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川の近くに住むなら、やっておきたい水害対策6選【防災士解説】

防災
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日本は降水量が多いため、台風や豪雨などによる水害が毎年各地で発生していますよね。水害は時には川の氾濫や土砂崩れを引き起こし、人や家屋までを飲み込む恐ろしい災害です。川の近くに住む場合、こうした水害からどのように身を守ればいいのでしょうか。

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。

今回は、「川の近くに住むなら、やっておきたい水害対策」に関して紹介します。水害は、予測が難しい地震とは異なり、事前にある程度予測ができる災害です。自分の命を守るためにも、事前にできる水害対策を知り、正しい知識を身に着けていきましょう。

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質問:川の近くに住む際の水害対策は?

引っ越し予定のマンションのやや近くで、数年前に川の氾濫がありました。近隣の住宅・スーパー・工場などが実際に水没したのも見たので不安です。事前の対策としてやっておくことなどはありますか?

回答:水害についての知識を身につけてから、6つの対策を行おう

えな
えな
教えてくれたのは…

関西でフリーランスWebライターとして活動しているえなです。大学時代は防災について学んでおり、防災士の資格を持っています。

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もしも自宅が水害被害にあったらと思うと怖いですよね。

事前にできる水害対策は、
・水害が起こる原因や被害といった知識を身につける
・「6つの水害対策」を実際に行う
の2つに分けられます。

それぞれ、順番に解説していきます。

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まずは水害が起こる原因や被害を知ろう

水害とは、台風・豪雨などが原因となり引き起こされる災害の総称です。|イメージ画像:イラストAC

まずは水害の恐ろしさを知っておくためにも、水害が発生する原因やどのような被害をもたらすのかを説明していきます。

水害とは、台風・豪雨・暴風雨・豪雨・高潮・融雪水などが原因となり引き起こされる災害の総称です。

台風や豪雨などによって河川の急激な増水が引き起こされ、洪水・浸水などの被害をもたらします。また、集中豪雨などが原因で土砂災害が発生することもあり、水害は時に人の命をも脅かす恐ろしい災害です。

また、実際に日本では過去に次のような大規模な水害が発生しています。

・令和2年7月豪雨

令和2年の7月3日〜31日にかけて、九州・中部・東北地方など広域で長期に渡る大雨が発生しました。その結果、各地で大河川での氾濫が相次ぎ、土砂災害や浸水など人的・物的被害が多く発生した災害です。

・平成26年8月豪雨(広島土砂災害)

平成26年の8月19日から20日にかけて広島市で集中豪雨が発生しました。その結果、土砂災害が発生し死者77人、住家全壊179棟の多大な被害をもたらしました。

出典:気象庁 | 令和2年7月豪雨
   水害被害(風水害・土砂災害) : 防災情報のページ – 内閣府

水害が発生しやすい時期は?

水害は、「​​6月~7月の雨季シーズン」と「8月~9月の台風シーズン」に発生しやすいと言われています。そのため、これらの季節は特に対策を怠らないようにし、情報収集も欠かさないようにしてくださいね。

また近年、ゲリラ豪雨は増加傾向にあるため、水害は私たちの身近でいつ起こってもおかしくない災害です。

水害の影響で停電や断水となるリスクもありますので、ご自宅のマンションやアパートが最上階であったとしても、必ずしも安心ではないということを覚えておきましょう。

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川の近くに住むならやっておきたい水害対策を6選紹介

ハザードマップを確認したり、非常用持ち出し袋を準備したりして事前の水害対策を行おう|イメージ画像:イラストAC

水害がいくら恐ろしい災害であるとわかっていても、川の近くの街が気に入っている場合や、そこに住まなければいけない場合もありますよね。

では、そんな方のために川の近くに住むならどのような水害対策を行えばいいのかを紹介します。

水害対策1 ハザードマップで水害のリスクを知ろう

ハザードマップとは、災害が発生した際に防災対策や避難行動ができるよう、避難場所・避難経路・自然災害(洪水、内水氾濫、土砂災害、地震、津波、火山など)の被害範囲などが記された地図のことです。

ハザードマップなどを利用して、自分の住んでいる地域の水害リスクを事前に把握しましょう。

ハザードマップは各自治体の市区町村役場で紙媒体で配布されていたり、各自治体のHPからも確認できます。また、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」からも確認できます。

参考:ハザードマップ | 国土地理院

ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」は、災害情報を俯瞰的に見られて便利ですが、水防法に基づき市町村が作成した水害ハザードマップではありません。住みたい場所がある程度決まっている場合は、「わがまちハザードマップ」から各自治体のサイトを見たほうが良いでしょう。

水害対策2 避難場所・避難経路を確認しよう

災害時に安全に避難するためにも、自宅近くの避難場所やそこまで向かうための避難経路を事前に確認しておきましょう。避難場所・避難経路は、ハザードマップや各自治体のHPなどから確認できます。

また実際に経路を歩いてシミュレーションし、本当に危険がないかなども確認しておきましょう。また、万が一道が通れなくなってしまうことも想定し、避難経路は2通り以上考えておくと安心です。

水害対策3 非常用持ち出し袋の準備をしよう

避難が必要になった際に必要なものを持ち出せるよう、事前に、食料・飲料水・衣類などを非常用持ち出し袋(防災リュック)に用意しておきましょう。

実際にどのようなアイテムを非常用持ち出し袋の中に用意しておけばいいのかわからないという方は、以下の過去記事をぜひ参考にしてください。防災士である私が実際に用意している非常用持ち出し袋を写真付きで紹介したり、100均グッズでリーズナブルに中身を揃えたりする方法を紹介しています。

また、既に非常用持ち出し袋を用意している方は、「余分なものを入れていないか」「中身を詰めすぎていないか」など、中身の見直しをぜひ定期的に行ってみてください。

水害対策4 情報収集の仕方を決めておこう

台風や豪雨など水害が発生した場合に、テレビ・ラジオ・インターネットなど、どの媒体で水害の情報収集をするのか事前に決めておきましょう。

台風や豪雨の際に、情報を集める順番と必要な情報に関しては「防災士「防災情報の検索方法はコレ!」効率的に正しい情報をゲット」の記事で紹介しています。

もし、SNSやインターネットで情報収集する場合には、中には嘘の情報が紛れている可能性があるということを覚えておきましょう。そのため、基本的には気象庁など国のサイトや各自治体報道機関など確かな情報を提供しているところで情報収集しましょう。

また、素早く情報を入手するためにも、災害情報をスマホにポップアップ通知してくれるような防災アプリをダウンロードしておくのもおすすめです。

おすすめの防災アプリは「【2021年版】プロおすすめの防災アプリランキング|一人暮らしもこれで安心」の記事をご覧ください!

水害対策5 正しい避難行動を覚えておこう

災害時に逃げ遅れないためにも、いつ避難すればいいのかなど正しい避難行動についても覚えておきましょう。

災害時には、基本的に市町村から全部で5段階の警戒レベルに分けて「避難情報」が発令されます。避難情報は、テレビやインターネットなどで確認できます。

引用:「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

上記の画像にあるように、避難情報がどの警戒レベルかによって避難の必要性を判断できます。

ただし、避難指示が出されていない段階だったとしても、浸水の危険性がある、もしくは浸水が始まっているならばためらわずに避難する必要があります。

なぜ浸水のリスクがある場合すぐに避難したほうがいいのかというと、浸水してしまった場合、歩行可能なのはひざ下までの水位と言われているためです。また、ひざ下であったとしても流れが早い場合、歩行できない可能性もあります。そのため、浸水のリスクがあるならば早めの行動が大切です。

そして、警戒レベル4「避難指示」が出された場合には直ちに全員避難を始めましょう。もし、何らかの理由で素早く避難ができない場合や不安がある方は、警戒レベル3の段階で避難するといいです。

警戒レベル4の次に、警戒レベル5「緊急安全確保」という避難情報も用意されていますが、この段階は既に災害が発生しているまたは発生直後であることを表しています。そのため、警戒レベル5は安全な避難が難しいという手遅れの状況であるため、必ず警戒レベル4までに避難する必要があります

避難情報に関しては、以下の過去記事で詳しく説明しているのであわせてご覧ください!

また、実際に避難するとなった際に次のようなことに注意が必要であることを覚えておきましょう。

【水害で避難する際の注意点】

  • 増水の危険性や、川の流れが早いことにより橋が倒壊する恐れがあるため、避難の際に橋や川に近寄ったり様子を見に行ったりしない
  • 浸水するとドアが開かなくなり閉じ込められる危険性があるため車で移動はしない
  • 長靴は水が中に入ってきて重たくなる可能性があるため、紐付きの運動靴で避難する
  • 側溝やマンホールにはまらないように注意し、万が一浸水で地面が見えない場合には長い棒などで道を確認しながら避難する
  • 浸水等で歩行困難な場合や、警戒レベル5の段階で避難できない場合は、自宅や頑丈な建物などのできるだけ高い階層に避難する

水害対策6 家電などは高い位置に配置しよう

マンションやアパートの1階に住んでいるなど、水害が発生した場合に自宅が浸水することが想定されるならば、家電や小物などをなるべく床下には置かないようにしましょう。

普段から高い位置にモノを置いておくことで、浸水の被害で家電などが水浸しになる事態を避けられます。

近年ではゲリラ豪雨が増加傾向にあり各地で水害が起こっているため、川の近くなど水害リスクがある場所に住んでいるのであれば、なおさら危険に遭う可能性が高くなっています。

そのため、特に川の近くに住んでいる人は、水害被害に巻き込まれないためにも事前に水害対策を行ったり、正しい知識を身に着けておいたりする必要があります。

もし、川の近くに住むことで水害への不安を強く感じるなら、他の場所に住むことを検討してみるのもいいですね。

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