この記事では「防災ポーチにはいくらの小銭を入れておけば災害時に困らないか?」を検討します。
常に携帯することを想定して用意する防災ポーチですが「いくら小銭があれば困らないか」「どのようなシーンで小銭が必要か」イメージしづらいですよね。
必要な金額は個人によっても異なります。
そこで今回は、複数のカーサミアライター様にご意見をうかがいました。
ひとりは東日本大震災を宮城県の自宅アパートで被災し、不便で不安な気持ちを経験した方。
もうひとりは首都圏在住で、防災イベントに参加するなど、最近の防災事情に興味をお持ちの方。
それぞれの方が考える「外出時の防災の備え」として必要な金額をご紹介します。
あなた自身が用意する金額を考える際の参考にしてくださいね。
防災ポーチに入れる小銭・現金はいくら?
防災ポーチには小銭(現金)が必要ですが、硬貨に限定するわけではありません。500円・100円・10円の硬貨に加えて、1000円札もあったほうがよいでしょう。
「これが正解」という金額はありませんので、ご自身の状況に合わせて調整してくださいね。
東日本大震災で被災したライター様の場合
「私が東日本大震災を経験して考えた金額は以下の通りです。東日本大震災のあった13年前と比べて物価も高騰していますので、多めに考えております。
- 1000円:2枚
- 500円:1枚
- 100円:5枚
- 10円:10枚
合計3100円
このぐらい用意すると、2~3日はしのげるのではないでしょうか。
たとえば、マイボトルを常に持ち歩いたり、お菓子や飴、チョコレートなどを常に持ち歩いている方は、もう少し少なめでもいいかな?など個人によって必要になる金額はそれぞれ違います。ご自身に合わせて増減してください。
コンビニやスーパーが閉まっていても自販機で飲み物を購入できる可能性があります。自動販売機では500mlのペットボトルが180円のこともありますので、10円玉は多めにしています。
10円玉は公衆電話を使用する際にも使えます。
そして千円札を用意する理由は、開いている店舗で食品を購入できる可能性もあるためです。
私が経験した東日本大震災のときは、停電しているなかでも開店していたコンビニがあり、カップ麺やパン、ビスケットを購入できました。しかしコンビニのレジは使用できず、電卓を使っての手動計算でした。」
首都圏在住のライター様の場合
「私の場合は、以下の金額です。
- 500円×4枚(新旧の500円玉で)
- 100円×3枚
- 10円×5枚
合計2350円
防災ポーチの小銭の主な活用方法としては、携帯電話の変わりに使う公衆電話の支払いや、クレジットカードや電子マネーが使えない場合の現金会計です。
こうした活用方法から、小銭の種類はそこまで必要ないと想定しています。小銭を準備し過ぎて、防災ポーチが大きく、重くなるという状態も好ましくありません。
災害発生時の数時間から1晩を不自由なく過ごすために、コンビニで1食分+歯ブラシセットなどの必要な衛生用品が買える金額があれば十分だと考えています。
私は日頃から、財布の中にお札を絶やさないようにしているので、防災ポーチは硬貨だけです。普段、財布にあまりお金を入れない人は、防災ポーチに千円札も入れておくとよいと思います。
また、新しい500円玉が使えない自動販売機もあるので、500円玉は新旧どちらも用意しています。」
防災ポーチに、小銭・現金はどう入れておく?
自分に必要な金額が見えてきたら、その小銭をどのように防災ポーチに入れておくのがよいでしょうか?ここでは、おすすめの収納方法を紹介します。
ファスナー付きポリ袋などを活用し、コンパクトに
防災ポーチの中には、現金の他にも必要な物がたくさんあるため、それぞれをコンパクトにまとめることが重要です。
ですから、「防災ポーチ用」として特別の小銭入れなどを準備する必要はありません。
防災ポーチの小銭は、かさばらないよう必要最小限のサイズのファスナー付きポリ袋などを活用し、災害時には普段使いのお財布に小銭を移すことで、スペースを上手に活用できますよ。
災害時は、こんなシーンで小銭・現金が必要
大きな地震などの災害の後は停電が予想されます。
その際に現金が必要になるのは、以下のような場合が考えられます。
キャッシュレス決済ができないとき
停電時には、電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済ができないことが考えられます。コンビニなどの店舗が開いていても、キャッシュレスの機器が使えない場合は現金で買い物をすることになります。
普段はキャッシュレス派の人も、災害による停電に備えて現金を用意しておくことが大切です。
公衆電話を使用したいとき
災害時には通信制限がかかり、携帯電話が繋がりにくくなる可能性があります。ですから、LINEやSNSを使った連絡手段が推奨されています。
しかし、携帯電話のバッテリー切れをはじめ、さまざまな事情によって公衆電話を使う必要が生じるかもしれません。停電時にはテレフォンカードも使えませんので、硬貨を用意しておきましょう。
すぐに帰宅できないとき
もし外出先で災害が起きた場合、特に首都圏などの都市部においては慌てて移動してはいけません。
大地震発生から数日の間は、救助・救急活動のため、消防車や救急車などが走り回ります。むやみに移動を開始すると、車道にまで人があふれ、消防車や救急車などの活動に支障をきたします。
ですから、まずは安全な場所にとどまり、身の安全を確保することが推奨されています。
そのため災害後の混乱した状態から、避難所などへ移動できるまでに、数時間~1晩はその場に滞在する可能性があります。
さらに自宅に帰れるまでは数日かかる可能性もあるでしょう。自宅の非常用持ち出し袋(防災リュック)に現金を備えていても、すぐには使えないことが考えられます。
防災ポーチとは
防災ポーチとは、普段から持ち歩くことを想定している防災グッズです。
人と防災未来センター(神戸市)が考案・提唱している「0次防災」という考えです。災害発生直後の混乱したタイミングで、少しでも安心して過ごすための道具をコンパクトにまとめたものです。
参考:減災グッズチェックリスト(日本語)|人と防災ミライセンターHP
下記の記事では、防災ポーチに必要なものをリストアップしています。これらを参考に、「自分自身にとって必要なもの」を入れた防災ポーチを準備してくださいね。
- Q防災ポーチに小銭はいくら必要?
- A
500円玉、100円玉、10円玉などを数枚ずつ入れるのが基本です。ふだん財布にあまり現金を入れない方は、千円札も加えてください。
災害直後は、無理な移動を避け、職場や避難所などにとどまる可能性があります。数時間から一晩、場合によっては数日を外出先で過ごすことを想定し、ご自身が不安にならない金額を用意してください。