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一人暮らしでも効果あるの?~寄附金控除/ふるさと納税を活用して住民税の節税額を検証

お金・節約
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一人暮らしの女性の中には、生活費がかさみ、「もっと節約できたらな」と思っている人も多いと思います。

生活費を抑えるなどの節約以外に、支払う税金を減らす「節税」ができれば心強いですよね。

特に会社員の場合、税金は会社で源泉徴収されているため、節税を意識することが少ないかもしれません。

そんな会社員として働く一人暮らしの女性でもできる、節税効果が高い「寄附金控除」があることをご存じでしょうか?

中でも、特に「ふるさと納税」は節税効果が高く、自己負担金2,000円で地方の美味しい食材などをお礼として受け取ることもできます。

「何となく難しそう」と敬遠している人もいるかもしれませんが、やり方を覚えれば決して難しくなく、活用しなければもったいないほどお得な制度です。

今回は、一人暮らしの女性におすすめの節税方法である寄附金控除、特にふるさと納税について、節税できる金額や活用方法などを詳しくご紹介していきます。

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寄附金控除って何?

寄付をして節税もできる寄附金控除 | イメージ画像:写真AC

寄附金控除とは、国や地方公共団体などに対して「特定寄附金」という定められた寄付金を支出した場合に、所得控除を受けられるものです。

寄付をすると、その年に寄付した合計金額(またはその年の総所得金額等の40%相当額のどちらか低い方)のうち、2,000円を超えた分の金額が所得税および個人住民税が減額される「寄附金控除」として取り扱われます。寄付のあとに、戻ってくるようなイメージですね。

この寄附金控除は、会社員でもできる節税です。その中でも、これから説明する「ふるさと納税」は、一人暮らし女性でも活用しやすい寄付金控除なので、ぜひ活用していきましょう。

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ふるさと納税って何?

寄付した自治体から魅力的なお礼の品をもらえる | イメージ画像:写真AC

ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付することで、税金の一定額が還付・控除され、寄付先の自治体からお礼の品をもらうことなどができる制度です。

多くの人は地元の「ふるさと」で生まれた後、都会で進学や就職をし、そこで納税を行っています。

都会の自治体が税収を得る一方で、「ふるさと」の自治体には税収が入りません。

納税のイメージ | 出典:総務省

そこで、自分を育ててくれた「ふるさと」に、いくらかでも納税できる仕組みを作ろう、というのがふるさと納税のはじまりです。地元だけでなく、応援したい自治体にもふるさと納税ができます。

続いて、ふるさと納税の特徴を紹介します。

特徴① 税金の一定額が還付・控除される

後ほど詳しく解説しますが、ふるさと納税では寄付上限額内で寄付を行い必要な手続きを行うことで、合計の寄付額から2,000円を引いた額について、所得税の還付と住民税の控除を受けることができます。

例えば、寄付上限額が3万円の場合、2,000円を差し引いた28,000円分が控除されるということになります。

特徴② 魅力的なお礼の品をもらえる

多くの自治体では「お礼の品」として、地域の名産品などを寄付してくれた人に送っています。

お礼の品は、カニやホタテなどの海の幸、和牛やベーコンなどのお肉、季節のフルーツ、お米などバラエティに富んでいます。

寄付した人がお礼の品をもらえて嬉しいのはもちろん、自治体側も地域の名産品などを全国の人に知ってもらうきっかけになります。

筆者も毎年、ふるさと納税を利用して季節のフルーツや、ご当地のお肉やお魚を頂いています。

特徴③ 応援したい自治体に寄付できる

自分の地元や、個人的に応援したい地方自治体がある場合、ふるさと納税を通じた寄付によって応援することもできます。

支払う寄付金を自治体にどのように使用してもらいたいか、寄付金の「使い道」も選ぶことができます。その使い道は、子育て支援自然保護医療・福祉震災復興など、各自治体によって様々です。

筆者は毎年、北海道の夕張市に寄付を行い、美味しいメロンを頂いています。

夕張市は、かつて炭鉱で栄えましたが、深刻な財政難が直近では問題となっていました。北海道知事として現在活躍されている鈴木直道さんが、2011年に全国最年少の30歳という若さで市長に就任され、自らの給与を大幅カットしながら財政の立て直しに尽力されました。

筆者と同年代である鈴木さんの頑張りに感銘を受けたことや、実際に夕張市を訪れて財政難の様子に衝撃を受けたことがきっかけで、夕張市へのふるさと納税を5年以上続けています。

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ふるさと納税ってどうやるの?

一度覚えれば、ふるさと納税の手続きは難しくない | イメージ画像:写真AC

ふるさと納税制度ができた2008年当時、筆者は一人暮らしで会社員として働いていました。

ふるさと納税について「やってみたいな」と気になりつつ、「何だか難しそう」「忙しいから今度調べよう」と後回しにしているうちに何年も過ぎてしまいました。

ようやくふるさと納税を始めてから、その節税効果の高さや、お礼の品々の魅力を実感し、もっと早くから始めていればよかったと後悔した経験があります。

ふるさと納税に必要な手続きを、3ステップに分けて解説していきます。

STEP1:寄附上限額を確認しよう
STEP2:自治体に寄付を申し込もう
STEP3:税金控除のための申請を忘れずに

STEP1 寄附上限額を確認しよう

ふるさと納税を始めるにあたり、まず必要なことは「寄附上限額」を確認することです。

ふるさと納税によって税金が控除される金額には、上限があります。

例えば3万円が寄附上限額の場合、自己負担額の2,000円を引いた28,000円が所得税や住民税から控除できますが、上限額を超えて寄付してしまった分は控除できず「自腹」になってしまいます。

このため、寄附上限額をあらかじめ確認し、上限額内で寄付を行うことが大切なのです。
※寄附上限額は収入など個人により異なります。

◆寄附上限額の目安(独身の人が自己負担2,000円に収まる金額)

給与収入寄附上限額の目安
300万円28,000円
350万円34,000円
400万円42,000円
450万円52,000円
500万円61,000円
550万円69,000円
600万円77,000円
650万円97,000円
700万円108,000円

総務省のホームページから、寄附上限額のシミュレーションができるエクセルファイルをダウンロードできるので、必要に応じて活用するのもおすすめです。

参考:総務省|ふるさと納税ポータルサイト

ただし、あくまで目安となるため、正確に知りたい場合はお住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

また、医療費や住宅ローン控除を受けている人は注意が必要なので、最後に詳しく解説します。

STEP2 自治体に寄付を申し込もう

寄付できる金額が分かったら、いよいよ寄付を行いたい自治体を選んで申し込みましょう。

寄付を行うには、各自治体に直接申し込みをするか、「ふるさとチョイス」などの各種ポータルサイトを活用する方法があります。

寄付できる金額は数千円から数万円と、お礼の品によって異なりますので、上限金額におさまるように工夫して選んでみましょう。

なお、自分が住んでいる(住民票登録がある)自治体にふるさと納税をすることもできますが、自治体によってはお礼の品を受け取れない場合もありますので、各自治体に確認するようにしましょう。

寄付を申請すると、後日お礼の品と寄付金受領証明書という書類が届きます。

1月1日から12月31日の1年間にふるさと納税を行った分が、当年度の所得税の還付翌年度の住民税の控除の対象となります。

STEP3 税金控除のための申請を忘れずに

ふるさと納税の寄付を行っても、そのままでは税金の控除は行われません。

自治体に直接申し込む場合でも、ポータルサイトを利用する場合でも、税金の控除を受けるためには「確定申告」か「ワンストップ特例制度」の申請が必要になります。

会社員の一人暮らし女性におすすめなのは、「ワンストップ特例制度」です。

ワンストップ特例制度のイメージ  | 出典:総務省

ワンストップ特例制度とは、以下の申請条件を満たしていれば、面倒な確定申告をしなくても税金の控除が受けることができる制度です。

ワンストップ特例制度の申請条件
・1年間の寄付先が5自治体以内である
・会社員など確定申告の必要がない給与所得者である
・申し込みのたびに自治体へ申請書を郵送している

もともと確定申告が必要なフリーランスや自営業の人は利用できないので、ワンストップ特例制度は会社員の特権といえます。

なお、ワンストップ特例制度の適用を受ける人は、 所得税からの還付はなく、 寄付した翌年の6月以降に支払う住民税から自動的に全額控除されます。

利用するには、 「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」という書類に必要事項を記入し、寄付した自治体に郵送する必要があります。

書類は、寄付申請時に希望すれば自治体から郵送してもらうこともできますが、総務省のホームページからダウンロードすることもできます。

参考:総務省|地方税分野の主な申告手続等における様式【税目別】

寄付した自治体から申請書が届いたら必要事項を記入し、提出期限(寄付翌年の1月10日必着)までに寄付をした自治体へ郵送します。 ※申請書には押印が必要なので、郵送でないと受理されません。

その際、マイナンバー及び本人確認のできる書類の写しを同封する必要があります。

・マイナンバーカードを持っている場合
表面と裏面のコピーを同封すればOK
・マイナンバーカードを持っていない場合
マイナンバーの確認書類として、通知カードのコピーか個人番号の記載された住民票のコピー、また本人確認書類としてパスポートや運転免許証のコピーなどが必要

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ふるさと納税の控除はどう反映される?

ふるさと納税を無事に申請できたら、実際に所得税と住民税にどう控除されて、受け取っている給与にどう反映されるのか気になりますよね。

ふるさと納税の控除イメージ  | 出典:総務省
ふるさと納税の控除イメージ  | 出典:総務省

確定申告の場合

確定申告をする場合は、ふるさと納税を行った年分の所得税と、翌年度分の住民税が控除されます。

所得税は還付金として自分の口座に振り込まれるので、そこで金額を確認することができます。

ワンストップ特例制度の場合

一方、ワンストップ特例制度を利用した場合は、所得税からの還付はなく、寄付した翌年の6月以降に支払う住民税から自動的に全額控除されます。

ふるさと納税で控除された金額の分、支払う税金は減るので、給料の手取りは増えるということになります。

控除の確認方法

ちなみに、本当に控除されているのかは、毎年6月頃に勤務先または自治体から配布される「住民税決定通知書」という書類上で確認することができます。

市町村民税と都道府県民税それぞれの「税額控除額(下図の赤枠内参考)」の金額に、住民税からの控除額が含まれています。

「地方税分野の主な申告手続き等における様式【税目別】」給与所得等に係る特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用) | 出典:総務省

税額控除額の欄には、ふるさと納税以外にも、全ての人に適用される「調整控除」2,500円が含まれているほか、住宅ローン控除などを受けている場合にはその控除額も含まれるので、寄付した金額がそのまま記載されているわけではありません。

住宅ローン控除などを受けていない場合は、税額控除額から調整控除分の2,500円を差し引いた金額がふるさと納税分の控除額として計算できます。しかし、住宅ローン控除などを受けている場合は計算が複雑になるため、ふるさと納税分が控除に反映されているか確認したいという際には、お住まいの自治体に確認するのが確実です。

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他の控除との併用に注意しよう

他の控除との併用に注意しよう | イメージ画像:写真AC

ふるさと納税を利用する際に注意したいのが、他の控除との併用についてです。

特に気を付けたいのが、一人暮らし女性が利用するケースのある「医療費控除」と「住宅ローン控除」です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

医療費控除との併用における注意点

ふるさと納税と医療費控除またはメディケーション税制の併用は可能ですが、いくつか注意点があるため、事前に注意が必要です。

医療費控除は確定申告が必須となるため、併用する場合はワンストップ特例制度が利用できない

先述のとおり、確定申告を行った場合のふるさと納税の控除対象は、所得税と住民税となる。医療費控除の対象も同様となるため、控除がフルに適用されない場合がある

医療費控除の申告を行った場合、ふるさと納税の寄附上限額の計算に用いられる住民税所得割額が減少し、ふるさと納税の寄附上限額が減ってしまう(目安として医療費控除額の約2%分の金額を、ふるさと納税の寄附上限額から差し引く必要が出てくる)。

自己負担額を余分に払って損をしたということのないように、医療費控除またはセルフメディケーション税制を併用する場合は、ふるさと納税の寄附上限額をあらかじめ細かく試算しておくことをおすすめします。

住宅ローン控除との併用における注意点

医療費控除の併用時とは異なり、住宅ローン控除を併用する場合は、ふるさと納税の寄附上限額の計算に用いられる住民税所得割に、住宅ローン控除適用前の金額が適用されるため、ふるさと納税の寄附上限額に影響が出ることはありません

しかし、申請方法によって様々な注意点があるため、解説していきます。

確定申告の場合

住宅ローン控除は、基本的に所得税から控除され、所得税で控除しきれなかった場合のみ、住民税から控除されます。ふるさと納税も、確定申告時には住宅ローン控除と同様の流れで控除されることになります。

そのため、以下のようなデメリットが生じる場合があります。

所得税から、先にふるさと納税次に住宅ローン控除の順番で控除されることになる。
               
その際、所得税で控除しきれなかった住宅ローン控除は住民税から控除されるが、その控除限度額は課税総所得金額の7%で、最大13万6,500円までと上限額が決められているため、オーバーしてしまった分は切り捨てとなる。

せっかくの住宅ローン控除の恩恵を最大限享受することができないという事態を避けるためにも、ふるさと納税と住宅ローンを併用して確定申告を行う場合は、あらかじめ注意が必要です。

ワンストップ特例制度の場合

一方、ワンストップ特例制度を利用する場合は、ふるさと納税の控除は全額住民税で控除されるため、住宅ローン控除に与える影響が小さくなります。

しかし、こちらも利用にあたって注意が必要です。

住宅ローン控除の1年目は年末調整ができず、確定申告を行う必要がある。そのため、この場合はワンストップ特例制度を利用することができない。

さらに医療費控除も併用するなど、確定申告が必須となる要件に当てはまる場合は、ワンストップ特例制度を利用できない。

住宅ローン控除を併用する際には、ワンストップ特例制度を利用する方がお得に見えますが、ご自身が上記のような対象に当てはまらないか、事前に確認するようにしましょう。

今回は、一人暮らしの女性におすすめな節税方法として、ふるさと納税についてご紹介しました。

寄附金控除は、寄付をすることでその金額を所得税や住民税から控除することができる、会社員に特におすすめの節税方法です。

寄附金控除の中でも、特にふるさと納税は節税効果が高く、さらに全国の自治体を応援することができて、地域の魅力的なお礼の品をもらえる楽しみもあります。

ふるさと納税を行うには手続きが必要ですが、一度やり方を覚えれば決して難しくありません。

ぜひ魅力がいっぱいのふるさと納税で、節税にチャレンジしてみてくださいね!

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