【メディア掲載】不動産専門誌にSDGs事例として掲載

王子駅の地盤・浸水リスクは?土地のプロ・不動産開発会社が防災情報を解説

土地
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東京都北区にある「王子」駅。JR京浜東北線、東京メトロ南北線が乗り入れ、すぐ近くには東京交通局東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」駅が通っている、交通アクセスの便利な街です。

駅北口にはビルや施設が複数あり、南側には飛鳥山公園と音無親水公園をはじめとする豊かな緑が広がることから、住みやすい街として人気が高いです。

それでは、王子駅周辺の地盤や防災情報はどうなのでしょうか?

株式会社トラスト・ファイブは、首都圏で30年近く不動産開発を行なってきた「土地のプロ」として、街の地盤や防災情報などを発信しています。

街で見かける「普通の不動産屋さん」と違って、仲介(賃貸物件や中古物件の紹介)をしていないので、普通の不動産屋さんが書きづらいことも記事にできる立場です。

物件をお探しの際には、こちらの情報もぜひ役立ててくださいね。

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(株)トラスト・ファイブ 広報部

不動産開発会社「株式会社トラスト・ファイブ」。商業ビルの開発経験は10年以上。以前に行っていたマンションの企画・開発・販売経験は20年以上になります。長年の経験・知識を公開し、「不動産業者主導の物件選び」から「賃貸者・購入者が主役の物件選び」への転換を目指しています。

物件(ビルやマンション)をつくる人にとっては常識でも、一般にはあまり知られていないような情報や、土地とは絶対に切り離せない「防災」に関する情報を積極的に発信していきます。

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王子駅周辺の防災情報

東京都北区にある王子駅。JRの線路のすぐ横に崖線(がいせん=崖の連なった地形)があり、ここを境に南西側は高台、北東エリアは低地になっています。

南西の高台から北東の低地に向けて、荒川の支流である石神井川が流れています。石神井川は王子駅から1㎞ほど北東で荒川の分流である隅田川に合流しています。

Q
王子駅周辺の水害リスクは?
A

王子駅周辺の低地エリアは、隅田川や荒川の氾濫による浸水も想定されています。荒川の氾濫による浸水想定では、深いところで5.0mとなっています。50㎝以上の浸水継続時間は、最長で2週間以上続く場所があります。石神井川や隅田川が氾濫した場合にも、3.0m程度までの浸水が想定されています。

高台エリアでは、石神井川の氾濫による浸水リスクがあります。

Q
王子駅周辺の高潮リスクは?
A

王子駅周辺の低地では、高潮による浸水リスクもあります。北東の一部で最大5.0m程度とされています。

Q
王子駅周辺の土砂災害リスクは?
A

線路脇の崖線に沿って、土砂災害の警戒区域が続いています。石神井川付近でも土砂災害警戒区域に指定されている場所があるため、水害や地震発生時には特に警戒が必要です。

Q
王子駅周辺の地盤は?
A

王子駅周辺のエリア内には、5種類の地盤が見られます。低地である北東エリアは地盤が軟弱で、地震の揺れが大きくなりやすい傾向があります。高台である南西エリアでは、全体的にしっかりした地盤ですが、川沿いなど一部には軟弱な地盤が見られます。

Q
王子駅周辺の地震リスクは?
A

地震発生時の建物倒壊リスクや火災リスクは、王子駅近くでは低リスクと予想されています。反対に、上中里3丁目は高リスクとなっています。

王子駅周辺でお部屋探しをする際は、本記事の防災情報も参考にしながら、安心して暮らせる住まいを見つけてください。

王子駅周辺の洪水リスク|北寄りの地域では最大5.0mの浸水想定

王子駅周辺は、荒川・隅田川・石神井川の氾濫による浸水に見舞われる可能性があります。駅周辺を流れているのは石神井川ですが、特に荒川の氾濫による浸水が最も深く広範囲に及んでいます。

低地である北東エリアでは、最大で5.0mの浸水が想定されています。50㎝以上の浸水が2週間以上続くところもあります。

高台である南西側でも、石神井川氾濫による浸水想定エリアが見られます。ただ、荒川氾濫による浸水想定と比較すると、対象エリアは限定的です。

王子駅周辺の洪水・内水氾濫ハザードマップ

王子駅周辺の浸水リスクは、北区が公開している防災ハザードマップで確認できます。

北区の洪水ハザードマップは、「荒川が氾濫した場合」「隅田川・新河岸川・神田川が氾濫した場合」「石神井川が氾濫した場合」の3種類に分かれています。

さらにそれぞれについて、[最大浸水深]と「浸水継続時間」の2種類のマップが用意されています。

なお、地図上の北の向きがマップによって異なるので閲覧の際に注意が必要です。
「最大浸水深」のマップでは、左上が北、「浸水継続時間」のマップでは、上が北にあたります。

この記事では、これら6種類のハザードマップをもとに、王子駅周辺の洪水や内水氾濫のリスクについて詳しく見ていきます。

北区の洪水ハザードマップ(荒川)
出典:東京都北区洪水ハザードマップ 荒川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧
同上
同上

北寄りのエリアは、荒川氾濫による浸水に見舞われる可能性があります。荒川は王子駅から1㎞以上離れていますが、エリア内では最大で5.0mの浸水想定です。

出典:東京都北区洪水ハザードマップ 荒川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧
同上

50㎝以上の浸水が続く時間は、長いところで2週間以上にわたる想定です。王子駅に近い場所ほど想定時間は短くなっています。

北区の洪水ハザードマップ(隅田川・新河岸川・神田川)
出典:東京都北区洪水ハザードマップ 隅田川・新河岸川・神田川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧
同上

隅田川・新河岸川・神田川が氾濫した場合の洪水ハザードマップでは、豊島1・2丁目や王子3・4丁目などで浸水する可能性がある区域が広がっています。最大で3.0mの浸水が想定されています。

そのほかの場所でも、内水氾濫(下水道などの排水能力を上回る大雨により、地上に雨水があふれる現象)が発生する可能性があります。

出典:東京都北区洪水ハザードマップ 隅田川・新河岸川・神田川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧

王子駅周辺で隅田川などの氾濫により浸水が続く時間は、ほとんどのエリアで12時間未満とされています。

北区の洪水ハザードマップ(石神井川)
出典:東京都北区洪水ハザードマップ 石神井川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧
同上

石神井川の氾濫による浸水区域は、低地である北東エリアで広範囲に及んでいます。豊島2丁目付近を中心に、最大で浸水深3.0mと想定されています。

荒川や墨田川が氾濫した場合とは異なり、高台側でも浸水が想定されているので注意しましょう。

出典:東京都北区洪水ハザードマップ 石神井川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧
同上

浸水深が50cmを超える状態が続く時間については、ほとんどの地域で12時間未満とされていますが、石神井川沿いのごく一部では、2週間以上続く可能性もあります。

王子駅周辺の避難所情報

出典:東京都北区洪水ハザードマップ 荒川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧
同上
出典:東京都北区洪水ハザードマップ 石神井川が氾濫した場合 2025年3月10日閲覧
同上

北区では、「高台水害対応避難場所」と「水害対応避難場所」の2種類の避難所が設けられています。

高台水害対応避難場所は、浸水の危険性が低い高台(南西エリア)にある区立小中学校などを指定しています。大型台風などの接近で荒川の氾濫が予想される場合に開設されます。王子駅周辺における高台水害対応避難場所は、滝野川1丁目にある「滝野川第三小学校」と滝野川2丁目にある「北区役所滝野川分庁舎」です。

水害対応避難場所は、石神井川の氾濫や土砂災害の場合に開設されます。王子駅周辺では、堀船2丁目にある「堀船小学校」が指定されています。

避難所は状況に応じて開設されますので、北区防災ポータルなどでこまめに避難情報をチェックしましょう。

王子駅周辺の高潮浸水リスク|5.0mまでの浸水が発生する可能性

王子駅周辺では、高潮による浸水が想定されています。

高潮とは、台風や強い低気圧の接近に伴って波が高くなったり海面の水位が上がったりする現象です。高潮の海面上昇によって大量の海水が沿岸部や内陸にあふれ、家屋の倒壊につながる危険性があります。

高潮浸水は広範囲に及ぶことが特徴で、王子駅周辺でも低地である北東エリアに浸水リスクが広がっています。荒川や隅田川に近い場所では、最も深いところで5.0m程度の浸水が想定されています。

王子駅周辺の高潮浸水ハザードマップ

出典:高潮ハザードマップ 2025年3月10日閲覧
同上

王子駅の北東エリアは、高潮による浸水が広範囲に見られます。石神井川流域などで、最大5.0mの浸水が想定されています。

出典:高潮ハザードマップ 2025年3月10日閲覧
同上

また、高潮によって50㎝以上の浸水が続く時間は、長いところで1週間以上に及ぶ想定です。ただ、多くのエリアでは12時間未満の短時間、または浸水深50㎝未満の浅い浸水が想定されています。

王子駅周辺の土砂災害リスク|線路脇の崖線沿いに複数の警戒区域

王子駅周辺には、土砂災害が発生する可能性のあるエリアが見られます。

土砂災害には、急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)・土石流・地すべりの3種類があります。王子駅周辺の警戒区域は、すべて急傾斜地の崩壊による土砂災害となっています。

東京都では、土砂災害の危険がある地域を「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」および「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に区分しています。イエローゾーンは人の生命または身体に危害が及ぶ可能性のある場所、レッドゾーンは建物に損壊が生じて人の生命または身体に著しい危害が及ぶ可能性のある場所です。

特に線路脇の崖線に沿って、複数箇所で警戒区域が指定されています。また、石神井川付近でも警戒区域が見られます。レッドゾーンが含まれている場所もあるため、水害や地震が発生した場合は特に警戒が必要です。

王子駅周辺の土砂災害ハザードマップ

出典:東京都北区水害ハザードマップ 2025年3月10日閲覧
同上

線路脇の崖線沿いや石神井川流域では、土砂災害警戒区域および土砂災害特別警報区域に指定されている場所があります。特に、崖線沿いは複数の警戒区域が続いているので、水害や地震発生時には警戒が必要です。

土砂災害発生の前触れとして、地鳴りや湧水が出るといった現象が起こることがあります。こうした現象を確認したときは、速やかに避難しなければなりません。

王子駅周辺の地盤|5種類の地盤で形成されているエリア

ここからは、国立研究開発法人の防災科学技術研究所が提供している「地震ハザードステーション」のデータで王子駅周辺の地盤を見ていきます。

王子駅周辺には5種類の地盤が見られ、北東エリアでは軟弱な地盤が広がっています。そのため、北東エリアは地震の揺れが大きくなりやすく、震度6強以上の揺れに見舞われる確率も周囲より高くなっています。

王子駅周辺の地形区分

王子駅周辺の地盤(出典:微地形区分|国立研究開発法人 防災科学技術研究所 地震ハザードステーション)2025年3月10日閲覧
王子駅周辺の地盤(出典:微地形区分|国立研究開発法人 防災科学技術研究所 地震ハザードステーション)を元に編集部にて加工 2025年3月10日閲覧

王子駅周辺には、「火山灰台地」「谷底低地」「砂州・砂礫州」「自然堤防」「後背湿地」の5種類の地盤が混在しています。

高台である南西エリアで広く見られるのは、火山灰台地です。火山灰台地とは、火山灰が堆積してできた地盤で、関東の中では比較的しっかりした地盤のひとつとされています。

同じく南西エリアに見られる谷底低地は、川の流れで運ばれた土砂で形成されています。やわらかい土や枯れた植物などが堆積しているため、軟弱な地盤です。

線路や崖沿いには砂州・砂礫州が広がっています。流水や波によって運ばれた砂や小石が堆積してできていて、比較的しっかりした地盤とされています。

北東エリアの豊島2丁目周辺の一部には自然堤防があります。自然堤防とは、洪水によってあふれ出た水に含まれていた土砂が、川岸に堆積して形成された地盤です。周囲より高い場所にある微高地となっているため、比較的水害を受けにくいとされています。

自然堤防の後ろに広がる後背湿地は、洪水で運ばれた粘土質の土がたまってできた湿地で、水はけが悪く、地盤も軟弱です。特に北東エリアでこの地形が広がっています。

王子駅周辺の「揺れやすさ」目安

王子駅周辺の揺れやすさ(出典:表層地盤増幅率(Vs-400m/sから地表)|国立研究開発法人 防災科学技術研究所 地震ハザードステーション)2025年3月10日閲覧

上の地図は、表層地盤増幅率を表したものです。数値が高いほど、地震時に揺れが大きくなる傾向があります。

王子駅周辺エリアには、5段階の表層地盤増幅率の地域が見られます。線路沿いは増幅率1.6~2.0のエリアが続いており、王子駅周辺の中では中程度の揺れやすさ。

西側では増幅率1.4~1.6のエリアが見られ、やや揺れにくい予想となっています。

駅の南側には増幅率1.2~1.4が広がっており、王子駅周辺で最も揺れにくい地域です。

反対に、低地である北東エリアでは増幅率2.0~2.5や2.5~4.0といった揺れやすい場所が広範囲に及んでいます。

王子駅周辺で地震に見舞われる確率

王子駅周辺で地震に見舞われる確率(出典:確率論的地震予測地図(震度6強以上の揺れに見舞われる確率)|国立研究開発法人 防災科学技術研究所 地震ハザードステーション)2025年3月10日閲覧

上の地図は、王子駅周辺における震度6強以上の揺れに見舞われる確率を色分けして表したものです。

6~26%のエリアが広く見られますが、地震で揺れやすいとされている北東エリアでは26~100%と周囲よりも高確率となっています。

一方、王子駅南側の一部地域では0.1~3%と低い予想です。

東京近郊で地震に見舞われる確率(出典:確率論的地震予測地図(震度6強以上の揺れに見舞われる確率)|国立研究開発法人 防災科学技術研究所 地震ハザードステーション)2025年3月10日閲覧

東京近郊全体でも、震度6強以上の地震が発生する確率が「6〜26%」のエリアが最も広くなっています。このことから王寺駅周辺は標準的な揺れやすさだと言えます。

震度5弱100.0%
震度5強96.1%
震度6弱57.5%
震度6強12.6%
出典: 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 地震ハザードカルテ 2025年3月10日閲覧

上の表は、王子駅周辺における今後30年以内の地震発生確率を示したものです。

震度5弱は100%、5強は96%と、ほぼ確実に起こると予測されています。震度6弱も57.5%と高い確率なので、日頃からの備えが重要です。

王子駅周辺の地震リスク|王子駅近くの地区は低リスク

東京都が提供する「地震に関する地域危険度測定調査(第9回)」で、地震発生時の各種リスクを見ていきます。この地図では地区ごとに5段階でランク付けされており、ランク1が最も低リスクで数字が上がるにつれてリスクが高くなります。

建物倒壊危険度ではランク4以外の地区、火災危険度と総合危険度ではすべてのランクの地区があります。3つの危険度で共通して、王子駅のすぐ近くに位置する地区で低リスクの傾向が見られます。

王子駅周辺の「建物倒壊危険度」

出典:東京都不燃化ポータル|地震に関する地域危険度測定調査(第9回)2025年3月10日閲覧
同上

王子駅周辺における建物倒壊危険度は、ランク1~3とランク5の地区があります。

最も低リスクとなるランク1には、王子1・6丁目と王子本町3丁目が入っています。

ランク2の地区は、王子本町1丁目と滝野川3丁目、西ケ原2丁目、堀船2丁目です。

ランク3の地区が最も多く、王子2・3丁目と王子本町2丁目、岸町1丁目、滝野川1・2丁目、豊島1・2丁目、西ケ原3丁目、堀船1丁目、上中里2丁目、栄町が該当しています。

最も高リスクとなる地区は、ランク5の上中里3丁目となっています。

王子駅周辺の「火災危険度」

出典:東京都不燃化ポータル|地震に関する地域危険度測定調査(第9回)2025年3月10日閲覧
同上

火災危険度を見ると、王寺駅周辺にはすべてのランクの地区があります。

ランク1の地区は、王子1・6丁目と王子本町1・3丁目です。

ランク2には、岸町1丁目と豊島1丁目、西ケ原2丁目、堀船2丁目が該当しています。

ランク3に入っている地区は、王子2・3丁目と王子本町2丁目、滝野川1・2・3丁目、豊島2丁目、西ケ原3丁目、上中里2丁目です。

ランク4には、堀船1丁目と栄町が該当しています。

建物倒壊危険度でランク5となっている上中里3丁目が、火災危険度でもランク5となっています。

王子駅周辺の地震に関する「総合危険度」

出典:東京都不燃化ポータル|地震に関する地域危険度測定調査(第9回)2025年3月10日閲覧
同上

総合危険度は、火災危険度と同様の傾向です。

最も低リスクとなるランク1の地区は、王子1・6丁目と王子本町1・3丁目です。

ランク2には、岸町1丁目と豊島1丁目、西ケ原2丁目、堀船2丁目が該当しています。

ランク3に入っている地区は、王子2・3丁目と王子本町2丁目、滝野川1・2・3丁目、豊島2丁目、西ケ原3丁目、上中里2丁目です。

ランク4は、堀船1丁目と栄町となっています。

最も高リスクのランク5は、建物倒壊危険度と火災危険度でもランク5とされている上中里3丁目です。

いずれの災害危険度も、王子駅に近いエリアが低リスクとなっています。低地である北東側には高リスクになるところもありますが、計画的に開発された頑丈な建物が多いエリアでは、地震発生時の建物倒壊や火災につながる要素が少ないようです。

王子駅周辺の災害事例|平成に4度の浸水が発生

東京都が提供している「水害リスク情報システム」の浸水実績図では、都内で発生した浸水被害を確認できます。

王子駅周辺では、4度の浸水実績が掲載されています。2010年(平成22年)7月5日の集中豪雨では、堀船2丁目で床上浸水が104棟で発生するほどの大きな被害が出ています。

東京都「水害リスク情報システム」に掲載された浸水実績図

出典:東京都「水害リスク情報システム」浸水実績図 2025年3月10日閲覧

東京都の「水害リスク情報システム」では、1989年(平成元年)7月26日から2019年(令和元年)10月13日までに東京都で発生した浸水被害を地図上で確認することができます。

王子駅周辺の最も古い浸水実績は、1995年(平成7年)8月2日の集中豪雨による被害です。西ケ原3丁目で床下浸水と床上浸水が発生しています。

1999年(平成11年)8月29日には、集中豪雨によって西ケ原や滝乃川が浸水被害を受けています。

3度目の被害は、2005年(平成17年)9月4日の集中豪雨によるものです。堀船1・2丁目などの家屋で、浸水被害が発生しました。

直近の浸水実績は、2010年(平成22年)です。7月5日の集中豪雨によって、豊島2丁目で床下浸水3棟・床上浸水11棟、堀船1丁目で床下浸水45棟・床上浸水33棟、堀船2丁目では床下浸水82棟・床上浸水104棟に上る被害となっています。

石神井川の水害対策

近年、気候変動の影響で集中豪雨が増え、各地で浸水被害が頻発するようになりました。王子駅周辺の浸水実績からもわかるように、石神井川流域においても過去に複数回の浸水被害が発生しました。これを受けて自治体や関係機関は水害対策の見直しをしています。

石神井川流域では1時間あたり75mmの降雨量に対応することを目標に、護岸整備・河床掘削・調節池の整備といった洪水対策が行われています。

すでに護岸整備が完了している区間でも、下流の河道や調節池の整備に合わせて河床掘削を実施中。ちなみに石神井川の王子駅周辺区間では、護岸整備が完了しています。

また、隅田川との合流地点に近い堀船2丁目付近は高潮の影響を受けるため、防潮堤の整備が進められています。大規模地震の際でも防潮堤の機能を維持できるよう、耐震性も考慮して施工中です。

令和3年度末時点で石神井川の護岸整備は76%完了しており、河床掘削や調節池の整備などを含めた総合的な対策の進捗率は70%に達しています。

参考:石神井川|東京都建設局

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