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ビル火災に遭遇…逃げ方は?いざというとき死なないための行動

防災
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2019年7月に発生した京都アニメーションの放火や、2021年12月に発生した大阪市北区のビル放火など、近年は多くの死者が出る痛ましいビル火災がありました。もし、自分がそんな恐ろしいビル火災に遭ってしまった場合、どのように避難すればいいかわからないという方も多いでしょう。

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。

今回は、「ビル火災からの逃げ方」に関して紹介します。もし自分がビル火災に遭った際に逃げ遅れないためにも、少しでも命を守れる可能性が高い避難方法を学んでおきましょう。

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質問:ビル火災に遭遇した場合の逃げ方は?

最近、放火による火災が続いているので不安です。もし外出先でビル火災に遭遇したら、どう行動すればよいでしょうか?

かさみやちゃん
かさみやちゃん

自分の命を守るためにも、ビル火災からの避難方法を伺いましょう!

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回答:状況別にビル火災から命を守る避難行動を紹介

2階以上にいる場合には基本的に階段で避難しよう|イメージ画像:イラストAC

ビル火災が発生した場合、「階段が利用できない」「その場から動けなくなってしまった」などさまざまな危険な状況が想定されます。

そのため、どのような状況でも「自分の命を守れる可能性が高い行動」をとれるよう、状況別に適した避難行動の例と避難の際の注意点を解説していきます。

煙が充満しておらず、階段が利用可能な場合

2階以上にいる場合で、階段に煙が充満しておらず安全な場合、階段を使って地上または下階へ避難することを第一に考えましょう。

煙が充満し視界が塞がれてしまう可能性もあるため、素早く避難経路を確認し、建物外へ避難することが大切です。

また、避難経路が複数考えられる場合には、曲がる回数が少ない経路や、煙の流入が少ない階段や、屋外階段などで避難するといいです。

煙が充満しており、階段が利用不可な場合

2階以上にいる場合には基本的に階段での避難が第一ですが、階段に煙が充満している場合は階段を使って避難するのが危険なため、それ以外の方法で避難しましょう。

階段以外の避難方法として、2階にいるのであれば窓やベランダからそのまま避難することや、3階以上であれば窓やベランダに設置されている避難器具で避難することなどが考えられます。

3階以上で避難器具がない場合や2階であっても避難できない場合には、ベランダで助けを待ちましょう。この際には、煙を避けるために身を低くして外にいる消防隊などに大声で助けを呼びましょう。

また、2階の窓やベランダから避難器具等なしで飛び降りるという手もあります。しかし危険が伴うため、最終手段の一つとして考えてください。

2階の窓やベランダから飛び降りて避難する場合には、そのままジャンプすると負傷につながる危険があるため、まずは手すり・窓枠等にぶら下がって、足を伸ばして極力地上までの距離を縮めて負担が少ないようにしてください。

できるだけ着地の負担を軽減できるよう、周辺にクッション・ソファなどの緩衝材になるものがあれば活用することも考えられます。

その場から避難できなくなった場合

階段での避難が困難な場合や、下階から煙が迫っている場合など、その場からの避難が困難な場合は「一次避難スペース」を確保しましょう。

一次避難スペースとは、扉などで区画されており一時的に炎や煙の侵入を防げる部屋で、外気に面している窓があるスペースを指しています。煙が迫っている中で無理に避難しても命を危険に晒す可能性もあるため、一次避難することを考えることも時には大切です。

一次避難先では、煙の侵入をできるだけ防ぐために、ドアの隙間や鍵穴をテープやテッシュで埋めましょう。また、一次避難スペースにも煙が侵入してきた場合は、窓を開けて「くの字」の姿勢で外気呼吸をしながら、消防隊など付近の人に助けを求めましょう。

煙で自分の位置を見失った場合

煙に覆われて自分の位置を見失ってしまった場合は、まずパニックにならず冷静になることが大切です。

その場にストップして自分がどこから来たのか冷静に考えてみましょう。また、目印になる明かりはないか避難できる窓やベランダはないかなど周りをよく観察し、「窓まで行って避難しよう」など避難計画を立て行動に移します。

煙は天井付近から貯まっていくため、床面付近は新鮮な空気が残っている可能性が高いです。避難する際は、床面に接するよう、四つん這いの姿勢で這うように移動しましょう。

また、窓の光など明かりとなるものがない場合には、スマホの明かりを活用することも考えられます。

衣服に火がついた場合

避難の際に衣服に火がついてしまい消火器や水での消化が困難な場合、まずはその場に止まり、寝転んで転がって火を消化しましょう。

寝転がる際には、燃えている部分を床に押し付けてなるべく床と体の間に隙間ができないようにしてください。

また、寝転がったら左右に回転して火を消化します。この際、負傷を避けるために目・口・鼻を押さえて転がるようにしましょう。

出典:京都市消防局:火災から命を守る避難の指針

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ビル火災から避難する際のポイントや注意点

避難の際のポイントは「煙の恐ろしさを理解する」「避難の際は口と鼻をハンカチで覆う」「一度避難したら絶対に引き返さない」こと|イメージ画像:イラストAC

ビル火災から避難する際のポイントや注意点を紹介していきます。

一番恐ろしいのは煙

煙のスピードは毎秒3〜5mで1分間に180m〜300m上昇します。これは一般的にイメージされるよりもかなり速いです。

煙を吸い込んでしまうと一酸化炭素中毒を起こしたり、酸素が薄くなると呼吸困難を引き起こしたり、熱い煙を吸い込むと気道や肺がやけどするなどの危険が考えられます。

そのため、火災警報器などの警報音が聞こえたら、火災訓練などとは思わずに素早く下階や建物外に避難を開始するようにしましょう。

出典:東京消防庁<府中消防署><安全・安心情報><もしも火事になったら>

姿勢は低く口と鼻を覆って避難する

避難の際は、煙が少ない床面に接するよう姿勢を低くして移動しましょう。また、前項の「一番恐ろしいのは煙」でも説明したように煙を吸い込んでしまうと危険です。

そのため、避難の際には煙を吸い込まないように口と鼻をハンカチ・マスク・服の袖などで覆って避難しましょう。

また、「口や鼻を覆うハンカチは濡らしたほうがいいのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、乾いた状態でも十分に煙よけになります。濡らす水を探すことにより避難が遅れる場合もあるため、必ずしも必要ではありません。

絶対に引き返さない

忘れ物に気がついたり、ビル内に取り残されている人がいたりしても、一度避難したら絶対に引き返さないことが大切です。

過去の火事では、引き返したことにより火災の犠牲となった人も少なくありません。もし、取り残されている人がいた場合には消防隊に伝えましょう。

エレベーターは利用しない

火災によりエレベーターが故障し動かなくなってしまう可能性があるため、避難の際にはエレベータは使用せずに基本的に階段で避難するようにしましょう。

よく利用するショッピングモールや職場など、ビル火災に遭った際に素早く避難できるよう、日頃から避難経路を確認しておきましょう。また、出火直後であれば初期消火が可能な場合もあるため、消火器の使い方などを覚えておくことも大切ですね。

ビル火災が発生した際には、できるだけ早く下へ下へと避難すること、煙は吸い込まないこと、避難した後は絶対に戻らないことが大切です。

また、身動きが取れなくなってしまったなどさまざまな状況も想定できるため、どのような状況下でも正しく行動できるように知識を身に着けておいてほしいです。

過去の記事では、マンションでの火事や家庭用消火器に関することも紹介しているのであわせてご覧ください!

マンションが火事!持って逃げるべきは通帳・印鑑よりも…【防災士解説】
自宅でしっかり対策を行っていたとしても、ときにはマンション・アパートの隣家から火事が発生し延焼による被害を受けてしまう可能性もありますよね。そんな、もし火事の被害にあってしまった際、みなさんは何を持ち出して避難しますか?今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「火事で持ち出すもの」に関して紹介します。火事の際には、パニックになり冷静な判断ができない可能性が高いと考えられます。そんな際でも、素早く必要なものを持ち出し避難できるよう、火事の際に最低限持ち出したほうがよいものを事前に知っておきましょう。火事のときまずは持ち出すものを考えるのではなく、一番優先すべきは【自分の命】です。しかし、火事の際に何も持たずに逃げたことでその後困ったという声も少なくありません。また、火事という危険な状況下で、冷静な判断ができず持ち出す必要性が低いものまで持ち出してしまうという声も。そのため、火事の後に困らないよう、無駄なものを持ち出すことで逃げ遅れないよう、素早く持ち出せることを前提とするのであれば、最低でも次のような4つのものを持って逃げるといいでしょう。(1)スマホ(2)財布(3)身分証明証(4)ハンカチ・タオル 持ち出し忘れたものに気がついたとしても、絶対に引き返さないようにしてください。引き返した際に、扉や窓を開けることにより空気が流入し、爆発的な燃焼現象を起こす「バックドラフト現象」などを引き起こす可能性があります。また、室内の限られた場所で火の手が上がっていたとしても、短期間で一気に部屋の全域に火が拡大する「フラッシュオーバー現象」などが起こる危険性も。そのため、過去の火事では避難した後に、引き換えしたことにより犠牲になった人も少なくありません。もし火事にあった際に、どのような補償を受けられるのか把握するためにも、事前に加入している火災保険の内容を確認しておくことをおすすめします。また、迷わず素早く逃げるためにも、火事の際に持ち出すものを明確に決めておき、普段から手に取りやすい場所にそれらを置いておきましょう。
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