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犬・猫のワクチンは毎年必要?健康診断の頻度は?動物のプロが解説

ペット
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この記事では犬、猫を飼育した場合の健康管理」について、犬や猫のトレーニングサービスを行っているPeT2rainee(ペットレーニー)の代表トレーナー、高橋ルミさんが解説します。

アニマルトレーナー・高橋ルミ
アニマルトレーナー・高橋ルミ
教えてくれたのは…

前職はイルカのトレーナー!
現在は自身で「ペットのトレーニングレクチャーサービス」を提供する株式会社PeT2raineeを運営し、幅広い動物・ペットのトレーニングに携わるプロのアニマルトレーナー。

動物の専門学校を卒業後、株式会社横浜八景島の飼育部門に入社。約5年間で約12種類の動物の飼育・トレーニングに携わる。飼育員としても幅広い動物種の経験をもつ「カリスマアニマルトレーナー」。
水族館を退職後は、動物の行動学に基づいたトレーニングを学ぶために、麻布大学発のスタディー・ドックスクールに通い、犬並びに動物の行動学に対する知識を深める。

・愛猫は犬顔負けの技をもつ猫として、SNS総フォロワー約40万人超えのペットインフルエンサー
・「ニノさん」「ねこ自慢」などのテレビ出演経験もあり。

アニマルトレーナー・高橋ルミさんをフォローする
高橋ルミさんが代表を務める「飼い主のためのトレーニングレクチャーサービス」株式会社PeT2rainee

こんにちは、アニマルトレーナーの高橋です。

ペットの犬や猫の健康を維持するためには病気や体調不良にならないように予防することが非常に重要。

今回の記事では、犬や猫のワクチン接種のスケジュール、健康診断の頻度、そして年齢ごとに必要な病気の予防方法について詳しく解説します。ペットを飼う際に、ぜひ参考にしてください。

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犬の病気予防

イメージ画像 写真AC

毎年必要なケアについて

イメージ画像 写真AC

各種ワクチン接種

犬には法律で義務付けられているものをはじめ、健康維持のために定期的なワクチンの予防接種が必要です。

以下に主なワクチンとその接種スケジュールを解説します。

・狂犬病ワクチン:法律で義務付けられており、1年に1回必ず接種が必要です。

・混合ワクチン:感染すると命に関わる感染症に対して、免疫力(抵抗力)をつけるために行う予防治療のひとつです。混合ワクチンは、飼い主の任意で打つことができ、病院によって取り扱いのあるワクチンの種類も異なります。子犬の時期は、確実に免疫を作るために、複数回の注射が必要となります。

ドッグランやトリミングサロン、ペットホテルなどの共用の施設を使う際には、混合ワクチンの接種を求められることが多いです。

抗体検査: 混合ワクチンを毎年打たなくても、前年度の抗体を検査することで、ワクチン接種の代わりとすることもできます。

ワンポイントアドバイス

各種証明書の原本は、1つの袋にまとめて普段使用するお散歩バックに入れておきましょう。万が一紛失したときのために、原本のコピーや写真を保存しておくのもおすすめです。

任意の予防方法の中でも実施率が高いもの

・ノミ・ダニ予防
・フィラリア予防
・健康診断(一般的身体検査、血液検査、糞便検査、歯科検査、レントゲン検査、エコー検査など)
・アレルギー検査(症状がある場合)

我が家の犬の場合は、フィラリアとノミ・ダニを一緒に予防できる飲み薬を、時期になったら毎月1錠、忘れないように日にちを決めて与えています。

ノミ・ダニ予防薬は、液体タイプで直接皮膚に塗るタイプもあります。

同じ予防薬でもタイプが異なると、年齢や体重によっては使用できない場合もあるため、獣医さんと相談して個体それぞれに適している製品を選びましょう。

生涯で必要なケア

・避妊去勢施術(任意)

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犬のワクチンや検査のスケジュールと頻度

ワクチン接種や定期的な健康診断・予防を忘れないように、「何月に何をする」というスケジュールを決めて、表などにしておくと忘れにくいのでおすすめです。

画像 筆者作成

狂犬病ワクチン

1年に1回

3月後半〜6月末までが推奨月間だが、一年を通して接種は可能。

混合ワクチンまたは抗体検査

1年に1回

子犬の場合、生後6〜8週齢から始めて3〜4週間おきに数回接種し、その後は年に一度のブースター接種(追加接種)が推奨されています。

ノミ・ダニ予防 

1年に数回〜数十回 ※薬による

・フィラリア予防

おおよそ5月(蚊が出始める時期)〜12月ごろまで毎月

※接種をする前に、抗体検査が必須。近年、蚊の出る時期が早まっているので蚊の発生時期に合わせて予防を行うことをおすすめします。

健康診断

1年に1回

避妊去勢手術

生涯に1回

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犬の年齢別、よくある病気とその予防方法

子犬期(1歳頃まで)

イメージ画像 写真AC

よくある病気は以下の通りです。

1. 寄生虫感染症(回虫、鉤=こう=虫、鞭=べん=虫など)

症状:下痢、嘔吐、体重減少、食欲不振

予防方法:定期的な駆虫薬の投与、清潔な環境の維持

2. 伝染病(ケンネルコフ、ジステンパーウイルス、パルボウイルス感染症など)

症状:咳、発熱、下痢、嘔吐、食欲不振

予防方法:予防接種の実施

3. 低血糖症

症状:元気・食欲消失、痙攣、意識レベルの低下

予防方法:食事の回数を増やし長時間の空腹時間をなくす、適度な温度管理(冷やさない)

4.犬の先天性疾患

下記は、臓器の機能に異常がある先天性疾患でよくある病気の一部です。

ペットを迎える段階で、購入先や譲渡先から情報開示を求めることをおすすめします。

飼い始めてしばらく経ってから先天性疾患が判明する場合もあるので、心配であればお迎えする前に、遺伝子検査や動物病院での身体チェックを受けましょう。

・股関節形成不全
・心臓弁膜症
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
・臍ヘルニア(デベソ)
・水頭症、ペコ

<成犬期(7歳頃まで)>

イメージ画像 写真AC

よくある病気は以下の通りです。

1. 肥満

 症状:運動不足、関節の問題、糖尿病

予防方法:バランスの取れた食事、定期的な運動

※特に避妊・去勢後は太りやすいので要注意

2. 歯周病

症状:口臭、歯茎の炎症、歯の喪失

予防方法:定期的な歯磨き、獣医による定期的な歯科検診

3. 関節疾患(股関節形成不全、膝蓋骨脱臼など)

症状:足を引きずる、運動を嫌がる、歩行の異常

予防方法:適切な体重管理、関節に良い栄養素の摂取

シニア期(7歳以上)

イメージ画像 写真AC

よくある病気は、中年期の病気に加えて、以下のものがあります。

1. 腫瘍(良性および悪性)

症状:しこり、体重減少、食欲不振

予防方法:定期的な健康診断、早期発見・治療、日々のボディーチェック

2. 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)

症状:咳、疲れやすい、呼吸困難

予防方法:定期的な健康診断、早期治療

3.慢性腎臓病

症状:多飲多尿、体重減少、食欲不振

予防方法:定期的な血液検査と尿検査、腎臓に優しい食事、排泄回数、飲水量の管理

4. 白内障

症状:水晶体の白濁、視力の低下

予防方法:強い紫外線を避ける、目の外傷に注意、抗酸化物質の摂取

5. 認知症

症状:方向感覚の喪失、無目的に歩き回る、呼びかけに反応しない

予防方法:脳に刺激を与える活動(トレーニング、遊び)、獣医による定期的なチェック

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猫の病気予防

イメージ画像 写真AC

毎年必要なケアについて

猫にも定期的なワクチン接種が必要です。

・混合ワクチン:感染すると命に関わってしまうような感染症に対して、免疫力(抵抗力)をつけるために行う予防治療のひとつです。混合ワクチンは、飼い主の任意で打つことができ、病院によって取り扱いのあるワクチンの種類も異なります。子猫の時期は、確実に免疫をつくるために、複数回の注射が必要となります。

犬に比べて猫の利用者は少ないですが、トリミングサロン、ペットホテルなどの共用の施設を使う際には、混合ワクチンの接種を求められることが多いので注意しましょう。

抗体検査: 混合ワクチンを毎年打たなくても、前年度の抗体を検査することで、ワクチン接種の代わりとすることもできます。

任意の予防法の中でも実施率が高いケア

イメージ画像 写真AC

・ノミ・ダニ予防

・健康診断(一般的身体検査、血液検査、糞便検査、歯科検査、レントゲン検査、エコー検査など)

・フィラリア検査(屋外に出る場合)

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猫のワクチンや検査のスケジュールと頻度

画像作成 筆者

混合ワクチンor抗体検査

1年に1回

→子猫の場合、生後6〜8週齢から始めて3〜4週間おきに数回接種し、その後は年に一度のブースター接種(追加接種)が推奨されています。

ノミ・ダニ予防

1年に数回〜数十回 ※使用する薬による

健康診断

1年に1回

避妊去勢手術

生涯に1回

★アニマルトレーナーの筆者が行っている、ノミ・ダニ予防(液体タイプ)の効率的な塗り方

目玉クリップを用意。↓の画像のように後頭部の地肌が見えるように付けます。

地肌に直接薬を塗っていきます。

図:筆者提供
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猫の年齢別、よくある病気とその予防方法について

子猫期(1歳頃まで)

写真提供 筆者

よくある病気には、以下のようなものがあります。

1. 寄生虫感染症(回虫、鉤=こう=虫、鞭=べん=虫、ノミ、ダニなど)

症状:下痢、嘔吐、体重減少、食欲不振、身体を痒がる、耳の汚れ

予防方法:定期的な駆虫薬の投与、清潔な環境の維持

2. 伝染病(猫風邪など)

伝染病には、猫風邪(上部気道感染症)のほか、猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)、猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)、猫クラミジア感染症、猫コロナウイルス感染症、FIP(猫伝染性腹膜炎)などがあります

症状:咳、くしゃみ、発熱、下痢、嘔吐、食欲不振、目の腫れ・赤み、目ヤニの増え

予防方法:予防接種の実施(一部)、早期治療

3. 皮膚病(皮膚糸状菌症)

症状:皮膚の赤み、フケ、痒み、かさぶた

予防方法:早期治療、抗菌薬のシャンプー

4.猫の先天性疾患

下記は、猫の先天性疾患でよくある病気の一部です。ペットを迎える段階で、購入先や譲渡先から情報開示を求めることをおすすめします。

飼い始めてしばらく経ってから先天性疾患が判明する場合もあるので、心配であれお迎えする前に遺伝子検査や動物病院での身体チェックを受けましょう。

・肥大型心筋症
・多発性嚢胞腎
・骨軟骨異形成症
・進行性網膜萎縮症
・ピルビン酸キナーゼ欠損症

成猫期(7歳頃まで)

イメージ画像 写真AC

よくある病気は以下の通りです。

1. 肥満

症状:運動不足、関節の問題、糖尿病

予防方法:バランスの取れた食事、定期的な運動

※特に避妊・去勢後は太りやすいので要注意

2. 歯周病

症状:口臭、歯茎の炎症、歯の喪失

予防方法:定期的な歯磨き、獣医による定期的な歯科検診

3. 尿路疾患(尿路結石、膀胱炎など)

症状:排尿困難、血尿、頻尿

予防方法:水分摂取の促進、適切な食事管理

高齢猫期(7歳以上)

イメージ画像 写真AC

よくある病気は、成猫期の病気に加えて以下のようなものがあります。

1. 腫瘍(良性および悪性)

症状:しこり、体重減少、食欲不振

予防方法:定期的な健康診断、早期発見・治療、日々のボディーチェック、体重管理

2. 腎臓病(慢性腎臓病)

症状:多飲多尿、体重減少、食欲不振

予防方法:定期的な血液検査と尿検査、腎臓に優しい食事、日々の排泄回数と飲水量のチェック

3. 甲状腺機能亢進症

症状:体重減少、過剰な食欲、興奮

予防方法:定期的な健康診断、適切な治療、日々の排泄回数と飲水量の管理、体重管理

4. 認知症

症状:方向感覚の喪失、無目的に歩き回る、呼びかけに反応しない

予防方法:脳の刺激を保つ活動(トレーニング、遊び)、獣医による定期的なチェック

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その他、愛犬や愛猫のために自宅でできるケアは

イメージ画像 写真AC

栄養管理

バランスの取れた食事は健康管理の基本です。個体に合わせたペットフードを選んで、過剰な間食を避け、適切な量の食事を与えることを意識してみましょう。

また、新鮮な水を常に提供することも重要です。特に愛猫には水分摂取を促すための工夫(例えば、冬場はぬるま湯にする、貯め水だけではなく自動給水機の使用など)をしましょう。

定期的な健康チェック

体重測定、目や耳、口、毛、皮膚などの身体チェックを日頃から行い、異常がないか確認しましょう。定期的なブラッシングや耳掃除、必要に応じてシャンプーすることで、身体を清潔に保つケアを心がけましょう。

口腔ケア

歯石や歯周病を予防するための歯磨き、デンタルガムなどデンタルケアを行いましょう。

歯磨きの慣らし方

(1)仰向け抱っこもしくはお座りした姿勢で、背後から保定(動かないようにおさえておくこと)されるのに慣らす。

画像::筆者提供

(2)普段からスキンシップの一環として、口周りを触って慣らす。

画像::筆者提供

(3)指で歯を触られることに慣らす。おやつのペーストを指に塗って慣らしてもOK。
慣れてきたらデンタルシートなどを指に巻き優しく歯をマッサージする。

画像::筆者提供

(4)いきなり歯ブラシを使ってもあまり抵抗がないようなら、歯ブラシにペーストなどをつけて歯ブラシを口に入れることに慣らす。

画像::筆者提供

歯磨きが難しい場合のケア方法

・飲料水に混ぜるタイプや口に吹きかけるタイプのマウスクリーナーなどの口腔ケア用品を使う。

・乳酸菌製剤を与える(口内環境を整えて歯周病予防効果が期待できるとされている)。

・噛むおもちゃを使って引っ張りっこ遊びをする(犬の場合)。

メンタルケア

ストレス管理:ペットが快適に過ごせる環境作りを心掛けて、十分な運動、適度なスキンシップ、ペットに合わせた遊びを提供しましょう。

環境管理:ペットが快適に過ごせるための室内温度や湿度の管理、危険物の除去に加え、定期的に寝床やトイレを掃除し、住環境を清潔に保ちましょう。

ペットが快適に過ごせる環境作りについては、以下の記事もご覧ください。

ワクチン接種や健康診断は、愛犬や愛猫の健康と幸福を維持するために欠かせないものです。
定期的なワクチン接種と健康診断を行うことで、病気の予防や早期発見が可能となり、ペットとの長く健康な生活を楽しむことができます。

動物病院と相談して、最適なケアプランを立てることをおすすめします。

犬や猫を飼うとかかる費用に関しての参考記事はこちら

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