#25 たまには「役に立たない」買い物をする~絵を買うこと、バイクを買うこと~
フリーランスになってから、つい「贅沢はしてはいけない」という考えになってりします。新しい洋服を1年間以上買わなかったり、安売りしていたカロリーメイトと冷凍パスタで数ヶ月過ごしてみたり……「贅沢」や「浪費」を恐れるあまりにどう考えても心身の健康に悪いことをしてしまいました。贅沢ってなんでしょう、浪費ってなんでしょう。私はある2つの買い物をしました。「絵画」と「バイク」です。絵画はだいたい1万5千円、バイクは免許取得含めて45万円くらいかかりました。久々のお高い買い物です。同じくらいの金額の買い物といえば、新型コロナの流行前に高知旅行に行った際の航空券とホテル代とかでしょうか…。絵画とバイク。どちらも趣味性の高いものです。バイク(スーパーカブ110です!)は日常生活で活躍する場面がたくさんありますが、絵画は正直に言えば役には立ちません。食べられないし乗れないし。バイクだって軽自動車に比べれば積載量も少ないし、雨の日には乗れません。お金の使い方に対してシビアになるべきフリーランスにあるまじき出費です。しかし、この2つの買い物に関して「多分失敗にはならない、少なくとも後悔はしない」という確信がありました。それは、「納得」して買い物をしたからです。バイクのある生活や、自分がバイクに乗っている姿、バイクに乗って何をしよう・どこに行こう……そんなことを考えて、バイクのある生活を送っている自分がイメージできました。バイクのある生活を送っている自分は、わりと楽しそうに笑っているなと思ったのです。絵画もそうです。購入したのは、チチチさんの「窓際の読書」という作品です。ビタミンカラーが素敵ですし、本を読んでいる女性のちょっとすっとぼけた顔や清潔感のある佇まいが好きです。もしも、この絵を壁に飾ったら、毎朝どんな気分だろう、片付けを怠りがちな部屋を綺麗にする張り合いができるかも、朝目覚めたときにまっさきに目に入る場所に飾りたいな……何度も何度もイメージトレーニングをしました。その絵が飾られた部屋に住む私は、想像の中ではとても幸せそうで充実した生活を送っていました。いえーい、ハッピー!その結果、「うん、この買い物は私にとって納得ができる、後悔のないものだ!」という気持ちで購入に踏み切ったわけです。私が思うに、浪費と「ちょっとお高いけどいい買い物」の差は、この「納得」にあるのではないでしょうか。絵画とバイク、2つの買い物を通して「本当に幸せになる買い物」について少しだけ理解できた気がします。単純なストレス発散にお金を使うのではなく、その買い物をした自分の生活をイメージしたときに、自分が幸せそうかどうか…。これは、忙しさで疲れた心を慰めるために浪費していたお金とはまったく違う質のものだなと思いました。