最寄りの避難所が川の近く…台風・大雨のときどうすれば?
自宅の最寄りの避難所が川の近くで、台風・大雨のとき、避難所に行く方がかえって危ないのでは…と考えている方もいるでしょう。実は、避難所は災害の種別によって異なる場合があります。最寄りの避難所が浸水が想定される場所にある場合、台風や大雨のときに避難所として開設されているとは限りません。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「台風・大雨の避難所や避難行動」に関して紹介します。台風や大雨の際の避難所や避難行動に不安があるという方は、再度確認を行ってみてください。川の近くなど、氾濫して浸水が想定される場所にある小学校などの施設は、台風・大雨の際の避難所として使用されないことが一般的です。そのため、ご質問者様の自宅から最寄りの避難所は、地震の際に開設される避難所であり、台風や大雨などの風水害時には開設されない可能性もあります。台風・大雨の場合の避難所は、ハザードマップなどを活用して確認を行いましょう。ハザードマップとは、自然災害による被害範囲の予測や避難場所などの避難情報が記された地図のことです。ハザードマップでは、避難所だけでなくそこまで避難するための避難経路も同時に確認しましょう。もし、避難経路が川の近くや危険な区域を通らなくてはいけないのであれば、危険です。最寄りの避難所までの道のりが危険な場合には、別の避難所へ避難することを考えましょう。ハザードマップは災害種別ごとに用意されています。台風・大雨の場合は「洪水ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」「内水ハザードマップ」などの、水害に関するハザードマップを確認するといいでしょう。また、土砂災害が発生する可能性もあるため「土砂災害ハザードマップ」も確認しておくと安心です。台風・大雨の際に、避難所へ行くことだけが避難行動ではありません。避難行動には「水平避難(立退き避難)」「垂直避難」「屋内安全確保(在宅避難)」があり、避難所に行くことは水平避難のひとつです。浸水時に避難する場合、単独行動は危険なため隣人などと声を掛け合いながらできるだけ2人以上で避難するようにしましょう。浸水した道路を歩く場合、側溝やマンホールに落ちないように、長い棒や傘などで足元を確認しながら避難すると安全です。また、長靴は水が入ってきて重くなり動きづらくなる可能性があるため、運動靴を履いて動きやすい格好で避難してください。避難する際に持ち出す非常用持ち出し袋はリュックで用意して、いざというときに両手が自由に使える状態にしておきましょう。