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大家族で育った私は、好きな入浴剤を入れることに憧れていた【一人暮らしエッセイvol.15】

一人暮らしエッセイ
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頑張った自分を、好きな香りの入浴剤で労る。楽しくて少し寂しい夜

玄関を開けながら「ただいま」と口に出しても、私を温かく迎え入れる返事はありません。

連日の残業で疲れ切ってしまった金曜日は、一人暮らしのこの部屋に無事に帰ってくることができた安心感と、誰もいないことへの一抹の寂しさを同時に感じてしまいます。

どんなに疲れ切って、体が重く感じても、私にとって欠かせないのがバスタイムです。
今日はどの入浴剤を使おうか、わくわくと迷いながら浴槽にお湯を溜めていきます。

私は5人きょうだいの真ん中っ子でした。それなりに大家族の中で育ってきた私は、一人暮らしに人一倍強い憧れを感じていました。一人暮らしの、特にお風呂に。

小さい頃は、きょうだいたちと騒ぎながらお風呂に入るのも楽しかったのです。
でも、大人に憧れるような時期を迎えてからは、静かに落ち着いてリラックスできる自分の時間が欲しいと、いつも思っていました。

長風呂が大好きな年が近い姉たちと、早くお風呂の順番を譲って欲しいと急かしてくる妹や弟に挟まれて、中学生くらいの頃から、お風呂にゆっくり入ることができなかったのです。

今にして考えると子供っぽいことですが、自分が好きな入浴剤を入れられないのも不満でした。

だからこそ、就職が決まって一人暮らしできるようになったときに選んだのは、バストイレ別の1kのこの部屋。
全体的に白が基調になっていて、バスルームも清潔で、ゆったり湯船に浸かることができる私だけのお城です。

両親やきょうだいたちに気兼ねすることなく、好きな入浴剤やバスボムを選んで、好きなだけお風呂に入ることができます。
香りが強い海外のお菓子みたいな香りの入浴剤も、映画に出てくるような泡風呂も、自分ひとりだけで楽しめてしまうなんてこの上ない贅沢です。

お風呂の中で音楽を聴いたり映画を観たりするために、少し防水のBluetoothスピーカーも買いました。

少し熱めのお湯と、好きな香りや音楽に包まれて過ごす自分のためだけの時間は、仕事のストレスや疲れも綺麗に洗い流してくれます。

今日はどんな入浴剤を入れましょう。
日々の暮らしを節約しながら買い集めた入浴剤コレクションから、今日はどれを使おうか悩むのもまた、私にとってのお気に入りの時間です。

今日は疲れているから、ラベンダーの入浴剤もいいかもしれません。
最近は甘い物ばかり食べているから、エプソムソルトを入れるのもいいアイディアのように思えます。

それでも、仕事で嫌なことや辛いことが多くて心が折れてしまいそうなときに思い出すのは、きょうだいたちとの賑やかな時間なのは、どうしてなのでしょうか。
一緒にお風呂に入って、水鉄砲で遊んだり、どっちが長くお湯に潜っていられるか競争したりして、両親に怒られていたあの頃が懐かしくなるのです。

少し遠く離れているからこそ、恋しく思ったり大切さに気がついたりできるのかもしれません。

たまには、家族で温泉に行ったりするのもいいかもしれないと思いつつ、ひとりきりの時間ももっと楽しめる大人になっていきたいと考える、金曜日の夜でした。

(エッセイ投稿者:高橋ゆうみ)

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