今回は、メガネのレンズに傷がついてしまったとき、自分でできる対処法はある?という疑問にお答えします。
こんにちは、眼鏡作製技能士でカーサミアライターのあんどうです。
汚れたレンズを乾拭きしたり、うっかり落としたりして、メガネのレンズに傷がついてしまうことってありますよね。
残念ですが、メガネのレンズについた傷は直すことはできません。
ですがレンズに傷がつく原因と、メガネの正しい取り扱い方法を知っておけば安心できます。
最後まで読んで、ぜひ実践してください!
メガネのレンズが傷つく原因とは
メガネのレンズに傷がつく原因はさまざまです。
ここでは、主な原因を解説します。
汚れたメガネを乾拭きする
メガネレンズの表面には、目には見えない小さなゴミや埃が付着していることがあります。
そうした汚れが付着した状態で乾拭きをすると、レンズの表面でゴミを引きずって擦りつけることになり、レンズ表面に施されたコーティングが傷つきます。
同様の理由で、汚れたメガネ拭きを使うのもNGです。
コーティングに細かい引っ掻き傷ができると、そこからコーティングが剥がれて、さらにレンズに傷がつく原因になります。
衝撃を加える
メガネを落としたりぶつけたりすると、レンズに傷がつきます。
メガネのプラスチックレンズは柔らかい素材で、元々傷がつきやすいものですので注意が必要です。
特にレンズがフレームで囲われていないタイプのメガネは、強い衝撃を与えるとレンズが欠ける可能性があります。
レンズが欠けたメガネを使用すると、顔などに当たった拍子にケガをする可能性があり危険です。
割れなくても、レンズがへこむこともあります。
レンズのへこみは視界不良の原因となり、さまざまな不調を引き起こす恐れがあるため、使用を中止してください。
レンズに熱を加える
プラスチックレンズは熱に弱く、高温となる場所に置くと表面にひび割れを起こすことがあります。
このひび割れを「クラック」と呼びます。
プラスチックレンズが50度から60度ほどの高温で膨張し、冷めた時にコーティングが収縮して、シワのようになるのが原因です。
ドライヤー使用時やサウナ、炎天下の車内など、高温となる場所でメガネを使用、または置きっぱなしにしないようにしてください。
酸性やアルカリ性の洗剤で洗浄および薬品を付着させる
メガネレンズに酸性やアルカリ性の洗剤が付着すると、コーティングが傷んでシミになる可能性があります。
メガネをかけたままお風呂に入り、石鹸やシャンプー、ボディソープなどの弱酸性やアルカリ性を使って、体と一緒にメガネを洗うのはやめてください。
お風呂でメガネを洗ってはいけない理由は、こちらでも詳しく解説しています。
ほかに意外と見落としがちな薬品としては、ヘアスプレーがあります。ヘアスプレーの付着が原因で、レンズのコーティングが劣化することもありますので、メガネを外してからスプレーをかけるようにしましょう。
また、アルコールも同様に注意が必要です。うっかりアルコール入りのウェットシートでメガネを拭かないように気をつけてくださいね。
濡れたまま放置する
メガネ洗浄後や、汗をかいたり、雨に濡れたりしてレンズについた水滴をそのままにしていると、水滴に含まれる汚れ成分が乾燥する際に、レンズの表面にシミができることがあります。
この現象を「水やけ」と呼びます。
レンズだけではなくフレームも濡れたままは厳禁です。
金属パーツがサビたりフレームの劣化が早まったりするため、メガネが濡れたらすぐに水気を拭き取ることが大切です。
【結論】メガネレンズの傷は直せないので交換一択
残念ながらメガネのレンズについた傷やコーティングの剥離は修理できないため、交換するしかありません。
レンズ交換にかかる費用は、レンズの種類や購入した店の保証内容によって異なります。
いざという時のために、事前に確認しておくと良いですね。
傷は汚れではないので、力強く拭いたら状況が悪化する
眼鏡店にいらっしゃるお客様の中には、傷を落とそうとしてメガネ拭きで力強く磨き、コーティングを更に剥がしてしまったケースも見かけました。
傷がついてしまったと信じたくない気持ちもわかりますが…汚れではないので落ちません。
レンズ表面に施されたコーティングは非常にデリケートです。傷がつくとそこからどんどん剥離しますので、強く拭くと状況がより悪化します。
重曹や研磨剤で磨いて傷消しするのはNG!
ネットで検索していると、重曹や研磨剤、金属磨き液などを使って自分で研磨して修復を試みる人もいますが、絶対にNGです。
レンズが削られて変形すれば、視力矯正に多大な悪影響を及ぼします。
メガネのレンズを傷つけない正しい取り扱い方法
メガネのレンズを傷つけないためには、正しい取り扱い方法を守ることが大切です。
メガネの保管方法を工夫する
メガネを外したときにレンズを下向きにしてテーブルなどに置くと、レンズが傷つく可能性があります。
必ずレンズが上になるように置いてください。
また一時的にメガネを外す場合でも、ケースにしまうのが理想的です。
持ち運ぶ際に、胸ポケットやカバンにそのまま入れるのは厳禁です。
圧迫されたり擦れたりで、レンズだけでなくメガネ全体が傷む原因になります。
水洗いしてからメガネを拭く
メガネのレンズには小さなゴミや埃が付着していることがあります。
そのまま乾拭きするとレンズを傷つける恐れがあるため、流水で軽く汚れを洗い流してから、水滴を拭き取り、清潔なメガネ拭きで拭き上げてください。
メガネの正しいお手入れ方法は、こちらでご紹介しています。
外出先で水洗いできない…という場合には、メガネ拭きシートや携帯用クリーナーを活用すると便利です。
外出先でのメガネの正しい拭き方はこちら。
- Qメガネのレンズに傷が…!自分でできる対処法は?
- A
メガネのレンズについた傷は、残念ながら直すことはできません。自分で研磨するなど修繕を試みると、さらに状態が悪化します。眼鏡店でレンズを交換してもらいましょう。
交換にかかる費用は、レンズの種類や購入した店の保証内容によって異なります。事前に確認しておくと良いでしょう。