川や沼などが埋め立てられた地中に多くの水分を含んだ土地などは、地盤の強度が弱い土地とされています。そんな地盤の弱い土地で地震が発生した場合、被害が大きくなる傾向にあります。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「地盤の弱い土地での地震」に関して紹介します。自身が住んでいる地域の地震のリスクや、正しい避難行動を知っておきましょう。
質問:地盤の弱い土地では地震の際にどう行動する?
私は川に近い家に住んでいて、地盤が弱い地域に認定されています。地震の際、どう行動するのがよいのか(たとえば家の中にいた方がいいのか、すぐに外に出た方がいいのかなど)を教えてください。
地盤が弱い土地の場合、地震の際に特に不安がありますよね…。地盤の弱い土地では地震の際にどんな危険があるのか、そしてどう行動するべきかを伺ってみましょう!
回答:地盤の弱い土地で地震が起こった場合、取るべき行動は2つ
地盤の弱い土地で地震が起こった場合、取るべき行動を紹介します。
まずドアを開け、避難経路を確保する
一般的に、地震が起こった際にはドアや窓を開けて避難経路を確保することが大切です。
特に地盤の弱い土地では、地盤沈下によりドアや窓に歪みが生じるリスクが高いため、地震で閉じ込められないためにも注意しましょう。
必要に応じて避難を検討する
地盤の弱い土地で地震が起こり、以下のような現象や被害が見受けられる場合には自宅からの避難を検討しましょう。
- 地盤沈下により自宅や周辺の建物が傾いている場合
- 液状化現象が見受けられる場合
- 河川や海の近くで津波の危険がある場合
地盤の弱い土地で考えられる地震リスク
地盤が弱い土地では、地震の被害が大きくなるリスクがあります。いざというとき迷わず行動するためにも、地震が起こった場合の危険性を知っておきましょう。
地震の揺れが増大する
地盤が硬い場所は地震の揺れが増大しにくく、地盤が柔らかい場所は地震の揺れが増大しやすいとされています。
そのため、地盤が弱い土地に住んでいる場合、地震の揺れが増大することによって、家具が転倒しやすくなる・家屋が倒壊しやすくなるなど、地震の被害も大きくなるリスクがあります。実際に過去の地震でも、同じ地域でも地盤の硬さの違いにより被害の大きさに差が出ていることがわかっています。
地盤の硬さがなぜ地震の揺れと関係するのかは、硬いゼリーと柔らかいゼリーを同じ強さで揺らした場合を想像してみるとわかりやすいでしょう。
液状化現象が起こる
液状化現象とは、地震の揺れにより地盤が液体状になる現象のことです。特に、埋立地や海岸、沼や池がもともとあった土地、河川の沿岸などの、地盤が緩く地下水位が高い、砂が積もってできた砂地盤などで起こりやすいとされています。
液状化現象により、地面が沈下や陥没することで、建物が倒壊したり傾いたりする危険性があります。また、地中にある水道管やガス管が破裂したり、地中の砂や水が噴き出したりする場合もあります。
地盤沈下が起こる
地盤沈下とは、粘土層の間で形成された礫・砂層などのすきまで閉じ込められた地下水が上に上がることによって、粘土層の水が絞り出されて、地盤が沈む現象のことです。
地盤沈下すると、建物の傾斜やひび割れ、道路の凹凸、ガスや上下水道などの配管の破損が起こります。また、地盤沈下は液状化現象により引き起こされることもあります。
地盤の強さを調べる方法
自身が住んでいる地域の地盤の強さを調べたい場合には、「地盤サポートマップ」や「J-SHIS Map」を利用するといいでしょう。
地盤サポートマップは、住所を入力することでその地域の地盤の強さを地図上で確認できます。地盤の強さは、「強い、やや強い、ふつう、弱い」の4段階で色分けされており、視覚的にとてもわかりやすいです。また、地震時の揺れやすさや液状化の可能性も把握でき、避難場所なども表示できるためハザードマップとしても活用できるでしょう。
また、J-SHIS Mapでは地図上で地震に対する地盤の弱さを表した表層地盤増幅率や、地震動予測などを確認可能です。
地盤が弱い地域で地震が発生した場合、被害が大きくなるなどさまざまなリスクが予想されます。そのため、地盤が弱い地域に加え耐震に不安がある家に住んでいる場合には、被害を受けるリスクを回避するためにも引っ越しを検討したほうがいいかもしれませんね。