物件を選ぶ際は、マンション・アパートが本当に安全かどうか気になりますよね。この記事では、火事に強いマンション・アパートについて解説します。
こんにちは、カーサミアライターのささです。今回は、一級建築士として日頃から、マンションを設計している私が、火事に強いマンション・アパートの見分け方を解説します。
私が実際に物件を選んだ際に気を付けたポイントについても紹介しているので、ぜひ、最後まで読んでくださいね。
マンションの火事に対する構造を確認
建物は、地域・階数・平米数によって「火事に対する構造」が決定します。一般的に、階数が高くなるほど、避難に時間がかかるため火事に対して強い構造になっています。
火事に対する構造としては、耐火建築物、準耐火建築物、それ以外があります。
耐火構造
耐火構造とは、火災が発生した際に延焼を防止し、構造躯体が火災に耐えられるように作られた建築物を指します。
物件によっては、入居募集時の要項に記載があるため事前に耐火構造かを確認することができます。
耐火構造かどうかは、防火・準防火地域が分かれば建物の階数からも判断が可能です。
防火地域なら3階以上は耐火建築物、準防火地域なら4階以上なら耐火建築物となります。
防火地域・準防火地域は市区町村のHPで確認ができます。分からない場合は、不動産屋に確認しましょう。
準耐火構造
準耐火建築物は、火災発生時に人が避難するまでの時間(30分〜60分間)を、建物が持ちこたえることができる構造です。
火事の延焼を抑制することが目的の構造で、耐火建築物よりも火事に対する性能は弱くなっています。
性能を確保するために必要な構造を、耐火構造より低価格で建築できるため、地域や建物の階数から耐火建築物の必要がない場合は、準耐火建築物で建築されることがほとんどです。
マンションの周辺環境を確認
マンションの火災に対する性能以外にも、周辺環境によって火事への強さは変わります。
周辺環境は、内見時の要チェックポイントのひとつで、私は内見時にマンションのある敷地一区画を歩いて確認しています。
マンションと隣地の建物の距離が近くないか
火事は、上階部分で風にあおられて建物から建物へと燃え移る性質があるため、建物同士が密接していない方が、火災時のリスクが少ないです。
隣地の建物との距離が離れていたり、駐車場だったりするとより安心感があります。
やむなく隣地と接している場合は、窓やバルコニーなどの開口部がある場合より、壁面が接している方が火災時に炎の影響を受けにくくなります。
マンション前の道路が狭くないか
マンション前の道路が狭いと、消防車が到着するのに時間がかかり、消火活動の妨げになります。
併せて、大通りからマンションまでの道が入り組んでいないか、も確認したいポイントです。
私がマンションを選ぶときに気をつけたこと
実際に、私が現在入居しているマンションを選ぶ際に火事への対策として、どんなことを意識していたかを解説します。
耐火建築物のマンションを選んだ
物件サイトで探す時から、耐火構造を意識して4階以上の階数があるマンションを検索条件としていました。
入居前の内見時は、部屋が屋外避難階段に近いかについても確認しました。
大通りに面しているマンションを選んだ
火災時に消防車がスムーズに到着し、消火活動が行えることを意識して大通りに面しているマンションを選びました。
人の通りが多い大通り沿いのマンションを選んだため、火災発生時に外部からも気づいてもらいやすいというのもポイントでした。
- Q火事に強いマンション・アパートはどうやって見つければいい?
- A
火事に強いマンション・アパートの確認ポイントは、建物の耐火性能と周辺環境を確認することです。耐火性能は、耐火建築物・準耐火構造かどうかを確認しましょう。建物周辺の環境は、隣地との建物の距離が近くないか、建物前の道路は消防車が通れるか、消火活動がしやすいかどうかを確認しましょう。