防災グッズを備えているけれど、防災ナイフをまだ持っていない方も多いのではないでしょうか。購入するべきか悩んでいる方にむけて私の経験をもとにお話します。
こんにちは。カーサミアライターのしのです。東日本大震災を宮城の自宅アパートで被災し、親戚宅へ在宅避難しました。その経験をもとに経験談をお伝えします。
最後までご覧いただき、災害時の備えの参考にしてくださいね。
【質問】防災ナイフは災害時に必要ですか?
防災グッズとして、コンパクトかつ多機能な防災ナイフって備えていたほうがよいのでしょうか?便利そうですが、実際のところ災害時に使いましたか?
【回答】在宅避難には使いません
私が経験した東日本大震災で在宅避難をしたときには、ナイフを使う場面は一度もありませんでした。
地震が起きた直後は、電気・ガス・水道がストップしたため調理は不可能でした。
すぐ食べられるものを食べるしかなかったのです。例えばカップラーメンやレトルト食品などです。そのため調理は、お湯を沸かして麺を茹でたり、レトルト食品を温めたりするくらいでした。
料理ができるようになったのは電気が復活した1週間後ぐらいだったと記憶しています。その際も包丁を使っていました。
他にも何かの封を開けるなど、紙やダンボールを切る時はカッターやハサミを使いました。
このように、防災ナイフを使う場面はほとんどありませんでした。
防災ナイフがなくても、普通に家にある包丁や、ハサミ、カッターがあれば大丈夫です。
もしアウトドアに便利そうと感じるなら、防災用ではなく「アウトドア用」のものを買うほうがよいと思います。
避難所に行くなら、防災ナイフは必要?
避難所に行く場合にも、防災ナイフの必要性は低いと考えます。
まず、多くの避難所で備蓄されている食事は、基本的に開くだけで食べられるものが多く、調理や丁寧な加工を必要としません。食材を切るためにナイフを使うことはないでしょう。
避難所では火気の使用が制限されていますから、個人で木の枝を切って火を起こすケースもないと思います。
さらに、紙や布を切るような場面ではハサミやカッターナイフで事足ります。
また、特に避難所のような共有スペースでは、ナイフの紛失・盗難などに注意して取り扱う必要があります。
このように、避難所に行く場合でも防災ナイフの必要性は低く、ハサミやカッターナイフで十分でしょう。
防災ナイフを備えるなら、注意することは?
私は防災ナイフは必要ないと考えていますが、念のために備えておきたい方もいるでしょう。
防災ナイフを備えておきたい方のために、気をつける点をお伝えします。
日常的に持ち歩くのはNG
防災ナイフといえども刃物です。刃物を日常的に持ち歩くことは、法律で禁じられています。
刃渡り6cmを超える刃物を持ち歩くことは、銃刀法違反。6cm未満でも、軽犯罪法に違反する可能性があります。
刃物を持ち歩いてよい「正当な理由」に、護身用は該当しないとされています。同様に0次防災(防災ポーチ)として刃物を持ち歩くこともNGと考えられます。
参考:刃物の話|警視庁
安全な使い方を確認
メーカーによって様々な機能がついているものもあります。ケガをしないように正しい持ち方であったり、刃物を人に向けないなど周りに気を配りましょう。
- Q防災ナイフは災害時の備えに必要ですか?
- A
災害時の備えには必要ないと考えます。
私が経験した東日本大震災のときは防災ナイフを使うシチュエーションがありませんでした。調理には包丁を使いましたし、ダンボールや紙を切る際はカッターやハサミを使ったので必要ありませんでした。アウトドアで活用したい方は、アウトドア用のものを買うと良いでしょう。