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防災士「引っ越しのときはコレを見て」災害リスクの調べ方とは?

防災
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こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関するQ&Aに回答していきます!

今回は「引っ越し先の災害リスクの調べ方」に関してです。

引っ越しを考えるとき、みなさんは何を基準に物件を選びますか?家賃・間取り・立地など物件選びの際に注目したい基準はたくさんありますね。

引っ越し先を選ぶ際の基準の中でも重要視してほしいのが、「引っ越し先の災害リスク」に関してです。日本は災害の多い国であるため、できるだけ災害リスクの少ない安全な場所に住みたいですよね。

引っ越しの際に災害リスクの少ない安全な場所を選択できるように、今回は「引っ越し先の災害リスク」の調べ方をしっかり学んでほしいです。

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質問:引っ越し先の災害リスクの調べ方は?

仕事の関係で、知り合いもいない土地で一人暮らしをすることになりました。その土地で今までどんな自然災害があって、これからどんな危険があるかもわかりません。どう調べて、どう備えればよいでしょうか?

かさみやちゃん
かさみやちゃん

新しい土地に引っ越す際には、いろいろな不安がつきもの。その中でも、その土地の災害リスクはどうなのかを確認するのは重要なことですよね。

では、どのように引っ越し先の災害リスクを調べればいいのか教えてもらいましょう。

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回答:災害リスクはハザードマップで確認しよう

引っ越しのときは…
(1) 災害リスクを自治体の「ハザードマップ」で確認
(2) 過去の自然災害を「災害年表マップ」で調べる

※「新耐震基準」に適合している物件を選ぶことも大切

引っ越し先の災害リスクを調べるならハザードマップを活用しよう|イメージ画像:イラストAC

引っ越し先を探す基準の一つとして、「その土地は災害リスクが高いか低いか」をチェックすることは大切です。

災害というと、ここ数年で大きな被害が多発している「台風・豪雨・洪水」などの水害や、「地震」を思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、これらの災害以外にも津波・土砂災害・大雪・火山・落雷などさまざまな災害の種類があり、その被害は災害種別ごとに異なります。

どの災害においても、リスクの少ない場所を選ぶのが本来ベストです。しかし、すべての災害リスクが低い場所を探すことはハードルが高く、日本は地震大国であるため人口の多い都市の平野部はどこもハイリスク。

そのため、基本的には近年多発している「水害」をメインに、災害リスクの低い場所を検討するといいでしょう。

引っ越し先の災害リスクを調べたい場合は、「ハザードマップ」を活用するのがおすすめです。ハザードマップでは、災害種別ごとの被害がわかります。

ハザードマップの確認・入手方法

引っ越し先が決まっていない場合

引っ越し先が具体的に決まっていない場合は、国土交通省が提供する「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」がおすすめです。水害をはじめ土砂災害・火山・地震など、全国のハザードマップを一カ所で確認できます。

※「重ねるハザードマップ」は2021年2月現在、国の管理ではない河川(都府県や市区町村で管理している小さな河川)の浸水・洪水情報など、一部の情報が順次追加されている状態です。まだ掲載されていない情報もありますので、ご注意ください。

引っ越し先が決まっている場合

引っ越し先のエリアがある程度決まっている場合は、各自治体のHPを確認しましょう。「重ねるハザードマップ」と比べて、各自治体のHPに掲載されているハザードマップのほうが地域ごとに細かく記載されている場合があるため、引っ越し先が絞られているのであれば、自治体のものを確認するのがおすすめ。

「わがまちハザードマップ」から自治体のHPに飛ぶか、「自治体名 災害名 ハザードマップ」と検索しましょう。

また、各自治体の市区町村役場で配布されている紙媒体のハザードマップを入手することも可能です。非常持ち出し袋の中に紙媒体のハザードマップを入れておけばいつでも確認できますよ。過去の災害時には、インターネットが使えなくなったことや、みんなが自治体HPにアクセスしてサーバーダウンしてしまったこともありました。引っ越しが決まったら、ぜひ紙のものを入手しておくことをおすすめします。

ハザードマップでは災害リスクだけではなく避難所の記載もされています。災害リスクをさらに下げるために、引っ越し先の周辺には避難所が設けられているか、その避難所までは災害時に安全に移動できるのかなども確認しておくことも重要ですね。

ハザードマップとは何かや、調べ方を具体的に知りたい方は以下の記事も合わせてご確認ください!

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過去の災害を調べるなら「災害年表マップ」

引っ越し先の過去の災害を調べたい場合は、「災害年表マップ」で確認するのがおすすめです。災害年表マップでは、全国の過去の自然災害事例を発生年ごとに確認できます。

全国の過去の自然災害事例を発生年ごとに確認できるマップ|出典:災害年表マップ(スクリーンショット)

左上のタイムスライダーで、調べたい西暦を選択します。そうすると、地図上にその西暦に発生した自然災害が、災害種別ごとにアイコンで表示されます。

また、右側の災害事例年表で選択した西暦の自然災害を一覧で確認できます。表にある該当の災害または地図上のアイコンをクリックし、個別に災害の詳細をチェックすることも可能です。

災害の情報は、都道府県別や災害種別ごとにも確認できます。

地震に備えて「新耐震基準」の物件を

地震リスクについては、カーサミアは防災科学技術研究所の「地震ハザードステーション J-SHIS MAP」で確認することをおすすめしています。比較的揺れにくい場所を調べるなら「表層地盤増幅率」を確認するとよいでしょう。表層地盤増幅率の大きい場所では揺れが大きくなりやすいです。

しかし、冒頭でも述べたように、都市の平野部はどこもハイリスクです。比較的揺れにくい場所であっても、震度5強以上の地震はほぼ必ず来ると考えられています。

ですので、引っ越し先を選ぶ際に大切なのが、「引っ越し先の物件は新耐震基準に適合しているか」ということです。

新耐震基準に適合している場合、震度5強程度の地震では建物に損傷が出ないと評価されています。地震リスクの低い場所に引っ越すことは難しいので、リスクの低い物件を探すことが重要ですよ。

そのほか、地震リスクを下げるための引っ越し先の探し方を知りたい方は、「あなたのお部屋は地震が来ても大丈夫? チェックしておくべき耐震構造」を参考にしてください。

引っ越し先の災害リスクを調べる際には「ハザードマップ」を確認し、過去の自然災害を調べる際には「災害年表マップ」を活用するのがおすすめです。

また、物件選びの際は、新耐震基準に適合した物件を選んでください。

新しい土地でも、しっかり災害に備えて、安心して暮らしてくださいね。

かさみやちゃん
かさみやちゃん

インターネットでいろんなことを調べられるんですよ!
そしてスマホが使えなくなる災害時に備えて、紙のハザードマップを入手しておくことも大切なんですね。

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