が均一というわけではなく、部分的には芯を感じます。普通に鍋でゆでたパスタと比べると、今回の仕上がりはやや硬めです。(ただこちらは、通常とは異なる容器を使ったことで、戻り具合に影響している可能性もあります。)
表示時間より少し長めに置くとやわらかさが増したので、モチモチした食感が好きな方は、待ち時間を調整したほうが食べやすいと思います。
- ■カルボナーラのソースは濃厚?

サラッとしたソースをまとったパスタ|筆者撮影 ソースは、想像していた濃厚なカルボナーラよりも少しサラッとしています。
底には少量の水分が残り、ややスープパスタに近い仕上がりです。
ただし、味が薄いわけではありません。パスタにはしっかり味がついており、チーズの風味も感じられました。
それ以上に印象に残ったのが胡椒です。ひと口食べると「結構効いているな」と感じるほど存在感があり、塩味もしっかりめ。
まろやかで濃厚なカルボナーラというより、胡椒を効かせたパンチのある味付けという印象でした。
ベーコンは細かなかけらが見えるものの、食感や風味はそれほど強く感じませんでした。
- ■非常食と知らずに食べてもおいしい?
普段食べるパスタと同じ基準で考えると、個人的には積極的に選んで食べたい味ではありませんでした。
パスタの戻りにムラがあることを除いても、ソースも一般的なカルボナーラよりサラッとしているため、普段のパスタとは食感も味わいも異なります。
ただ、5年間保存でき、短時間で調理できる非常食であることまで含めると見方は変わります。
日常のパスタとしてのおいしさというより、災害時にも味のついたパスタを食べられることに価値がある商品だと感じました。
水でもマジックパスタを実食!約20分で本当に戻る?
続いて、常温の水道水を使って調理します。
お湯ならまだイメージできますが、水を入れただけで乾燥したパスタが本当に食べられる状態になるのでしょうか。
- ■水でもソースはちゃんと溶ける?

水の場合、お湯よりもパスタとソースの戻りはゆっくり|筆者撮影 水を入れた直後は、正直少し不安になりました。
ブロック状のソースがなかなか溶けず、パスタもお湯ほど早く水分を吸っているようには見えません。
ソースもお湯より混ざりにくく、かなりしっかりとかき混ぜる必要がありました。
それでも少量のダマが残ったため、水で調理する場合は特に念入りに混ぜたほうがよさそうです。
- ■水だけで約20分、本当にパスタになった?

水で20分戻した様子|筆者撮影
- ■袋と付属スプーンだけで本当に食べやすい?
約20分後に確認すると、きちんとパスタとして食べられる状態になっていました。
しかも意外だったのが、今回の検証では、お湯で3分戻したものよりも水で20分戻したもののほうが芯の残りが少なく感じられたことです。(ただし繰り返になりますが、今回は別の容器を使ったことの影響も考えられます。)
完全に均一ではなく、一部に硬いところはありましたが、さらに3分ほど置くとほとんど気にならなくなりました。
水だけだとかなり硬く仕上がるのではと予想していたので、思った以上にしっかり戻ったのは意外でした。
- ■水で作ると水っぽくならない?
水で作っても、味が薄くなったような印象はありませんでした。
もともと塩味や胡椒がしっかり効いているため、水で戻しても味の濃さは十分です。
ソースそのものはお湯版と同じくややサラッとしていますが、よく混ぜれば粉っぽさもほとんど気になりませんでした。
- ■冷たいカルボナーラでもおいしく食べられる?
予想していたより違和感なく食べられました。
水で作るため当然冷たいのですが、「冷めたカルボナーラ」というより、冷製パスタだと思えばそれほど気になりません。
パスタはアルデンテ寄りで、モチモチ感よりも少し芯のある食感が印象に残ります。
味はお湯版と同じく塩味と胡椒が強めですが、冷たいぶん胡椒のパンチは少し穏やかに感じました。
一方、香りはお湯版ほど立ちません。
1袋すべてを冷たい状態で食べると、途中で味に飽きてしまいそうです。
それでも、水しか使えない災害時の食事として考えれば十分食べられる仕上がりでした。
調理がお湯か水かで、食感はどう変わる?
最後に、お湯と水で作ったカルボナーラを交互に食べ比べてみました。
- ■お湯と水で食感は大きく変わる?
十分に時間を置いた状態で比べると、パスタの硬さや食感にはそれほど大きな差を感じませんでした。
お湯版も長めに置けばやわらかくなり、水版も20分以上置けば芯が気になりにくくなります。
ソースの絡み方や濃さにも、大きな違いはありませんでした。
今回の実食では、「お湯か水か」以上に「どれくらい時間を置いたか」が仕上がりに影響しているように感じます。
- ■お湯と水で一番違ったのは?
一番違いを感じたのは、温度と香りです。
お湯で作ったものは温かいため、チーズなどソースの香りが立ちやすく、味にも少し奥行きを感じました。
一方、水版は香りが控えめで、味そのものはしっかりしているものの、お湯版より単調に感じます。
味や食感の差以上に、「温かいものを食べている」ことの違いが大きい印象です。
どちらかを選べるなら、個人的にはお湯で作り、少し長めに置いたものを選びます。
- ■それでも「水で作れる」ことにメリットはある?
あります。
今回試してみて、水でも十分にパスタとして食べられることがわかりました。
もちろん、お湯を用意できるなら温かい状態で食べたいところです。
ただ、停電やガスの供給停止でお湯を沸かせない状況でも、飲用可能な水があれば調理できます。
実際に水で作ってみるまでは「非常時だから仕方なく食べるもの」というイメージもありましたが、約20分待てば普通に食事として成立しました。
熱源が使えない状況にも対応できる点は、マジックパスタならではの強みといえそうです。
マジックパスタを実食してわかったこと
今回、マジックパスタのカルボナーラをお湯と水の2通りで実食してみて、もっとも意外だったのは、仕上がりに想像していたほど大きな差がなかったことです。
お湯で作ったものは温かいぶん香りが立ちやすく、個人的にはこちらのほうが好みでした。
一方、水で作ったものも約20分でしっかり戻り、冷製パスタのような感覚で食べられます。
普段食べるカルボナーラと同じおいしさを期待すると違いは感じますが、5年間保存でき、熱源がなくても調理できる非常食として考えると、使い勝手は悪くありません。
また、1袋食べると意外に満腹感がある一方、エネルギーは249kcalです。
家庭やオフィスで備蓄する場合は、マジックパスタだけで食事を完結させるのではなく、缶詰などほかの保存食と組み合わせておくとよいでしょう。
アルファ化米や保存パンに加えてパスタも備えておけば、非常時の主食に変化をつけられます。
「お湯が使えるなら温かく、水しかなくても食べられる」。
実際に食べ比べたことで、この使い分けのしやすさがマジックパスタの大きな特徴だとわかりました。



