災害に備えて食品を用意するなら、非常時だけでなく普段の食事にも使えるものを選ぶ「ローリングストック」も一つの方法です。
今回試したのは、カルビーポテトの「お湯だけでマッシュポテト プレーン」。
北海道産じゃがいもから作られた乾燥マッシュポテトで、2026年には第1回「災害食アワード2026」の副菜部門で優秀賞を受賞しています。
しかし、気になるのは「お湯だけで本当においしいのか?」ということ。
さらに災害時には、お湯を用意できない可能性もあります。
そこで今回は、実際にお湯と水で調理し、「まずい」という噂は本当なのかを検証しました。
さらに塩、コンソメ、マヨネーズによる味変も試し、防災食としての使いやすさをチェックします。
最後までチェックしてくださいね。
- 「お湯だけでマッシュポテト」は、お湯を加えて10回ほど混ぜるだけで、ダマのないなめらかなマッシュポテトになります。一方、そのままでは塩気がほぼなく食べづらいため、調味料も併せて備えておくことが大切です。
- 災害時を想定して水でも調理してみましたが、ダマが多く、ボソボソとした粉っぽい仕上がりに。時間を置いてもほとんど変化せず、「水で戻すのはおすすめしにくい」という結果になりました。
- 塩をひとつまみ加えるだけでも味は大きく改善します。非常食専用品として備えるというより、普段の料理に使うために常備し、いざというときにも活用するローリングストック向きの商品と感じました。
カルビーの「お湯だけでマッシュポテト」とは?

「お湯だけでマッシュポテト プレーン」は、北海道産じゃがいもを使用した乾燥マッシュポテトです。

内容量は150gで、じゃがいも約5個分相当。
作り方は、本製品30g(大さじ8杯程度)に対してお湯120mlを加え、スプーンで混ぜるだけです。
筆者が購入したのは地元のスーパー。
セール対象品として値引きされており、税込213円で購入しました。
2026年9月に購入した商品の賞味期限は2027年6月。
これは今回購入した商品の実例で、購入場所や時期によって残存期間は異なります。
公式オンラインショップでも常温で販売されており、「賞味期限90日以上ある商品を発送」と案内されています。
袋にはチャックも付いているため、一度に使い切らず保存できるのは便利です。
「お湯だけでマッシュポテト」を実食!まずいって本当?
「お湯だけでマッシュポテト」を、非常時を想定して実食してみました。
開封するとどんな感じ?

袋を開けると、じゃがいもそのもののような色をした粗めのフレークが入っています。
香りも「じゃがいもの香り」といわれればそう感じるような素朴なもの。
ただ、若干インスタント食品らしさも感じました。
正直な第一印象は、「これにお湯を入れるだけで、本当においしいマッシュポテトになるの?」。
乾燥した状態からは完成形があまり想像できません。
お湯を加えると本当にマッシュポテトになる?

今回は公式の作り方に沿って、30gにお湯120mlを加えました。

最初は少し水分を吸いにくい印象でしたが、スプーンで30回ほど混ぜると、一気にマッシュポテト状に変化。ダマもできません。
さらに、スプーンの背でフレークをつぶすようなイメージで混ぜると、かなりなめらかに仕上がりました。
粉の状態を見たときとは別物で、「ここまでちゃんとマッシュポテトになるのか!」と驚きます。
調理の簡単さについては、確かに防災食として魅力を感じました。
お湯だけで食べるとまずい?
筆者は、正直「まずい」と感じました。
何も味付けせずに食べると、少しインスタント食品らしい香りのあるじゃがいもを、そのまま食べているような味です。
特に驚いたのが、想像以上に「味がない」こと。
もちろん、塩気は全くありません。
食感もやや「もそっ」としています。
味がない状態でこれを何口も食べ続けるのは少々つらく、水分なしで食べると口の中や喉にも残りやすく感じました。
「お湯だけで完成する、おいしい味付きマッシュポテト」を想像して買うと、ギャップがあるでしょう。
塩やコンソメを足すとおいしくなる?

プレーンの状態に塩をひとつまみ加えると、印象は一気に改善。
塩気が加わることで、じゃがいも本来の甘みも自然に感じられるようになりました。
「おいしくて何口も食べたい」というほどではありませんが、「これなら食べられる」というレベルにはなります。
防災備蓄に加えるなら、最低限、塩も一緒に用意しておきたいところです。

次にコンソメでも試しました。
こちらはコンソメの味が前面に出るので、プレーンなじゃがいもの風味が苦手な人には食べやすそうです。
イメージとしては、ごくあっさりした「ポテトチップスのコンソメ味」のような風味。
少しスナック感はありますが、こちらも非常時なら十分食べられる味でした。
コンソメは常温で備蓄しやすく、スープなど別の用途にも使えるため、防災用の調味料として組み合わせるのもよさそうです。
マヨネーズを加えると?
今回試したなかでは、ダントツでおいしくなりました。
マヨネーズを加えると一気にポテトサラダらしい味になり、「これなら普段の食事にも便利!」と思える仕上がりです。
メーカーも、マヨネーズや具材を加えてポテトサラダにしたり、牛乳と合わせてポタージュにしたりする食べ方を紹介しています。
この商品はそのまま食べるというより、マヨネーズやバター、牛乳、調味料などを加えて完成させる「料理のベース」として使うのが本領なのですね。
しかし非常時には、マヨネーズなどの調味料を用意できるとは限らないのが難点です。
災害時を想定して「水」でも作ってみた
お湯を用意できない状況を想定して、「水」でも作ってみました。
お湯がなくても水で戻せる?

停電やガスの停止でお湯を作れない状況を想定し、お湯と同様に水でも試してみました。
結論、水での調理は、おすすめできません。
混ぜてもダマがたくさん残り、全体的にボソボソ。
お湯で作ったときのようななめらかさは、まったく出ませんでした。
そのまま時間を置いてみても、見た目にはほとんど変化なし。
食べてみると粉っぽさが強く、さらに青臭さも感じます。
「生のじゃがいもをかじったら、こんな感じなのでは?」と思うような味でした。
何とか食べ切ろうと電子レンジで温めてみましたが、一度水で戻したものは、お湯から作ったときのようにはなめらかにならず、ボソボソ感と青臭さも残りました。
メーカーが水での調理を案内していないのも納得です。
今回の検証では、「非常時なら水でも十分」とはいえず、水で戻すとまずいという結論になりました。
防災食としてはどう?実際に試して感じたメリットと注意点
防災食として評価できるのは、常温で保存でき、お湯さえあれば短時間で調理できることです。
30gでも実際に食べてみると意外とお腹にたまり、今回、味付けを変えながら30g分を食べ切った時点では満腹になりました。
普段から少食な人であれば、これを主食代わりにしてもよさそうです。
筆者なら、アルファ米や保存パンと一緒に食べるよりも、マッシュポテトを主食にして、ツナ缶などのおかずを組み合わせます。
そのほうが食べやすく、食事としてのバランスも取りやすそうです。
一方、防災専用食品として見ると気になる点もあります。
1回分30gに対してお湯120mlが必要なので、フレークとお湯をそれぞれ計量しなければなりません。
作り慣れれば目分量でも調整できそうですが、1食分ずつ小分けされ、お湯を規定線まで注ぐだけの商品と比べて一手間かかります。
袋の中で直接調理できるわけでもなく、容器やスプーンも必要です。
そして何より、水だけでの調理には向きません。
また、そのままでは「もそっ」とした食感があります。
筆者自身も喉に残る感覚があったため、高齢者や小さな子どもが食べる場合は特に注意し、水分も一緒に用意したほうがよいと感じました。
味についても、お湯だけ・塩・コンソメという「災害時でも比較的用意しやすい条件」では、どれも「非常時にお腹を満たすなら食べられる」というのが率直な評価です。
おいしさを重視するなら、マヨネーズなど、もう一工夫欲しくなります。
「非常食として買う」より、普段使いしながら備えたい
「お湯だけでマッシュポテト」はまずいのか。
今回実際に試した結論としては、お湯だけのプレーン状態では、筆者は正直まずいと感じました。
想像以上に味がなく、少しインスタント食品らしい香りや、もそっとした食感もあります。
ただし、塩をひとつまみ加えるだけで食べやすさは大きく改善し、コンソメを加えればプレーンなじゃがいもの風味も気になりにくくなりました。
そしてマヨネーズを加えると印象は一変。
今回試したなかではダントツでおいしく、「これなら普段から常備したい」と感じました。
ここに、この商品の防災食としての魅力があるのかもしれません。
「非常食として特別に買って何年も保管する」というより、普段のポテトサラダや料理用として少し多めに常備しておき、いざというときには非常食としても使える。
そんなローリングストックに向いた商品だと感じました。
逆に、お湯を用意できない状況を想定するなら注意が必要です。
水ではダマや粉っぽさ、青臭さが残り、今回の検証ではおいしく食べられませんでした。
防災用として備えるなら、保存水だけでなく、お湯を沸かせるカセットコンロなどの熱源もセットで考える必要があります。
非常食は「保存できるか」だけでなく、実際に作って、おいしく食べられるかを確かめておくことも大切です。
「お湯だけでマッシュポテト」も、一度普段の食事で試して自分好みの味付けを見つけておけば、いざというときに頼れるローリングストックの一つになりそうです。


