この連載は、かけだしフリーランスの右往左往っぷりをセキララに描く連載エッセイです。
これからのキャリアに悩む女性の参考になりますように。
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エッセイを書いた人:蛙田アメコ
・アラサー
・元教育サービス業正社員
・正社員時代は年間公休97日
・2018年から2年間、副業フリーランス(兼業作家)として活動
・2020年、体調を崩して会社を退職
こんにちは。ライトノベル作家の蛙田アメコです。
アラサーで、バツイチ。
現在、作家・シナリオライターとして生活しています。
前回までのエッセイでは、
- 幼少期から「家から出たくない」子どもだったこと
- 就職活動をすることすら面倒で、バイト先に就職したこと
- 入社当時から「まぁ、数年で辞めるしな」と思っていたこと
- それなのに、生真面目な性格から10年近く同じ会社で働いていたこと
- そして、「人生の指針」のないままハードワークをしていた結果、倒れて働けなくなってしまったこと
などをお話ししました。
隙あらば自分語りをしていくスタイルであります。
今回は、いざフリーランス……というテーマで話をしようと思います。
転職?独立?
転職か、独立か。
今の会社でずっと働くことが厳しいと思ったときに、とれる選択肢は大きく分けるとこの2つです。
2016年の末頃から、私は作家として生きていきたいと思いはじめていました。……いえ、「とにかく家から出ないで生活したい!」とステイホーム意識を高く持っていました。
「デビューしても本業は辞めるな」
というのは、もう目新しくも何でもない出版業界の鉄則のようですが、もう私は追い詰められていたのです。
以前に書いた「就職活動をしたことがない」という理由や「とにかく家で時間を過ごせる生活をしたい」という当座の目標もあり、私は転職よりもまずはフリーランスとして独立をしてみたいという気持ちを強く持っていました。
いえ、そもそも、適応障害という名前の「もう動けないくらいに疲れ果ててしまった」状態の私には転職活動も、当時のまま毎日出勤することもできそうもありませんでした。
ここで、1つの疑問が湧いてきます。
独立してフリーランスになると、一体何が起こるのだろう?
独立しての失敗は目につきやすい
まず、会社を辞めて個人で仕事をする事について調べると一番最初に目につくのは「失敗談」です。
- 会社の信用を、自分個人の信用と勘違いしていた
- 結果として、独立後に思ったように仕事の発注を貰えなかった
- 会社の総務部のやってくれていた業務がのしかかることをわかっていなかった
- 結果として、収入も不安定かつ減り、過労になった
などです。
フリーランスを経験している人に話を聞いたり、ネットで体験談を調べたりすると上記のような話に高確率で遭遇します。
たしかに、独立して塾経営をしている先輩たちも会社でやられていたときよりも顧客数が多いかというと、そうでもなさそう。実力のある方だからといって、すぐに大成功するというのは難しいのだろうか。
「えー、じゃあ私にはフリーランスなんて無理無理〜。経理処理も苦手っていうか、エクセル開くだけでゲンナリだし、仕事とかもらえるはずがないし〜」
会社員時代、そう思ってはまた「目的のない日々」に戻っていきました。
けれど、「もう体が動かない。自分でお金を稼いで、少しでも療養期間をゲットしなくちゃ」と思った時に見方は180度変わっていました。
- 会社員時代のお客さんを見込むビジネスはしなければいい
- 自分個人で作った縁を大切に、色々な人に頼ってみよう
- どんな仕事でもやってみよう
- 苦手な経理は、税理士さんなどに恐れず外注しよう
と、1つ1つ自分の指針を考えていきました。
キラキラしたフリーランスになんてならなくていい。
自分のキャリアを実現するためのステップアップは、今は考えられない。
だったら、できる限りやるしかないだろう。
いつか失敗すると思ってる
そもそも、フリーランスになるというのは「いつか失敗すること」を前提として考えなくちゃいけないと思いました。
失敗した人の発信が目につくということは、ほとんどの人間の行き着く先は「失敗」だということなのです。失敗する確率を少しでも減らし、立ち行かなくなる日を少しでも先延ばしにするためにみんなが努力をしている。
失敗しないことが偉いのではなくて、失敗したときに立ち直れるくらいに、仕事のリスクを分散させたり、二の矢を考えておいたりするとか。
具体的には、
- なるべく多くの仕事を並行してやらせてもらう
- 今までやってきていない仕事にチャレンジする
- 目先の仕事以外の成果物を作成して発信を続ける
ど素人がいきなりフリーランスとしてやっていくなら、できるのはこれくらいでしょうか。うーん、難しい!
でも、もしかしたらやれるかも?
けれど、この難しいチャレンジについて、私はこうも思ったのです。
「作家としてなら、やっていけるかも」
なんという根拠のない自信! けれど、意外とこういう”クソ度胸”というのが大切なのかもしれないな……と今になっては思います。
おかげで、少なくとも会社員時代の一番辛い時期よりもずっと健康的な生活や人生に前向きな考え方をもてる生活をしているのです。
ともあれ、バツイチ、アラサーには失うものがないからこそ、こういうチャレンジができるのかもしれません。これから楽しい人生になるといいなぁ……。
何となく思い描いていた「独立して腕一本で食ってる大人」は、どうやら今の私には手の届かない遥か彼方にいるようです。
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