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お部屋は南向き。と思っていた私が、「北向きの部屋」に住んだ感想は…【一人暮らしエッセイvol.85】

一人暮らしエッセイ
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「一人暮らし女性のおうちライフを快適に!」がテーマのライフスタイルマガジン「カーサミア」では、一人暮らしに関するエッセイを公開しています。

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妥協したからこそ「いい出会い」を選べた

私が、今の部屋を選んだ時に妥協したのは、方角です。

お部屋探しをしていた時、当然のように南向きの部屋がいいなと思っていました。
もちろん、他にも妥協できない点はいっぱいありました。女性ならではの譲れない点から、自分の憧れる理想のお部屋像まで幅広くです。

希望条件を我儘にポチポチと全部入れて、さぁ、いざ内見!
しかし、そんな簡単に上手いこと噛み合うわけがありません。

不動産屋さんに連れられて行った「理想のお部屋だ!」と思っていた物件たちは、ことごとく「何かチガウ」だったのです。

5件ほど回るともうクタクタで「無理に引っ越さなくてもいいか」とすら、思うようになりました。

そんな時、不動産屋さんが言ったのです。

「じゃあ、あともう1件。僕のオススメをご覧になって下さい」

クタクタに疲れていたのに、オススメと言われると現金なものでワクワクしてきます。そうして連れられて行った物件が、運命の出会いとなりました。

築は40年ほど。決して新しくはないマンション。しかし、駅チカで目の前がスーパーという好立地。期待に胸を膨らませて、空き部屋を見せてもらいました。

1Kの、ライトブラウンのフローリングが優しく明るく出迎えてくれたことを、今も思い出します。壁は白くて天井は高く、手持ちの家具も難なく置けそうな広さで、私はすっかりその部屋が気に入りました。

ただ1つ、大きな問題があったのです。
それは、窓が北に向いていたことでした。有り得ないと、頭の中の私が呟きました。

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窓は南向き、そうじゃなきゃ東向き。妥協して西になったとしても、北なんて……と、私の中では考えもしなかったことだったのです。

同行した母は「良いんじゃない?」と勧めてくれましたが、私はどうしても納得することができず、せっかく連れてきてくれた不動産屋さんに「ちょっと考えさせてほしい」と伝え、その日は帰りました。

それから数日間、内覧をした物件情報を何度も繰り返し眺め、考え続けました。

(北向きでさえなければ、最高の部屋なのに)

ネットでもあれこれと調べましたが、北向きの部屋の良い点と悪い点を眺めても、イマイチ心を決めることができず、そうこうしている内に回答期日が迫ってきました。

そんな折、義理の姉が家を訪ねてきました。義姉は建築のデザイン系の仕事をしており、いつもオシャレで面白いことを閃く達人で、私はとても頼りにしていました。

義姉に聞けばどうにかなるかもしれないと思い、物件書類を見てもらいました。そして、自分の迷っていることを話しました。
とても気に入った部屋なんだけど、窓が北向きなことだけがどうしても気になると。

義姉は、私の汚い走り書きばかりの物件書類に目を通し、それから言いました。

「うん、良い部屋だと思うよ。北向きも悪くないんじゃないかなぁ。北向きの良さもあるしね」

不思議なことに、その言葉は頑なに「北向きは有り得ない」と思っていた私の心に、ストンと落ちたのです。義姉は、続けて言いました。

「きっと、いい出会いがあるよ」

その時、気付きました。私が北向きを敬遠する理由は、ただの先入観だということ。そして、それを捨てる勇気を持てるよう、誰かに肩をたたいてもらいたかったんだということを。

早速、不動産さんに連絡をして、そこからはトントン拍子に話が進みました。

さて、実際に暮らしてみてどうだったかと言いますと、悩んでいた日々が何だったのかと言うほど、とても快適です。
一番心配していたのは、洗濯物が乾くのかということでしたが、何の問題もなく、北向きにまで届く太陽のパワーの偉大さを感じました。

物が陽に焼けて、色が変わる心配もありません。
何より、昨今の猛暑を耐えきるのに北向きの部屋はとてもうってつけで、夏はクーラーなしに過ごせる日があるほどです。

引っ越し祝いにと、義姉がハート型のピローを贈ってくれました。
寒い冬の日に、レンジでチンして布団にしのばせると、ラベンダーの芳香と温かさでよく眠れます。

朝6時。窓の外から、ゴォーン、ゴォーンと心地よい鐘の音が聞こえます。その音を目覚まし代わりに起きるのも、すっかりお気に入りになりました。

あの時、義姉がアドバイスしてくれたから、妥協を受け入れることができて、本当にいい出会いがやってきたなと思います。

(エッセイ投稿者:京野都/女性/30代)

カーサミア宅建士からのワンポイントアドバイス

素敵なお義姉さまからのアドバイスでしたね…!

最初の京野さまのように「窓は南向き、もしくは東向き。妥協しても西向きまで」と考える方は多く、北向きは敬遠されがちなので、そもそも北向きの物件は少ないです。

そのため、北向き物件の実際の住み心地を聞く機会も少なく、ますます先入観で敬遠されがちな状況になっているように感じます。

編集長・ヨシムラ
編集長・ヨシムラ

実際の住み心地が伝わる、貴重なエッセイをお送りいただき、大変うれしく思います…!

カーサミアも、北向きのお部屋はアリだと思っています。

京野さまがエッセイ内に書かれているメリットのほかに、「窓の前に高い建物があったときでも、北側には影が落ちてこないので、安定した明るさになる」というメリットもあります。

他の条件が最高で、内見して気に入っているのに、「北向きだから」というだけの理由で避けるのはもったいないですよね。
素敵なお部屋と出会えたこと、本当に良かったと思います!

エッセイ募集企画は終了しました。次回の開催をお楽しみに!

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