この記事では「より人懐っこい猫に育てる秘訣」について、猫のトレーニングサービスを行っているPeT2rainee(ペットレーニー)の代表トレーナー、高橋ルミさんが解説します。
こんにちは、アニマルトレーナーの高橋です。
多くの方は、猫と聞くと「ツンデレ」というイメージが強いのではないでしょうか。
これから猫を飼おうとしている方の中には、「懐かないかもしれないから」と飼うのを躊躇(ちゅうちょ)している方もいると思います。
でも安心してください!猫は育て方次第でとても人懐っこくなります。
本記事では、猫を初めて飼う方や、猫を飼うことに興味がある方に向けて、人懐っこい猫に育てるためのポイントをご紹介します。本記事では、猫を初めて飼う方や、猫を飼うことに興味がある方に向けて、人懐っこい猫に育てるためのポイントをご紹介します。
猫を飼い始める前の留意点
今まで数々の猫を見てきましたが、ひとことで「猫」と言っても、お迎え先や猫種によって性格や特徴が大きく変わるということを知りました。これから猫のお迎えを検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
お迎え先による猫の特徴について
ペットショップ
小さい頃から人と触れ合う機会が多いので人馴れしやすい子が多い印象です。ただし、早い段階で親から離されて社会化が不十分だった場合、不安定な性格になることもあります。
ブリーダー
ブリーダーの中でも優良ブリーダーは、骨格、毛並みなどの見た目の要素だけではなく、性格を重視して繁殖を行っている場合もあります。
遺伝的要素で社交的な親の性格を引き継いだ場合には、フレンドリーで社交的な性格を持つ子が生まれる可能性が高い印象です。
親の情報や小さい頃の生育環境を自分自身で確かめられるのも特徴です。
保護猫
保護猫の中でも特に野良猫は他の猫と大きく性質が変わります。
イメージしやすいような言葉で表すと、野生動物に近いです。外で育った期間が長かったり、野良のDNAを引き継いだりしている場合、人への警戒心が強く人馴れに時間がかかるか、人に慣れない子も多い印象です。
人懐っこくなる猫種
猫の性格は個体差が大きいですが、特定の猫種は比較的人懐っこい性格を持ちやすいとされています。以下の猫種は、初めて猫を飼う方にもおすすめの猫種の例です。
ラグドール
抱っこされるのが大好きな猫種で、穏やかで優しい性格です。
スコティッシュフォールド
甘えん坊で落ち着いた性格、家庭環境にも順応しやすいです。
メインクーン
社交的でフレンドリー、家族全員と仲良くできます。
アメリカンショートヘア
適度に活動的で人懐っこい、どんな家庭環境にも適応しやすいです。
エキゾチックショートヘア
穏やかでおっとりしている性格の子が多く、鳴き声が少ないのも特徴です。甘えん坊の子も多いので、特にスキンシップがとりやすい猫種です。
猫の毛色と性格の関連性
猫の毛の色と性格には、一部関連性があると言われていますが、因果関係は証明されていません。
ここでは、私が今まで見てきた猫の傾向からまとめた毛の色と性格の特徴について紹介します。あくまで個人の感想なので参考程度に読んでください!
オレンジ系(赤・茶トラ・茶白)
社交的でフレンドリーな性格で遊び好きで甘えん坊な傾向が強く、人懐っこい猫が多い印象です。
黒猫
穏やかで愛情深い性格を持つ子が多い印象です。落ち着きがあり、警戒心が少なめで、人との関係を築きやすい場合と少し内向的な面も見られる場合と二極化する印象があります。
白猫
音や環境の変化に敏感で繊細な性格の傾向があり、慎重に行動するタイプが多い印象です。ただ、飼い主に対しては愛情深く、非常に強い信頼関係が築けます。
イメージ画像 イラストA C
三毛猫
三毛猫のほとんどはメスで、気まぐれで独立心が強い傾向があります。社交性もありますが、自己主張が強く、時にわがままに見える一面も特徴的です。
グレー(ブルー)
穏やかで落ち着いたマイペースな性格の子が多い印象です。気品があり、人との絆をゆっくりと深めていく傾向にあります。
サビ猫(黒と茶色の2色)
個性的な性格が多く、強い独立心と気まぐれな面があります。遊び好きで好奇心旺盛ですが、人に対しても気分屋なところがある印象です。
キジ系(キジトラ・キジ白)
キジトラは野良猫のDNAを強く引き継いでおり、警戒心がとても強く臆病な子が多い印象。THE猫といったようなツンデレで気まぐれな性格も特徴です。
育った環境にも大きく影響されますが、人に慣れる子とほとんど人に慣れない子と分かれる傾向があります。
猫を飼い始めてから、心がけるべきこと
信頼関係を築くために:初めての出会いが肝心
猫との最初の出会いはとても大切です。
会ってすぐにいきなり抱き上げたり、過度なスキンシップをしたり、大きな声で驚かせたりするのはNG。
まずは猫が自分のペースであなたに近づけるように、静かで落ち着いた環境を作った上で、無理に触れようとせず、猫からあなたに興味を示すのを待ちましょう。
コミュニケーションを楽しむ:毎日のスキンシップ
猫との日々のコミュニケーションが信頼関係を深めます。
撫でたり、ブラッシングしたりすることで、猫はあなたのことをより信頼するようになります。
また、猫の好きな部位(顎や耳の後ろなど)を見つけて、優しく撫でることで、さらに懐いてくれるでしょう。
ポジティブな体験を増やす:おやつと遊びの活用法
猫はポジティブな体験を通して人間と絆を深めます。
おやつを使ったトレーニングや、猫の大好きなおもちゃで遊ぶことが、猫にとって「人間=楽しい物を提供してくれる存在」となるのが鍵です。
遊びを通じて猫の運動不足も解決しましょう!
ストレスを減らす環境作り:安心できる居場所の提供
猫はストレスに敏感な動物。猫がリラックスできる場所を提供し、騒がしい環境や急な環境の変化を避けることが大切です。
居心地の良いベッドやキャットタワー、隠れ家を用意して、猫が安心して過ごせる空間を整えましょう。
根気強く見守る:時間をかけて少しずつ
猫が人懐っこくなるには時間がかかる場合もあります。すぐに結果を求めず、猫のペースに合わせて信頼関係を築いていきましょう。
毎日根気強く接し続けることで、猫も徐々に心を開いてくれるはずです。
ペットレーニー流 人懐っこい猫にするコツ3箇条
① 猫が撫でてほしい、遊んでほしいとアピールをしてきたときは、7割くらい要求に応えましょう
3割の「もうちょっとかまってほしかったな」という気持ちを残すことで、次のアピールにつながります。
ケーススタディ
Q.家族の中でも特定の人には懐きません。
こういうケースは、猫に人の方から過度にスキンシップを取りにいっている人に多いです。
猫は自分のペースで心の距離を縮めたい生き物なので、懐いてない場合に人間から過度にスキンシップを取りにいくとかえって逆効果になります。
この場合は、一定のところから動かず遊びに誘ってみたり、おやつを持って自分のもとに猫自身から来たりするきっかけを作ります。そうすると次第に関係が良くなり猫の方から来るようになるので、何かを求めて猫が来るようになったときは、7割の法則で接しましょう。
② ご褒美(おやつ)をあげるのは、猫から人に接触してきたタイミングがベスト!
人に寄ってくることへのメリットを日頃から認識させましょう。
ケーススタディ
Q.猫を捕まえたいときに捕まえられません。
そんなときこそチャンスです。おやつを持って座って待っていてください。猫がおやつを欲しがって膝に乗ってきたらおやつをあげます。
捕まえようと思って追いかけることは逆効果なので、普段から猫が人の膝に乗ってくるように行動パターンを変えましょう。そうすれば猫を追いかけることなく捕まえたいときに自分から寄ってくるようになります。
膝の上にくるようになったら、撫でたり、ホールドしてみたりしながらおやつをあげてみるとなおよいでしょう。
③ 何かお願いをしたいときは必ず報酬(おやつ)を用意
猫は現実的な報酬を重視する生き物です。猫に何かお願いをしたいときは必ず報酬(おやつ)を用意しましょう。
ケーススタディ
Q.爪切りを嫌がります。
爪切りされて何も報酬(ご褒美=おやつ)がないと猫にとって嫌なイメージが残りやすいです。
最も簡単なのは、2人がかりで一人がご褒美をあげている間にもう1人が爪を切るという方法。
1人で行う場合には、爪切りが全部終わってからご褒美をあげるのではなく、ひとつの爪が切れる毎におやつをあげるなど、報酬の頻度を増やすとうまくいくケースが多いです。
もっと人に懐くようにする方法が知りたい方や、個別のケースのお悩みは、ぜひ私が運営しているPeT2rainee (https://www.pet2rainee.com/)まで。ご相談をお待ちしております!
Q&A
- Qお迎え先別で、猫を人懐っこくするためのポイントを教えてください
- A
お迎え先別で心がけるポイントは以下のようなものがあります。
保護猫の場合:
信頼関係をゆっくりと構築し、ポジティブな経験を積ませることが大切です。静かな環境で少しずつ慣れさせましょう。ブリーダーから譲ってもらう場合:
早い段階からスキンシップを増やし、ブリーダーと協力して猫の好みを把握しておくことがスムーズな順応に繋がります。ペットショップからお迎えする場合:
環境の変化に注意し、安心感を与えるスペースを用意。ペットショップのスタッフからその猫の情報を得て、それに基づいて新しい環境に適応させます。
- Q人懐っこい猫かどうか見極めるポイントは?
- A
以下のようなことを観察してみましょう
1.撫でることに抵抗がない
2.人前でくつろいでいる
3.ゴロゴロと喉を鳴らしてくれる(母猫に子猫が甘えるときやリラックスしているときによく見られる行動)
4.お迎え先の人に慣れているかどうか
5.好奇心が強い
6.目を合わせてくる
7.知らない人にも自ら近寄っていく
8.人の目を気にせずリラックスした態度をとる
9.遊び好き
猫との生活では、愛情と信頼の積み重ねが何よりも大切です。
お迎え先や猫種の違いを理解し、それぞれに合ったアプローチをすることで、どんな猫でも人懐っこいパートナーに育てることができます。
この記事を読んで、「うちの子も人懐っこい猫にしたい!」「他にも猫の悩みを相談してみたい!」と思った方がいたら、PeT2rainee(https://www.pet2rainee.com/)にご相談ください。