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断水対策、必要な防災グッズ6選+知っておくべきこと【防災士解説】

防災
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台風や地震などの災害が発生した場合、断水が発生することがあります。断水が発生すると、私たちの生活に欠かせない”水”が当たり前のように利用できなくなるでしょう。

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。

今回は、「災害時の断水対策」に関して紹介します。災害時に断水が発生した場合に、水の問題で困らないためにも、事前の対策を行い必要な防災グッズを用意しておきましょう。

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質問:断水への事前対策、用意すべき防災グッズは?

最近、台風の被害があった場所で断水が発生しているとニュースで見かけ、自分が住んでいる地域にも台風が来た場合に断水が発生する可能性があると感じました。そのため、断水に備えて事前にできる対策や、用意しておくべきおすすめの防災グッズがあれば教えてほしいです。

かさみやちゃん
かさみやちゃん

断水が発生した場合、飲料水や生活用水の確保が難しくなりますよね…。断水時に困らないためにも、事前にできる対策を伺ってみましょう!

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回答:断水対策として必要な防災グッズ6選

断水で困らないために、水・簡易トイレ・給水タンク・水のいらないシャンプー・歯みがきシート・ボディーシートなどの防災グッズを用意しておこう|イメージ画像:イラストAC

災害時に断水が発生すると、蛇口から水が出なくなるのはもちろんのこと、次のような問題が発生することが考えられます。

  • 飲料水や生活用水の確保ができなくなる
  • トイレやお風呂が使えなくなる
  • 洗濯、掃除、料理ができなくなる
  • 手洗いや歯磨きができなくなる
  • 身体や室内を清潔に保てないことで衛生的な環境が悪くなる など

断水時にこのような問題で困らないためにも、次のような防災グッズを事前に準備しておくのがおすすめです。

断水対策1 水(飲料水+生活用水)

飲料水について

一般的に、災害時には「水分補給+調理用水」として、一日1人あたり3リットルの水が必要と言われています。

災害支援物資の到着はおおよそ3日程度と言われていますが、1週間以上を要する場合もあるため、最低でも「3リットル×3日〜1週間分」の水を備蓄するのが理想です。

ペットボトルで飲料水を用意する際には、2Lではなく500mlタイプで用意しておくと便利。500mlなら開封してからすぐに飲みきれるため、衛生的です。持ち運びもしやすいです。

また、飲料水の備蓄を行う際には、日常で使用する食材を少し多めに買い置きしておき、「食材を買って、それを食べて、食べた分だけまた買い足す」というサイクルを繰り返す”ローリングストック法”を活用するのがおすすめ。

★ローリングストックについてはこちら

生活用水について

飲料水のみだけでなく、災害時には生活用水の確保も難しくなります。東京都水道局によると、家庭で一日1人あたり平均214リットルの生活用水を利用しているそうです。

出典:もっと知りたい「水道」のこと | よくある質問 | 東京都水道局

しかし、この量の水を普段から備蓄しておくことは現実的ではありませんし、生活用水は生存に不可欠なものではないため、備蓄の優先順位は飲料水よりも低いです。

生活用水を備蓄しておきたい場合には、浴槽に残り湯ではなくきれいな水を貯めておいたり、水道水をペットボトルなどに日常的に貯めておくといいでしょう。貯めておいた水は、洗濯・掃除の水などで利用できます。

ただし、浴槽の水はすぐに雑菌が繁殖しやすいため飲用として利用しないのはもちろんのこと、生活用水として利用する際にも注意が必要です。

地震で断水した場合、マンション・アパートなどの集合住宅では排水管が破損している可能性があるため、下の階への水漏れなどのトラブルにも気をつけなければいけません。

また、生活用水はなくても、次で紹介するような防災グッズで代用が可能な場合もあります。

断水対策2 簡易トイレ

簡易トイレとは、電気や水なしでも利用できるトイレのことです。洋式トイレに袋をかぶせるタイプや、持ち運びしやすい携帯タイプ、ダンボールなどで組み立てる簡易便器タイプなどさまざまな種類があります。

吸水シートや凝固剤がセットになっており、排泄後に水分を安定化させることが可能で、袋を縛ってそのままゴミとして処分できます。また、匂いが気にならないように消臭タイプの袋になっている商品もあります。
100円均一でリーズナブルに揃えることも可能ですよ。

トレイにかぶせるタイプや携帯タイプであればコンパクトなため、自宅に備蓄もしやすいでしょう。自身が一日にどの程度トイレを利用するのかを考え、最低でも3日〜1週間程度の量を用意しておくと安心。

また、災害時に使い方に困らないためにも、平常時に実際に使ってみて利用方法を予習しておくといいでしょう。

断水対策3 給水タンク

災害時に断水が発生した場合、避難場所などに設置されている給水拠点や、給水車から生活用水の給水を受けられます。

給水タンクは、生活用水の給水を受ける際に役立つ防災グッズです。給水タンクには折り畳めてコンパクトに持ち運べるソフトタイプと、折り畳みはできませんが安定感があり耐久性もあるハードタイプがあります。

また、コックがついており水道のように水を注げるものや、給水がしやすい広口タイプなどもあり、自分が使いやすく備えやすいと思うものを選びましょう。

断水対策4 水のいらないシャンプー

断水時はお風呂も利用できなくなるため、水を必要としないシャンプーを用意しておけば、髪の毛や頭皮を清潔に保てて安心です。

スプレータイプ、泡タイプ、ジェルタイプ、シートタイプ、パウダータイプなどさまざまな商品が用意されています。

水のいらないシャンプーは、災害時だけでなく忙しい日の平常時などにも活用できるため、普段から使い慣れておくと災害時にもストレスなく利用できますね。

断水対策5 歯みがきシート

歯磨きシートは、シートを指にまきつけて歯の汚れをとるもので、使用後に水でゆすぐ必要がないため、断水時の防災グッズとして役立ちます。

通常の歯磨きと比べると汚れが落ちにくい場合もあるため、しっかり歯を綺麗にしたいという方は、マウスウォッシュなどのオーラルケアグッズと併用して使うといいでしょう。

また、歯磨きシートの中には指サック型といった、指で磨きやすいタイプのものもあります。

断水対策6 ボディーシート

お風呂に入れなくても身体を清潔に保てるように、ボディシートも用意しておきましょう。顔から身体まで全身に使えるタイプや、大判タイプのものが使いやすくておすすめです。

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そもそも、災害時に断水が発生する原因は?

台風や地震などの災害により水道管が破損・破裂することで断水が発生する|イメージ画像:イラストAC

そもそも、なぜ災害時に断水が発生するのか、その原因を簡単に紹介します。

水道管の破損・破裂による断水

もっとも多いのは、台風により洪水が発生した場合に水道管が破損したり、地震の影響で地面に亀裂が入り地中にある水道管が破裂したり、といった水道管に由来する断水です。

浄水施設の被災による断水

2022年の台風15号では、静岡県で取水口に流木や土砂が詰まったことにより、大規模な断水が発生しました。
また、2019年の台風19号では、栃木県で浄水場が損壊したことによる断水が起きています。

こうした浄水施設の損壊による断水は、復旧までに時間がかかることが多いようです。

マンション・アパート単位での断水

また、災害時に水道管や浄水施設が大丈夫であったとしても、お住まいのマンション・アパート内の排水管が破損したり給水設備にトラブルが発生したりした場合、建物単位での断水が発生することもあるでしょう。

災害の影響などにより停電が発生した場合にも、給水方式によっては断水が発生することがあります。特に高層マンションでは、各戸に水を届けるために電力を使用しているため、停電時に断水が発生します。

災害以外にも、メンテナンスなどで計画的な断水が行われることもあります。

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断水対策として、事前に知っておきたいこと

防災グッズを揃えるだけでなく、次のような知識を事前に知っておくことで断水対策にもつながります。

断水時のトイレの使い方

断水時でも、正しく水を流すことでトイレの利用が可能な場合があります。

  1. バケツ1杯の5〜6リットル程度の水を用意する
  2. バケツの水を一気に便器に流し込み、汚物を流す
  3. 一度では流しきれないため、3〜4リットルの水を再度便器に流し込む

※排水管の中に汚物が停滞する可能性があるため、2〜3回に一度はバケツ2杯程度の多めの水を流しましょう。

ただし、以下のように断水時にトイレを流してはいけない場合もあります。

  • 地震などの災害により排水管や下水管が破損している場合
  • 液状化現象でマンホールが浮き上がっている場合
  • 自治体から下水に水を流さないように要請があった場合
  • バケツで水を流すと音や流れ方にいつもとは違う違和感を感じる場合

自宅のトイレをバケツで流すことで利用できる場合だとしても、たくさんの水を用意しなければならないことを考えると大変です。また、見えない場所で配管が破損していたり、階下へ水漏れしてトラブルが発生したりする可能性もあります。

災害時には、簡単に処理できて水を必要としない「簡易トイレ」を利用するほうがいいでしょう。

また、用意していた簡易トイレがなくなってしまったなどという場合には、避難所などに設置される仮設トイレも利用できます。

保冷剤を災害用トイレに再利用する方法。注意点は?【防災士解説】
防災士という防災系の資格保有者である私が、保冷剤を「災害時の非常用トイレ」に再利用する方法を紹介します。実は、保冷剤は災害時に有効活用できるため、溜まってきたからと捨ててしまうのはもったいないですよ。災害時用の簡易トイレは、最低でも3日分~1週間程度を備えておくのが望ましいですが、ライフラインが長期間復旧しない場合、用意していた簡易トイレがなくなる可能性もありますよね。また、まとまった簡易トイレを用意するとなるとある程度の費用もかかるでしょう。ですから保冷剤を再利用した簡易トイレの自作方法を覚えておくと、役に立ちますよ。自作方法の前に、まず、簡易トイレの仕組みを説明します。一般的な市販の簡易トイレは、組み立て式のダンボールやトイレに便袋をつけ、排泄後に吸水シート・凝固剤を利用して水分を吸収します。使用後は、凝固剤で水分が吸収された便袋を処理します。保冷剤は「水」と「高吸水性ポリマー」という成分でできています。高吸水性ポリマーは、自重の数百~数千倍の重量の水を吸収する効果があります。そのため、保冷剤から高吸水性ポリマーのみを抽出することで、簡易トイレには欠かせない、排泄物を吸収してくれる「凝固剤」の代わりとして活用できるのです。では、具体的にどのように保冷剤を再利用して簡易トイレを作成できるのか、またどのように使用するのかを紹介していきましょう。小さめの保冷剤3〜4個で1回分のトイレとして使用可能です。また、「消臭入り」などと記載のある保冷剤なら、消臭効果も期待できます。なお、すべての保冷剤に消臭効果があるわけではないためご注意ください。また、保冷剤から取り出した高吸水性ポリマーは冷蔵庫で保管すれば半年ほどもつため、災害時に備えて作り置きも可能です。最後に、保冷剤を簡易トイレとして再利用する際の注意点を紹介します。1.保冷剤をシンクやトイレに流してはいけない 2.古い保冷剤には有害な成分「エチレングリコール」が使われていることがある 3.消臭剤や芳香剤として活用した保冷剤は、非常用トイレに適していない。ここまで、保冷剤から高吸水性ポリマーを抽出して再利用し、簡易トイレを作成する方法を紹介してきました。しかし簡易トイレを大量に手作りしたい場合には、高吸水性ポリマーや凝固剤が単体で販売されているものを災害時に向けてストックしておく方法もありますよ。まずは一度試してみてくださいね。

身近なものでできる節水アイデア

断水時はできるだけ節水して生活できるように、身近なものでできるアイデアを紹介します。

  • 食器は汚れても洗う必要がないように、ラップやクッキングシートを敷いて利用する
  • 使い捨てが可能な紙皿や紙コップを利用する
  • アルミホイルをフライパンに敷いたり、食材をポリ袋に入れて湯煎したりして調理する
  • 使い捨てのビニール手袋やゴム手袋を着用して手が汚れないようにする
  • 手や体を拭く際や清掃の際にウェットティッシュを活用する など

断水発生時の注意点

地震などで水道管が破損している場合、そのまま水道を利用し続けると漏水などにつながる恐れがあります。

また、水道利用時に断水し栓を締め忘れてしまった場合、復旧時に急に水が出てしまうなどの問題もあります。そのため、断水が発生したら水道の元栓や水回り機器の止水栓を閉めておきましょう。

復旧時はサビなどで水が濁っている場合があるため、きれいな水が出るまでしばらく流し続けるといいです。

いざ断水してから水を確保しようと思っても、スーパーなどは人が殺到し、商品が売り切れていることが多いです。また、停電が発生した場合、エレベーターが使えなくなるためマンションの高層階に住んでいる人は、外で水を調達するのが特に大変になります。

水は私達の生活にとって欠かせないもののため、災害時に水の問題で困らないためにも必ず事前の準備をしておきましょう。

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