今回は、ちょっとしたコツで安い牛肉を柔らかくおいしく、そしてさらにかさ増しして楽しめちゃうレシピをご紹介します♪
普段節約を頑張っている人にとって、牛肉は贅沢なイメージがあるのではないでしょうか。牛肉の中でもブロックや切れ端を集めたコマ切れ肉ならグラムで見てもコスパがいいので、節約をしていても取り入れやすいでしょう。
でも、安いお肉は硬そう。そんな心配もあることかと思います。ご紹介する裏技で、安い牛肉でも柔らかくすることができれば、節約しながらおいしい料理も楽しめますよ!
今回は、食物検定1級所持、学生時代は専門で学んだカーサミアライターの山本が安くて硬い牛肉でも柔らかく食べられる裏技を伝授します!
ぜひ最後まで読んでくださいね。
安い牛肉を柔らかくする方法
まずは結論から。
- Q牛肉を柔らかくする食品は?
- A
お肉を柔らかくするタンパク質分解酵素が含まれる食品には、玉ネギ、味噌、マイタケ、塩こうじ、リンゴ、南国系フルーツ(パパイヤやパイナップルなど)、はちみつ、ヨーグルト、牛乳、などがあります。
中でも玉ねぎとの組み合わせは、コスパもよく、かさ増しになるのでオススメです。
これらの食品がなぜ牛肉を柔らかくするのかを知るために、まずは牛肉について知ることからはじめましょう。
牛肉はタンパク質でできている
ご存じの方も多いかと思いますが、牛肉はタンパク質でできています。
牛肉のタンパク質には体の中で合成できない成分である「必須アミノ酸」が含まれています。必須アミノ酸は食物から摂取するしか方法がないので、牛肉は栄養面でも取り入れたい食材です。
さらに牛肉の赤身には、血中の酸素を運ぶヘモグロビンに関わるヘム鉄が含まれます。タンパク質自体もヘモグロビンの材料にもなるので、貧血気味の人には特におすすめでしょう。
脂身よりも赤身にヘム鉄は多く含まれるので、牛肉を選ぶ際に割合をチェックして選んでくださいね。
出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)たんぱく質の必須アミノ酸について
出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)貧血予防について
牛肉を柔らかくするには酵素が重要
牛肉を構成している主成分、タンパク質は熱を加えると硬くなる性質があります。生肉と比べると焼いたお肉は硬いですよね?
ですがこのタンパク質は、タンパク質分解酵素と組み合わせると柔らかくなることがわかっています。下準備としてタンパク質分解酵素を含む食品に漬け込むことで、筋張っている硬いお肉のタンパク質が分解され、柔らかくなるんです。
ここからは、どんな食品で下ごしらえするのがおすすめなのかを紹介します。
牛肉を柔らかくする酵素が含まれる食品
玉ねぎ
玉ねぎにはタンパク質分解酵素が豊富に含まれています。よくレシピサイトですりおろした玉ねぎでお肉を漬け込む作業を見かけますよね。それは理にかなったことなんです。
牛コマ切れ肉の場合は、漬け込まずに一緒に炒めるだけでも柔らかくなります。
ブロック肉の場合、すりおろした玉ねぎをお肉にすりこんだら1~2時間置くと柔らかくなります。その後の調理には玉ねぎごと一緒に焼いて、最後に玉ねぎソースなどにアレンジするとおいしくいただけます♪
味噌
発酵食品である味噌にもタンパク質分解酵素が含まれています。お肉を味噌漬けにすると柔らかくなるだけでなく、水分が保持されるのでしっとりとした食感に。
さらに塩分も入っているので、しっかり下味もついて調理がしやすくなります。ただ焼くだけの簡単料理を格上げしてくれますよ。
マイタケ
全体にまぶしやすいように、細かく刻んでラップでしっかりと密着。
そのまま牛肉と一緒に焼くと、旨味のあるキノコソースにアレンジできます。
南国系フルーツ
パパイヤやパイナップルなどの南国系フルーツにもタンパク質分解酵素が豊富に含まれています。これらの汁はもちろん、果肉を使うのもOK。お肉に揉みこんで漬け込みましょう。
ほんのり甘味が加わるので甘辛ソースにアレンジできます。さわやかでフルーティーな仕上がりになりますよ。
リンゴ、はちみつ…まだまだあります
他にもたくさんお肉を柔らかくしてくれる食品があります。下処理後のアレンジによって使う食材を選びましょう。
- リンゴ…すりおろして漬け込む。パイナップル同様、そのまま甘辛味のソースにアレンジできます。
- 塩こうじ…お肉にしっかりと揉みこんで置くだけ。そのまま調理できて旨味もプラス。
- はちみつ…お肉の表面に薄く塗り込み、そのまま時間を置きます。甘めのタレにアレンジ可能。
- ヨーグルト…お肉によく揉みこんで置きます。臭みとりにもなりますが、調理前に拭き取って使用しましょう。
- 牛乳…お肉を浸けて置きます。こちらも臭みとりに。調理前に拭き取って使用しましょう。
出典:農林水産省たんぱく質分解酵素について
安い薄切り牛肉・コマ切れ牛肉は、玉ねぎで柔らかく&かさ増しがベスト
コスパの安いコマ切れ肉は、同じくコスパのいい玉ねぎとの組み合わせがおすすめ。
コマ切れ肉はブロック肉のように漬け込む必要はありません。ですが、玉ねぎと一緒に調理することで少しでも柔らかく、そしてかさ増しが叶います。
牛肉と玉ねぎのオイスター炒め
スライス玉ねぎとコマ切れ牛肉を炒めるだけの簡単調理です。
下準備の段階で、コマ切れ牛肉に塩こしょうをした後、薄く小麦粉をまぶしておくのがポイントです。そうすることで、ボリュームがアップするだけでなく調味液が絡みやすくなります。
熱したフライパンに食べやすくカットした玉ねぎと牛肉を入れて炒めたら、オイスターソース小さじ1、砂糖小さじ1、酒大さじ1、醤油大さじ1/2、生姜やニンニクを適量入れます。
全体に絡んだらOK。味を見ながら物足りなければ塩こしょうなども追加しましょう。さらにかさ増し目的で、もやしなどの手頃な野菜を追加してもおいしいですよ。
牛丼
ご飯にのせるだけの簡単レシピは、覚えておくと忙しいときに助かります。
こちらは特に下準備なしで大丈夫です。熱した鍋に油を入れ、スライス玉ねぎとコマ切れ牛肉を炒めます。そこに牛丼の調味液を入れて火を通したら完成です。
調味液・・・水100ml・醤油大さじ1・酒大さじ1・砂糖大さじ1・みりん大さじ1
簡単なのにボリューミーなご飯になります。味付けをもっと簡単にしたい人は、調味液を作るときに水と焼き肉のタレで作ってもおいしいですよ。
安い牛ステーキ肉の極旨レシピ
続いて、安いステーキ用の牛肉を柔らかく食べる方法をご紹介します。安いステーキ用の牛肉は、下準備で柔らかさに違いがでます。
- まず、牛肉の筋切りをします。包丁、またはハサミで筋の部分を切りましょう。
- 上記で紹介した酵素が含まれる食品に1時間ほど漬け込みます(漬け込む間は食中毒予防のため冷蔵庫にいれておきましょう)
- お肉を焼く前に両面に塩こしょうを軽くします
- 熱したフライパンに油を入れ、まずは強火にしておきます
- お肉にさっと両面焼き色をつけましょう
- 両面焼けたら弱火にし、ホイルを被せて約1分蒸し焼きに。(このとき中まで火を通しましょう)
- 中まで火が通ったら、火を止めたフライパンの上でホイルに包んで5分、休ませます。
コツ
- 弱火&低温で中まで火を通すことで、厚みがあっても柔らかくなります!
- 火を止めた後にすぐカットすると肉汁が逃げるので、火を止めたフライパンの上でホイルに包んで5分放置します
余った牛肉は冷凍保存できる?
安いときに購入したけど、ブロック肉は一人暮らしには量が多いですよね。ずっと食べ続けるのも飽きてしまいます。そんなときは、新鮮なうちに冷凍しておくといいですよ。
冷凍をするときに予め小分けにしておけば、食べる分だけ解凍できるので便利です。
そのまま冷凍保存する場合
牛肉の水分を拭き取ってから一回分をとり分け、平らになるように整えてラップで包みます。このときしっかりと密着させて空気を抜いておきましょう。
下味付きで柔らかくしながら冷凍保存
タンパク質分解酵素を含む食品を使って下味をつけながら冷凍保存もおすすめです。
下味の水分を牛肉がまとうので、空気に触れにくくなるため冷凍焼けしにくいのもメリットのひとつ。
じっくりと味が馴染むだけでなく、タンパク質が分解されて柔らかくなるので、解凍後においしく調理できるでしょう。味付き肉ができるので料理も時短になりますよ。
冷凍保存できる期間
冷凍保存できる期間は牛肉の大きさによります。一般的に厚みが薄いほど早めに消費が推奨されています。
- コマ切れ牛肉・挽肉…約2~3週間
- 厚切り肉…約3週間
- ブロック肉…約1ヶ月
安い牛肉でも、下準備や合わせる食材次第で、節約しながら柔らかくおいしく食べられます。冷凍保存もできるので、お得な日に買っておくのもおすすめです。
タンパク質やヘム鉄が含まれる牛肉は、栄養の面からみてもとっておきたい食材です。毎日は無理でも、工夫して取り入れていきましょう。