この連載は、かけだしフリーランスの右往左往っぷりをセキララに描く連載エッセイです。
これからのキャリアに悩む女性の参考になりますように。
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エッセイを書いた人:蛙田アメコ
・アラサー
・元教育サービス業正社員
・正社員時代は年間公休97日
・2018年から2年間、副業フリーランス(兼業作家)として活動
・2020年、体調を崩して会社を退職
こんにちは。ライトノベル作家の蛙田アメコです。
アラサーで、バツイチ。
現在、作家・シナリオライターとして生活しています。
何年も前から予兆のあった過労による適応障害で倒れた2019年。
うっかり会社を辞めてしまい、何もわからないままフリーランスとして生きていくことになった2020年。
2019年までの私は、それなりに順風満帆に見えていたかもしれません。
新卒で勤めた会社に10年近く勤め、作家としてデビューをして意欲的に活動していました。
それなのに、どうして私は倒れてしまったのでしょうか。
病気に理由を求めても仕方ありません(究極的には理由なんてないですから)。
「あのとき、ああしていれば」と悔やんでも仕方ありません。
けれど、もしも10年前の私に1つだけアドバイスができるなら。
私は、こう伝えたいです。
「あなたは、どんな日々を過ごしたいの?」と。
幼少期、あなたはどんな子どもでしたか?
とにかく、外に出るのが嫌いな子どもでした。
屋内で本を読んだりビデオを見たり、自分1人で完結する遊びをするのが好きだったのです。
反面、人と話すことも好きな子どもでした。
お菓子を食べながら、祖母や祖父やその友人とお喋りしたり、幼稚園の先生たちとお話をすることが大好きでした。
最近になって思うのですが、人は大人になっても子どもの頃と根っこのところは変わらないのです。
指針なき労働は心を病む。
会社員時代の私は、そこそこ稼ぎは良かったのです。
具体的には、20代後半で手取り年収は450万円超。30歳に手が届く頃には、昇進なども絡んでもう少しお賃金をいただいていました。
(余談ですが、今思えば、社会保険や厚生年金や住民税などなど、あの超面倒臭い各種の支払いを一括で請け負った上で広義での可処分所得を分配してくれる「給与」というシステムはとてもありがたかった。)
けれど、その日々に私は価値を感じていませんでした。
ごめんなさい、ちょっと乱暴な言い方をしました。
たくさんお金を稼げることは、いいことです。めちゃくちゃ嬉しい。
それに、当時は結婚を考えている相手もいて(実際にその後3年間ほど結婚生活をしました)、私は彼との将来のためにお金を稼ぎ続けなきゃいけないなと思っていました。
逆に言えば、「とにかくお金を稼ぐこと」そのものが目的の労働をしていたのです。
それもそれでいいでしょう。
お金を稼ぐこと、そのお金を元手に将来何かをすること……それを「指針」にしていたら、私は倒れたりしなかったかもしれません。
けれど、盆暮正月の休みはなし。
夏季休業なし(正確には有給取得によって3連休とか4連休がとれました)。
2連休を取れるのは、年に数える程度。
典型的な接客サービス業でした。
業務内容にはやりがいがありましたが、生活が……。
私がやりたい生活とは、かけ離れていたのです。
あなたが倒れる、その前に。
「お金を稼ぐことが目的」
「したかった生活と真逆の日々」
という日々は、少しずつ私の心と体を侵食していきました。
そして、ある日、ドカン。
ベッドから起き上がれず、そこそこやりがいを持っていた会社にも行けなくなってしまいました。
結果として、フリーランスという道で向こう何年かは生活をしていくことに決めたわけです。
フリーランスでやっていくのは辛いことや、面倒くさいことだらけでした。
それに、会社員よりももっともっとたくさんお金を稼いで、やっと現在や未来の生活が立ちゆくようになる辛さもあります。
フリーランスには退職金もなく、大きな病気をしたときの補償もありません。
会社員の3倍稼いでやっとトントンになる……なんていう話もよく聞きます。
けれど、今の生活は幼少期に思い描いていた「こうやって過ごしたいな」という日々そのものです。
家から出ずに仕事をして、家の中ですべてが完結する。離婚はしたけれど、もともと結婚や家庭への憧れが希薄な方でしたので、むしろ今はすっきりとした気持ちです。
フリーランスをずっと続けられるかどうか、続けたいかどうかは、これからの自分次第。ただ、人生の中で今の時間は絶対に必要で、大切なものだと確信しています。
ああ、こんな日々がずっと続けばいいのになーっ!(大の字)
今、辛い人。
フリーランスになりたい人。
「あなたは、どんな生活がしたいですか?」
一度、自分にそう問いかけてみるのもいいかもしれません。
子どもの頃の夢や目標を、人生の指針を思い出してみるのもいいかもしれません。
本当に倒れてしまう前に……。いや、ほんと、これはマジで……。
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