近年の災害の多さを受けて、防災ポーチを持ち歩く人が増えています。ただ「小銭っていくら入れておけばいいの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
こんにちは、株式会社トラスト・ファイブが運営するビル・土地の記事メディア担当の大沢しのです。
不動産とは切り離せない「防災」に関する情報を被災経験を持つ防災士の立場から発信しています。
災害が起きると、キャッシュレス決済が使えなくなることがあります。そうなると、現金の中でも特に小銭が必要になります。
この記事では「防災ポーチにいくら小銭を入れておけば安心か?」について東日本大震災の実体験をもとに、2026年1月時点の物価状況をふまえた「外出時の防災の備え」として必要な金額をご紹介します。
あなた自身が用意する金額を考える際の参考にしてくださいね。
防災ポーチに入れる小銭・現金はいくら?

防災ポーチには小銭(現金)が必要ですが、硬貨に限定するわけではありません。500円・100円・10円等の硬貨に加えて、千円札もあったほうがよいでしょう。
しかし、準備し過ぎて、防災ポーチが大きく、重くなるという状態も好ましくありません。
日頃から財布の中にお札を絶やさないようにしているなら、防災ポーチの千円札は減らしてもよいかもしれません。逆にキャッシュレス決済を多用していて現金をあまり持ち歩かないなら、千円札を多めに用意するとよいでしょう。
「これが正解」という金額はありませんので、ご自身の状況に合わせて調整してくださいね。
東日本大震災で被災した防災士の考え方
私が東日本大震災を経験して考えた金額は以下の通りです。2026年1月時点では、東日本大震災のあった15年前と比べて物価も高騰していますので、多めに考えています。
- 1000円:3枚
- 500円:1枚
- 100円:5枚
- 50円:1枚
- 10円:10枚
合計4100円
このぐらい用意すると、2~3日はしのげるのではないでしょうか。
たとえば、マイボトルを常に持ち歩いたり、お菓子や飴、チョコレートなどを常に持ち歩いている方は、もう少し少なめでもいいかな?など個人によって必要になる金額はそれぞれ違います。ご自身に合わせて増減してください。
100円玉以下の小銭があると、コンビニやスーパーが閉まっていても自動販売機で飲み物を購入できる可能性が高まります。
釣り銭切れのときでも買えるよう、10円玉と50円玉を組み合わせて、130円〜200円とさまざまな金額で売られている水やお茶が変えるように用意しています。
また、10円玉は公衆電話を使用する際にも使えます。
そして千円札を用意する理由は、開いている店舗で食品を購入できる可能性もあるためです。
私が経験した東日本大震災のときは、停電しているなかでも開店していたコンビニがあり、カップ麺やパン、ビスケットを購入できました。しかしコンビニのレジは使用できず、電卓を使っての手動計算で、会計は現金のみでした。
私と中学生の娘が持ち歩いている実際の金額
実際に私と中学生の娘が防災ポーチに入れている小銭をご紹介します。
私の場合
- 1000円:3枚
- 500円:1枚
- 100円:5枚
- 50円:1枚
- 10円:5枚
合計4100円
バスと電車を乗り継いで通勤しています。災害時に帰宅困難になり、職場や避難場所で1~2泊する可能性を想定しています。
交通費に加えて、飲み物や軽食を購入できる金額を準備しています。
中学生の娘の場合
- 100円:3枚
- 50円:1枚
- 10円:5枚
合計400円
通学距離は比較的短く、通学は基本的に自転車なので、災害時にも自力で帰宅できると想定しています。
学校に公衆電話があるので、家族への連絡用の電話代と、水分補給のための飲み物代を中心に準備しています。
部活動のため水筒を持ち歩いていますが、念のため、飲み物を購入できるようにしています。
比較すると以下のようになります。
| 私の場合(バスと電車で通勤) | 娘の場合(自転車通学) | |
|---|---|---|
| 1000円札 | 3枚 | 0枚 |
| 500円 | 1枚 | 0枚 |
| 100円 | 5枚 | 3枚 |
| 50円 | 1枚 | 1枚 |
| 10円 | 5枚 | 5枚 |
| 合計 | \4100 | \400 |
生活パターンや通勤距離によって必要な金額は変わってきます。
ご自身やご家族の日常生活を振り返りながら金額を考えてみてくださいね。
防災ポーチに、小銭・現金はどう入れておく?
自分に必要な金額が見えてきたら、その小銭をどのように防災ポーチに入れておくのがよいでしょうか?ここでは、おすすめの収納方法を紹介します。
ファスナー付きポリ袋などを活用し、コンパクトに

防災ポーチの中には、現金の他にも必要な物がたくさんあるため、それぞれをコンパクトにまとめることが重要です。
ですから、「防災ポーチ用」として特別の小銭入れなどを準備する必要はありません。
防災ポーチの小銭は、かさばらないよう必要最小限のサイズのファスナー付きポリ袋などを活用し、災害時には普段使いのお財布に小銭を移すことで、スペースを上手に活用できますよ。
災害時は、こんなシーンで小銭・現金が必要
大きな地震などの災害の後は停電が予想されます。
その際に現金が必要になるのは、以下のような場合が考えられます。
キャッシュレス決済ができないとき
停電時には、電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済ができないことが考えられます。コンビニなどの店舗が開いていても、キャッシュレスの機器が使えない場合は現金で買い物をすることになります。
普段はキャッシュレス派の人も、災害による停電に備えて現金を用意しておくことが大切です。
公衆電話を使用したいとき
災害時には通信制限がかかり、携帯電話が繋がりにくくなる可能性があります。ですから、LINEやSNSを使った連絡手段が推奨されています。
しかし、携帯電話のバッテリー切れをはじめ、さまざまな事情によって公衆電話を使う必要が生じるかもしれません。停電時には、テレホンカードが使えませんので、硬貨を用意しておきましょう。

参考サイト:
総務省ユニバーサルサービス制度
NTT東日本
NTT西日本
公衆電話の設置場所を把握
公衆電話の台数は年々減少しています。自宅や職場、学校周辺にある公衆電話の設置場所を事前に確認しておきましょう。NTT東日本・西日本のウェブサイトでは公衆電話の設置場所を検索できるサービスが提供されています。
また、災害時用の公衆電話(特設公衆電話)の設置場所も確認しておくと更に安心です。
NTT東日本公衆電話 設置場所検索
https://publictelephone.ntt-east.co.jp/ptd/map/
NTT西日本公衆電話 設置場所検索
https://www.ntt-west.co.jp/ptd/map/
すぐに帰宅できないとき
もし外出先で災害が起きた場合、特に首都圏などの都市部においては慌てて移動してはいけません。
大地震発生から数日の間は、救助・救急活動のため、消防車や救急車などが走り回ります。むやみに移動を開始すると、車道にまで人があふれ、消防車や救急車などの活動に支障をきたします。
ですから、まずは安全な場所にとどまり、身の安全を確保することが推奨されています。
そのため災害後の混乱した状態から、避難所などへ移動できるまでに、数時間~1晩はその場に滞在する可能性があります。
さらに自宅に帰れるまでは数日かかる可能性もあるでしょう。自宅の非常用持ち出し袋(防災リュック)に現金を備えていても、すぐには使えないことが考えられます。
防災ポーチとは

防災ポーチとは、普段から持ち歩くことを想定している防災グッズです。
人と防災未来センター(神戸市)が考案・提唱している「0次防災」という考えです。災害発生直後の混乱したタイミングで、少しでも安心して過ごすための道具をコンパクトにまとめたものです。
参考:減災グッズチェックリスト(日本語)|人と防災ミライセンターHP
下記の記事では、防災ポーチに必要なものをリストアップしています。これらを参考に、「自分自身にとって必要なもの」を入れた防災ポーチを準備してくださいね。


- Q防災ポーチに小銭はいくら必要?
- A
500円玉、100円玉、10円玉などを数枚ずつ入れるのが基本です。ふだん財布にあまり現金を入れない方は、千円札も加えてください。
災害直後は、無理な移動を避け、職場や避難所などにとどまる可能性があります。数時間から一晩、場合によっては数日を外出先で過ごすことを想定し、ご自身が不安にならない金額を用意してください。





