【メディア掲載】不動産専門誌にSDGs事例として掲載

23区西部の住宅街を流れる「妙正寺川」、水害リスクと防災ポイント【防災士まこぴ解説】

防災
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まこぴ|防災をHappyに伝える防災士

2020年防災士取得以来、「防災をHAPPYに伝える防災士」としてSNS発信・防災イベント企画監修・セミナー・コンサルティング等実施。2024年2月 (株)ColorfulBosaiCreation設立。
神奈川県茅ヶ崎市&岩手県陸前高田市で2拠点生活。
趣味はお洒落な防災グッズ探し、特技はギャルと防災を語れること。

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妙正寺川(みょうしょうじがわ)って知っていますか?

聞いたことなかったという人も多いかも。

東京都内を流れる川といえば、隅田川や神田川はすぐ思い浮かびますね。

妙正寺川は、神田川の支流のひとつ。杉並区から中野区、新宿区と都心に近い場所を流れているにもかかわらず、意外と知られていない川です。

ですが、この川の近くで不動産を購入・所有したり、入居を検討したり、もしくは管理者として近隣の不動産に関わる際には、”水害”という観点で注意しておきたい都市河川の一つでもあります。

実際に過去には巨大台風や集中豪雨による大規模な水害が度々発生しており、その後大規模な河川整備が進められてきました。

この記事では、妙正寺川の特徴や過去の水害、ハザードマップによる浸水想定、そして具体的な防災対策までをわかりやすく解説します。

すでにこのエリアに住んでいる人や通勤・通学で利用している人にも役立つ情報です。

いざというときに適切な行動を取れるようぜひ参考にしてください。

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妙正寺川の基本情報と特徴

妙正寺川はどこを流れている?

まずは、妙正寺川がどこを流れているのかを見ていきましょう。

妙正寺川は、東京都の杉並区・中野区・新宿区を流れる一級河川で、荒川水系にあたる神田川の支流です。川の長さ(流路延長)は約9.7km、流域面積は約21.4平方キロメートル。都内の河川の中では比較的コンパクトな都市河川※都市河川とは|国土交通省です。

出典:妙正寺川整備工事 説明資料|東京都建設局

妙正寺川の源流は、杉並区にある妙正寺公園の妙正寺池。この池の名前は、近くにある「妙正寺」に由来しています。

そこから妙正寺川は住宅地の中を東へ流れ、杉並区・中野区・新宿区といった地域を通過していきます。

途中、中野区松が丘付近では支流の江古田川が合流します。この江古田川は練馬区から中野区を流れる川で、開渠区間は約2km。

そして新宿区下落合の辰巳橋付近で神田川の高田馬場分水路へと合流します。

なお、新宿区下落合周辺では川の一部が暗渠(あんきょ=地下に埋設された河川や水路)となっており、道路や住宅地の下を流れています。

妙正寺川流域の魅力

妙正寺川は住宅地の中を流れる川ですが、川沿いには公園や神社など地域の歴史を感じられるスポットも点在しています。

源流近くの妙正寺公園は池を中心とした落ち着いた公園で、地域の人の散歩コースとしても親しまれています。西武新宿線鷺ノ宮駅近くの妙正寺川南側には鷺宮八幡神社もあります。

また、現在は道路拡幅などの再整備が進められていますが、JR「高円寺駅」北口を早稲田通り方向に歩いて、突き当たりから西武新宿線「都立家政駅」に延びる通りは「大和町中央通り」と呼ばれており、かつては歴史ある商店街としてにぎわっていました。(出典:中野区公式観光サイト「まるっと中野」

過去にはたびたび水害も発生

妙正寺川の被災状況(中野区) 出典:国土交通省 水害レポート2005

妙正寺川流域は魅力も多くある一方で、これまでたびたび水害が発生している場所でもあります。

直近では2005年(平成17年)9月の集中豪雨で、妙正寺川流域で大きな浸水被害が発生しました。

出典:国土交通省

このとき、杉並区の下井草観測所では1時間に112mmという非常に強い雨を観測。

妙正寺川や善福寺川の流域では大規模な浸水被害が発生して中野区や杉並区などを中心に3,000戸以上が被災しました。

この豪雨を受け、東京都は妙正寺川の河川整備を重点的に進める「河川激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)」を実施しました。

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妙正寺川の水害リスクでおさえておくべきポイント

では、妙正寺川にはどのような水害リスクがあるのでしょうか。都市河川ならではの特徴を踏まえ、特に重要なポイントを2つ紹介します。

短時間での水位上昇

妙正寺川流域は住宅密集地で、地面の多くがアスファルトや建物で覆われています。

そのため雨水が地面にしみ込みにくく、多くの雨が一気に短時間で河川に流れ込みます。その結果、短時間の豪雨でも水位が急上昇しやすいという特徴があります。

いわゆる「ゲリラ豪雨」のような突発的で激しい雨には特に注意が必要です。

内水氾濫による浸水リスク

都市部では、川の氾濫だけが水害の原因ではありません。

下水道の排水能力を超える雨が降ると、雨水が排水しきれず道路に溜まったり、マンホールから逆流したりすることがあります。このような現象を内水氾濫と呼びます。

特に浸水リスクが高いのは

  • 半地下住宅
  • 地下駐車場
  • 地下店舗

などの地下空間です。

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妙正寺川流域の水害リスクをハザードマップで確認

自治体が公表しているハザードマップを見ると、妙正寺川流域の広い範囲で浸水リスクが示されています。中には特に高い浸水が想定されているエリアもあります。

杉並・中野・練馬区の水害ハザードマップから妙正寺川周辺を抜粋して解説します。

杉並区の浸水リスク

出典:杉並区水害ハザードマップより、筆者加工

杉並区内の妙正寺川流域では、多くの場所が浸水深0.1―0.5m(大人の膝までつかる程度)を示す「黄色」や浸水深0.5―1.0m(大人の腰までつかる程度)を示す「黄緑色」です。

川により近い場所では浸水深2.0―3.0m(2階の床まで浸水する程度)を示す「緑」や浸水深3.0―5.0m(2階の軒下まで浸水する程度)を示す「青」の箇所も点在しています。

源流である妙正寺池近辺には浸水深1.0―2.0mを示す「水色」の箇所も多くなっています。

中野区の浸水リスク

中野区内の妙正寺川流域では、多くの場所が浸水深1.0―2.0m(1階の軒下までつかる程度)を示す「水色」となっており、他の区と比べて浸水予想が少し高めになっています。

また、その周辺にも広範囲にわたって浸水深0.1―0.5m(1階の床下までつかる程度)を示す「黄色」や浸水深0.5―1.0m(1階の床上までつかる程度)を示す「緑色」となっています。

また、新宿区との区境である松が丘付近では、浸水深3.0―5.0m(2階の軒下まで浸水する程度)を示す「紫」の箇所もあります。

中野区では土砂災害リスクも

出典:中野区土砂災害ハザードマップ

中野区では、大雨によって引き起こされる土砂災害にも要注目。

妙正寺川流域には土砂災害リスクが想定される地域もあるため、「土砂災害ハザードマップ」が別途用意されています。

松が丘1丁目、松が丘2丁目、上高田4丁目、上高田5丁目に計13箇所の「土砂災害警戒区域等」があります(上記地図の黄色と赤で示されている箇所)

都心で土砂災害が発生するというイメージはないかもしれませんが、実際には中野区内にもこのような区域が存在します。

新宿区の浸水リスク

出典:新宿区水害ハザードマップより、筆者加工

新宿区内の妙正寺川流域では、多くの場所が浸水深0.1―0.5m(1階の床下までつかる程度)を示す「黄色」や浸水深0.5―1.0m(1階の床上までつかる程度)を示す「薄オレンジ色」です。

中野区との区境である西落合付近では、浸水深3.0―5.0m(2階の軒下まで浸水する程度)を示す「薄赤」となっています。

また、下落合の辰巳橋付近で神田川と合流をしますが、その先の下落合1丁目付近でも高い浸水リスクが想定されています。

支流の江古田川にも浸水リスク

出典:中野区水害ハザードマップより、筆者加工

中野区松が丘付近で合流する支流の江古田川でも、水害リスクが示されています。

多くの場所が浸水深0.1―0.5m(1階の床下までつかる程度)を示す「黄色」や浸水深0.5―1.0m(1階の床上までつかる程度)を示す「緑色」です。

妙正寺川との合流地点である江古田1丁目付近や練馬区との境である4丁目付近では、浸水深1―2m(1階の軒下までつかる程度)を示す「水色」のエリアが多くなっています。

また、江古田の森公園北東部では、浸水深3.0―5.0m(2階の軒下まで浸水する程度)を示す「紫」の箇所もあります。

ハザードマップのまとめ

妙正寺川流域で特に水害リスクが高いのは?
  • 中野区松が丘付近:浸水深3.0―5.0mを想定
  • 中野区松が丘1丁目・2丁目、上高田4丁目・ 5丁目:土砂災害にも要注意
  • 新宿区西落合付近:浸水深3.0―5.0mを想定
  • 江古田の森公園北東部:浸水深3.0―5.0mを想定

洪水予報河川に指定

妙正寺川はこれまで河川の水位が氾濫危険水位に到達した時点で氾濫危険情報が発表される「水位周知河川」でしたが、令和2年から、水位予測に基づいてこの先(最大1時間以内)の水位上昇により氾濫するおそれがあると判断できた時点で氾濫危険情報が発表される「洪水予報河川」に指定されました。

氾濫危険情報を早めに入手できれば避難をするか否かの判断に役立つため、しっかりと活用していきたいですね。

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個人や企業でできる水害対策

ここまで見てきて、「妙正寺川流域って意外とリスクあるかも」と感じた方も多いかもしれません。

では、こうした水害からの被害を最小限に抑えてハッピーに生きていくには、どんな対策をすればいいのでしょうか?

ここでは

  • あらかじめ地域の水害リスクを知る
  • いざという時”リアルタイム”で防災情報を掴む
  • 適切な避難方法(逃げ方)を知る
  • 浸水を防ぐための対策
  • 浸水後に備える

の5段階に分けて具体的な対策をいくつか紹介します。

一つずつでいいのでぜひ取り組んでみてくださいね!

あらかじめ地域の水害リスクを知る

ハザードマップを見る

先ほど各区のハザードマップを基に主な水害リスクを解説しましたが、各自治体のハザードマップはネットでも公開されているので、必ず事前に確認しておきましょう。(ハザードマップには地震・津波・水害などいくつか種類がありますが、今回は「水害」をチェックしましょう!)

ハザードマップはあくまで「予測」なので、ここにリスクが書かれていないからと言って絶対に安心というわけではありません。

とはいえ、まずはどこにどんなリスクがあるのかを「知る」ことはとても大切です。

出典: 杉並区 | 新宿区 | 中野区 | 練馬区 各ハザードマップより

過去の浸水実績を知る

妙正寺川および支流の江古田川では、過去何度も浸水をした経験があります。

どこでどの程度浸水をしたのかといった「過去」について知ることは、今後の水害対策を考える上でもとても大切です。

出典:水害リスク情報システム 浸水実績図|東京都より、筆者加工。

上記の青で塗られている部分が浸水実績箇所。

サイトでは、水害発生年月日や被害状況などのデータも確認可能ですよ。

いざというとき ”リアルタイムで” 防災情報を掴む

防災アプリ

防災アプリを利用すれば、防災に関するあらゆる情報がすぐに確認できるので、スマホにダウンロードしておくのがおすすめです。

Yahoo!防災速報 [App store] [Google play]

特務機関NERV防災 [App store] [Google play]

                                              
Yahoo!防災速報では急な雨予報などについても即時通知がきたり、NERV防災は雨雲レーダーが見られたりするなど、日常使いにも便利です。

上記2つのアプリいずれも、設定で「現在地との連動通知」をオンにしておくと、その時いる場所に対して必要な通知が飛んでくるのでおすすめです。(ちなみに私は上記どちらもスマホに入れています!)

洪水キキクル

洪水キキクル:https://www.jma.go.jp/bosai/risk/

出典:洪水キキクル|気象庁

すでに雨が降り始めていて、近くの川が溢れたり土砂災害になったりする危険性が”今”どのくらい高まっているのかリアルタイムで知りたい場面では、気象庁が提供するWebサイト「キキクル」がおすすめです。

浸水・洪水・土砂の3種類について確認をすることができます。

国土交通省 | 川の防災情報

川の防災情報:https://www.river.go.jp/kawabou/pc/ov

国土交通省が提供する「川の防災情報」では、全国の河川の水位や降雨の情報など、水災害に関する様々な情報を紹介しています。

河川の様子をリアルタイムで確認できるライブカメラも利用できます。

出典:川の防災情報|国土交通省

そのほか、各自治体のウェブサイトや、近年では自治体公式のLINEやXなどのSNSアカウントで情報を発信している場合も多いです。

「情報を制する者は災害を制する」という言葉があるほど、いかに信頼性の高い情報を迅速に取れるようにしておけるかは、いざというときに命を守るためにとても重要です。用途に応じてぜひ使ってみてくださいね。

適切な避難方法(逃げ方)を知る

水害リスクを知ったうえで次に大切なのが、「どう逃げるか」です。

特に妙正寺川のような都市河川では、短時間で状況が変わることもあるため、あらかじめ適切な避難の考え方を整理しておくことが重要です。

”避難”の考え方

妙正寺川のような都市河川は、水位の上昇がとても速いのが特徴です。短時間の豪雨で状況が急激に変わることがあります。そのため、垂直避難を前提に考えておくことが大切です。

垂直避難とは、遠くの避難所へ移動するのではなく、建物の上の階など、高くて安全な場所へ避難する方法です。

また、避難指示が出てから逃げるのではなく、「危なくなる前に早めに動く」という意識を持っておくことが大切です。

避難場所の確認

大地震や火災時の避難場所と、水害の時の避難場所は異なります。水害が発生した時に逃げる場所がどこにあるのかを事前に確認しておきましょう。各自治体が指定している避難所は、以下のリンクから確認ができます。

避難場所の注意点

避難場所に関する要注意ポイントとしては、水害用の避難場所と指定されていても想定以上の雨量の時など、「その場所に浸水リスクがあると、避難場所として開設されない可能性もある」ということです。

自治体の指定避難場所に限らず、いざというときに逃げ込める場所の候補をたくさん持っておけると安心ですね。

「避難情報レベル」を理解

避難情報といえば、「避難勧告」や「避難指示」といった言葉を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、令和3年の災害対策基本法改正により、「避難勧告」は廃止されました。

これは、避難勧告と避難指示の違いが分かりにくく、混乱を招いていたためです。現在では「避難指示」に一本化され、避難指示が発令された場合は「全員避難する」ことが求められています。

避難情報には、以下の通り警戒レベル1―5まで5段階あります。

出典:令和3年5月 新たな避難情報に関するポスター・チラシ(内閣府防災情報)

これらの避難情報は、市町村から防災無線などを通じて伝えられるほか、テレビ、ラジオ、インターネット、アプリ、行政の公式LINEなど様々な媒体を通じて入手できます。

レベル5「緊急安全確保」では、もう避難することも間に合わないほど危険性が高いため、基本的にはレベル4「避難指示」までに全員が危険な場所から避難することが必要です。高齢者・妊婦・子連れ・障がい者など、避難に時間がかかる人はレベル3のうちに避難しましょう。

不動産を所有・管理する立場の方は、大雨予報が出された時点で、この後の項で解説するような「排水溝が詰まっていないか点検」「土嚢や止水板の準備」や、入居者などとの情報共有をしっかりと行うことも、被害を生まないために重要です。

注意すべき点として、警戒レベルが必ずしも順番に発令されるとは限りません。
状況が急変することもあるため、市町村から避難情報が発令されていない場合でも、気象庁からの情報を参考にして早め早めに対策をとりましょう。

逃げる(非難する)ときの注意点

では実際に避難するとなった場合、どんな点に気をつければよいのでしょうか。
特に都市河川である妙正寺川流域では、短時間で状況が変わることもあるため、行動時の注意点を押さえておくことが大切です。

川や用水路には近づかない

増水している川は、見た目以上に流れが速くなっていることがあります。
また、水位が急上昇することもあるため、「ちょっと様子を見に行く」といった行動は絶対に避けましょう。

特に夜間や大雨時は視界も悪く、足元の状況が分かりにくくなります。安全な場所から離れないことが基本です。

マンホールや側溝に注意する

内水氾濫が発生している場合、マンホールのふたが外れていたり、水圧で浮き上がったりすることがあります。

水が溜まっている道路では、見た目では分からない危険が潜んでいることもあります。

足元が見えない場所にはできるだけ入らないようにしましょう。どうしても歩かなければならない場合は、傘や杖などで足元を確認しながら進むようにしましょう。

長靴よりもスニーカーを推奨

「雨だから長靴」と考えてしまいがちですが、水位が高い場合は、長靴の中に水が入って動きにくくなったり、脱げてしまったりする危険性があります。

そのため、避難時は脱げにくく歩きやすい靴(スニーカーなど)で避難しましょう。

地下空間には近づかない・入らない

地下室や地下街、地下駐車場などは、短時間で水が流れ込む可能性があります。

特に都市部では、内水氾濫によって一気に水が流入することもあるため、地下空間は最もリスクの高い場所の一つです。

避難時はできるだけ地上、そして高い場所へ移動することを意識しましょう。

無理に移動せず「その場で安全確保」も選択肢に入れる

避難というと「とにかく外に出る」と思いがちですが、都市型水害では移動そのものがリスクになることも多いです。

すでに周囲の道路が冠水している場合や、外に出ることで危険が高まる場合は、無理に移動する必要はありません。

建物の上階へ移動する「垂直避難」を選ぶことも重要です。


「どこへ逃げるか」だけでなく、
「今いる場所で安全を確保できるか」という視点も持っておくと、より現実的な判断ができると思います。

浸水を防ぐための対策

ここまでで解説したように、妙正寺川流域では短時間の豪雨によって急激に水が増える可能性があります。そこで大事なのが、そもそも建物の中に水を入れないための対策です。

「いざ浸水してから対応する」のではなく、事前にできることを少しずつ積み重ねておくことがポイントです。

土のうや止水板を準備する

地下室や地下駐車場、半地下の住居やオフィスは、短時間で浸水する可能性があります。

建物の出入口から水が入り込むのを防ぐために、土のうや止水板(防水板)を準備しておきましょう。

特に注意したいのは、「必要になってから準備しようとしても間に合わない」という点です。大雨が予想されると、ホームセンターなどでも品薄になることがあります。

なお、自治体によっては

  • 土のうを自由に持ち出せる「土のうステーション」
  • 防水板設置の費用補助制度

などが用意されている場合もあります。

「〇〇区 土のうステーション」などで検索してみたり、自治体の担当部署へ問い合わせたりして、利用できる制度を見つけてくださいね。

排水溝やベランダの掃除をする

落ち葉やゴミが詰まっていると、水の流れがせき止められてしまい、本来排水されるはずの雨水が建物側にあふれてしまうことがあります。

建物周囲の側溝、ベランダや屋上の排水口、雨どいなど、排水周りの設備は定期的にチェックして掃除しておきましょう。

排水設備の点検をしておく

建物に備わっている排水設備も重要なポイントです。

例えば、

  • 排水ポンプが正常に動くか
  • 逆流防止弁が機能しているか
  • 地下の排水設備に異常がないか

などを事前に確認しておくことで、浸水リスクを下げられます。

特に企業や店舗の場合は、設備管理の一環として定期点検を行っておくと安心です。

半地下・低地の使い方を見直す

妙正寺川流域のような都市部では、半地下空間が水害リスクの影響を受けやすい場所になります。

そのため、

  • 重要な設備や在庫を置かない
  • 水に弱いものは上階へ移動する
  • 新たに物件を選ぶ際は立地や構造を確認する

といった視点も大切です。


浸水対策というと特別な設備が必要に感じるかもしれませんが、実は「排水口の掃除」や「モノの置き場所の見直し」など、すぐにできる対策も多いんです。

特に都市型水害では、ちょっとした備えの差によって、被害の大きさを左右することもあります。

できることから一つずつでも取り組んでおくと、いざというときの安心感がかなり変わってきますよ。

浸水後に備える

どれだけ対策していても、想定を超える豪雨によって浸水が発生してしまう可能性はゼロではありません。だからこそ大切なのが、「浸水してしまった後」のことまで見据えて準備しておくことです。

被害を最小限に抑え、その後の生活や事業の立て直しをスムーズにするために、事前にできることを整理しておきましょう。

水害時のタイムラインを決めておく

まず重要なのが、「いつ・誰が・何をするか」を事前に決めておくことです。

都市河川では水位上昇が非常に速いため、
「その場の判断」では対応が遅れる場合もあります。

あらかじめ

  • 大雨予報が出たら何をするか
  • 警戒レベル3で誰が動くか
  • レベル4でどこまで対応を完了させるか

といった行動の流れ(タイムライン)を決めておくことで、迷わず行動できるようになります。

建物の管理者であれば、テナントへの連絡手順や設備停止の判断基準も含めて整理しておくことが重要です。

加入している保険の内容を確認する

意外と見落としがちなのが、保険の内容です。

火災保険の中に水害補償が含まれているかどうか、補償範囲や支払い条件などをあらかじめ確認しておきましょう。

水害後の復旧には大きな費用がかかることもあるため、
保険の有無や内容が、その後の再建に大きく影響する場合があります。

必要に応じて、補償内容の見直しも検討してみると良いかもしれません。

備蓄品を準備する

浸水被害が発生すると、停電や断水が起きる可能性があります。そのため、最低でも3日分程度を備蓄しておくと安心です。

例えば

  • 飲料水・食料
  • 簡易トイレ
  • 懐中電灯・ランタン
  • モバイルバッテリー
  • 衛生用品(ウェットティッシュなど)

などが挙げられます。

特に水害の場合は、トイレが使えなくなるケースもあるため、簡易トイレは優先度が高い備えの一つです。

重要なモノの置き場所を見直す

浸水リスクがある場所に、重要なモノを置いていないかも確認しておきましょう。

例えば

  • パソコンや外付けハードディスク
  • モバイルバッテリーや非常用電源
  • 契約書・保険証券などの重要書類
  • 事業に必要なデータや在庫

などです。

これらを床に近い場所や地下に置いている場合は、あらかじめ上の階へ移動させておくだけでも被害を大きく減らすことができますよ。


水害対策は、「どう防ぐか」と合わせて「起きた後にどう動けるか」も同じくらい重要です。

特に都市部では、復旧に時間がかかるケースもあります。

「もし浸水したらどうする?」を一度具体的に考えておくだけでも、いざというときの判断のスピードや安心感が大きく変わってきます。

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防災力アップに向けた妙正寺川流域の取り組み

ここまで妙正寺川の水害リスクについて見てきましたが、過去の様々な水害の経験なども踏まえて、国や東京都、各自治体では被害を軽減するための対策も進められています。

こうした取り組みを知っておくことで、「どこまで備えられているのか」「どこに限界があるのか」を理解しやすくなります。

調節池による洪水対策

妙正寺川では、大雨時の水量をコントロールするために調節池の整備が進められています。

調節池とは、川の水が増えたときに一時的に水をためる施設のことです。
水のピークを分散させることで、下流での氾濫リスクを下げる役割があります。

例えば中野区には、鷲宮調節池といった施設があり、洪水時に水を一時的に取り込むことで河川の負担を軽減しています。

出典:鷺宮調節池(妙正寺川)|東京都建設局

こうした施設は普段は見えにくい存在ですが、都市の治水を支える重要なインフラの一つです。

河川改修・護岸整備

2005年の集中豪雨以降、妙正寺川は激特事業(洪水や高潮などで甚大な被害が発生した際に、緊急かつ重点的な治水対策を実施する事業)に採択され、河川整備が重点的に進められてきました。

具体的には

  • 護岸整備
  • 川床掘削
  • 橋の架け替え

などの対策が行われてきました。

出典:東京都建設局

今後の取り組み

妙正寺川では現在も、治水能力の向上に向けた整備が続けられています。

例えば、鷺ノ宮駅周辺では今後、河川改修や護岸整備が予定されています。

出典:東京都建設局

また、新たな調節池の整備なども検討・推進されています。

出典:広報東京都

こうした継続的な取り組みによって、流域全体の安全性は少しずつ高められています。

インフラ整備だけではカバーしきれない

ここまで紹介したように、妙正寺川流域では様々なインフラ整備が進められています。

しかし「インフラ整備が進んでいるなら、もう大丈夫」と言えるかというと、実はそう簡単でもありません。

近年増えている想定を超える豪雨に対しては、これらの対策だけで完全に防ぎきることは難しいのが現実です。

大切なのは、「ハード面(インフラ整備)」「ソフト面(避難・情報・各自の備え)」をセットで考えることです。

「インフラが整備されているなら安心」と思いがちですが、インフラ整備は”被害をゼロにする”ものではなく、”被害をできるだけ減らす”ための対策です。

だからこそ、「整備されているから大丈夫」ではなく、「整備はされていても、自分でも備えておく」という姿勢が大切です。

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まとめ

妙正寺川は杉並区から中野区、新宿区へと流れる都市河川です。普段は穏やかな川ですが、集中豪雨の際には水位が急上昇する可能性があります。

都市河川ならではのリスクとして、都市化による急激な水位上昇、内水氾濫、地下空間への浸水といった点も見逃せません。

被害を減らすためにできることは、ハザードマップで事前にリスクを把握しておくこと、早めに避難の判断をすること、建物への対策を講じることなどがあります。

まずは「どんなリスクがあるんだろう?」と、地域のハザードマップを一度確認してみることから始めてみてください。そして地域や物件の状況に応じて、必要な対策を進めてくださいね。

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