お気に入りのニットや靴下に開いた穴。
シャツにできた食べこぼしのシミ。
まだまだ着れそうなのにこのままでは着られない、でも捨てたくない!
そんな傷んだ衣類を可愛く補修できると人気の「ダーニング」。
ハンドメイド初心者さんでも簡単にできるんです!
こんにちは!不器用だけど手芸好き、カーサミアライターのあんどうです。
今回は私の穴あきニットの修繕を参考に、簡単にできるダーニングのやり方をご紹介します。
最後まで読んで、試してみてくださいね!
そもそも「ダーニング」ってなに?
「ダーニング」とは、衣類の穴やスレ、汚れを繕う、ヨーロッパ発祥の修繕技法です。
シーツやカバン、靴など、針が通るものであればどんなアイテムにも対応できます。
以前は修繕箇所を目立たせない「かけはぎ」が主流でしたが、近年は衣類の色とは異なる糸をあえて使用して、服にオリジナリティをプラスするのが人気なんですよ。
筆者はテキスタイルデザイナーの野口光さんに影響を受けて、ダーニングを始めました。
難しいテクニックが要らず、裁縫初心者でも短時間で修繕できます。
自分でお直しした衣類は愛着もひとしお。
元の状態よりもお気に入りの一着に仕上がるかも!
ダーニングに必要なもの
基本のダーニングに必要なものは、ダーニングマッシュルーム、針、糸、糸通し、はさみ、ゴムです。
すぐにダーニングを始められるスターターキットも販売されています。
初心者さんはこちらを買っておけば間違いありません。
ですが、専用のアイテムがなくても家にあるものですぐに始められます。
ここでは、家にあるもので代用する場合のポイントを解説します。
ダーニングマッシュルーム
ダーニングマッシュルームとは、修繕したいものの生地を張って縫いやすくする、木でできたキノコ型の道具です。
修繕したい箇所の裏側にカサの部分を押し当てて、持ち手を握って作業します。
可愛いので持っていて損はありませんが、丸みを帯びたもので代用可。
私はアジア雑貨店で購入したガラス製のキノコの置物を使っています。
祖母は電球を使用していました。
なんとおたまで代用する人も多いんですよ!
針
修繕する衣類の生地にもよりますが、目が細かいニットなどでなければ、フランス刺繍針5号が万能でおすすめです。
なければ裁縫針でも問題ありません。
ざっくりニットなどは、毛糸用のとじ針でザクザク縫ってもOKです。
糸
初心者さんが一番悩むのが糸。
手縫糸や刺繍糸など、どんな糸でも使えますが、出来上がりが想像できないですよね。
そんなときは、ダーニング用の糸を使えばOK。
例えばクロバーのダーニング糸はウールとアクリル混で、太さが程よく、衣類が綿でもウールでも対応できます。
3色セットなので、カラフルにしたい時の色合わせも簡単です。
修繕跡を目立たせたくないのであれば、素材も色も、修繕する衣類に使用されている素材に近いものを選ぶとよいでしょう。
逆に、オリジナリティのある自分だけの一着に仕上げたいのであれば、全く違う素材や色を選ぶのもアリ。
筆者は編み物が趣味なので、中途半端に残ってしまった毛糸を使うこともあります。
初心者さんでもできる!ダーニングのやり方
ひとえにダーニングと言っても、色々なステッチ(縫い方)があります。
今回は、裁縫が苦手な私でも簡単にできた、基本的なダーニングのやり方を解説します。
使用するのはクロバーのダーニング糸(1本取り)、ダーニングマッシュルームセットに含まれていた手芸針。
修繕するのはウール100%の穴あきニットです。
ダーニングのやり方① 繕いたい場所の裏にダーニングマッシュルームをあてて固定
修繕したい場所の裏側にダーニングマッシュルームを当てて、生地を適度に張ってゴムで固定します。
ピンと張りすぎても、逆にゆるくても、縫いにくいです。
ダーニングマッシュルームに自然に沿うように加減してください。
ダーニングのやり方② 糸を針に通す
修繕箇所が直径1cmほどの場合、糸をおよそ50cmの長さにカットして、針に通します。
玉結びをすると肌に当たって気になるので、衣類など肌に触れるものを修繕する場合はそのまま使いましょう。
ダーニングのやり方③ 縫い始める
生地の縦糸と横糸の流れを揃えたら、修繕したい箇所の大体5mmほど外側に一針目を入れます。
このとき、糸端を10cmほど残します。
④縦糸を渡す
糸を反対側(下)へ渡して、上で針を入れた場所の真下を狙い、一針すくいます。
再び反対側(上)に渡って、一針目のすぐ左横をすくいます。
これを繰り返して縦糸を渡していきます。
縦糸の間隔は、糸1本分開けるイメージです。
修繕したい箇所から左5mmの位置まで覆えたら、上側に糸を渡して縦糸は完成です。
⑤横糸を渡す
仕上がりをカラフルにしたい場合は、横糸を違う色に変えます。
今回はわかりやすく、オレンジの糸を使用します。
縦糸と同様、横糸も糸端を10cmほど残して縫い始めます。
縦糸に対して「上、下、上、下…」と交互になるように横糸を通します。
2段目以降の横糸の渡し方
1段目の横糸を渡し終えたら、縦糸の一針目のすぐそばに横糸の一針目を入れます。
2段目以降は、横糸を反対側へ渡す際に、前段ですくわなかった縦糸を1本おきにすくいます。
織物をイメージしていただくとわかりやすいですね。
このとき糸を割らないように注意。
どうしても割ってしまう場合は針の頭を使ってください。
反対側まで渡したら一針すくって、縦糸が埋まるまで繰り返します。
縦糸と横糸の間に隙間ができてしまうときは、針や爪で押し込むように詰めてください。
⑥糸始末
横糸を渡し終えたらダーニングマッシュルームから衣類を外して、表に出ている糸を裏側に渡します。
修繕箇所の裏側にある、生地をすくったときの縫い目に糸端を3目ほどくぐらせます。
今くぐらせた縫い目に、残った糸端をさらに巻き付けるようにしてくぐらせて、余った糸を切ります。
糸端の処理が全て済んだら、完成です!
仕上げにスチームアイロンをかけると目が揃って糸が馴染みます。
今回はダーニング糸のイエロー系3色セットの色を全て使用しました。
縦糸は黄色、横糸の上段にオレンジ、下段をイエローグリーンにしたことで、ちょっぴり個性的になりましたよ。
途中で糸の色を変えるだけでも雰囲気が変わるので、色々試してみてください!
不器用な私でも簡単にできた、ダーニングの基本的なやり方をご紹介しました。
もう着れないかも…と残念に思っていたお気に入りのニットが可愛く復活してくれて、大喜びです!
ダーニングができるようになれば、衣類の穴もシミも怖いもの無し!
むしろダメージを見つけたら、「ダーニングできる!」と嬉しくなります(笑)。
ダーニングに使う道具は家にあるもので代用できます。
道具を完璧に揃えて綺麗に仕上げなきゃ…と気負わずに、気軽にチャレンジしてみてくださいね!