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憧れのロフトつき物件。なのに、住み始めてから後悔した理由【一人暮らしエッセイvol.29】

一人暮らしエッセイ
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おしゃれなロフトつき物件。即決したけれど…

小学生の頃から住んでいた実家は古い戸建て。生活感満載でお世辞にもきれいな家ではなく、あまり好きではありませんでした。

そんな影響もあって、中学生の頃にはインテリア雑誌や建築関係の本を何冊も読み、理想の家に対する想像を膨らませていました。
そして社会人になったことを機に、ついに一人暮らしを始めました。

一人暮らしを始めるに当たって大きな問題は、島に住むことになったこと。

人口10万人を超えるそこそこ大きな島でしたが、やはり一人暮らしをする人は少ないようです。対象となるような物件はかなり限られました。

希望のエリアの近くにある、かなり年季の入った不動産屋さんで紹介してもらったのは2部屋。
1つは築年数が50年ほど経っていて和室つきの2DK。私の理想の部屋にはほど遠い雰囲気です。

そしてもう1つは築浅で白を基調とした部屋。1Rですが、嬉しいことにロフト付き。これなら下の部屋での生活を基本としつつ、ロフトで寝られます。
ベッドがあると急に生活感が出てしまうもの。親には「他の借り手もいないだろうし、もう少し考えたら?」と言われましたが、それが決め手となってその日のうちに契約しました。

3月末の引っ越しの際には、50代の父に文句を言われながら手伝ってもらって、新しく買ったベッドをロフトの上まで運びました。
夜中トイレに目が覚めた時に、寝ぼけて落ちてしまわないだろうか…と不安でしたが全く問題なし。長年夢見ていた楽しい一人暮らしが始まりました。

それから数か月。季節は夏になりました。徐々に悪夢がやってきました。
そしてある夜、暑くて寝苦しくて目が覚めました。

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エアコンをつけてもロフトには冷気が全く届きません。それどころか暑い空気がこもって軽くサウナ状態に。とても寝られるような状況ではありませんでした。薄々気が付きはじめていましたが、ついに限界がやってきました。

その日はタオルケットと枕を持って下で寝る羽目に。おしゃれで生活感もなくせる。と理想的だと思ったロフトでしたが、こんなトラップがあるとは部屋を決める時には思ってもいませんでした。

よくよく考えれば、2階建ての実家も夏は2階が暑かったなと後になって思い出しました。
一人暮らしに舞い上がってしまって、親の忠告も聞かずに決めてしまったことに後悔です。

しかも困ったことにベッドはロフトに。1日だけならフローリングに寝るのも仕方ありませんが、毎日そうする訳にもいきません。とは言え、涼しくなったらまたロフトで寝たいし、でもベッドの上げ下げはかなりの重労働。季節ごとにする訳にもいきません。

結局は薄いマットレスを購入。夏の間はそれを使って寝るという面倒なことをするはめになりました。

長い実家生活の間に「実家以外の家」に幻想を抱いて、おしゃれさを最優先に選んでしまった初めての一人暮らし。

今でも「生活感のない家」には憧れて、ついついデザイナーズマンションに惹かれてしまいますが「このキッチンは使いにくい」「この間取りだと冷蔵庫は置く場所が難しいな」と、少し現実的に考えられるようになりました。

(エッセイ投稿者:たかはし)

エッセイ募集企画は終了しました。次回の開催をお楽しみに!

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