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防災と減災の違いは?個人でできる減災対策の取り組み【防災士解説】

「防災」と一緒に、「減災」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。今回は防災士である筆者が、「減災と防災の違い」「減災対策」に関して紹介します。防災と減災は似た言葉ですが、具体的な意味の違いを明確に認識することで、より適切な災害への対策が行えるようになるでしょう。まず言葉の違いについて解説します。「防災」は災害の被害を未然に防ぐことを目的とした取り組みである一方、「減災」は「災害が起きることを前提にして、被害をできるだけ小さくする」取り組みです。「災害は発生するもの」「災害による被害は生じるもの」という考えを前提としていることが特徴です。ただし、減災という言葉はまだ十分に普及していないこともあり、「減災=防災」と考えられることも多く、防災と言葉が付くものでも減災の考え方に基づいているものもあります。続いて、個人でできる減災対策の取り組みを8つ紹介していきます。減災対策1:「自助」「共助」について意識を持つ。阪神淡路大震災の際には、自助や共助により助かった人の割合が多かったとされています。災害が起こってからでは手遅れであるため、「災害時に自分にできること」「地域住民や身近な人にできること」を日頃から意識し災害に備えることで、被害を抑えられることにつながるでしょう。減災対策2:自宅や勤務先周辺の安全や避難場所の確認。防災マップ(ハザードマップ)で、自宅や勤務先周辺の災害のリスクや、避難場所・避難経路の確認を行いましょう。減災対策3:自宅の耐震を確認する。現在住んでいるマンション・アパートが、「新耐震基準」に適合しているか確認しましょう。減災対策4:災害の恐ろしさを理解し、情報を日頃からチェック災害が起きても、「自分は大丈夫だろう」「ここまで被害は届かないだろう」などといった油断が命を落とすことにつながります。日頃から気象情報をチェックし、「災害が起こる前兆」も理解しておくことで、いざというときに素早く避難行動に移せるでしょう。減災対策5:家具類の転倒・落下防止対策を行う。自宅の家具類が転倒・落下し、それにより、逃げ遅れたり怪我を負ったり、最悪の場合命を落とすことにもつながる危険があります。家具類の転倒・落下防止対策を行い、自分の命を自分で守ることを心がけましょう。減災対策6:備蓄品や、非常用持ち出し袋などの備えを行う。災害時はすぐに支援物資が手元に届くとは限らないため、ライフラインや物流が停止しても生活できるよう、日頃から自宅に防災備蓄を用意してください。非常用持ち出し袋(防災リュック)や、外出先での災害に備えて防災ポーチも用意しましょう。減災対策7:家族で防災会議を開く。一人暮らしの女性の場合、離れて暮らす家族と災害時にどのように連絡をとるのか、どこに避難するのかなど、事前に話し合っておきましょう。減災対策8:地域の人とつながりを持つ。挨拶を交わしたり、地域のイベントなどに参加したりして、普段から地域住民とのつながりを持っておくことも大切です。そうすることで、いざという災害時に地域住民同士で助け合える「共助」にもつながります。
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防災ラジオはいらない?スマホのラジオアプリとの違いを防災士が解説

「防災ラジオって必要ですか?スマホのラジオアプリがあれば、防災ラジオをわざわざ買わなくても大丈夫でしょうか?」という疑問に、防災士の筆者が回答します。防災ラジオとは、通常のラジオ機能に加え、災害時に役立つ機能が備わっているラジオのことを言います。最近ではラジオ本体を持っていなくても、スマホアプリで簡単にラジオが聴けるようになってきました。そのため、「災害に備えてわざわざ防災ラジオを用意する必要がないのでは?」と、感じる人も多いでしょう。しかし、災害時にスマホでラジオアプリを利用することには、デメリットがあります。スマホのラジオアプリのデメリットや、防災ラジオを用意するメリットを理解し、「防災ラジオはいらない」という考えを見直してみてほしいです。まず災害時にスマホのラジオアプリを利用するデメリットとして、以下のようなことが考えられます。・災害の影響で電気が利用できない場合、スマホのバッテリーが切れてしまう可能性がある・ラジオアプリを利用することでスマホの充電の減りがはやくなる・通信回線が混み合った場合、ラジオが繋がりにくい・災害の影響で通信回線が断絶した場合、ラジオアプリがそもそも利用できない など。災害時は、スマホはあくまで「連絡手段」として第一に活用し、情報収集は防災ラジオを中心に利用するのがおすすめです。災害時に防災ラジオを利用するメリットとして、以下のようなことが考えられます。・通信回線がつながらなくても利用できる・アクセスが集中しても大丈夫・乾電池、ソーラー、手回しなどさまざまな方法で電源の確保ができる・無料で受信でき、事前のインストールなども不要 など。一方で、防災ラジオは「音声が聴き取りづらい、聴き逃してしまう」などの欠点もあります。しかし最近では、文字表示機能付きのものや、聴き逃し対策として録音機能が備わったものなど、防災ラジオのデメリットをカバーしてくれている商品もありますよ。防災ラジオは、「充電方法」「周波数」「付属機能」「大きさ」の4つのポイントに注目して選ぶのがおすすめです。防災ラジオには、「手回し充電」「ソーラー充電」「USB充電」「乾電池」の4種類の充電タイプがあります。乾電池タイプは、充電に労力がかからず、天候にも左右されず、電力も必要としないことから一番災害時にはおすすめです。「手回し充電+USB充電」など複数の充電方法が合わさっている商品もあります。複数の充電方法に対応していれば、不測の事態が起きる災害時でもより安心です。周波数については、防災ラジオを選ぶ際には災害の影響を受けにくい「ワイドFM」に対応しているものがおすすめです。防災ラジオの中には、ラジオ機能にプラスして、ライト機能・バッテリー機能・サイレン機能・ワンセグ機能・デジタル表示機能・防水機能・イヤホンジャック などがついているものもあります。最後に、大きさも重要です。非常用持ち出し袋に入る大きさか、また緊急避難時にそれを走って持ち出せる重さかもチェックしておくと安心ですね。最後におすすめの防災ラジオを紹介します。ただし自治体によっては防災ラジオを無償で貸出・提供している場合もあるため、防災ラジオの購入を検討する前に一度自治体のホームページを確認してから購入を検討するのがおすすめです。
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避難所でプライバシーを守るには?防災グッズ&アイデア【防災士解説】

避難所ではテント設置が禁止されている所も多いため、プライバシーを守るために避難所に持って行ったほうが良いものなど「女性にとっての、避難所でのプライバシー問題」に関して、防災士である筆者が紹介します。避難所の環境設備は自治体によりそれぞれであるため、まだまだプライバシーが守られづらい避難所があることも事実。少しでもプライバシーを確保し災害時にストレスなく避難所で過ごせるように、用意しておくべき防災グッズや、知っておきたいアイデアなどをシーン別に紹介していきます。着替え・お風呂・洗濯・就寝・貴重品管理など、避難所生活で困るプライバシー問題を解決する防災グッズをシーン別に紹介していきます。まずは避難所での着替えについて。女性用更衣室があったり、ダンボールやテントなどの組み立て式の簡易更衣室が導入されている場合もあります。もし女性用更衣室が設けられていないという場合には、トイレで着替えるか、日中に片付けで自宅に帰った際に着替えることになるでしょう。もし避難所内で周囲の目がある中で着替えないといけない場合には、防災ポンチョを用意しておくと目隠し対策ができます。次に避難所でのお風呂については、避難所によってはシャワールームがあったり、自衛隊によるお風呂の提供を受けられたり、近くの銭湯・温泉施設を利用できる場合があります。もし避難所で身体を清潔にできない場合には、着替え同様に日中に自宅を利用したり、目隠しポンチョを利用したりするしかないでしょう。ドライシャンプーやボディーシートを用意しておくと便利です。また、トイレの問題については、災害時に停電や断水が発生した場合、避難所のトイレがそもそも利用できない可能性があります。避難所へ仮設トイレが届けられるのも数日かかる可能性があるため、自分でも携帯トイレや簡易トイレを備えておくことが大切です。万が一、生理になったときにそなえて、生理用品やサニタリーショーツも用意しておくと安心です。避難所での洗濯については、洗濯機やコインランドリーを利用できないことを想定し、ビニール袋やシップロック、洗濯専用バッグ、折りたたみバケツなどを用意しておくといいでしょう。また男性の目がある中でも洗濯がしやすいように、一見下着とはわかりにくいボクサータイプのショーツやカップ付きキャミソールなどを用意しておくといいでしょう。防犯ブザーなどの防犯グッズは常に所持しておくと安心です。また、貴重品は自身で管理し、肌身離さず持ち歩くことがおすすめです。両手が塞がらず雨でも濡れる心配のない、防水タイプのウエストポーチやショルダーバッグを用意しておくのがおすすめです。もし避難所でのプライバシー確保に不安を感じる場合は、在宅避難という手段があることも覚えておきましょう。災害時に必ずしも避難所へ行く必要はありません。また、もし避難所でプライバシーが確保できない環境なのであれば、自ら避難所運営に参画し、女性専用スペースを確保できるように働きかける勇気を出してみてください。
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断水対策、必要な防災グッズ6選+知っておくべきこと【防災士解説】

台風や地震などの災害が発生した場合、断水が発生することがあります。断水が発生すると、私たちの生活に欠かせない”水”が利用できなくなるでしょう。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「災害時の断水対策」に関して紹介します。災害による断水時に、飲料水や生活用水の確保ができなくなる、トイレやお風呂が使えなくなる、洗濯・掃除・料理ができなくなる、手洗いや歯磨きができなくなる、身体や室内を清潔に保てないことで衛生的な環境が悪くなる、などの問題で困らないために、次のような防災グッズを事前に準備しておくのがおすすめです。・断水対策1 水(飲料水+生活用水):一般的に、災害時には「水分補給+調理用水」として、一日1人あたり3リットルの飲料水が必要と言われています。最低でも「3リットル×3日〜1週間分」の水を備蓄するのが理想です。ペットボトルで飲料水を用意する際には、開封してからすぐに飲みきれるよう、500mlタイプで用意しておくと便利です。また飲料水の備蓄を行う際には、日常で使用する食材を少し多めに買い置きする”ローリングストック法”を活用するのがおすすめ。一方生活用水については、必要な量の水を普段から備蓄しておくことは現実的ではありませんし、生存に不可欠なものではないため、飲料水よりも備蓄の優先順位は低いです。・断水対策2 簡易トイレ:簡易トイレとは、電気や水なしでも利用できるトイレのことです。さまざまな種類があります。100円均一でリーズナブルに揃えることも可能ですよ。・断水対策3 給水タンク:避難場所などに設置されている給水拠点や、給水車から生活用水の給水を受け受ける際に役立つ防災グッズです。・断水対策4 水のいらないシャンプー:髪の毛や頭皮を清潔に保てて安心です。・断水対策5 歯みがきシート:使用後に水でゆすぐ必要がないため、断水時の防災グッズとして役立ちます。しっかり歯を綺麗にしたいという方は、マウスウォッシュなどのオーラルケアグッズと併用して使うといいでしょう。・断水対策6 ボディーシート:お風呂に入れなくても身体を清潔に保てるように、ボディシートも用意しておきましょう。また、防災グッズを揃えるだけでなく、次のような知識を事前に知っておくことで断水対策にもつながります。たとえば、断水時でも、正しく水を流すことでトイレの利用が可能な場合があります。しかし、地震などの災害により排水管や下水管が破損している場合など断水時にトイレを流してはいけない場合もありますので、災害時には、簡単に処理できて水を必要としない「簡易トイレ」を利用するほうがいいでしょう。身近なものでできる節水アイデアもあります。断水発生時の注意点としては、水道利用時に断水し栓を締め忘れてしまった場合、復旧時に急に水が出てしまうなどの問題もあります。そのため、断水が発生したら水道の元栓や水回り機器の止水栓を閉めておきましょう。復旧時はサビなどで水が濁っている場合があるため、きれいな水が出るまでしばらく流し続けるといいです。水は私達の生活にとって欠かせないもののため、災害時に水の問題で困らないためにも必ず事前の準備をしておきましょう。
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避難時の着替え、何日分必要?多すぎて困る可能性は?【防災士解説】

「台風で避難する場合、女性はどれくらいの着替えを持っていけばいいのでしょうか?また、避難所は一人あたりの場所が決まっていると聞いたのですが、いざ避難してみたときに荷物が入らないと断られるなど、多すぎて困ることはありますか?」という質問に、防災士という防災系の資格保有者である私が回答します。避難時の荷物の量は多いほど良いというわけではありません。その荷物を持って素早く避難できるか、避難所のスペースに収まるかなども考え、適切な量の荷物を災害時に向けて用意しておきましょう。まず避難時の着替えの数は、緊急性を要する一次避難用には「1日程度」、一次避難の後に避難所にて長期避難する二次避難用には「3日~1週間程度」過ごせる着替えを用意するといいでしょう。災害後にすぐに二次避難用の荷物を自宅に取りに帰れるとは限らないため、衛生的に過ごせるよう、一次避難用の持出しには下着を多めに用意しておくと安心かもしれません。緊急性を要する避難時に持ち出す荷物は、基本的に走って逃げられる重さまでにしましょう。自分の体力にあった重さの荷物を用意してください。一般的に女性の場合は10キロ程度の荷物が目安と言われているので参考にしてください。台風は予め被害が予想できる災害のため、もし避難の時間に余裕があり、できるだけたくさんの荷物を持ち込みたいという場合には、避難所の一人あたりのスペースを考慮して荷物を用意するのがおすすめです。予め定められた避難所の一人あたりのスペースは、各自治体により異なっています。続いて、一人暮らしの女性が避難所に持っていくのにおすすめの着替えを紹介します。黒や紺の動きやすいジャージ、カップ付きのインナー、ボクサータイプの下着などがおすすめです。荷物の量が多いことで、避難所の受け入れを断られたという事例は見かけたことがありません。また、自治体などでも避難所に持ち込む荷物の量に関する決まりは明記されていません。しかし、避難所は他の地域住民と共同生活を送ることになる場所です。そのため、周囲の人に迷惑をかけない常識の範囲内で荷物を持ち込むようにしましょう。荷物が多いことで逃げ遅れる可能性が生じたり、避難所で自分の過ごすスペースが狭くなってしまったりといった弊害も考えられます。自分の荷物は自分で管理しなければならず、荷物が多いとその分管理も大変になります。あれもこれもと用意するのではなく、荷物を必要最低限に収めることも大切です。
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火山の近くに住むなら…知っておきたい噴火対策【防災士解説】

日本には現在111もの活火山があります。世界にある活火山の内、約1割を日本が締めていると言われており、世界でも有数の火山国です。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「仕事の関係で火山が近くにある地域に引っ越すことになりました。万が一、火山噴火が発生した場合、どのように対応すればいいのかわかりません。また、事前にできる対策も教えてほしいです。」という疑問に回答します。まず火山噴火の事前対策は、「火山ハザードマップの確認」と「非常用持ち出し袋の準備」です。過去には日本各地で恐ろしい火山噴火が起こっています。噴火の際には、いち早く身を守る行動をとることが大切です。しかし、火山噴火は、事前に予測するのが難しい災害です。ですから、火山噴火から身を守るためには、事前の対策が重要になってきます。噴火の危険が予想される範囲や避難場所などの情報を地図で示してくれる「火山ハザードマップ」を活用し、自身が住んでいる地域の噴火への危険性や安全な避難経路を事前に把握しておきましょう。ハザードマップはお住まいの市区町村の窓口や、ホームページ上で確認可能です。火山噴火に備えて、緊急避難時に必要なものを持ち出せるように事前に非常用持ち出し袋の準備を行いましょう。過去には、1991年(平成3年) 雲仙岳の噴火、2014年(平成26年)御嶽山の噴火など、大きな被害が出ています。火山噴火がもたらす被害には、噴石(火山の噴火で吹き飛ぶ岩の固まりが落ちる)、火山灰(噴火時に破砕して急に冷やされたガラス片・鉱物結晶片の細かな破片が飛散する)、溶岩流(高温の液体状態で溶けた溶岩が斜面を流下する)、火砕流(火山灰や軽石などが火山ガスと合わさって、火口から土砂移動する)、火山ガス(火口や噴気口から出た気体のものが流れ出る)など、さまざまなものがあります。これらから身を守るため、いち早く避難することが大切です。避難時は、長袖と長ズボン・底の厚い靴・軍手・ヘルメット・マスクといった服装で避難しましょう。また、火山噴火の危険がある際に正しい情報を素早く入手するためにも、気象庁が発表する噴火警報・噴火警戒レベルに関して理解しておきましょう。噴火警戒レベルは5段階に分かれており、火山活動の状況・住民が取るべき行動・登山者への対応が設定されています。前兆がなく突然の火山噴火が起こった場合など、避難所へ移動できない場合には、鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物へ避難しましょう。また、噴石の影響を受けないために、なるべく建物内の1階で過ごしてください。
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地盤の弱い土地では、地震の際にどう行動するのが正解?【防災士解説】

川や沼などが埋め立てられた地中に多くの水分を含んだ土地などは、地盤の強度が弱い土地とされています。そんな地盤の弱い土地で地震が発生した場合、被害が大きくなる傾向にあります。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「地盤の弱い土地での地震」に関して紹介します。自身が住んでいる地域の地震のリスクや、正しい避難行動を知っておきましょう。地盤が弱い強い土地に限らず、地震が起こった際にはドアや窓を開けて避難経路を確保することが大切です。しかし、地盤の弱い土地では地盤沈下によりドアや窓に歪みが生じるリスクが高いため、地震で閉じ込められないためにも特に注意しましょう。また、地盤沈下により自宅や周辺の建物が傾いている場合・液状化現象が見受けられる場合・河川や海の近くで津波の危険がある場合は、自宅からの避難を検討しましょう。地盤が弱い土地では、地震の被害が大きくなるリスクがあります。いざというとき迷わず行動するためにも、地震が起こった場合の危険性を知っておきましょう。たとえば、地盤が柔らかい場所は地震の揺れが増大しやすいとされています。そのため、家具が転倒しやすくなる・家屋が倒壊しやすくなるなど、地震の被害も大きくなるリスクがあります。また、液状化現象や地盤沈下が起こる可能性があります。液状化現象とは、地震の揺れにより地盤が液体状になる現象のことです。特に、埋立地や海岸、沼や池がもともとあった土地、河川の沿岸などの、地盤が緩く地下水位が高い、砂が積もってできた砂地盤などで起こりやすいとされています。液状化現象により、地面が沈下や陥没することで、建物が倒壊したり傾いたりする危険性があります。また、地中にある水道管やガス管が破裂したり、地中の砂や水が噴き出したりする場合もあります。地盤沈下とは、粘土層の間で形成された礫・砂層などのすきまで閉じ込められた地下水が上に上がることによって、粘土層の水が絞り出されて、地盤が沈む現象のことです。地盤沈下すると、建物の傾斜やひび割れ、道路の凹凸、ガスや上下水道などの配管の破損が起こります。また、地盤沈下は液状化現象により引き起こされることもあります。自身が住んでいる地域の地盤の強さを調べたい場合には、「地盤サポートマップ」や「J-SHIS Map」を利用するといいでしょう。地盤が弱い地域に加え耐震に不安がある家に住んでいる場合には、被害を受けるリスクを回避するためにも引っ越しを検討したほうがいいかもしれませんね。
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災害時の備え、チェックリスト8項目。あなたはいくつできている?

「非常用持ち出し袋の準備に、避難場所の確認に…」と、災害時の備えを完璧に行っていると思っていても、見逃している部分があるかもしれませんよね。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「やるべきことが多いので、何か見落としていそうで不安です。チェックリストを教えてください。」という質問にお答えして、チェックリスト8項目をご紹介します。自身が行っている災害時の備えがきちんとできているのか、チェックリストを元にぜひ一度確認してみてください。(1)0次の備えを準備する:「いつも持ち歩く防災グッズ」のことです。外出先での災害に備えて、モバイルバッテリー、携帯食、懐中電灯などをコンパクトな防災ポーチにまとめて用意するのがおすすめです。(2)1次の備えを準備する:「避難時にすぐに持ち出せて1日程度をしのげる備え」のことです。避難する際に必要な物をまとめた非常用持ち出し袋を、玄関などすぐに持ち出せる場所に用意しましょう。(3)2次の備えを準備する:避難生活が長期化した場合に必要になる「避難所や自宅で3日程度の避難生活を送るのに必要な備え」のことです。(4)被害想定を確認する:自宅周辺や、職場周辺など普段長く過ごす場所の災害の被害想定を、ハザードマップなどで確認しましょう。ハザードマップは、地震・津波・土砂災害など災害の種別ごとに用意されているため、災害ごとに全て確認するようにしてください。(5)避難場所・避難経路を確認する:災害ごとに避難場所や避難経路も異なります。ハザードマップなどを用いて、避難場所や避難経路を事前に確認しておきましょう。(6)自宅の災害対策を行う:地震、台風、火災など災害ごとに自宅の対策を行いましょう。地震対策は、自宅の耐震確認、家具の転倒防止対策、避難経路や安全スペースの確保など。台風対策は、窓ガラスの飛散防止、雨戸やシャッターを確認など。火災対策は家庭用消火器の設置、ブレーカーの位置の把握などです。(7)安否確認方法を確認する:災害時に家族や周りの人に安否確認ができるように、連絡手段を事前に決めておきましょう。災害用伝言ダイヤル「171」をはじめ、様々な手段があります。(8)情報収集手段を確認する:いざという災害時に素早く災害情報を収集し、デマに惑わされないように、災害時の情報収集手段を事前に決めておきましょう。
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自宅が山の近く…土砂災害から身を守るための対策は?【防災士解説】

特に山の近くなどリスクが高い場所に自宅がある場合、土砂災害に巻き込まれないか心配ですよね。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「土砂災害対策」に関して紹介します。事前にできる対策や、土砂災害のリスクが高い場所、避難のタイミングなどを把握し、土砂災害から身を守る方法を覚えておきましょう。過去には、平成26年8月豪雨(広島土砂災害)、平成30年7月豪雨、令和2年7月豪雨などのような恐ろしい土砂災害が発生しています。土砂災害は時には、人の命を奪い、私たちの生活を脅かす恐ろしい災害であることを理解しておきましょう。土砂災害から身を守るため、まずはハザードマップを確認しましょう。土砂災害の危険が高い区域は、「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」「土砂災害危険箇所」などと指定されています。土砂災害には、がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)・地すべり・土石流、の3種類の現象があります。がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)は、傾斜度が30度以上となる土地が崩壊する現象です。前兆現象では、がけにひび割れが入り、小石が徐々に落ちてきます。また水が湧き出ることや、逆に湧き水が止まったり、濁ったりすることも。地鳴りがする場合もあります。地すべりは、傾斜地の地表面にある土や砂、岩石などがすべって動く現象です。透水層と不透水層が重なる箇所で多くの水・雨が流れることが原因で起こります。前兆現象では、地面がひび割れて陥没し、がけや斜面で水が噴き出すことがよく起こります。また、井戸や川の水が濁ったり、地鳴りがして樹木が傾いたりする現象が起こると地すべりが起こる可能性が高いです。土石流とは、土や石、雨水が混合し、渓流や斜面を流れ下る現象です。山鳴りがして、川の水が濁ったり流木が混ざり始めたりすることが前兆現象とされています。また、腐った土の匂いがしたり、雨が降り続けているにもかかわらず川の水位が下がったりすると、土石流が起こる可能性が高いです。雨が降り出したら日頃から気象情報を確認しましょう。特に「土砂災害警戒情報」には、注意が必要です。警戒レベル3〜4が発令された場合は、すぐに危険な場所から避難することが求められます。警戒レベル1や2の段階でも、予め危険が予想される場合や、夜間に雨が強くなると予想される場合には、避難指示を待たずに早めの避難を心がけてください。 土砂災害に備えて、国や自治体でも対策を行っています。そのため、山の近くに住んでいたとしても必ずしも、土砂災害への危険が高いとは限りません。しかし、特に土砂災害の危険が高い地域に住んでいる方は、雨が降り出したら気象情報を確認することを日頃から心がけるようにしておきましょう。
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防災グッズにおすすめのソーラー充電器は?防災士解説

災害の影響により電気がストップした場合、太陽光を利用できる「ソーラー充電器」を備えていると安心ですよね。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「ソーラー充電器の選び方」に関して紹介します。災害時に停電が長期化した場合や、スマホのバッテリー切れに備えて、今用意しているモバイルバッテリーなどとあわせてソーラー充電器も準備してみてください。ソーラー充電器は大きく「折りたたみタイプ」と「コンパクトタイプ」の2種類のタイプがあります。折りたたみタイプは、展開することでソーラーパネル部分が広く設けられるため、発電能力が高いことが特徴です。しかし折りたためるといっても、さほど小さくなるわけではないので、 緊急時に持ち出すのには適していないかもしれません。長期化する避難に備えた2次持ち出し品や、在宅避難の防災グッズとして用意するといいでしょう。一方、コンパクトタイプは携帯しやすい小型の商品が多いため、緊急時にも持ち出しやすいです。変換効率、出力電流、バッテリー容量、p確認しましょう。スマホの充電が目的であれば、変換効率は20%以上、出力電流が2A以上、バッテリー容量は20000mAh以上の商品を選ぶといいでしょう。スマホやタブレットなど複数の端末を同時に充電したい場合には、USBポートの数が複数の商品を選ぶのがおすすめです。また、Type-AやType-CなどUSBポートの形状にも注意し、ソーラー充電器を準備する際にはケーブルも忘れずにあわせて準備しましょう。ソーラー充電器の中には、手回し式付き・ラジオ機能付き・ライト付き・防水仕様などプラスαで機能が備わっているものがあります。多機能なソーラー充電器を用意したい場合には、機能面も重視して選ぶといいでしょう。電化製品が安全性を満たしていることを表した「PSEマーク」が付いている商品を選ぶといいでしょう。最後に、防災グッズにおすすめのソーラー充電器を3選紹介します。折りたたみタイプのソーラー充電器ならAnkerの「PowerPort Solar」、コンパクトタイプのソーラー充電器ならAnkerの「Anker PowerCore Solar 20000」、多機能タイプのソーラー充電器ならGeumの「多機能防災ラジオ」がおすすめです。ソーラー充電器は、電気がなくてもスマートフォンなどを充電できるため、災害時には適した防災グッズです。しかし、充電には時間がかかることや、曇りや雨の日など天候に左右されることなどのデメリットもあります。そのため、ソーラー充電器のみを備えるのではなく、ポータブル充電器やモバイルバッテリーとあわせて用意しておくと安心ですよ。
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家具や本棚の地震対策。賃貸でもOKな転倒防止法は?【防災士解説】

賃貸では、家具転倒防止対策の際に壁にネジ止めができませんよね。また、床や天井などをできるだけ傷をつけたくないため、家具転倒防止対策が難しいという方も少なくないでしょう。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「賃貸の家具転倒防止対策」に関して紹介します。家具転倒防止器具の中には賃貸でも利用可能なものも複数あります。まだ、賃貸で地震対策ができていないという方はぜひ参考にしてみてください。まずは賃貸でもできる家具転倒防止対策を5選紹介していきます。1.突っ張りポール式で家具を固定する:天井と家具の間に伸縮可能な突っ張り棒を設置して転倒を防止する器具です。タンスや棚など大きめの家具や、冷蔵庫など奥行きがあり天井との距離が近いものの転倒防止に最適です。2.ベルト式で家具を固定する:賃貸で使うなら、家具と壁を粘着テープのついたベルトで固定し、連結して転倒を防止するタイプのものがよいでしょう。本棚などの家具や、テレビ・冷蔵庫・洗濯機など穴を開けられない電化製品などの固定に適しています。また、天井の強度が弱いなどの事情でポール式が利用できない場合にも最適です。3.壁に吸着させて家具を固定する:壁と家具の間に貼ることで地震の揺れを吸収し、転倒を防止する器具です。家具の上部に設置するだけでなく、側面にも取り付けが可能です。家具の高さが足りずポール式が利用できない場合や、テレビ台のように背面が空いている家具にも利用でき、便利です。4.耐震ストッパー・耐震マットを家具の下に敷く:耐震ストッパーは、家具の前下部に挟み込み、家具を壁側に傾斜させて転倒を防止する器具です。背の高い家具の場合、単体で使用しても効果が小さいため、突っ張りポールなど他の器具とあわせて利用しましょう。耐震マットは、家具の底面と床面を粘着性のゲル状のマットで接着させて転倒を防止する器具です。大きな家具の固定には向いておらず、小さい家具や家電の固定に適しています。5.突っ張り式の収納ボックスを設置する:天井と家具の間を埋めてくれる、突っ張り式の収納ボックスというものもあります。地震対策と収納が同時に行えるため大変便利です。より広い面で固定できるため、高い効果が期待できます。家具の転倒防止対策を行うだけでなく、落下防止や移動防止も行うことでより地震対策が行なえます。賃貸で壁を傷つけられないからといって、地震対策ができないわけではありません。壁を傷つけずに、一人暮らしの女性でも簡単に取り付けられる家具転倒防止器具がありますので、ぜひまだ対策ができていない人は始めてみてください。
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防災グッズ、どう見直す?【首都直下地震・被害想定改定】防災士解説

今回は、「首都直下地震に備えた防災グッズの見直し」に関して紹介します。このシリーズでは、防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。東京都は、2022年5月25日に、10年ぶりに見直した首都直下地震の被害想定を公表しました。地震に備えてすでに対策を行っているという方も、これをきっかけにぜひ地震対策の見直しを一度行ってみてください。・見直し案(1) :「発災後3日後〜」は家庭での備蓄が枯渇した在宅避難者が避難所へ移動し、避難者が増加することにより、必要な物資が行き渡らなくなったり、避難所の衛生状況が急激に悪化したりすることが予想されています。食料品や生活必需品の確保で困ったり、備蓄が足りずに途中で避難所へ避難したりということのないよう、備蓄を3日分しか用意していないという場合には、1週間以上分の備蓄を用意するように見直しをしてほしいと思います。・見直し案(2) 火災防止対策を見直す:自宅で地震後に火事が発生した場合、初期消火を行えれば被害の拡大を防げる可能性があります。また感震ブレーカー(強い揺れを感知した場合に自動でブレーカーを落とし、電気の共有を遮断してくれる装置)を設置することで、電気が原因となる火災や停電復旧後の通電火災を防ぐのに有効です。「簡易タイプ」や、「コンセントタイプ」など、工事が不要で、自分でも簡単に取り付けが可能な感震ブレーカーもありますよ。・見直し案(3) 充電器を見直す:「発災後3日後〜」には徐々に停電が減少するとされています。しかし、発電所自体が停電している場合や電力供給不足の場合には、「発災後1週間後〜」も計画停電が継続される可能性があります。ソーラー式のモバイルバッテリー、または大容量バッテリーのポータブル充電器へ、現在備えている充電器を見直すことをおすすめします。・見直し案(4) 自宅の安全性を見直す:自宅の耐震性を確認する、家具転倒・落下防止対策を行うなど、改めてチェックしてみましょう。・見直し案(5) 帰宅困難への備えを見直す:帰宅困難に備えて、職場に防災グッズを用意しておきましょう。また、帰宅困難や外出時の災害に備えて、いつも持ち歩くかばんの中には防災ポーチを用意しておきましょう。今回の首都直下地震被害想定の改定により対策の見直しを行うだけでなく、防災の日や季節の変わり目などには、定期的に地震対策の見直しを行ってみてほしいです。
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床下浸水(0.5m)想定区域でも、水害対策は必要?防災グッズ6選

今回は「床下浸水への備え」に関して、防災士という防災系の資格保有者である私が、解説します。床上浸水とは違い、床下浸水は大した被害ではないと思われがちです。しかし、決して侮ってはいけません。ハザードマップでの想定浸水深が0.5mの場合、1階の床下まで浸水するリスクがあります。大人の膝が浸かる程度の高さのため大したことがないように思いますが、0.5mの浸水は大人が歩行困難になる目安とも言われており、決して侮ってはいけない深さです。床下浸水の場合は、床下の通気口や、住宅の基礎や外壁に生じている隙間から、土砂や泥水が侵入するケースが多いでしょう。もし床下浸水の被害にあった場合、「水が引けば大丈夫」というわけではありません。そのままにしておくと、カビが発生するなどして建物の劣化につながったり、害虫が発生したりする可能性もあります。また、健康被害にもつながる危険性もあるのです。そのため、水害が発生した際に床下浸水をできるだけ防ぐためにも、防災グッズの準備や対策が欠かせないのです。床下浸水に備えて用意すべき防災グッズを6選紹介していきます。1・土のう(土嚢):ホームセンターなどで入手可能です。また、浸水予想区域では無料貸し出しや配布サービスを行っている自治体などもあります。しかし、緊急時に何キロもある土のうを用意するのは、一人暮らしの女性にとっては大変でしょう。そこで、下記で紹介する「水のう」の方がおすすめです。2・水のう:土砂ではなく水を入れて作る土のうの水版です。吸水性ポリマーが中に含まれた、水を入れるだけで簡単に膨らむ商品もあります。45リットルのゴミ袋を2~3枚に重ねて水を入れることで、簡易的な水のうを作ることも可能です。3・止水板:玄関など水が侵入してきそうな出入り口に設置することで浸水防止になるだけでなく、流されてきた浮遊物の侵入を防いでくれる効果も期待できます。テーブルやボードなど長い形状のものと土のう・水のうなどを組み合わせて、簡易止水板を作るのもおすすめです。4・ポリタンクとレジャーシート:玄関などに設置することで浸水対策になります。5・防水テープ、6・防水シート:玄関、窓枠、通気口、換気口などちょっとした隙間に貼ることで浸水を防げます。収納もしやすく取り扱いも簡単なことがメリットです。日頃からの対策としては、定期的に自宅周辺の側溝や「雨水ます」の掃除や点検を行うようにしましょう。また、火災保険を確認しておきましょう。
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現金も防災グッズの一つ!非常用持ち出し袋にいくら用意するべき?

災害時に停電が発生した場合、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済が利用できなくなる可能性があります。キャッシュレス化が進み、現金を普段あまり所持していないという方も、防災用に現金を準備しておく必要があります。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、現金を防災ポーチや非常用持ち出し袋に準備しておいたほうが良い理由や、いくら用意しておくべきかなど、「災害時の現金の必要性」に関して紹介します。まだ非常用持ち出し袋に現金を用意していないという方は、ぜひ準備を始めるきっかけにしてみてください。災害時はクレジットカードや電子マネーなどを利用したキャッシュレス決済が利用できないことが想定されます。停電時にはお店などのレジやキャッシュレス決済の読み取り機が利用できなくなり、アナログな「現金のみ」の会計になる可能性があるのです。しかし現金をATMから引き出そうとしても、停電等の影響により、銀行やコンビニのATMが利用できない可能性があります。仮に電気が復旧し、ATMが利用できるようになったとしても、ATMには現金を求めている人で長蛇の列ができ、現金を引き出すまでに時間がかかることが想定されます。そのため、最低でも生活費の3日〜1週間分程度の現金を、非常用持ち出し袋の中に用意しておきましょう。また、外出時に持ち歩く防災ポーチにも現金を用意しておくといいです。現金は一万円札で用意するのではなく、千円札や百円玉、十円玉などの小銭も多めに用意しておくのが便利です。小銭は自動販売機や公衆電話などでも利用できます。現金は、使いやすくひと目でわかりやすいように「コインケース」に入れて備えるのがおすすめです。また、災害時に必ずしもすべてのキャッシュレス決済が利用できなくなるわけではないため、リスク分散のためにも現金だけでなく、多様な決済を準備しておきましょう。たとえば停電中もQRコード決済ならできる可能性があります。また店舗によっては、クレジットカード決済システムに災害時用の「オフラインモード」を備えている場合もあります。現金を用意していても災害時に持ち出せなかったり、災害が長期化して現金使い切ってしまった場合などは、移動式ATM車や「キャッシュアウトサービス」を活用してください。災害時に「通帳・カード・印鑑」を持ち出せなかった場合や紛失した場合でも、災害時は銀行で特別措置が取られるため現金の引き出しが可能です。現金の備えだけでなく、銀行の口座番号をメモしておいたり身分証明証のコピーを用意しておいたりすることで緊急時にもスムーズに手続きなどが行なえますよ。
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0次の備え・防災ポーチを作ろう。必要なグッズ10選【防災士解説】

災害に備えて、なんらかの備えをしている人は多いでしょう。しかし、「0次の備え」防災ポーチを持ち歩いている人は少ないのではないでしょうか。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「0次の備え(防災ポーチ)」に関して紹介します。災害は必ずしも自宅に居る際に起こるとは限りません。そのため、外出先で災害が起こっても困らないよう、0次の備えとしての「防災ポーチ」が必要なのです。具体的に用意すべき防災グッズも紹介しますので、まだ0次の備えを行っていない方は是非参考にしてみてください。防災ポーチを持ち歩いておくことで、外出先から避難所や自宅へ安全に移動でき、仮に身動きができなかった場合にも数時間その場で過ごせる備えがあるため安心です。0次の備えで用意するべき防災グッズの一例を、大きく分けて10選紹介していきます。1.現金 2.飲料水・携帯食(栄養補給食・ゼリー飲料・飴・チョコレート・塩分タブレットなど)3.モバイルバッテリー 4.衛生用品・救急セット(ティッシュ、ウエットティッシュ、ハンカチ、マスク、生理用品、簡易トイレ、歯磨きセットなど) 5.スキンケアセット(メイク落とし、ヘアゴムなど) 6.懐中電灯 7.防犯ブザー・防災ホイッスル 8.筆記用具・メモ帳 9.身分証明証のコピー・緊急連絡先 10.防寒具(カイロ、アルミシートなど) 普段持ち歩くもののため、邪魔にならないようコンパクトにポーチにまとめて、いつも持ち歩くバッグに入れておくのがおすすめです。0次の備えをまとめたポーチは「防災ポーチ」とも言われています。用意するポーチは、いつも持ち運びやすいように軽いもので、風水害などの際にも利用しやすい耐久性が高いものがおすすめです。また、緊急時にも即座に防災グッズが取り出しやすいように内ポケットがついているものや、チャックがガバッと開いて中を確認しやすいものだと便利です。外出する際には、忘れないようにいつもしっかり持ち歩いてくださいね。
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最寄りの避難所が川の近く…台風・大雨のときどうすれば?

自宅の最寄りの避難所が川の近くで、台風・大雨のとき、避難所に行く方がかえって危ないのでは…と考えている方もいるでしょう。実は、避難所は災害の種別によって異なる場合があります。最寄りの避難所が浸水が想定される場所にある場合、台風や大雨のときに避難所として開設されているとは限りません。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「台風・大雨の避難所や避難行動」に関して紹介します。台風や大雨の際の避難所や避難行動に不安があるという方は、再度確認を行ってみてください。川の近くなど、氾濫して浸水が想定される場所にある小学校などの施設は、台風・大雨の際の避難所として使用されないことが一般的です。そのため、ご質問者様の自宅から最寄りの避難所は、地震の際に開設される避難所であり、台風や大雨などの風水害時には開設されない可能性もあります。台風・大雨の場合の避難所は、ハザードマップなどを活用して確認を行いましょう。ハザードマップとは、自然災害による被害範囲の予測や避難場所などの避難情報が記された地図のことです。ハザードマップでは、避難所だけでなくそこまで避難するための避難経路も同時に確認しましょう。もし、避難経路が川の近くや危険な区域を通らなくてはいけないのであれば、危険です。最寄りの避難所までの道のりが危険な場合には、別の避難所へ避難することを考えましょう。ハザードマップは災害種別ごとに用意されています。台風・大雨の場合は「洪水ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」「内水ハザードマップ」などの、水害に関するハザードマップを確認するといいでしょう。また、土砂災害が発生する可能性もあるため「土砂災害ハザードマップ」も確認しておくと安心です。台風・大雨の際に、避難所へ行くことだけが避難行動ではありません。避難行動には「水平避難(立退き避難)」「垂直避難」「屋内安全確保(在宅避難)」があり、避難所に行くことは水平避難のひとつです。浸水時に避難する場合、単独行動は危険なため隣人などと声を掛け合いながらできるだけ2人以上で避難するようにしましょう。浸水した道路を歩く場合、側溝やマンホールに落ちないように、長い棒や傘などで足元を確認しながら避難すると安全です。また、長靴は水が入ってきて重くなり動きづらくなる可能性があるため、運動靴を履いて動きやすい格好で避難してください。避難する際に持ち出す非常用持ち出し袋はリュックで用意して、いざというときに両手が自由に使える状態にしておきましょう。
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防災士「部屋に防災グッズ置けないなら…」宅配型トランクルーム活用術

「部屋が狭くて防災用品の収納場所がない」「防災用品を分散して収納したい」「災害時に大切なものをなくさないために別の場所に保管しておきたい」という場合、宅配型トランクルームなど外部へ預けて備えるという手段もあります。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「防災用品の収納におすすめの宅配型トランクルーム」に関して、おすすめの宅配型トランクルームや預ける際の注意点を紹介します。宅配型トランクルームとは、預けたい荷物を自分で宅配便で送って、サービス会社の倉庫に荷物を保管してもらえる収納サービスのことです。防災におすすめの宅配型トランクルームは「防災ゆうストレージ」。日本郵便と寺田倉庫が共同企画した防災向け宅配型トランクルームで、2022年2月1日よりサービスの申し込みが開始されています。避難先での生活が長期化した場合に必要になる物資や、アルバムなど災害時になくしたくない大切なものを預けられます。日本郵便は全国各地に配達が可能なことに加え、災害時でも郵便集配送を止めない体制づくりがなされているため、災害時でも手元に荷物を届けてもらえる可能性が高いです。また、荷物が保管される寺田倉庫についても、硬質な地盤の土地で、耐震基準を満たした倉庫に保管されるため、災害の被害を受ける可能性も低いです。このほか、「CARAETO(カラエト)」「サマリーポケット」「宅トラ」もおすすめです。宅配型トランクルームを利用する際は、運営会社が被災してしまった場合や、災害状況や道路状況により宅配自体が困難になってしまう場合もあることに注意しましょう。食品・可燃物・ワレモノ・液体・現金など、サービス会社によっては預かってもらえないものもあるため、利用する前に預かり可能な荷物の確認を行っておきましょう。すべての防災用品を宅配型トランクルームに預けようとは考えないようにしてください。「自宅に置いておくモノ」「宅配型トランクルームに預けるモノ」とうまく分散させて防災用品を収納するようにしてくださいね。
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【防災士解説】夏の停電対策に…エアコンが使えないときの防災グッズ7選

災害の影響により、夏場に停電してしまった場合、エアコンや扇風機などが利用できなくなり、熱中症のリスクが高まりますよね。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が「災害時の熱中症対策」に関して紹介します。熱中症はときには死に至ってしまう恐ろしい病気です。夏場に備えた防災グッズがまだ用意できていないという方は、ぜひ今回紹介する熱中症対策におすすめの防災グッズを参考にしてみてください。普段から自宅にあるようなアイテムも含まれていますので、特別な防災グッズを購入せずとも自然と自宅に準備できているという人もいるでしょう。一度ご自身で用意している防災グッズの見直しを行ってみてください。・飲料水:熱中症対策にはこまめな水分補給が必要なため、「水・麦茶・スポーツ飲料・経口補水液」などの飲料水を用意しておきましょう。用意する際には、500mlほどの飲み切れるサイズがおすすめです。水は1人1日3リットル×3日分を目安に用意しておく必要があります。・塩分補給:熱中症対策のためには、水分だけでなく塩分も補給する必要があります。スポーツ飲料のほかに「塩分タブレット・塩あめ・塩分入りビスケット・塩キャラメル・塩こんぶ・梅干し・漬物」などの塩分補給ができる食べ物やお菓子を用意しておくのもおすすめです。・小型扇風機・うちわ・扇子:コンセントからの電気を必要としない、USB充電や電池で稼働する卓上扇風機やハンディ扇風機、うちわ・扇子などで体を涼しく保つようにしましょう。・冷却グッズ:冷却スプレー・冷却ジェルシート・冷却タオル・瞬間冷却剤・ひんやり寝具などの冷却グッズを用意しておくのもおすすめです。充電や電池を必要としないものばかりのため、停電が長期化した場合にも役立つでしょう。・遮熱シート:太陽の日差しを遮ってくれる遮熱シートを窓に貼っておくことで、室内の温度上昇を抑えられるため効率的に暑さ対策ができます。・ポータブル冷蔵庫:停電時でも冷蔵庫の食材を保ったり、熱中症対策に利用したい氷や保冷剤や冷たい飲み物などをしっかり確保できるよう、ポータブル冷蔵庫を用意しておくのもおすすめです。・ポータブル電源:大容量のポータル電源は価格が高くなるため、もう少しお手軽に備えたいという場合には200~1000Wh程度のキャンプなどのレジャー用に適したポータブル電源を備えておくといいでしょう。ポータブル電源までは必要ないと思う方は、モバイルバッテリーを代わりに用意しておきましょう。スマホを充電するだけでなく、USB扇風機の充電としても利用が可能です。 災害時に熱中症を引き起こさないためにも、夏場用・冬場用と季節ごとに分けた防災グッズも用意しておきましょう。また、万が一体調不良を引き起こした際に周囲に助けを求められるよう、普段から挨拶だけでもいいので近隣住民と交流を持ち、災害時に孤立しないようにしておくことも大切です。
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防災士「地震の備え、一人暮らし女性はコレをして!」効率的な対策とは

日本は災害が多い国のため、いつどこで災害に遭うかわかりません。そのため、頼れる家族や友人が直ぐ側にいない一人暮らしの場合、災害時に自分の身を自分で守るためにも、特に災害への備えは欠かせません。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「一人暮らしの効率的な地震対策」に関して紹介します。まず始めるべき地震対策をステップごとに紹介していくので、地震対策をまだ行っていない方はぜひ順番に対策を始めてみてください。ステップ1・非常用持ち出し袋の準備:まずは、被災した際に必要なものをすぐに持って逃げられるよう、日用品・食料・飲料水・防災グッズなどをリュックやナップサックに詰めて、「非常用持ち出し袋」の準備をしましょう。ステップ2・防災備蓄の準備:避難時に持ち出す非常用持ち出し袋だけでなく、在宅避難や長期避難することを想定し自宅に防災備蓄を備えておく必要もあります。防災備蓄とは、自宅に食料品や生活必需品を備えておくことです。ステップ3・避難場所・経路の確認:次に、自宅周辺の避難場所やそこまで避難するための安全な経路を確認しましょう。避難所の確認は、ハザードマップ・各自治体のHPや以下のようなサイトから確認できます。いつでもすぐに確認ができるよう、ブックマークしておくのがおすすめです。ステップ4・家具の固定:地震対策として、自宅の家具を固定し、転倒防止を行うことも重要です。もし、家具転倒防止対策を行っていなかった場合、地震の影響で家具が倒れてしまい閉じ込められてしまったり、最悪の場合は家具の下敷きになってしまい命が脅かされてしまったりする可能性もあります。ステップ5・家族との安否確認方法の確認:災害時の安否確認のとり方を、事前に家族と確認しておきましょう。災害発生直後は、音声通話が集中するため電波が繋がりにくくなり、緊急を要する人が消防や警察へ連絡できなくなる可能性があります。そのため家族との連絡手段には通話は利用せず、パケット通信を利用した「メール・SNS・通話アプリ」などを用いることが推奨されています。ステップ6・近所の人と交流を持つ:一人暮らしで両親と離れて暮らしていたり周辺に友人がいなかったりする場合、災害時に孤立してしまう危険性があります。近所の人と挨拶だけでもいいので普段から交流を持ち、顔見知りになっておくことも大切です。特に一人暮らしの場合は、災害時に自分一人で行動しなければいけません。いざというときに一人でもスムーズに安全な行動や対策が取れるよう、事前の地震対策をしっかり行ってくださいね。
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津波警報が出たらどうする?会社や外出先での避難方法【防災士が解説】

四方八方を海に囲まれた日本で暮らす私たちはいつ津波の被害に遭ってもおかしくありません。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「会社など外出先で津波の危険を感じた場合の避難方法」に関して紹介します。津波から逃げ遅れたり、危険な行動を取ったりしないために、津波から命を守る避難方法を覚えておきましょう。外出先で強い揺れを感じたり、弱くても長い揺れを感じた場合には直ちに海岸付近から離れましょう。過去には揺れが大きくなくても津波が発生したケースや、海外など遠くで起こった地震の影響により津波が引き起こされることもあったため、些細な揺れや異変も侮らないことが大切です。また、揺れを感じなかったとしても津波警報を見聞きしたなら同様に迅速に避難しましょう。津波から避難する場合、基本的に「遠く」へ避難するのではなく「高く」へ避難することが基本です。そのため、津波の危険を感じたり津波警報が出た場合には、ただちに高台など今いる場所よりもより高い場所へ避難しましょう。周辺の地理に詳しくない場合は「津波避難場所」のマークを目指して避難してください。「津波避難場所」とは、津波に対して安全な避難場所・高台であることを示しているマークのことです。高台への避難が間に合わない場合や、周辺に高台がない場合は3階以上の頑丈な鉄筋ビルへ避難しましょう。「津波避難ビル」という、高台まで避難することが困難な場合、緊急的に避難できる施設を示しているマークもあります。逃げ遅れたり、取るべき行動を間違わないためにも、「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」の3種類の種類やそれぞれの違いを正しく理解しておきましょう。次に、津波から避難する際に注意すべきことを紹介します。・絶対に引き返さない:忘れ物などに気がついたとしても、津波警報注意報が解除されるまでは絶対に引き返さないことが大切です。・車では避難しない:原則徒歩で避難するようにしましょう。・木造の建物や川沿いには避難しない:木造の建物や川沿いには避難しないようにしましょう。また、河川を遡上した津波(河川津波)が沿川地域に被害をもたらす場合もあります。そのため、川沿いにも近づかないようにしましょう。最後に、津波に備えて日頃から行える対策を紹介します。自宅や職場周辺、よく外出する場所周辺のハザードマップを確認し津波のリスクを把握しておきましょう。たとえ海から離れていたとしても大丈夫とは思わずに、一度は確認してくださいね。「津波避難場所」「津波避難ビル」の場所を調べておいてください。避難場所は一箇所だけ調べておくのではなく、より高い場所にある避難場所も調べておきましょう。津波の危険を感じたり、津波警報等が出た場合に素早く避難するためにも、日頃から避難経路や高台にある避難場所の位置などを確認しておきましょう。