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仕事帰り、つらいときも楽しいときも、私は本屋さんに寄る【一人暮らしエッセイvol.66】

一人暮らしエッセイ
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本屋さんに行けば「自分の現在地」を確かめられるんです

初めて「それ」に気づいたのは社会人3年目。
きつかった初期の営業仕事に慣れた反面、心身のバランスを崩し始めたときでした。

バランスを崩していることにも気づいておらず、仕事に行き詰って人間関係も真っ暗闇で、悩みすぎて休職一歩手前だった頃だと思います。

もともと本が好きだった私は、よく本屋さんに通っていました。
買わなくても本屋めぐりが好きな人、たくさんいますよね?
仕事帰りに、休日に、駅の大きな本屋さんも好きだし、家の近くの小さめの本屋さんも好きでした。

お給料が許す限り好きなだけ本を買えるし、一人暮らしは読書の時間がたっぷりあったし、本屋さんで好きな本を買って、帰りに素敵なカフェにも寄って、こんな一人時間最高だと思っていました。通勤バッグにお気に入りの文庫本を入れて地下鉄の中で読むなんて、私、素敵。
そう思っていた無敵の若いころ。

本好きの私は、いつもならうきうきしながら本屋さんの中を回るのに、その頃は仕事の影響で本を読む時間の余裕などなく、しばらく本はお預けの日々。
でもどんな本が出てるか気になると思って、本屋さん通うことだけは止められずにいました。

でも、本屋さんに行っても全くうきうきしないのです。

むしろ、明るい本棚やおすすめPOP、処世術や自己啓発系のタイトルにひたすら責められているような気持ちさえしたのでした。
(※本屋さんも本も悪くない。心がすさんでいると被害妄想ばかり膨らむんですね…。)

そうして「自分が崩れる直前であること」に、気づいたのです。

つながってる。
その時々の心持ちと、私のアンテナにヒットする本、つながってる。

本棚の間に立ち尽くして、ふっと、頭が整理されていくような気がしたのでした。

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今はなにに興味があって、どんな本を欲しているのか。ベストセラー、最新の世界で話題の本はこれで、みんなはこういう本が気になっているようです。でも私の気持ちはこうで、読みたいものがこれで、興味があるのはこれで…。

心がすーっと、冷静さを取り戻すような感覚でした。
理由は、そう、だって元から本屋さんで全部の背表紙を読んで頭にいれて本を選んでるわけじゃない。興味のない本は素通りしてるし、気になる本は、そうか、無意識に私の心のアンテナに引っかかってるんだ。

前後左右を見失っていたけれど、私の現在地、ここなんだ。

そう気づいてからは本のタイトルも雑誌の見出しも、書評の掲示も、「私の現在地」を示すヒントになっている気がしています。仕事に、人生に、行き詰りそうだったりちょっと息苦しくなってきたら、本屋さんへ出掛けて深呼吸。

もちろん毎日がうまくいっている気がするときも行きます。そういう時は、楽しいことがくっきりわかってくるから嬉しさ倍増です。

本が教えてくれるのは、書かれている中身だけではないことをずっと、頭ではわかっていたつもりでした。この時からはもう、読まなくても素晴らしいことが心にしみ込んでいます。

一人暮らしは時々自分の現在地がわからなくなるけれど、一人だからこそ大丈夫。
誰も待たせず、好きなだけ、本屋さんにいられるから。

(エッセイ投稿者:ハル山/女性)

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