「一人暮らし女性のおうちライフを快適に!」がテーマのライフスタイルマガジン「カーサミア」では、一人暮らしに関するエッセイを公開しています。
ある朝、ベッドから起き上がって「物が増えたなぁ」と感じた話
朝、ベッドから起き上がって「物が増えたなぁ」とふと思いました。
私は一人暮らしを始めて4年目です。
引っ越してきたばかりの時は家電も満足に揃っていなくて、部屋はがらんとしていました。ベッドと小さな冷蔵庫といくつかのダンボールくらい。
そこからスタートして、
「電子レンジがなかったら自炊とか無理!」
「掃除機がないのはマズい!」
「この季節にエアコンがないと生きていけない……!」
などと休日に家電量販店をはしごして、快適なお部屋作りをしていきました。
私はのんびり……というより自堕落な方なので、できる限りベッドでごろごろしていたいのですが、家電を揃えるときだけは、休日をフルに利用して機敏に買い物をした記憶があります。
家電を揃えたあと、家具を揃えました。家具については、家電とは打って変わってゆっくりと吟味しました。
「場所を取るソファなんて本当に置いてもいいのかしら?」
「このアンティークっぽい棚、すごくいいけど私の部屋の壁紙と合わせると浮く!」
「この本棚、意外と圧迫感があるなぁ」
などなど、たくさん悩みました。
特に迷ったのは本棚です。私は漫画を読むのが好きなので、すぐにコミックスを買いそろえてしまう癖がありました。
でも実家暮らしの時と同じように本能の赴くままに買い漁ってしまうと、とてもじゃないけれど私の一人暮らしの部屋にそのコミックスを置いておくことはできません。ですので、それまで手にした事のなかった電子書籍へ目を向けるようになりました。
部屋でベッドに寝転がって電子書籍を読んで、いつか公開が終了してしまって読む手段がなくなってしまったら嫌だな、と思うような作品に出会った時だけコミックスを買うようにしました。
本棚は、たくさん吟味した結果、容量が大きいけれど圧迫感のないロータイプのものを購入しました。本棚は私の腰の高さくらいまでしかなく、代わりに横に長いのです。そして結果的に、私が一番好きな家具になりました。
本棚の天板には、アニメや漫画のキャラクターのフィギュアやアクリルスタンドを並べました。自由にできる面積が広いので、簡単なジオラマも作ってしまいました。このジオラマで、推しキャラの映え写真を撮るのも楽しいです。
こどもの頃は工作の時間が苦手だったのですが、まさか大人になってジオラマ工作が好きになるとは思いませんでした。
休日は、じっとパーツや接着剤と向き合ってものづくりに没頭します。まるで精神統一するかのように。
そうしていると、仕事でクレーマーにネチネチ絡まれた事や、上司に勝手に仕様書を変更された事など、頭の中に掃除機をかけたかのようにキレイに忘れることができるのです。
結局、日々の嫌な出来事は「仕事」から発生する事が多いので、休日に「仕事以外」の事に専念するのが一番ストレスフリーになれる気がしています。
もちろん、休日にもいくつかの用事を済ませる必要はあります。平日のお弁当のために作り置きのおかずを作ったり、溜まってしまった洋服のお洗濯をしたり。
そんな用事をこなしつつ、私は、お気に入りのものを詰め込んだこの部屋での休日を満喫しています。充実感を与えてくれるこのお部屋を見て、私は「物が増えたなぁ」と嬉しい気持ちになるのです。
(エッセイ投稿者:さきやん)
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