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自宅が山の近く…土砂災害から身を守るための対策は?【防災士解説】

防災
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台風・大雨などの水害や地震により土砂災害が発生する場合があります。特に山の近くなどリスクが高い場所に自宅がある場合、土砂災害に巻き込まれないか心配ですよね。

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。

今回は、「土砂災害対策」に関して紹介します。事前にできる対策や、土砂災害のリスクが高い場所、避難のタイミングなどを把握し、土砂災害から身を守る方法を覚えておきましょう。

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質問:土砂災害から身を守るには?

私は山の近くに住んでいるため、大雨などの災害時に土砂災害が発生しないか心配です。土砂災害から身を守るための対策を教えてください。

かさみやちゃん
かさみやちゃん

山の近くに住んでいる場合、特に土砂災害への懸念がありますよね…。土砂災害から身を守る対策を伺ってみましょう!

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回答:土砂災害から身を守るための対策 6点

ハザードマップを確認する、土砂災害の種類や前兆現象を把握する、日頃から気象情報を確認するなどの対策を行おう|イメージ画像:イラストAC

土砂災害から身を守るための基本的な対策を紹介します。

対策1・過去の事例を元に土砂災害の恐ろしさを理解しよう

過去には以下のような恐ろしい土砂災害が発生しています。土砂災害は時には、人の命を奪い、私たちの生活を脅かす恐ろしい災害であることを理解しておきましょう。

平成26年8月豪雨(広島土砂災害)

平成26年8月19日〜20日にかけて上陸した第11・12号の2つの台風と湿った気流が原因で、発生した記録的な豪雨により起こった土砂災害です。広島市の被害は大きく、死者77人・住宅179棟が全壊しました。

平成30年7月豪雨

平成30年6月28日から7月8日までの間に、西日本を中心に広い範囲で発生した豪雨災害です。九州北部、四国、中国、近畿、東海、北海道地方の観測地で24・48・72時間の降雨量の値が観測史上の最高値を記録し、死者224名・住宅全壊6,758棟が全壊しました。

令和2年7月豪雨

令和2年の7月3日〜31日にかけて、西日本〜東日本を中心に全国で長期に渡る大雨が発生した豪雨災害です。全国各地で大河川での氾濫が相次ぎ、土砂災害や浸水など人的・物的被害が多く発生しました。

対策2・ハザードマップを確認する

土砂災害の危険が高い区域は、「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」「土砂災害危険箇所」などと指定されています。

自身が住む地域がこれらの区域に該当していないか、事前に土砂災害ハザードマップなどで確認しておきましょう。また、ハザードマップを確認する際には、避難場所や避難経路もあわせて確認してください。

ハザードマップは、こちらの「わがまちハザードマップ」で調べるか、「○○市 土砂災害ハザードマップ」等で検索してください。

対策3・土砂災害の種類を把握する

土砂災害には、がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)・地すべり・土石流、の3種類の現象があります。

がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)

傾斜度が30度以上となる土地が崩壊する現象です。

地すべり

傾斜地の地表面にある土や砂、岩石などがすべって動く現象です。透水層と不透水層が重なる箇所で多くの水・雨が流れることが原因で起こります。

土石流

土や石、雨水が混合し、渓流や斜面を流れ下る現象です。

対策4・土砂災害が起こる前兆現象を把握する

土砂災害が起こる際には、前兆現象が発生する場合があります。いち早く危険を察知するためにも、土砂災害の前兆現象を把握しておきましょう。

がけ崩れの前兆現象

がけ崩れの前兆現象では、がけにひび割れが入り、小石が徐々に落ちてきます。また水が湧き出ることや、逆に湧き水が止まったり、濁ったりすることも。地鳴りがする場合もあります。

地すべりの前兆現象

地すべりの前兆現象では、地面がひび割れて陥没し、がけや斜面で水が噴き出すことがよく起こります。また、井戸や川の水が濁ったり、地鳴りがして樹木が傾いたりする現象が起こると地すべりが起こる可能性が高いです。

土石流の前兆現象

土石流では、山鳴りがして、川の水が濁ったり流木が混ざり始めたりすることが前兆現象とされています。また、腐った土の匂いがしたり、雨が降り続けているにもかかわらず川の水位が下がったりすると、土石流が起こる可能性が高いです。

対策5・雨が降り出したら「土砂災害警戒情報」に注意する

雨が降り出したら日頃から気象情報を確認しましょう。特に「土砂災害警戒情報」には、注意が必要です。

土砂災害警戒情報とは、大雨による土砂災害の危険度が上昇した場合に、各都道府県と気象庁から発表される防災情報です。

対策6・避難のタイミングを把握する

災害時には災害対策基本法に基づき、各市町村長により避難情報が発令されます。避難情報は1〜5までの「警戒レベル」を用いて判断されるため、避難が必要な警戒レベルのタイミングを把握しておきましょう。

  • 警戒レベル1:最新情報に注意する
  • 警戒レベル2:ハザードマップなどで避難行動を確認
  • 警戒レベル3:危険な場所から高齢者等が避難(高齢者等避難)
  • 警戒レベル4:危険な場所から全員が避難(避難指示)
  • 警戒レベル5:命を守る最善の行動(緊急安全確保)

警戒レベル3〜4が発令された場合は、すぐに危険な場所から避難することが求められます。

また、警戒レベル5になると命に関わる可能性があるため、手遅れにならないうちに避難しましょう。

警戒レベル1や2の段階でも、予め危険が予想される場合や、夜間に雨が強くなると予想される場合には、避難指示を待たずに早めの避難を心がけてください。

警戒レベルに関しては、以下の過去記事でも紹介しているのであわせてご覧ください!

避難指示ってどんなレベル?2021年の改定について防災士が解説
大雨注意報・洪水警報・早期注意情報などが出たら…やること一覧

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国や自治体が実施している、土砂災害への対策

砂防施設の整備など地域によっては、国や自治体により土砂災害への対策が実施されている場合もある|イメージ画像:イラストAC

土砂災害に備えて、国や自治体では一例として次のような対策が施されている地域があります。そのため、山の近くに住んでいたとしても必ずしも、土砂災害への危険が高いとは限りません。

土石流対策のための砂防えん堤等の砂防施設の整備


土石流に対して砂防えん堤等の砂防施設を設置することにより、大雨の際に流れる土砂を一時的にためて調整し、人々の命や財産を守ります。

急傾斜地崩壊対策工事


傾斜30度以上でがけの高さが5〜10m以上ある場合に、急傾斜の崩壊を防止する工事です。

水抜きボーリング工などの地すべり防止工事

地すべりの原因となる水を地面に浸透させなくしたり、地下から水を除いて地すべりの運動をやわらげたりする水抜きボーリング工などの、地すべり防止工事が実施されています。

土砂災害は、事前に発生場所や発生時間を予測するのが難しい災害です。台風・大雨などの水害や地震が発生した際には、土砂災害への警戒を強め、早めの避難行動を取ることが大切です。

特に、土砂災害の危険が高い地域に住んでいる方は、雨が降り出したら気象情報を確認することを日頃から心がけるようにしておきましょう。

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