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交流といえばSNSだった私。珍しく早朝に出掛けてみたら…【一人暮らしエッセイvol.35】

一人暮らしエッセイ
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少し肌寒い秋の季節、あったかくなれた瞬間

一人暮らしで、仕事に家事にと毎日忙しく過ごしていると毎日なんてあっという間。気づけば、家がいつの間にか「寝に帰るだけの場所」になる時期がくるものでしょう。

かくいう私も、一人暮らし4年目のいまがまさに、そのときです。

転職をきっかけに今の土地へ引っ越してきて、最初は慣れない土地で通勤や買い物だけでも苦労しましたが、今では慣れたものです。

そうなってくると、ご飯の買い物はここ、洋服はここ…と行動範囲が決まってきて、最初は新鮮だった自宅周辺の散策もわざわざすることもなくなりました。

現在彼氏もいないので自由気ままに一人暮らしを謳歌していますが、ふと仕事がない休日になると用事もないし、節約のため特に出かけもせず家でだらだらと過ごしがちに。

夏の間はそれでもよかったのですが、段々と朝晩冷えてくるようになった秋頃になると、秋という季節柄もあってなんだか寂しい気持ちになりがちです。友達はどんどん結婚したり転勤したりですぐ会える距離にいないし、仕事もあるから長期旅行も難しい…そうやってなんとなく日々を過ごしていました。

しかし、ついこの間。仕事が休みの土曜日、いつもだったらついつい寝過ごしがちなのに珍しく朝7時に目が覚めた日がありました。

その日は秋晴れが気持ちいい、すっきりとした朝日が差し込む良い天気でした。思い切って、いつもならやらない早朝ウォーキングでもやってみようと突然思い立ったのです。

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トレーニングウェアだけは買ってあったので(笑)、タンスの奥から引っ張り出して着替え、ドアを開けて外へ。少し肌寒かったですが、涼しい空気を肌に感じて目がスッキリと覚めていく感覚になりました。

家の近くには近所の人が集まる小さな公園もある、少し静かな住宅街。ゆっくりめのペースで走り出しました。土曜ですから通学する子供もいないので、人通りは少ないだろうと思いきや、意外と私のようにウォーキングやジョギングをしている方とすれ違いました。

そのとき、通勤・仕事・帰宅後の家事がほとんどだった私のなかに、「私の他にもこうやって日常を過ごしている人々がいるんだな」という不思議な感覚が生まれました。

住宅街の間にある道を歩くだけではなんだか物足りなくて、私はその自宅近くの公園に立ち寄ることにしました。

早朝だから人が少ないかと思いきや、意外なことに、公園は散歩やジョギングをしている人や親子でひそかに賑わっていました。

ベンチに一人腰掛けて休憩していると、砂場で遊んでいた女の子が駆け寄ってきて私をじーっと見つめてきました。
少し戸惑いましたが、「おはよう」と声をかけると恥ずかしそうにしながらも「おはよ!」と元気よく挨拶を返してくれました。

女の子が去っていくと、今度はひとりのおばあさんが柔らかい笑顔で「おはようございます」と声をかけてくれました。動きやすそうな軽装で、おそらく私と同じウォーキング中なのでしょう。私も挨拶を返します。

「このあたりの方?」と聞かれ、自宅が近いことを話すと「あらそう。この辺は住みやすいものねぇ。最近は涼しくなったから、よく散歩するの」と優しく話してくれました。

普段は忙しいのと、住み始めて4年目といっても自分の中ではよそ者感が抜けていなくて、地域の人と交流なんてしていませんでしたが、優しく話してくれるおばあさん。地元にいる自分のおばあちゃんを思い出して、ほっこりしました。

少しだけ話が弾んだあと、「そこのパン屋さんのパン、朝の焼き立ては特に美味しいのよ。良かったら朝食に」とおばあさんからパンのおすそ分けをもらって、別れました。

少しまだ温かさの残っているパンを抱きかかえながら、軽い足取りで帰宅した私。

一人暮らしを続けていると、つい自分だけの世界で過ごしてしまいがちだし、交流となると自分の友達とSNSでやりとりすることのほうが多くなりがちです。

でも、たまにこうしていつもは出かけない時間帯に散歩してみるのも良いもんだな、と焼き立てのパンの香りに包まれながら心があったかくなった瞬間でした。

(エッセイ投稿者:Michika)

エッセイ募集企画は終了しました。次回の開催をお楽しみに!

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