おいしくてヘルシーなので、ダイエット食材としても人気の高い鶏ハムやサラダチキン。材料は安い鶏むね肉なので、自分で作っている人もいるのではないでしょうか。
でも低温調理には、食中毒の危険性があるって知っていますか?
こんにちは、カーサミアライターのいずみです。暮らしに役立つ情報を発信しています。
今回は、鶏肉を低温調理するときの注意点をご紹介します。気をつけないと食中毒になってしまう可能性があるので、ぜひ覚えておいてくださいね!
鶏肉を低温調理するときは十分な加熱が必要
加熱不足のお肉は食中毒の原因になります。鶏肉の場合もっとも心配なのはカンピロバクターです。感染すると下痢や腹痛、嘔吐、発熱などの症状があらわれます。重症化する可能性もあるので注意しましょう。
生の状態や加熱不足の鶏肉を食べたときだけでなく、調理時の取扱い方法によって感染してしまうこともあるんです。食中毒を防ぐためには、以下のことに気をつけましょう。
- 十分加熱してから食べる
- 鶏肉に触ったあとはしっかり手洗いしてから他の食品を扱う
- 生の鶏肉が触れた調理器具を他の食品に使わない
- 生の鶏肉が触れた調理器具は洗浄・殺菌する
低温調理した鶏肉で食中毒を起こさないために
ここからは、食中毒を起こさないように鶏肉を低温調理するための注意点を3つご紹介します。
きちんと守れば安全においしく作れるので、覚えておいてくださいね。
公式が推奨するレシピ通りに作る
安全に低温調理するには、温度と時間がとても大切です。
たとえば鶏肉を加熱殺菌するためには、肉の内部温度を63度以上にして調理する必要があります。しかもその温度を一定時間維持しなければいけません。温度別の必要な維持時間は以下の通りです。
- 63度 … 30分
- 70度 … 3分
- 75度 … 1分
さらに鶏むね肉(約300g、厚さ約3cm)の場合、内部温度が63度に達するまでにかかる時間は平均で68分!
つまりもっとも低温の63度で調理しようとすると、内部温度が上がるまでの68分と加熱を維持するための30分で、合計100分ほどの時間が必要なんです。70度や75度で調理する場合も内部温度が到達するのに約70分かかります。
実際にはお肉の量や厚み、使用する調理器具によって必要な時間は異なるでしょう。
低温調理器の公式HPやレシピ本が推奨するレシピは、安全性を検討したうえで作成されています。その通りに調理するのが一番安全なんですよ。
見た目で判断しない
「時間や温度をはからなくても、見た目で判断すればいい」と思った人もいるかもしれません。しかし低温調理の場合、加熱が十分な鶏肉とそうでないものはほとんど同じ見た目をしているんです。
どちらも生の状態から色が変わっているため、火がしっかりと通っているように見えますよね。
見た目では加熱具合を判断できないので、加熱時間を短くしたり温度を低くしたりなどの自己流アレンジはやめましょう。
自己流の余熱調理はしない
鶏ハムやサラダチキンを作るとき、余熱を利用している人もいるのではないでしょうか。簡単なので、インターネット上にも多くのレシピが掲載されていますよね。
しかし先ほど紹介した通り、鶏肉を加熱殺菌するには長時間温度を維持する必要があります。見た目でも加熱の度合いを判断することはできません。
つまり余熱調理では内部温度が十分上がらないため、食中毒を起こす可能性があるのです。できれば余熱を利用するレシピは避けた方がいいでしょう。
自分で低温調理や余熱調理すれば、節約にもなりますよね。でも実は食中毒の危険が潜んでいます。自宅で作るときは公式のレシピを参考にし、温度を確認しながら十分な時間をかけて調理してください。
また生の鶏肉を触ったらこまめに手を洗い、使用した調理器具の扱いにも気をつけましょう!
【参考資料】
食品安全委員会 │ 肉を低温で安全においしく調理するコツをお教えします!
http://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/shokuhniku_teionchouri.html
食品安全委員会 │ 鶏肉の低温調理「安全に美味しく食べ物を調理しよう」
https://www.youtube.com/watch?v=ECelJwFU2Vg
厚生労働省 │ カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126281.html