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最初はサイドテーブルから。少しずつ買い揃えた、自慢のインテリアたち【一人暮らしエッセイvol.22】

一人暮らしエッセイ
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思わず自慢げになる、こだわりのインテリア

 「社会人になったら、もっとおとなっぽく、かっこいい部屋を目指す!」

私が一人暮らしを始めたのは、大学生のころ。格安の狭いアパートで、家具やカーテンなどは、あるもので済ませていました。

そのころのバイト代は服や美容に費やしていたけれど、大学生活も残りわずかになったとき、色もジャンルも統一感のない部屋を見渡して、私は何かに目覚めたのでした。

内定が決まると、その足で不動産屋さんへ。慣れない土地での家探しは、朝から晩までかかりましたが、不動産屋さんも親身に相談に乗ってくれて、ようやく見つかりました。

家賃は6万円。
最寄駅から徒歩1分ほど。
ワンルーム、3階、オートロック、管理人(50代女性)常駐。
近くにスーパー、商店街あり。
治安もよく、住みやすい。即決でした。

インテリアの目標は、カーテンやカーペットをベージュやブラウンで統一し、家具はアンティーク風のものをそろえ、落ち着きのある癒やしの部屋にすること。

朝から晩まで働いて、土日は休みという社会人生活が始まりました。
帰り道、スーパーで割引になった弁当を手に、商店街の雑貨屋さんや家具屋さんのショーケースを眺めるのが習慣になりました。

ある夜、アンティークのベッドのサイドテーブルが、お手頃価格で並んでいました。
運命を感じた私は、「週末になったら買いに行こう」と心に決めました。

土曜の朝一、起きてすぐお店に足を運びます。
すると、まだ残っていて、思わず「これ、ください!」と大きな声が出ました。

「大丈夫? 女性が運ぶにはちょっと重いかも…」
「あー大丈夫です、このくらいなら」
「そう? 重いよ、これ」

やっぱり重かったです。
でも、念願の家具第一号が買えた喜びが大きく、両手に抱えたずっしりとした重さですらうれしかったのでした。

こんな感じで、週末に少しずつ好みのインテリアをそろえていって、理想の部屋に近づけていきました。

ようやく部屋ができあがり、友人を呼べるようになると、みんな居心地が良いのか、毎週遊びに来るようになりました。大学のころと変わらず、スーパーで買い出ししたお酒やおつまみを片手に、ガールズトーク。そして、足りなくなったら、また買いに行くという、だらだら、わいわいした時間。

「めっちゃ落ち着くわ~この部屋」
「そりゃそうでしょう」
この時だけは、ふふっと、ちょっと自慢気な顔をしてしまうのでした。

みんなと過ごす時間も楽しいけれど、一人でこだわりのインテリアがそろった部屋を見渡す時間も、代えがたい充実感があります。
「次はカーペットのために働くぞ!」とか、意欲も湧いてきます。そんなことを思いながら、ベッドに横たわるのが至福のときです。

半年ほどたったころ、一人で過ごす休日がやってきた。しかも、めずらしく週末4連休になったのだ。「わーい」と喜び、ずっと引きこもって、家具の手入れをしていた時、チャイムが鳴りました。管理人さんでした。

「全然見かけなくなって、びっくりして…。何にも食べずに、倒れてるんじゃないかと思ってね」
「すみません。久しぶりの休みなんで、ずっと掃除していて」
「それならよかった。おまんじゅう食べる?」
「ありがとうございます! どうぞ、上がってください」

お茶を入れていた時、「まぁ!」と声が聞こえてきた。

「どうかしました?」
「同じ間取りでも、こんな風にできるのね~。おしゃれだわ~」
「いえ…まぁ」

また、ふふっと、ちょっと自慢気な顔をしてしまった。

(エッセイ投稿者:ミノル/女性・30代)

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