今回ご紹介するのは小田急小田原線「経堂」駅。新宿まで10分強、大手町まで約30分と、都心部へのアクセスが便利な街です。
再開発された駅前には大型ショッピングモールが建つ一方で、「経堂農大通り商店街」「経堂すずらん商店街」をはじめとする個性的な商店街も賑わっています。
そんな経堂駅周辺は、高級住宅街「赤堤」をはじめとした落ち着きのあるエリア、庶民的な住宅街エリア、賑わいある学生街エリアなど、場所によって雰囲気が大きく異なります。自分の好む雰囲気に合わせて住む場所を選べるのも人気の理由でしょう。
古くは川と水田の多い農村でしたが、昭和2年(1927年)の小田急線開通以降、大きく発展しました。古い街並みが残っている影響か、住宅と商店の混在するエリアも広いです。
一方で、もともと川や水田だった場所が多いため、地盤がやや弱い地域も。水害にも注意が必要です。
カーサミアでは、首都圏で30年近く不動産開発を行なってきた「土地のプロ」として、街の住みやすさ、地盤や防災情報などを発信しています。
街で見かける「普通の不動産屋さん」と違って、賃貸物件や中古マンションの紹介をしていないので、不動産屋さんが書きづらいことも記事にできる立場です。
一人暮らしのあなたのお部屋探しに、ぜひ役立ててくださいね。
経堂駅周辺の基本情報
経堂駅の概要|20代後半の女性から、人気の高い街
世田谷区の中央部・やや西寄りに位置する街
東京都世田谷区にある「経堂」駅。小田急小田原線の駅です。
両隣は「豪徳寺」駅と「千歳船橋」駅ですよ。
世田谷区は南に東急東横線・中央部に小田急小田原線・北に京王線が通っていて、それぞれ雰囲気が違いますね。
小田急線の中でもこのあたりは駅間隔が狭く、いずれも直線距離で1kmほど。経堂駅周辺でも住む場所によっては、豪徳寺駅や千歳船橋駅のほうが近くなるかもしれませんね。
駅前からは複数の通りが延びています。大きな通りは、西へ向かう「渋谷経堂線(都道423号)」、北西へ向かう「調布経堂停車場線(都道118号)」のふたつ。ほかに、北側には「西福寺通り」「ユリの木通り」。南側には「農大通り」があります。
また、小田急の線路と並行するように、北側600mほどの位置に「赤堤通り」、南に500mほどの位置に「城山通り」が、それぞれ東西に走っています。
駅の北東、ユリの木通りと一部が重なる位置に「北沢川緑道」、北西から南東にかけて「烏山川緑道」があります。それぞれ目黒川の支流でしたが、現在は全面的に暗渠(地下の川)となっており、地上部が緑道として整備されています。
経堂駅周辺の地名
経堂駅周辺(徒歩15分圏内)の地名は、
駅から東側は、経堂1丁目~4丁目
西側は、宮坂1丁目~3丁目と、赤堤1丁目、3丁目の一部です。
25~29歳の女性比率が突出して高い
経堂駅周辺の人口構成比を見てみましょう。
東京都や世田谷区内の人口と比べると、経堂駅周辺エリアでは男女ともに「25~29歳」「30~34歳」の比率が高いです。特に「25~29歳」の女性比率が突出しており、若い女性に人気の街であることがうかがえます。
また、エリア内の世帯構成比は、1人世帯が60%弱となっています。
東京都内や世田谷区全体と比較すると、圧倒的に一人暮らし世帯が多いようです。
経堂駅の交通アクセス|新宿駅まで10分強
経堂駅に乗り入れているのは小田急電鉄小田原線です。「オダキュー」の愛称でおなじみの私鉄路線ですね。
停車する電車は各駅停車・準急・急行と、通勤準急です。急行だけでなく準急や通勤準急も停まってくれるのは便利ですね。
通勤準急は、代々木上原駅で新宿行快速急行に連絡します。
新宿へは、代々木上原で急行に乗り換えて10分強。渋谷へは、下北沢駅にて京王井の頭線に乗り換えて15分弱。代々木上原から東京メトロ千代田線に乗り入れている電車もあるため、大手町にも30分前後です。
小田急線は時間帯によって急行や通勤準急など、電車の種類が変わります。最初は戸惑うかもしれませんが、路線図や駅の案内などに注意すれば大丈夫ですよ。
下り電車は、小田原まで運行しています。途中の新百合ヶ丘駅で小田急多摩線に、相模大野で小田急江ノ島線の乗り換えることができます。
小田原まで出ると、箱根登山鉄道に乗り換えられます。週末には温泉で癒されたいと思ったら、あっという間に箱根の温泉地に向かうことができますよ。
バス
駅の北側がバスロータリーになっています。また、ユリの木通り沿いに「経堂駅入口」のバス停が並んでいます。
主な行き先
- 梅ヶ丘駅
- 千歳船橋駅
- 渋谷駅
- 八幡山駅
経堂駅周辺の街並み|住宅とお店が混在するエリアが広い
学生街から高級住宅街まで、エリアによって雰囲気が異なる
経堂駅周辺には、「日本大学文理学部」「東京農業大学」という二つの大学があり、平日は多くの学生で賑わっています。学生の多く住むエリアは活気ある雰囲気です。
一方で、高級住宅街として知られる「赤堤」をはじめ一軒家や低層マンションの多く静かで落ち着いた雰囲気のエリアや、庶民的な住宅街、商店街の中のマンションなどもあり、自分の好む環境によって住む場所を選べます。
再開発された新しいお店と、活気ある商店街が共存する街並み
駅前は再開発され、広々とした街並みです。再開発エリアは「経堂テラスガーデン」と名付けられています。
テラスガーデンの一角「経堂コルティ」は、4階建ての大きな商業施設です。このほか高架下にも多くの店舗が入っていて、通勤帰りなどにも便利そう。
一方で商店街も大いに賑わっています。
駅の南側にある「経堂農大通り商店街」は、経堂のメインストリート。
経堂駅から東京農業大学方面に伸びる商店街です。学生向けのカジュアルなお店から、大人向けのお店まで並ぶ多彩さが、経堂らしい魅力です。
駅の北側には「経堂すずらん商店街」があります。こちらは「すずらん駅前通り」「すずらん本通り(=調布経堂停車場線/都道118号)」を中心にした商店街。
ほかに「経堂本町商店街」など、全部で5つの商店街がありますよ。
経堂駅周辺の用途地域|店舗と住居が混在する街並み
もう少し詳しく街並みを知るため、「用途地域」を見てみましょう。
用途地域とは、街をどのように利用するのかを行政が定めたものです。地域ごとに、建ててよい建物の用途(住居・商業・工業など)や形態が決められています。
たとえば「近所にお店が多い、便利なエリアに住みたい」「空が広く見える、静かな住宅街に住みたい」などの希望は、用途地域を参考にすると叶いやすくなりますよ。
経堂駅周辺の【商業系】エリア
駅前の再開発エリア・経堂テラスガーデンを含む一帯と、駅南側の経堂本町通り商店街は「商業地域」。その周辺や、農大通り商店街・すずらん通り商店街の一帯は「近隣商業地域」と定められています。
どちらも、さまざまな店舗が存在するエリアではありますが、「商業地域」のほうが規制が少なく、賑やかなお店が集まりやすいです。
経堂駅周辺の【住居系】エリア
経堂駅の周辺は、全体的に「第一種住居地域」が広がっています。
経堂駅の東側では、ユリの木通りと城山通りの間で、商業エリアを抜けた先から、豪徳寺駅前の商業エリアまでの間。
西側では、すずらん通りの南から南西の準工業地域(後述)を囲むように千歳船橋駅前の商業エリアまでの間が該当します。
これらは、マンションや戸建と、店舗・飲食店・中小ビルなどが混在する、便利な住宅街です。お店の中には、総合スーパーやホームセンターなどがある場合もあります。
想定される街並みは2種類あり、商店と住宅が整理されていない昔ながらの街並みと、バス通り沿いの街並みです。
経堂駅周辺の【住居専用】エリア
駅や線路から遠い場所を中心に、すずらん通りの両側、高級住宅街として知られる赤堤1丁目などは「第一種低層住居専用地域」に指定されています。
そのほか大通り沿いに「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」があります。
・第一種低層住居専用地域
街並みとしては閑静な住宅街です。いわゆる「邸宅街」になっていることも多いです。
住宅は一戸建て、もしくは低層マンション・アパート(2~3階以下)に限られています。
お店はほとんどなく、住宅の一角で営業していることもありますが、一般的なコンビニ等はありません。
人が住むための地域なので静かで落ち着いた雰囲気。空が広いのが魅力です。一方で夜になると暗くなりがちで、お店も少ないため人通りが少なくなる可能性も高いです。
・第一種中高層住居専用地域
比較的便利な住宅街です。
住宅以外では、生活に必要な、小規模なお店(コンビニ、ミニスーパー、飲食店など)や、銀行、病院、大学などがある場合もあります。
・第二種中高層住居専用地域
比較的便利な住宅街です。
中規模(イメージとしては駐車場がある2階建て)の、スーパーや飲食店などがある場合もあります。
「中高層住居専用」地域は、中高層マンションだけでなく、戸建てや低層アパートが並んでいることもあります。実際の様子は確認してみましょう。
経堂駅周辺の【工業系】エリア
経堂駅と千歳烏山駅の間には、烏山川緑道を中心に「準工業地域」があります。
準工業地域は工業地域の一種ではありますが、必ずしも工場が多い街並みではありません。
このエリアには住宅・店舗・軽工場など、さまざまな建物が建てられるため、用途地域から街並みをイメージすることが難しく、実際の街並みを確認する必要性が高いです。
経堂駅周辺の場合は、住宅街の中に、商業施設や郵便局、病院、オフィス、町工場などが点在する街並みとなっています。
烏山川緑道があるため緑が多く、「工業系エリア」と聞いてイメージする雰囲気とは異なりますよ。
経堂駅周辺の歴史・文化|明治期は川の多い農村、戦後は商店街を中心に発展
福昌寺
江戸時代初期に建立されたお寺で、正式名称は「経堂山福昌寺」。このお寺が、経堂の地名の由来とされています。
明治期は、川が多く流れる農村
明治期の地図を見ると、田畑が多い農村であったことがうかがえます。
地図の南東部、現在の経堂5丁目あたりに「経堂在家村」の文字があります。
また、地図中央にある小さな寺院マーク「卍」が、福昌寺でしょう。
現在緑道になっている北沢川、烏山川の南にも、もう1本の川があったようです。「品川用水」という文字が見られます。
品川用水は、昭和20年代後半に埋め立てられ、現在は道路になっています。
川の流域では「水田」、それ以外の場所では「畑」が目立ちます。
文字が読みづらいですが、「松」や「榑」と思われる文字も見られるので、林業も行われていたのかもしれません。
経堂まつり
「経堂まつり」は、経堂農大通り商店街で開催される経堂の一大イベント。毎年7月下旬の開催です。
当日は駅前にステージが設置され、農大通りにたくさんの屋台が並び、パレードが行進します。
経堂駅周辺の防災情報
経堂駅は、北沢川と烏山川の間に位置しています。現在、この2つの河川は下水道に転用されており、「北沢幹線」「烏山幹線」という名称が付けられています。
経堂駅周辺は北沢川と烏山川からの影響により、台風や集中豪雨時における水害が広範囲で予想されているエリアです。浸水は最大3.0mの高さまで想定されている区域があるので、気象状況の変化に注意が必要です。
また、経堂駅南側の一部地域では土砂災害の恐れがあります。日頃から安全を確保できる避難経路や避難所を確認しておきましょう。
経堂駅周辺の地盤は火山灰台地がほとんどで、北沢川と烏山川沿いは軟弱な谷底低地が続いています。火山灰台地は比較的しっかりした地盤とされていますが、経堂駅周辺における地震発生時の揺れやすい地域は火山灰台地の区間となっています。
閑静な住宅街である経堂駅周辺エリアは人口や建物が多いため、地震発生時に二次災害が起こるリスクがあります。建物の倒壊や火災発生の危険性がある区画が大半を占めており、経堂駅の北側は特にリスクが高めです。
住まい探しをする際には周囲の災害リスクも視野に入れて、住み心地の良いお部屋を選べるといいですね。
経堂駅周辺の洪水リスク|烏山川周辺は水害リスク高め
経堂駅近くを流れる北沢川と烏山川は「暗渠」と呼ばれる構造に整備されており、大半の区間が地下に埋設された水路となっています。地上部は「北沢川緑道」「烏山川緑道」という名称の遊歩道となっているため、一見すると川の存在に気付きにくいエリアです。
降雨量が下水道に転用されている北沢川と烏山川の排水能力を超えた場合、経堂駅周辺は広い範囲で洪水や内水氾濫の恐れがあります。特に、烏山川沿いは想定される浸水が周辺地域より深いので、悪天候時には注意が必要です。
この先では、世田谷区が提供している洪水・内水氾濫ハザードマップを使って、浸水想定箇所と避難所を詳しく確認していきます。
経堂駅周辺の洪水・内水氾濫ハザードマップ
世田谷区の洪水・内水氾濫ハザードマップを見ると、経堂駅周辺は最大3.0mの浸水が想定されています。濃い青色になるほど深い浸水が予想されることを示しており、浸水深2.0m〜3.0mは一般的な家屋の1階天井に匹敵する高さです。
経堂駅付近は、北沢川と烏山川に沿って青くなっているのが目立ちます。特に、南側に位置する烏山川の周辺は浸水深1.0〜2.0mの想定エリアが広範囲に渡っており、宮坂1丁目や経堂3・4丁目などの一部は深さ2.0m〜3.0mと予想されています。経堂駅付近の中では、烏山川沿いが最も洪水リスクの高いエリアです。
川沿い以外の地域でも、黄色の浸水深0.1〜0.5mがまばらに広がっています。台風や集中豪雨の際は川から離れていても油断せず、内水氾濫に警戒が必要です。
経堂駅周辺の避難所情報
経堂駅周辺エリアには、避難所に指定されている場所が2ヵ所あります。経堂駅の北側では経堂3丁目にある「経堂地区会館」、南側は桜1丁目にある「桜木中学校」が水害時に避難所として開放されます。
2ヵ所とも水害リスクが高めの烏山川近くにあるため、道路状況などによって避難経路や避難場所を適切に見極める必要が出てくるでしょう。
詳しい避難所の開設・混雑状況などは、世田谷区防災ポータルで確認できるようになっています。悪天候時は世田谷区から発信される情報をこまめにチェックして、余裕を持った行動が取れるように準備しておくことが大切です。
経堂駅周辺の土砂災害リスク|土砂災害警戒区域が1ヵ所
世田谷区では、土砂災害ハザードマップも提供しています。経堂駅周辺の土砂災害ハザードマップでは1ヵ所の土砂災害警戒区域が確認でき、水害時の避難場所に指定されている「桜木中学校」の近くにあります。
通称レッドゾーンと呼ばれる土砂災害特別警戒区域は、経堂駅周辺にはありませんでした。
土砂災害には、急な傾斜地が崩壊する「がけ崩れ」や「土石流」、「地すべり」といった3つの種類があります。世田谷区の土砂災害指定場所はすべて、がけ崩れの恐れがある地域です。がけ崩れは「がけにヒビが入る」「水が湧き出る」「地鳴りがする」などの前兆現象が起こる場合があるので、こうした現象が発生したら躊躇せずに避難しなければなりません。
経堂駅周辺の土砂災害ハザードマップ
桜1丁目と宮坂1丁目の境目に、土砂災害警戒区域に指定されている場所があります。台風や集中豪雨といった土砂災害が起こりやすい状況下では、極力近寄らないようにして身を守る手段を取りましょう。
この土砂災害警戒区域の避難所は、水害時と同じく桜木中学校が指定されています。
経堂駅周辺の地盤|経堂駅北側は比較的揺れやすいエリア
ここからは、国立研究開発法人の防災科学技術研究所が提供している「地震ハザードステーション」のデータで、経堂駅周辺の地盤を詳しく確認していきます。
経堂駅周辺の地盤は、北沢川と烏山川沿いで軟弱な谷底低地が続いています。また、経堂駅北側は地震発生時に揺れやすいエリアとなっています。
経堂駅周辺の地形区分
上のマップは、経堂駅周辺の地盤の種類を表しています。
経堂駅エリアの大半を占めている「火山灰台地」は火山灰が積もってできた場所で、比較的しっかりした地盤です。
一方、緑色で示された「谷底低地」は砂や粘土などで形成されており、軟弱な地盤とされています。谷底低地は北沢川と烏山川に沿ってできており、ハザードマップで青くなっていた浸水想定区域と重なった部分が多く見られます。
経堂駅周辺の「揺れやすさ」目安
ここでは、地震発生時の揺れやすさを見ていきます。上の画像は濃い赤色になるほど揺れやすいエリアであることを示しており、経堂駅の北方面で揺れやすい傾向にあることが分かります。なお、揺れやすさと地形区分の間に直接の関連性は見られません。
経堂駅周辺の中では経堂1・2丁目や桜上水1丁目、赤堤3丁目付近が震災時に最も揺れやすいと予想されています。
反対に、経堂駅周辺で最も揺れにくいとされるエリアは宮坂1丁目や経堂4丁目付近です。
経堂駅周辺で地震に見舞われる確率
下の表は、経堂駅周辺で今後30年間に起こる地震の確率を、4つの震度ごとに表したものです。
震度5強 | 95.8% |
震度6弱 | 58.1% |
震度6強 | 13.4% |
震度5弱は100%の確率で起こると予想されており、震度6弱でも50%以上の確率です。震度6強は13.4%と大きく下がっていますが、1割以上の確率で起こると考えれば、決して安心できる数字ではありません。
経堂駅周辺のみならず、東京近郊は全体的に震度6強以上の揺れが起こりやすいと予想されています。いつ起きてもおかしくない大地震に備えて、常日頃から防災グッズなどの準備は怠らないようにしたいものです。
経堂駅周辺の地震リスク|地震発生時の火災に注意
経堂駅周辺では建物が多く立ち並んでいる分、地震発生時に二次災害へ繋がるリスクがあります。特に、経堂駅北側には火災リスクが高い地区があるので注意が必要です。
東京都不燃化ポータルの「地震に関する地域危険度測定調査」で、地震リスクを詳しく確認していきましょう。
経堂駅周辺の「建物倒壊危険度」
経堂駅周辺の建物倒壊危険度はランク2となっている地区が多数見られます。建物が密集した住宅街のため、地震発生時の倒壊リスクは少なからずあるようです。
最も建物の倒壊リスクが低いランク1のエリアは、赤堤3丁目と桜上水1丁目、桜丘1丁目です。
経堂駅周辺の「火災危険度」
経堂駅周辺は全体的に火災の危険性がある地域です。建物が多く立ち並んでいることに加え、道路も入り組んでいることが、火災リスクを高める要因になっていると推測されます。
最もリスクの低いランク1は、赤堤3丁目のみとなっています。反対に、この一帯で最も火災リスクの高いランク4の区画は、経堂駅北側に位置する経堂2・3丁目です。
ランク2の区画は、赤堤1丁目と桜上水1丁目、宮坂2丁目、経堂4・5丁目となっています。ランク3には、宮坂1・3丁目と桜1・2丁目、桜丘1丁目、経堂1丁目が該当します。
経堂駅周辺の地震に関する「総合危険度」
建物倒壊危険度と火災危険度の両方でランク1だった赤堤3丁目のみが、総合危険度でもランク1となっています。
経堂駅周辺はランク2のエリアが一番多く、赤堤1丁目と宮坂1・3丁目、桜上水1丁目、経堂4・5丁目、桜丘1丁目が該当します。ランク3にあたる区画は、経堂1・3丁目と宮坂2丁目、桜1・2丁目です。
この一帯で最も総合的なリスクが高い場所は経堂2丁目で、ランク4となっています。
経堂駅周辺は都心へのアクセスが良く人気の住宅街ですが、地震が起きた際のリスクは高めの地区もありました。もしもの場合を想定した準備や対策が重要です。
経堂駅周辺の災害事例|台風より集中豪雨による床上浸水が多数
世田谷区のホームページでは、1989年(平成元年)〜2021年(令和3年)の間に発生した浸水被害が掲載されています。
経堂駅周辺エリアでの床上浸水は、半数以上が集中豪雨によって発生したものです。
台風による床上浸水が起きたのは2度あり、発生エリアは宮坂のみとなっています。
世田谷区の浸水事例(床上浸水以上)
2005.9.4 | 集中豪雨 | 桜1 宮坂2 |
2012.5.3 | 集中豪雨 | 経堂1 |
2013.7.23 | 集中豪雨 | 経堂5 桜2 |
2018.8.27 | 集中豪雨 | 赤堤1・3 桜1・2 桜上水1 宮坂1・2 |
2019.10.12 | 台風19号 | 宮坂2 |
上の表は、経堂駅周辺における1989年以降の床上浸水被害をまとめたものです。
集中豪雨による経堂駅周辺エリアの床上浸水は、4度発生しています。中でも、2018年8月27日の集中豪雨は多数の地区で被害を出し、赤堤1・3丁目と桜1・2丁目、桜上水1丁目、宮坂1・2丁目で床上浸水が起こりました。
台風による床上浸水は、2004年に宮坂1丁目、2019年に宮坂2丁目で被害が出ています。
経堂駅周辺は台風より局所的な集中豪雨での浸水被害が多く、被害を受ける場所も広い範囲に及ぶ傾向があるようです。
世田谷区の豪雨対策
近年は集中豪雨による浸水被害が増え、2005年9月の集中豪雨では世田谷区内だけでも床上浸水221棟・床下浸水245棟という甚大な被害を受けました。
こうした異常気象がもたらす水害に対応するため、世田谷区は2009年10月に「世田谷区豪雨対策基本方針」を策定しています。具体的な豪雨対策の取り組みを掲げた内容となっており、この方針をもとに、東京都と連携・調整を図りながら河川・下水道の整備などが進められています。
また、2010年3月には「世田谷区豪雨対策行動計画」が策定されました。この行動計画は流域対策の強化や家づくり・まちづくりの促進などを目的としており、世田谷区はさらなる豪雨対策に取り組んでいます。
豪雨対策の基本方針や行動計画が策定された現在でも、局所的な豪雨の降雨量に完全には対応しきれておらず、浸水被害は続いています。水害から区民の命と財産を守るべく、世田谷区の集中豪雨対策は随時更新しながら実施されています。
参考:世田谷区の豪雨対策|世田谷区ホームページ
経堂駅周辺の施設と住みやすさ
ここからは、経堂駅周辺を歩いてみて、実際の住みやすさをご紹介します。
小田急小田原線の経堂駅は、新宿や渋谷などの主要駅へのアクセスもよい駅でありながら、活気あふれる商店街や落ち着いた住宅街もあり、住みやすい街として知られていますよ。
お買物施設
スーパー|駅前に複数
駅前に「ピーコックストア」「まいばすけっと」「Odakyu OX」「オオゼキ」などのスーパーが集まっており、仕事やお出かけの帰り道に買い物を済ませるのにとても便利です。「ピーコック」「まいばすけっと」は0時まで営業しているので、仕事で遅くなった日も安心です。
また、駅の南側を東西にはしる城山通り沿いには「ライフ」や「業務スーパー」もありますよ。
ドラッグストア|駅前の商業施設か、農大通り商店街へ
「ココカラファイン」「サンドラッグ」など聞きなじみのあるドラッグストアは、駅北側の商業施設「経堂コルティ」の中や駅の南側の農大通り商店街にあります。日用品の買い物も、帰りがけに済ませられそうですね。
コンビニ|南北の商店街に集まる
駅の北側の「すずらん通り商店街」、南側の「農大通り商店街」に複数あります。
ただし商店街から離れて住宅街に入るとコンビニはほぼないので、よく利用する人は注意が必要です。
100円ショップ|大型スーパーに併設
経堂駅周辺の100円ショップは、駅前のピーコックストアの2階の「ダイソー」、駅から南西に700mのところにあるライフに入っている「キャン★ドゥ」の2つです。スーパーでの買い物のついでに立ち寄れそうですね。
衣料品店|南北の商店街にこだわりのショップが並ぶ
上質なセレクトショップから古着屋さんまで、南北の商店街に様々なお店が並びます。
一方で、ファストファッションのお店は、駅前の「経堂コルティ」内にハニーズがあるくらいです。ユニクロやZARA、H&Mなどは、下北沢や新宿・渋谷などに行く必要がありそうです。
インテリア雑貨|商店街に点在
インテリア雑貨をはじめとして、食器やアロマなど様々なジャンルのお店が南北の商店街に点在しています。
また、駅北側の商業施設「経堂コルティ」には無印良品やロフトも入っていますよ。
飲食店
チェーン店よりも個人店舗が多めです。飲食店は駅の南側の農大通り商店街に多い印象です。
中華料理、韓国料理、エスニック、鉄板焼きや洋食バルなど、さまざまなジャンルのお店が並んでいますよ。
ここで、おすすめのお店をいくつか紹介します。
洋食バル ウルトラ
2012年のオープン時から地元の人たちに愛され続けている洋食レストランです。オムライスやハンバーグステーキ、エビフライなど、昔ながらのメニューが揃っています。店名にバルとある通り夜はお酒も飲めますが、洋食屋さんとして通う人も多いそうです。
ランチタイムは4種のランチセットが選べます。人気No.1のハンバーグステーキはふわふわ柔らかく、濃厚なソースの味が楽しめるのだとか。
行列の絶えない人気店ですが、テイクアウトにも対応しています。経堂に住めば、人気のお料理を気軽にテイクアウトで楽しめるのが嬉しいですね。
ホットケーキ つるばみ舎
シンプルでどこか懐かしい、昔ながらのホットケーキで有名なお店です。王道のホットケーキはもちろん、数量限定のフルーツサンドも大人気です。
一方でぜひためしてみたいのが、ホットケーキサンド!たまごフィリングやハム&チーズなどを、食パンではなくつるばみ舎自慢のホットケーキでサンドしたメニューです。甘じょっぱさがクセになり、いくつも食べられそうな一品です。
平日は11時開店ですが、土日は9時から開いているので朝食にもぴったりです。近くに住んだら、その日の気分でホットケーキかホットケーキサンドか、はたまたフルーツサンドを狙うのか……考えるのも楽しいですね。
onkä
農大通り商店街を抜けた先にあるベーカリーです。「パンとエスプレッソと」の姉妹店で、看板商品「ムー」のもっちり歯切れのよい生地を使用したパンもありますよ。
食パンやクロワッサンなどの定番メニューに加え、季節の野菜や果物が楽しめるパンも並んでいます。カフェも併設されており、夏場はかき氷も販売されます。
コロンとかわいらしいパンの形状は、女性の店長さんならではのこだわりなのだそう。少し丸っこく作られたパンが並んでいる様子は、見ているとほっこりした気分になれそう。
商店街
経堂駅前には、大小5つの商店街があります。代表的なものをご紹介します。
農大通り商店街
経堂駅の南側の商店街です。飲食店は、松屋や日高屋、ドトールコーヒーショップなど、チェーン店が多い印象です。コンビニや銀行のATMコーナー、病院に本屋さん、美容院など、日々の暮らしに必要なお店が軒を連ねていますよ。
クレープ屋さんやタピオカティーのお店、ベーカリーなども揃っており、少し甘いものが食べたいときにも嬉しいです。
すずらん通り商店街
経堂駅から北西にのびる商店街です。農大通り商店街とはうってかわってチェーン店がほとんどなく、個人経営のこだわりのお店が立ち並んでいますよ。すずらんを模した可愛らしい街灯が目を引きます。
おしゃれなパティスリーを通り過ぎると昔ながらの和菓子屋さんがあったり、フルーツパーラーの隣に隠れ家のようなカフェバーがあったり。ジャンルも歴史もバラバラの飲食店たちは、開拓し甲斐がありそうです。
大型ショッピング施設
経堂コルティ
経堂駅を出てすぐのところにある、4階建ての商業施設です。
スーパーマーケットの「Odakyu OX」や、「とんかつ新宿さぼてん」「ミスタードーナツ」などの飲食店、「無印良品 500」や「ロフト」などの生活雑貨のお店など、なんでも揃います。眼科や美容室、整体サロンにクリーニング店も入っていますよ。
人通りのわりに通路が広いので、農大通り商店街よりもゆったり買い物ができます。
ほとんどのショップは21時、レストラン街は22時、スーパーは23時まで営業しています。帰りが遅くなった日も、手軽に用事や買い物を済ませて帰路につけそうです。
公共施設
世田谷区役所 経堂出張所
経堂駅南口から東京都道423号渋谷経堂線に沿って、東に400mのところにあります。営業時間は平日8時30分~17時です。
経堂駅前郵便局、千歳郵便局
経堂駅前郵便局は、経堂駅の北側に出てすぐの、とても便利なところにあります。営業時間は平日9時~17時です。
駅の西500mほどのところには千歳郵便局があります。こちらは土日も対応しています。営業時間は平日7:00~19:00、土日は7:00~18:00です。
北沢警察署経堂駅前交番
経堂駅の南口、農大通り商店街の入口にあります。人通りが多いところに交番があるのは安心できますね。
消防署
東京消防庁 世田谷消防署 宮の坂出張所は、経堂駅南口から東京都道423号渋谷経堂線に沿って、東に350mのところにありますよ。
病院
南北の商店街の中や、経堂コルティの中、駅の西側には専門科が点在しています。急な体調不良のときも安心です。
児玉経堂病院
内科や外科、整形外科や心療内科など複数の診療科を抱えている総合病院です。駅からほど近く、北側に200mほどのところに位置しています。土曜日も午前中は外来診療の時間がありますよ。
おでかけスポット
世田谷八幡宮
900年以上前に、数々の戦で勝利を収めた武将・源義家によって建てられたと言われている神社です。主なご利益は必勝祈願・開運です。
最大の特徴は「土俵」があること。江戸時代には、世田谷八幡宮で奉納相撲が行われていました。これは江戸三相撲と呼ばれ、現在でも、9月の例祭の折に近隣の東京農大の相撲部員による奉納相撲が行われているようです。絵馬や御守にもお相撲さんの絵が描かれていますよ。
また、世田谷八幡宮は「花手水」でも有名です。美しい花で彩られた手水舎は、季節によって様々な表情を見せてくれます。近くに住んだら、季節が移ろうたびに立ち寄ってしまいそう。
東京農業大学「食と農」の博物館
大きな鶏のオブジェが目を引く、東京農業大学の博物館です。明治24(1891)年の大学創立以来、長い歴史の中で培ってきた食と農に関する膨大な研究や教育の実績が蓄積されています。
昔の農機具についての常設展や地域の土壌に焦点をあてた企画展、南極基地隊員の食事についての企画展など、年間を通して様々な展示や講演会、体験学習などが開催されています。
建築家・隈研吾が設計した建物も見ごたえがありますよ。隈研吾の建築らしい縦ルーバーに使用されている自然素材は、時と共に色合いが美しく変化するのだとか。
烏山川緑道
三宿(池尻大橋付近)から千歳台まで、東西に7kmほど続く緑道です。経堂駅からもほど近い宮坂一丁目付近には「万葉の小径」があり、万葉集に読まれた草花が植えられています。
歴史に想いを馳せたり、自然を近くに感じたりしながら、ゆったりとお散歩したいですね。
経堂駅周辺の治安
夜の様子も確認したいエリア
治安が気になるのは、夜に人が集まりやすい「居酒屋」があるエリアと、キャバクラ・ガールズバーなどのいわゆる「夜のお店」があるエリアですよね。
そうしたエリアの近くに住む場合はもちろん、その近くが帰宅経路になっている場合も、夜の雰囲気がどのようなものか確認しておくことをおすすめします。
許容範囲は人それぞれですから、自分で実際に見て「この雰囲気なら、明るいのでむしろ嬉しい」「こういう雰囲気はちょっと避けたい」と判断することが大切ですよ。
経堂駅周辺の居酒屋|農大通り商店街に多め
チェーン店をはじめとして多くの飲食店が立ち並ぶ農大通り商店街には、居酒屋も多いです。お酒が好きな人には嬉しいですね。
夜も明るく人通りがあるのはメリットですが、人によっては騒がしいと感じるかもしれません。
経堂駅周辺の”夜のお店”|農大通り商店街にちらほら
Googleマップで「キャバクラ」で検索すると、農大通り商店街にガールズバーが数軒ありました。
実際に引っ越しを検討した感想
落ち着いた暮らし、休日にはホットケーキ!宮坂3丁目の東側
経堂では、食料品や日用品のお買い物は駅前で完結するので、施設や環境で住みたい場所を選びやすい街だと感じました。
中でも魅力に感じたのは、すずらん通り商店街のほど近く、宮坂3丁目の東側です。
西福寺通りをはさんだ反対側にはお店がほとんどありません。閑静な住宅街なので、落ち着いた生活ができそうです。経堂コルティがほど近いのもいいですね。
休日には、近くの「ホットケーキ つるばみ舎」で優雅な朝を過ごしたいです。
とにかく便利&楽しく暮らしたい!農大通り商店街沿い
お買い物は駅前の経堂コルティでも完結するとはいえ、実際に商店街を歩いて途中でお店に立ち寄るのはまた違った楽しみが感じられますよね。
お手頃価格のチェーン店で気軽に外食したり、洋服や雑貨を見てまわったり、毎日通る道もワクワクできたら素敵だと思いませんか。
地元住民から愛される農大通り商店街の賑やかさをそばに感じながら、楽しく過ごせそうです。
経堂駅周辺に住むなら、まずは適切な家賃の目安を知ろう
経堂駅周辺への引っ越しを検討するなら、まずは「家賃の目安」を知ることが必要です。
手取りから、家賃の目安をシミュレーション
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