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【職場の防災】停電時、冷蔵庫の中身を守る対策は?3.11経験した防災士が解説

防災
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執筆者
防災士・大沢しの

東日本大震災の際は宮城で被災し、避難生活を送った経験から、2025年に防災士資格を取得。実体験に基づいた防災情報を発信しています。

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地震や水害で電気が止まってしまったとき、職場の冷蔵庫の中身をどう守るのか、心配になりませんか?

こんにちは、株式会社トラスト・ファイブが運営するビル・土地の記事メディア担当の大沢しのです。

不動産とは切り離せない「防災」に関する情報を、被災経験を持つ防災士の立場からお伝えしています。

この記事でわかること
  • 3.11で1週間の停電を余儀なくされたときは、食材を劣化させてしまい破棄。再調達に苦労したことから、停電に備えた対策の必要性を実感。
  • ビルに備えられている非常用電源は一般的にスプリンクラーや非常用照明などのためであり、テナントの冷蔵庫には別途備えが必要。
  • 冷蔵庫における停電対策は、家庭用・業務用とも開閉しないことを大前提とし、保冷剤やドライアイスで冷気を保ちつつ、必要に応じてポータブル電源で電源を確保することです。なお、厳密な温度管理が必要な医薬品については、必ずメーカーや卸業者の案内に従って対応してください。

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Q:災害による停電時、職場の冷蔵庫・冷凍庫の中身はどう守ればいい?

地震や水害で停電してしまったとき、職場の冷蔵庫・冷凍庫の中身はどう守ればよいでしょうか?
大事なものも入っているのですが⋯

ご質問いただきありがとうございます。停電したときのことを考えると、冷蔵庫・冷凍庫のことが心配ですよね。

「大事なもの」というのがどのようなものかはご質問内容になかったので、さまざまなパターンを想定しながら回答いたしますね。

また今回の回答は、一般的な貸しビルに入居しているオフィスや店舗・クリニック等を想定しています。

自社ビル・自社施設の場合は、BCP(事業継続計画)対策として蓄電池や自家発電機などの非常用電源が確保されている可能性も高いので、施設管理者にご確認ください。

【体験談】停電で冷蔵庫の中身が全滅…東日本大震災で1週間停電した私の体験

私は東日本大震災で1週間の停電を経験しました。あまりにも大きな揺れだったので、冷蔵庫が移動するほどでした。しかし私は慌てていたので、冷蔵庫の状態を確認もせずに家を飛び出しました。

震災直後は親戚宅に避難しました。親戚宅では生鮮食品は少なかったため、廃棄したものは少なかったように記憶しています。

停電から復旧後に自宅に戻ってみると、移動した冷蔵庫に入れていた食材などが飛び出していました。また、冷凍庫に入れていた肉や、魚、アイスもすべてダメになっていました。

片付けも大変でしたが、食材がすべてダメになったため再調達に苦労しました。当時子どもは2歳。子どもが食べられる食材も必要でしたが、流通も混乱していたためスーパーでは購入できるものや、数が制限されていました。特に生鮮食品は手に入れることが困難で、隣の部屋の方や、親戚などとシェアしてようやく確保していました。

スーパーに行けば食材が何でも手に入る。そんな当たり前のことが、本当にありがたいことだと実感しました。

これは自宅の話ですが、職場の冷蔵庫でも同じことが起こりえます。

質問者様のいう「大事なもの」は、食材よりも再調達の難しいものと思われますので、なおのこと対策が重要ですよ。

ビルの非常用電源は冷蔵庫にも使える?

ビルには非常用電源が備え付けられている場合が多いです。ただしそれは、スプリンクラーや非常用照明、非常用エレベーターのために備えられているものです。

ビルによっては、非常用電源から給電を受けられる場合もあります。

ただし、その場合でも別途工事が必要になると思われるので、詳しくは管理会社に相談してみてください。

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【家庭用・業務用】冷蔵庫の対策

冷凍室にはペットボトルに水と保冷剤を備えています | 筆者撮影

家庭用・業務用それぞれの対策を以下にご紹介していきます。

家庭用冷蔵庫の停電対策

まずは、オフィスの給湯室などで使用されていることが多いと思われる、家庭用の冷蔵庫・冷凍庫における対策をご紹介します。

基本は「開けない」

冷蔵庫・冷凍庫は、ドアを開けなければ2~3時間程度は冷えが保たれます。開け閉めしないよう、周りの人にも伝えておきましょう。

参考:パナソニック「停電で冷蔵庫は何時間もつ?」
https://panasonic.jp/life/safety/130010.html

冷凍庫はすき間なく詰めておく

冷凍庫にすき間なく詰めておけば、季節によっては、扉を開けない状態で半日~丸1日ほど凍った状態が保たれるとも言われています。

ただし実際に停電したときは、冷蔵庫に保冷剤を移すために扉を開けることになるため、温度を保てる時間は短くなると思われます。

冷蔵庫の上の方に冷凍品や保冷剤を入れる

冷蔵庫の上のほうに冷凍品や保冷剤を入れると、冷蔵庫内の温度を低いまま保ちやすくなります。

保冷剤の代わりにペットボトルの水を凍らせておけば、備蓄水としても使えて一石二鳥です。なお、水は凍ると膨張するため、ボトルには入れすぎず、8割程度にしておきましょう。

クーラーボックスへの移し替えはNG

食材を常温のクーラーボックスに移し替えると、温度が上がってしまいます。停電時は移し替えるのではなく、冷蔵庫の中に入れたまま保管しましょう。

台風や線状降水帯の予報が出たら、強冷却モードで冷やしておく

停電が予測できるときは、事前にしっかり冷やしておくのも対策になります。

「強冷」「急速冷凍」など、機種によっては名称が異なるので、取扱説明書で確認してください。

ポータブル電源を備える

停電が長期化すると、上記の対策では限界があります。そこで検討したいのがポータブル電源です。

選ぶときのポイントは次のとおりです。

  • 冷蔵庫の消費電力より、ポータブル電源の定格出力が大きいこと(起動時は2~3倍の電力が必要なので、瞬間的に出せる最大出力も確認)
  • 停電時に自動で切り替わる「UPS機能」と、充電しながら給電できる「パススルー機能」の両方があること
  • 家庭用冷蔵庫の1日の消費電力は750Wh前後なので、1日分の電力を確保するなら容量1000Wh以上、2日分なら容量2000Wh以上が目安
  • さらに長期の停電に備えるなら、ソーラーパネルと組み合わせて充電できるものを

詳細は下記をご覧ください。

参考:Jackery「ポータブル電源で冷蔵庫は何時間持つ?」
https://www.jackery.jp/blogs/power-station/portable-power-for-refrigerator

業務用冷蔵庫の停電対策

業務用冷蔵庫の対策は、以下のとおりです。

大容量のポータブル電源や蓄電池を用意する

業務用の冷蔵庫は消費電力・必要容量共に家庭用よりも大きいですが、大容量のポータブル電源や蓄電池があれば、停電中も庫内を冷やし続けられます。

容量を選ぶときは、お使いの機種の消費電力量(Wh)を、メーカーの仕様書で確認しましょう。

参考:Jackey「業務用冷蔵庫が停電したら何時間もつ?」
https://www.jackery.jp/blogs/daily-use/how-long-commercial-fridge-stays-cold-during-outage

事前にわかる停電にはドライアイスを準備する

計画停電など、事前にわかっている場合は、ドライアイスを準備しておくこともできます。どのくらいの量が必要かは、冷蔵庫・冷凍庫の規模や性能によるので、信頼できる販売店に相談してください。

ドライアイスは素手で触ると凍傷の危険があり、気化すると二酸化炭素が出ます。扱うときは軍手など厚手の手袋をして、換気をよくしてください。

ポータブル発電機は屋内で使えないので注意

ガソリンやガスボンベで発電するタイプは、屋外での使用が前提です。屋内の冷蔵庫・冷凍庫に扱うのは現実的ではありません。

屋外に置いて延長コードで発電する方法もありますが、ビルの入居フロアでは設置場所の確保が難しいため、現実的ではない場合が多いでしょう。

医薬品などを保管している場合

ワクチンなどの医薬品や試料など、厳密な温度管理が必要なものは、メーカーや医薬品卸の案内に従ってください。

停電しても冷蔵庫・冷凍庫の扉を開けなければ、2~3時間は温度を保てます。冷凍庫はしっかり中身を詰めておくと、温度を保てる時間がさらに長くなると言われています。

普段から冷凍庫には中身を詰めて、保冷剤や凍らせたペットボトルの水を用意しておくとよいでしょう。

そのうえで停電が長期化した場合に備え、ポータブル電源のように電源そのものを確保する方法も考えておくと安心です。

厳密な温度管理が必要なもの(医薬品や試料など)がある場合は、保管条件を確認したうえで、対策を決めておきましょう。

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