この連載は、かけだしフリーランスの右往左往っぷりをセキララに描く連載エッセイです。
これからのキャリアに悩む女性の参考になりますように。
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エッセイを書いた人:蛙田アメコ
・アラサー
・元教育サービス業正社員
・正社員時代は年間公休97日
・2018年から2年間、副業フリーランス(兼業作家)として活動
・2020年、体調を崩して会社を退職
こんにちは。ライトノベル作家の蛙田アメコです。
アラサーで、バツイチ。
現在、作家・シナリオライターとして生活しています。
突然ですが、事務作業がものすごく苦手です。
特に、
・荷物や郵便物送付
・書類の記入
・役所や税務署への訪問
・Excelのファイル
・数字を見たり入力したりすること
が本当に苦手です。
恥ずかしながら、会社員時代には「蛙田の作る数値資料が正確なはずはないので、上司は確認してあげるように」という申し送り事項が歴代の上司に脈々と引き継がれていたくらいに事務作業が苦手です(実話)。書いていてめちゃくちゃ恥ずかしいですね。
総務課は神だった
会社員時代、今考えるととてもありがたかったことがあります。
社員の住民税の支払いや、社会保険や厚生年金保険料の支払いはすべて「給与からの天引き」という形で会社が行ってくれていました。
入院した時の高額医療費申請までも、総務課に申請すれば期日までに送ってくれました。
なんという神待遇! なんというありがたさ!
会社というのは、分業ができるのがいいところですね。
フリーランスになって思うのは、実務も営業も経理も事務もすべて自分でやらなくてはいけない…というのは、なかなかに大変なことだということです…!
本業の能力以上に事務能力が問われる
さて、事務能力が欠如している私がフリーランスになるときに一番心配だったことがあります。そう、「うっかり脱税」。
2019年秋、お笑い芸人のチュートリアル徳井さんが所得申告漏れと脱税の疑いで活動を自粛しました。その際に、ご本人はやらなくてはいけない税務処理をついつい先延ばしにしてついには巨額の脱税というところまできてしまった……そんな自分の状況を「想像を絶するルーズさ」と表現していました。
このニュースを見た私は震えあがりました。
2019年、兼業作家として生活していた私には会社に知らせていない印税収入や原稿料がありました。もちろん、確定申告を自分で行えば問題になりません。
しかし、しかしです!
私には確信がありました。
「あ、この『想像を絶するルーズさ』って私のことだわ」
徳井さんの謝罪会見を見ながら、私はすぐに税理士を探し始めました。
自分でできないのなら、プロにお願いすればいいじゃない!
税理士は即決した(選ぶ基準は「楽そう」)
私はTwitterに広告が流れてきた「ドージンドットコム」さんというサービスを使うことにしました。
もともとは、コミケなどで同人誌を頒布しているサークル主さん向けのサービスです。
ここの特徴は、とにかく明確。
依頼主がやることは、
・毎月のレシートや領収証を封筒につめておくる
・カード明細や銀行口座の利用明細をおくる
・保険証券などの書類をおくる
ほとんどこれだけです。
不明点や手落ちがあれば、税理士さんがSkypeで教えてくれます。
「ラノベ作家御用達の税理士さんを紹介するよ! 節税の相談乗ってくれるよ!」と先輩作家さんに言われましたが、節税とかそういう次元ではありません。とにかく確定申告を最低限の手順で完遂したいのです。
そもそも、その税理士さんは依頼者側でレシートや領収証をExcelに打ち込みしないといけないそうで、そんなことは私にはできないのです。無理なのです。全然、無理なのです。
ちなみに、年間の税理士費用は14万円前後……正直、大きな出費ですが、確定申告に怯える毎日から逃れられるのであれば、まったくもって無問題です。
自分のルーズさを舐めてはいけない、というのがフリーランス初心者である私の合言葉ですので……。
それでも、事務ができない!
こんな手厚いサービスを受けているんだから、さぞ余裕で毎月の経理処理ができているとお思いでしょうか。
答えはNOです。全然できてないです。
現状の私は……「毎月5日までにレシートや領収証を送付する」ということすらできていないです……税理士さんごめんなさい……。
おそらく、前述したチュートリアル徳井さんも税理士さんをつけていたにもかかわらず「メンドクサイ……」という気持ちに勝てずにああいった巨額脱税疑惑という事態を引き起こしたのだと想像しています。
本当に書類の整理や数字の管理ができないんです……ごめんなさい……。
しかし、やらないわけにはいきません。
「やばい!! 全然今月の経理処理できてないよ!!」
というときには、私は友人を頼ることにしています。
SkypeやZoomなどで私が黙々と経理書類をそろえ、Excelファイルをダウンロードしている様子を友人に見守ってもらうわけです。
はい、そうでもしないと……できませんので……。
苦手は外注する勇気
20代までは「なんでも自分ができなくてはいけない!」と思い込んでいました。
苦手なことを一生懸命やろうとして、結果として上手くいかないまま時間が流れ、得意なはずのことやる気力や体力を消耗する……という悪いループに入っていたのです。
今回、フリーランスとしてとにかくやっていこうと思ったときに「苦手なことは外注」という選択をとれるようになったのは、ひとつの進歩だなと思います。
また、外注をするときには何を重要視するのか(私の場合は「手間の少なさ」)をまず決めておくと、どういうところにお願いするべきかがおのずと決まってきます。
次回は、「会社員時代にやっておいてよかった医療保険加入!」というテーマでお送りします。
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