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緊急地震速報に誤報があるのはなぜ? 事前に出せないの?【防災士解説】

防災
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かさみやちゃん
かさみやちゃん

「地震です」のあの音、ドキドキしちゃいますよね。
緊急地震速報のこと、防災士さんに教えてもらいました!

緊急地震速報の誤報に出会ったことはありますか?
また、事前に緊急地震速報を受け取れれば、十分な対策が取れるのにと思ったことはありませんか?
今回はそんな「緊急地震速報」に関してです。

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関するQ&Aに回答していきます!

緊急地震速報とは、強い揺れの地震が発生する際に、地震の直後に各地に到達時刻や震度の情報を素早く伝えてくれるものです。

訓練などでも緊急地震速報が流れる場合があるため、一度は速報の音を耳にしたことがあるはず。その緊急性を伴う報知音から、即座に地震への対応を取れます。

しかし、どのように地震を察知し緊急地震速報が流れるのかなど、その仕組みを理解している方は少ないはず。そこで今回は、緊急地震速報の仕組みや知識を紹介します。報知音が鳴った際にすぐに安全な対応を取るために、緊急地震速報の重要性を学んでくださいね。

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質問:緊急地震速報の誤報があるのはなぜ?

緊急地震速報がきてビックリしましたが、誤報でした。どうして誤報があるのですか?

また、緊急地震速報はいつもギリギリすぎると思います。もう少し早く(1日前などに)知ることはできないのでしょうか?

かさみやちゃん
かさみやちゃん

気になりますよね…!
緊急地震速報に関して詳しく伺ってみましょう。

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回答:まずは緊急地震速報の仕組みや知識を知ろう

緊急地震速報を発表するために、全国で地震の観測を行っている|イメージ画像:イラストAC

全国約690箇所にある気象庁の地震計・震度計や、全国約1,000箇所にある国立研究開発法人 防災科学技術研究所の地震観測網により、地震の観測を行っています。

そして緊急地震速報は、地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上と予想された場合、強い揺れが予想される各地域に発表されるのです。

特性上、地震の発生直後にしか発表できない

緊急地震速報は、地震の「最初」の弱い揺れを感知して発表されます|引用元:緊急地震速報の仕組み|気象庁

地震波には、「P波」「S波」が存在しています。PrimaryとSecondaryの頭文字をとって名付けられており、それぞれ「最初の」「二番目の」という意味を持っています。

まず、弱い揺れであるP波を感知し、その後に強い揺れであるS波が感知されます。P波からS波に到達するまでのこの間の速度の差を利用して、P波を感知した段階で緊急地震速報が伝えられるのです。

事前に大きな地震に備えるためにも、一日前など時間に余裕を持って緊急地震速報を知りたいですよね。しかし、P波を感知してから強い揺れであるS波が到達するまでの期間は、数秒から長くても数十秒程度。

緊急地震速報は、実際に揺れが発生してから発表されるものであるため、その特性上、地震の発生直後にしか発表できないのです。

かさみやちゃん
かさみやちゃん

緊急地震速報が、「予報」ではなく「速報」なのは、そういうことなんですね…!

緊急地震速報で誤差や誤報が発生する理由

では、どのような要因により誤差や誤報が発生するのでしょうか。タイミングなどにより原因は様々ですが、一例を紹介します。

少ない観測点と短時間で観測しているため

少ない観測地点と短時間で地震を観測するため、予想に誤差が乗じる場合があります。しかし、時間が立つにつれデータが増加するため精密な情報が提供されるため、心配ありません。

また、大きな地震が発生しても事前に緊急地震速報が発表されない場合もあります。これは、震源に近い場所に多いです。地震の解析や伝達には一定の時間がかかるため、その間に強い揺れが到達してしまうことが要因です。

地震観測網から観測しづらい地震のため

地震観測網から遠い場所や、深い場所で発生する地震や大きな地震では、推定に誤差が乗じることがあります。深い場所での地震は震源地よりも遠い場所での揺れのほうが強い場合があり、震度に大きな誤差が出る場合があるのです。

大きな地震のため

マグニチュードが大きい地震は、正確なマグニチュードを測定するために時間がかかります。一刻を争う中ですぐに情報を発表する必要があるため、マグニチュードが大きい地震では震度の測定に誤差が乗じやすいのです。

複数の地震を観測したため

複数の地震が発生した場合、別々の地震ではなく一つの地震として認識されてしまい、的確な情報が発表されず誤報を引き起こすこともあります。

しかし、誤報を引き起こさないためにも、2点以上の観測点で揺れを観測した場合に緊急地震速報を発表するなどの措置も取られています。

機器障害が生じたため

何らかの事故や自然災害の影響により、緊急地震速報に関連する機器が障害を起こす場合もあります。そのため、機器障害により誤報を引き起こすこともあるのです。

このように、緊急地震速報では誤差や誤報が発生する場合があります。

しかし、誤報だったからと油断してはいけません。「もし、本当に地震が起こっていたら」を考え、自分の行動や備えを見直すきっかけにしましょう。安全に行動ができたのであれば、「自分はしっかり対策ができている」という再確認にもなりますね。

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緊急地震速報後に取るべき行動や事前の備え

緊急地震速報後に取るべき行動や、事前の備えを紹介します。

まずは慌てずに身を守る

自宅で緊急地震速報が鳴ったら、頑丈な机の下で見を守ろう|イメージ画像:イラストAC

「屋内にいる場合」「屋外にいる場合」「乗り物に乗っている場合」の3つに大きく分けて身を守る方法を紹介します。

屋内にいる場合

自宅にいる場合は慌てて飛び出さずに、壊れやすいもの・転倒しやすいものから距離を取り、机の下に身を隠しましょう。

また、ショッピングモールなど外出中で屋内にいる場合も、慌てて飛び出さないように。かばんなどで頭を守り、従業員の指示に従ってください。

屋外にいる場合

街中にいる場合は、看板・ガラス・ブロック塀など落下したり壊れやすいものから距離を取りかばんで頭を守りましょう。もし、広くて落下物の危険性がない公園や、頑丈な鉄筋コンクリートのビルが近くにある場合は、避難してくださいね。

乗り物に乗っている場合

バスや電車などの交通機関を利用している場合は、つり革にしっかり捕まり、座席に座っている場合は低い姿勢でかばんで頭を守りましょう。

車を走行中の場合は、ハザードランプを点滅させゆっくり道路の左側に車を停止してください。

過去の記事では自宅や外出先での地震対策を詳しく紹介しているので、合わせてご覧くださいね。

家にいたら地震!どうする?入浴中・料理中…NG行動を知って地震対策
お料理中、入浴中、就寝中など、家での活動は時間とタイミングにより様々なシーンがあります。特に一人暮らしの場合は、まさかというときに地震が発生したら…と思うと、不安ですよね。そんな予想外タイミングで地震に遭遇してしまったときに、どのように「身を守り、避難すればいいのか」を知っておくことが、自分を守ることにつながります。すべてのシーンで共通することですが、まず大事なのは「あわてて戸外に飛び出さないこと」。その上でそれぞれの身を守る方法を活用してくださいね。自宅で地震に遭遇したら、まずは身の安全を守るとともに、閉じ込められないように部屋の扉・玄関の扉を開けることが重要です。そして、自宅の中では一番安全ゾーンとされている「玄関」へ避難すること。玄関は、建物の構造的に一番頑丈であり、すぐに外に逃げられるということもあり閉じ込められる可能性が低いのです。そのため、玄関が一番安全ゾーンと言われています。リビングでくつろいでいるとき、キッチンで料理中、トイレやお風呂に入っているとき、寝室での就寝中、それぞれのシチュエーション別に行動シュミレーションをお伝えしています。

緊急地震速報後の報知音を把握しておく

緊急地震速報の報知音を聞いた時に、即座に強い揺れが迫っていると判断するためにも、事前に報知音を把握しておく必要があるでしょう。

緊急地震速報は、テレビ・ラジオ・携帯電話などで受信され、それぞれ報知音が異なる場合があるため、ホームページで視聴して報知音を確認してください。

緊急地震速報の報知音の確認ができるサイト
緊急地震速報の携帯電話専用「ブザー音」(NTT ドコモホームページ)
緊急地震速報サイン音について(特定非営利活動法人REICホームページ)

日頃からの備えも大切

緊急地震速報後に訪れる地震に備えるためにも、非常持ち出し袋や備蓄品の準備、家具の転倒防止対策など日頃からの備えを行うことも大切です。

過去の記事では、様々な地震対策を紹介していますので、合わせてご確認ください!

緊急地震速報は、時には誤報が発生してしまう場合もあります。しかし、誤報だったからといって油断するのではなく、「もし、本当に地震が来ていたらどうしよう」と、自分の地震への対策や備えへを見つめ直す機会にしてください。

地震はいつ起こるかわからないものです。緊急地震速報のあの音が鳴ったとき、冷静に判断し正しく自分の身を守れるように、知識をつけたり対策を行ったりすることを怠らないようにしてくださいね。

参照URL:
気象庁|緊急地震速報|緊急地震速報の特性や限界、利用上の注意
気象庁|緊急地震速報|緊急地震速報を見聞きしたときは
気象庁|緊急地震速報について
気象庁|緊急地震速報|緊急地震速報のしくみ
気象庁|緊急地震速報|緊急地震速報(警報)及び(予報)について
防災 Q&A : 防災情報のページ – 内閣府

かさみやちゃん
かさみやちゃん

地震って、台風みたいに事前に予測できないからこそ、日ごろからの備えが大切なんですね…!

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