この記事では「犬、猫を飼育した場合の1カ月にかかる費用」について、犬や猫のトレーニングサービスを行っているPeT2rainee(ペットレーニー)の代表トレーナー、高橋ルミさんが解説します。
こんにちは、アニマルトレーナーの高橋です。
今回は、犬や猫を飼ったら実際1カ月でどれくらいの費用がかかるのか、そんな疑問に答えてみたいと思います。
私は実際に犬と猫を両方飼育していますが、犬と猫で飼育費用はかなり異なります。
この記事では、犬と猫の飼育者の1カ月の家計簿を参考に、犬と猫にかかる費用を詳しく解説。
飼ってみたからこそ分かる飼育費用の節約ポイントも紹介しているので、犬か猫をすでに飼っている人も、これから犬か猫を飼おうかと考えている人も、ぜひ参考にしてみてください。
実際のリアル家計簿
犬か猫を飼う場合、毎月大体いくらくらい費用がかかるのか知っておきたいですよね。
ここでは、私が実際に飼っている
・小型犬(ポメラニアン♂:2.2kg)
・短毛猫(マンチカン♂:3.7kg)
・長毛猫(マンチカン♀:2.3kg)
の典型的な1カ月の家計簿を一例として紹介します。
ペットにかかる1カ月の費用
小型犬(ポメラニアン♂:2.2kg)の出費
項目 | 金額 |
---|---|
ドライフード(症状あり) | 2,800円 |
おやつ | 750円 |
ペットシーツ | 1,518円 |
うんち袋 | 330円 |
ウェットシート | 72円 |
雑貨(おもちゃ) | 0円〜1,000円 |
サプリ | 990円 |
ペット保険 | 1,820円 |
トリミング代 | 9,140円 |
合計 | 18,420円 |
※表の中、「ドライフード(症状あり)」とは、療法食=特定の疾病または健康状態にある犬の食事療法に利用することを目的として作られたペットフード。
長毛猫の出費
項目 | 金額 |
---|---|
ドライフード(通常) | 1,239円 |
おやつ | 500円 |
猫砂 | 3,424円 |
うんち袋 | 330円 |
ウェットシート | 72円 |
雑貨(おもちゃ) | 0〜500円 |
ペット保険 | 1,800円 |
合計 | 7,865円 |
短毛猫の出費
項目 | 金額 |
---|---|
ドライフード(症状あり) | 5,536円 |
おやつ | 500円 |
猫砂 | 3,424円 |
うんち袋 | 330円 |
ウェットシート | 72円 |
雑貨(おもちゃ) | 0〜500円 |
ペット保険 | 1,800円 |
合計 | 12,162円 |
※表の中、「ドライフード(症状あり)」とは、療法食=特定の疾病または健康状態にある犬の食事療法に利用することを目的として作られたペットフード。
結果
小型犬(フード:療法食)1匹の1カ月の出費→18,420円
短毛猫1匹の1カ月の出費→12,162円
長毛猫1匹の1カ月の出費→7,865円
私の場合、犬と猫の飼育費用は、月額約6,500円〜1万円の差があります。
犬と猫にかかる費用でいちばん違うのはトリミング代。
犬は毎月トリミングしていますが、猫は年に数回しか行っていないためです。
ほかに、飼育費用で大きな違いが出てくるポイントとしてはとペットの健康状態が挙げられます。
持病があったり高齢だったりする犬や猫には療法食が必要。
療法食は通常のペットフードより高いので、ペットフードの費用がかさみます。
電気代に関して
電気代 | 利用料金 |
---|---|
1月 | 9,195円 |
2月 | 8,438円 |
3月 | 10,055円 |
4月 | 8,019円 |
5月 | 6,159円 |
6月 | 5,371円 |
7月 | 9,332円 |
8月 | 8,978円 |
9月 | 7,181円 |
10月 | 6,126円 |
11月 | 8,266円 |
12月 | 9,981円 |
※政府の激変緩和措置による値引きを含めない金額
月ごとの電気代も掲載してみました。
快適な飼育環境を整えるために、加湿空気清浄機を365日稼働。
また夏場と冬場はエアコンをつけている時間が長いです。
我が家では、室温が20度を下回る場合または27度を超える場合はエアコンを24時間稼働しています。
支出項目について
あらためて犬か猫を飼う場合にどんなことにお金がかかるか、支出項目を見てみましょう。
毎月かかる支出項目
まず基本的に、必ずかかる費用は以下のようなものがあります。
🐩犬
・食費(おやつも含む)
・ペットシーツ
・衛生管理用品(うんち袋、ウェットシートなど)
・トリミング代 ※犬種による
🐈猫
・食費
・猫砂
・衛生管理用品
任意の支出項目
次に個体の状況や飼い主の意向によって変わる項目は、以下のようなものが考えられます。
🐩犬
・ペット保険
・マナーウェア
・おもちゃ
・サプリ
・ペットシッター・ホテル代
🐈猫
・ペット保険
・おもちゃ
・サプリ
・トリミング代
ペットフード代は選ぶ製品によってかなり異なる
ペットフードの金額
犬 | 猫 | |
---|---|---|
格安ブランド | 約600円〜 | 約700円〜 |
中級ブランド | 約1,900〜2,500円 | 約1,200円〜 |
プレミアムブランド | 約3,000円〜 | 約2,800円〜 |
食事療法 | 約3,000円〜 | 約4,000円〜 |
フードの中でも、特にオーガニックや特殊加工されたフード(例えばフリーズドライタイプなど)、持病がある犬や猫向けの食事療法食などは値段が高くなる傾向にあります。
ペットが口にするものにはこだわりたいという場合は、中級ブランドあたりを与えるのがおすすめ。
プレミアムブランドはおいしくてペットが喜びますが、最初からあまりいいペットフード与えてしまうと、飽きられたときに中級ブランドに下げると食べてくれないことがあります。
ですから、プレミアムブランドのペットフードは最終手段としてとっておくことをオススメします。
年1回、ワクチン代も必要
ワクチンにかかる費用
🐩犬
・混合ワクチン 3,000〜10,000円程
・狂犬病ワクチン 2,200〜 4,000円程
※抗体検査 6,000円〜
🐈猫
・混合ワクチン 3,000円〜
ワクチン代は動物病院によって大きく異なります。
同じ地域にある動物病院で同じワクチンを打ってもらう場合でも料金に差があるのが実情です。
ちなみに狂犬病以外のワクチンは任意接種。
毎年打つ人もいれば、抗体検査を実施して抗体があればその年は打たない人もいます。
ペットの保険料と医療費について
犬や猫を飼っていて心配なのは病気やケガ。
人間のような公的な医療保険が動物にはないので、医療費は原則全額自費になります。
自費診療は高額になりがち。
もしものときのためにペット保険への加入を検討する人も多いと思います。
保険料について
今回は、フルカバー型50%プラン(保険適用となる金額の50%+保険適用外のみ負担、入院・手術補償別途あり)の年齢ごとの月額保険料をまとめてみました。
🐩小型犬
1歳 平均約1,950円(相場幅:約1,400~2,500円)
5歳 平均約2,600円(相場幅:約1,900~3,300円)
10歳 平均約4,000円(相場幅:約2,800~5,200円)
🐈猫
1歳 平均約1,800円(相場幅:約1,200~2,400円)
5歳 平均約2,100円(相場幅:約1,600~2,600円)
10歳 平均約3,050円(相場幅:約2,100~4,000円)
犬の保険料は、体のサイズによって変わります。
また、犬猫ともに年齢が上がるにつれて保険料が高くなるのと、保険の適用範囲も限定されてくるので注意が必要です。
少しでも保険料を抑えるために、私は以下の点を心がけています。
・ネットで契約する
・月額ではなく年払いにする(割引がある場合)
・他社と比較し1番コスパのいいプランを選ぶ
私がペット保険を使ったケース
犬
夜間に嘔吐が見られ、元気がないため、誤飲もしくは急病を疑い夜間に病院へ連れて行った。
保険プラン:70%フルカバープラン(保険適用金額の総額の3割と保険適用外範囲が飼い主負担)
総額 68,182円
保険適用外の料金→時間外料金12,000円、10%外税額6,198円
※保健適用額→49,984円
支払い金額→33,193円『14,995円+12,000円+6,198円』
(保健適用額49,984円の3割と保健適用外料金の合計)
約33,000円を保険でカバーできました。
猫の急性ストレス性膀胱炎
夜間にトイレを複数回徘徊し、排尿ができていない症状に気づいた。急病を疑い夜間に病院へ。
保険プラン:70%フルカバープラン(保険適用額の総額の5割と保険適用外範囲が飼い主負担)
総額 26,290円
保険適用外額→時間外料金12,000円、10%外税額2,390円
※保健適用額→11,900円
支払い金額→17,960円『3,570円+12,000円+2,390円』
(保健適用額11,900円の3割と保健適用外料金の合計)
約8,300円を保険でカバーできました。
私は、保険適用額の70%を保険でまかなえるプランに加入していたので、人間と同様3割負担で済みました。
保険に入っていなかったとすると、上記の金額が全部自費だと思うとヒヤッとしますよね。
夜間の緊急対応に関する夜間手当などは保険金ではカバーできないので、夜間に症状が出ない限りは、日中病院に行くようにしましょう。
保険料は掛け捨てになるので、愛犬や愛猫がずっと健康であればもったいない気もしますが、ペットの医療費は高額になるケースも多いので、入っておいて損はないと思います。
犬と猫を飼ってみた感想として、犬は誤飲がかなり多いのと、皮膚病や関節の異常は若い頃から症状が出るケースが多いので、幼犬のときから保険には入っておくことをオススメします。
猫は、体が強く若い頃に何も病気にならない子と、元々基礎疾患的に臓器や精神面が弱く病気になりやすい子に分かれる印象があります。
ただ、若いうちは猫風邪などもなりやすいので保険に入っておく方が無難。
大体3歳ぐらいになると病気に強いか弱いかがわかってくるので、リスクはありますがその頃に保険を一度外すのも個人的にはありかなと思います。
ただし、後々保険に加入しづらくなったり、保険加入前からあった症状に関しては保険がおりなかったりするので、その点は注意が必要です。
私が実践している節約術
犬と猫の飼育コストを抑えるための節約術や裏技を解説します。
節約術 トリミング編
●トリミングが必要ない犬種を飼う
●カットが必要ないときは自宅でシャンプーする
●裏技⭐️少しでも皮膚に乾燥や異常がある場合は、「薬浴」を実施してくれる病院内のトリミングサロンを活用する。
実は、皮膚に症状がある場合は、薬浴に保険が適用されます。
カット代や歯磨きなどは保険がききませんが、シャンプー以上の効果を期待できる薬浴であれば、例えば5,000円かかるところを3割負担の1,500円でできることになります。
また油分が多い猫ちゃんは、日々のこまめなブラッシングや定期的な自宅シャンプーで毛のもつれを回避できるので、トリミングサロンを利用する間隔を空けられて節約につながります。
節約術 医療費編
●保険の見直し
ペットショップで生体購入する場合は、購入時に勧められた保険に加入することも多いので、実際に『ペット保険、比較』などで検索し、月額に対する補償内容を他のペット保険と比較した上で検討しましょう。
●病気の早期発見を心がける
定期的な健康診断や日頃からの観察をしっかり行い、変化に気をつけましょう。
●事故を未然に防げるように注意を払う
例えば、手の届く範囲に物を置かない事で誤飲防止につながります。また、床を滑りにくくしたり、犬の場合は家具の段差に気をつけたりすることで関節のケガ予防になります。
節約術 飼育環境編
●風通しのいい部屋を選ぶ
●夏は冷感グッズ、冬は防寒グッズを活用する
エアコンの電気代を抑えられます。
節約術 コツコツ節約編
●ペットフードは小袋ではなく大袋を、セット売りで割引があるタイミングで買う
キャンペーンなどで安く買ったり、試供品を手に入れたりするのもオススメです。
大袋に関しては、費用を抑えられる反面、フードが酸化しやすくなり風味が落ちる点は注意しましょう。
●日常アイテムをおもちゃとして活用する(猫の場合)
輪ゴムやペットボトルのキャップ、紐、リボンなどの日常アイテムは、おもちゃとして活用できます。
●壊れにくいおもちゃを選ぶ(犬の場合)
破壊されやすいものとして、例えば人形系のおもちゃやクッション素材のベッドなどがあります。
年間でかかる費用の目安は
では最後に、ここまで紹介した費用をもとに年間の飼育費用を概算してみましょう。
犬や猫を普通にちゃんと飼うと、1年間で最低このくらいは必要という目安になればと思います。
【犬】に年間でかかる費用
・飼育費(ペットフード、衛生用品など最低限必要な備品類) 月々約5,000円〜×12カ月
・狂犬病、ワクチン代 約5,500円〜
・トリミング代(月1回)約8,500円〜×12カ月
・ペット保険代(今回2歳対象) 約21,840円(年間)〜
年間最低費用の目安 189,340円〜
【猫】に年間でかかる費用
・飼育費(ペットフード、衛生用品など最低限必要な備品類) 月々約5,000円〜×12カ月
・ワクチン代 約3,000円〜
・ペット保険代(今回4歳対象) 約21,600円(年間)〜
年間最低費用の目安 84,600円〜
私の場合のリアルな飼育費用と、節約の仕方を紹介しました。
すでに犬や猫を飼っている人は、ご自身の支出に比べてみていかがでしたか?
まだ飼われていない人は、想像以上にいろいろな支出があるんだなと思ったかもしれません。
今回の記事を通して、犬や猫を飼う前の参考にしたり、節約ポイントを実体験に活かしたりしてもらえたらうれしいです。
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