私の場合、家はわりと「寝に帰るだけ」で、仕事や遊びで外にいることの方が多いのですが、外出先で大地震が来たらどうしたらいいでしょう?
心配するのは防災の第一歩。
シーン別の行動シュミレーションを教えてもらいました!
皆さんもご存知の通り、地震はいつ来るか分かりません。仕事中や、遊びに出掛けている外出時に、地震に遭遇することもあるでしょう。
自宅に防災袋(非常持ち出し袋)の備えを行い、自宅周辺の避難所の確認など事前準備をしっかり行っている人でも「外出時の備えはどうしたらいいのだろう?」と不安に思っていませんか?
みなさんこんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
「地震への対策=自宅での対策」として語られがちですが、会社など日中は外出していることが多い一人暮らし女性は、自宅だけでなく外出時に地震に遭遇することも考え、備えておきたいですよね。
この記事では、「外出先で大地震に遭遇したら?」というシチュエーションを想定し、身を守るための行動やどう避難すればいいのか行動シュミレーションを紹介していきます。
外出先で地震に遭ったら?地震発生時〜発生直後にかけての行動
「防災への対策=自宅での対策」と考えがちですが、会社など日中は外出していることが多い一人暮らし女性は、自宅だけでなく外出時に地震に遭遇することも考え、外出時の備えや行動も知っておくことが重要ですよ。
外出先のシーン別に身を守る方法や行動を3つのポイントで紹介
外出時に大震災に遭遇したときに「どこにいるか」で身を守る方法は大きく変わります。しかし、災害時は焦ってしまったり気が動転して、すぐに冷静に行動が取れないことも。
ここでは、外出中の様々なシチュエーションを想定し、外出先シーン別に身を守る方法や行動を、次の3つのポイントで簡単にお伝えしていきます!
▼シーン別に3つのポイントでまとめました
①地震発生時の身の守り方
②地震発生時〜発生直後にかけて気をつけること
③地震発生直後の行動や避難場所
街中や繁華街で地震に遭遇した場合
①地震発生時:とにかく、かばんで頭を守る
②発生直後:高層建物からの落下物やビルの倒壊、窓ガラスの飛散に注意する
③避難時:公園など崩壊する建物がなく広くて安全な場所に避難する(または新しい鉄筋コンクリートのビルへ)
交通機関利用時(電車やバスなど)に地震に遭遇した場合
①地震発生時:つり革や手すりにしっかりつかまり、座席に座っている場合は頭をかばんで守り低い姿勢をとる
②発生直後:電車やバスが急停止する可能性があるため、転倒しないように注意する
③避難時:勝手に窓やドアから外には出ずに乗務員の指示に従い避難する
職場で地震に遭遇した場合
①地震発生時:窓などの割れやすいものや転倒しやすいものから距離を取り、デスクの下に隠れて身を守る
②発生直後:地震が収まったら窓や扉を開けて避難経路を確保する
③避難時:職場の防災担当者の指示に従い行動または避難する
:POINT:いざという時パニックにならないよう、職場の災害時の対応を事前にチェックしておこう
エレベーター内で地震に遭遇した場合
①地震発生時:すべての階のボタンを押し停止した階で降りる
②発生直後:停止した階で降りる際にはその階が安全か見極めることも重要
③避難時:エレベーターに閉じ込められた場合は、「非常用呼び出しボタン」で管理者に連絡を取り救助を待つ
地下街で地震に遭遇した場合
①地震発生時:かばんなどで頭を守り、柱などの頑丈な部分につかまる
②発生直後:停電した場合、非常照明がつくまでむやみに動かない
③避難時:非常口に人が密集すると危険なため、落ち着いて地上に脱出する
:POINT: 地下街には60メートルごと非常口が設置されているため、慌てる必要はない
ショッピングモールや映画館で地震に遭遇した場合
①地震発生時:かばんで頭を守り、ガラスや証明器具など落下したり壊れたりする危険性のあるものから離れる
②発生直後:人が密集している状態でみんながパニックになると、「将棋倒し」(※1)が起こるため注意する
③避難時:人混みから距離をとり、従業員や館内放送の指示に従い落ち着いて避難する
:POINT: ショッピングモールや映画館は、一般的な建物より耐震性に優れている
(※1) 人混みで一人が倒れてその隣の人を倒し連鎖的に大勢の人が倒れるという例え
車を走行中に地震に遭遇した場合
①地震発生時:ハザードランプを点滅させゆっくり道路の左側に車を停止し、揺れが収まるまで車内で待つ
②発生直後:車を離れて避難する場合は、車を邪魔にならない場所に移動する
③避難時:車のキーを付けたまま、ドアロックはせず、連絡先を置いて避難(救急車等の妨げになった場合、他の人が車を移動できるよう)
山や海の近くで地震に遭遇した場合
こちらは海水浴・登山・キャンプなどレジャーや旅行中に、山や海の近くで地震に遭遇するシーンを想定しています。
山の場合
①地震発生時:崖や急斜面から離れて、頑丈な木にしがみつき低い姿勢をとって身を守る
②発生直後:小石が落ちてきたり、地鳴り・山なりがした場合は土砂崩れが発生する可能性があるため注意する
③避難時:土石流は谷筋に沿って流れてくるため、谷筋に対して直角方向に逃げる
:POINT:冬の場合は、土砂崩れとともに雪崩が起こる可能性も
海の場合
①地震発生時:海は津波が発生する可能性があるため、内陸の高い場所を目指して海から離れる
②発生直後:大震災の場合、津波は数分で到着する事が考えられるため絶対に海へ引き返すことはしない
③避難時:土地勘がなくどこに避難すればいいのかわからない場合は、ライフセーバーや地元住民にたずねるなどし、「津波避難場所」「津波避難ビル」と指定された建物に避難する
:POINT: 避難は原則徒歩で!車で避難した場合、渋滞に巻き込まれると津波から逃げ遅れることも
出典:外出時の行動マニュアル(地震発生時)|東京都防災ホームページ、消防庁 地震防災マニュアル
外出先で地震に遭ったら?地震発生後の行動
大地震で電車が止まったら、歩いて帰るしかないのかな…
無理に家に帰ろうとしないことも大切なんだって!
公共交通機関が止まるくらいの大きな地震の場合は無理に自宅に帰らずに、その場所にとどまることが大切です。
例え帰宅できそうであっても、明るい時間のうちに移動できない場合は危険が伴い、公共交通機関が使えない可能性があるため自力で歩いて帰る必要があります。余震や建物の崩壊・落下などの危険性も考えられますね。
また、災害時はみんながパニックになり情報収集や連絡を取ろうとするため、回線がパンクし電話やネットが繋がらず家族や友人に助けを求められない可能性も。
では外出先で地震に遭った後の少し落ち着いた状況で、その後どのように行動すればいいのか、自宅に帰ればいいのか、などを解説していきます。
公共交通機関が止まり外出先から自宅に帰れない場合
職場で被災した場合は職場が安全ならそこで寝泊まりし、危険な場合は職場近くの避難所へ避難しましょう。公共交通機関や施設で被災した場合は、勝手に行動せず各施設の運営からの案内に従い避難してください。
また、公共施設や職場以外で被災した場合は近くの避難所や、コンビニ・ガソリンスタンド・学校など「災害時帰宅支援ステーション」に設定されている施設や安全な場所にとどまりましょう。
「災害時帰宅支援ステーション」とは?
災害時帰宅支援ステーションとは、外出時に被災してしまった人や徒歩で帰宅する人に対して提供される一時滞在場所のことです。トイレ・水道・道路交通情報などを支援してくれます。
災害時帰宅支援ステーションに登録されている施設の場合、このようなステッカーが貼られています。
また、次のような場所が「災害時帰宅支援ステーション」として登録されていることが多いです。
▼登録されている「災害時帰宅支援ステーション」の一例
・コンビニ
・ファーストフード店
・ファミリーレストラン
・居酒屋
・カラオケ店
・ガソリンスタンド
・学校
・販売店
・農業協同組合などの店舗
災害時帰宅支援ステーションの位置に関しては、各自治体のHPなどで確認してくださいね。
地震の情報を収集しよう
災害時は、回線が混雑しネットや電話が繋がりにくくなります。そのため、スマホで地震の情報を収集する際には、公衆無線LANサービス「00000JAPAN」を活用しましょう。
詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
参考記事:防災士が解説。スマホが使えない災害時に備えた連絡手段とは
また、ライフラインが止まってしまった場合、スマホを充電できなくなるため、外出時にはモバイルバッテリーを常に持ち歩いておくといいですね。
モバイルバッテリーがない場合は、充電を考えて情報を収集してください。充電が切れてしまった場合は、周りの人に情報を聞くなどという手もあります。
【正確な災害情報】
・気象庁HP
・NHKニュースなどの公共放送サービスのサイト
・各自治体のHP
【リアルタイムの災害情報】
・TwitterなどのSNS(「地域名・災害種別」などで検索)
※SNSで情報を入する際には、真実でない情報が紛れている可能性があるため、よく注意してください
家族などに安否を伝える
災害時に家族に安否確認を伝えたくても、回線が込み合っていて連絡が取れないい可能性も大いにあります。
一人暮らし女性の場合は、家族が遠方に住んでいるケースが多いと思います。そんな災害時にどのように連絡をとればいいのか、使える手段を事前に把握しておくことも重要です。
参考記事:防災士が解説。スマホが使えない災害時に備えた連絡手段とは
自宅に帰宅する場合に気をつけること
外出先で被災後、慣れない場所に女性が1人で居るのは不安ですよね。そんな時、自分が安心できる自宅に帰宅したいと考える方は多いはず。
しかし、すぐに帰宅へ向けて行動するのではなく、冷静に本当に自宅に帰宅することが最善の選択なのか考えることも重要なのです。
本当に自宅に帰宅したほうがいいのかを考えよう
自宅へ帰宅するなら「安全・自力で・歩いて」帰れるという場合のみ、帰宅しましょう。地震発生後に急いで自宅に帰ったとても、ライフラインが断絶している可能性があります。また、移動することで体力を消耗したり、夜間に移動する際には女性は特に暴漢に襲われたりといったリスクが伴います。
こういったリスクを考えると、水道・トイレ・食料品などがあり数日間安全に過ごせる場所を確保できているのであればそこにとどまる方がいいです。
それでも自宅に帰宅する場合に気をつけること
それでも自宅に帰宅するという場合は、大震災の場合は交通機関が停止している可能性が高いということを覚えておきましょう。交通機関が停止している場合は、駅周辺は人で混雑しているため人混みに巻き込まれると危険なため近づかないようにしてください。
また、移動する際には地震の情報を把握し余震に気をつけましょう。ヘルメットなど頭を守れるものがあるといいです。
そして、一番女性に気をつけてほしいのが、暴漢・窃盗などの犯罪被害です。可能であれば友人や家族と合流するなど、なるべく1人で行動せずに、災害時帰宅支援ステーションを上手く利用して帰宅してください。
出典:消防庁 地震防災マニュアル、帰宅困難者に対する支援 東京都防災ホームページ、震災時の帰宅行動 そのときあなたはどうする?
普段の持ち物の中に常に携帯しておきたい備え
いざというときのため、バッグに入れておきたいものリストです
一人暮らしの女性が外出先で地震に遭遇しても困らないように、出勤する際や外出する場合に、常日頃からかばんの中に備えておいてほしいアイテムをご紹介します。
日常使えるものもあるので、見直してみてくださいね。
常にかばんの中に持ち歩いておくべき備えリスト
● 身分証明証
● モバイルバッテリー
● 救急セット・常備薬
● 現金
● 防犯ブザーまたは防災用ホイッスル
● 飲料水・お菓子などの軽食
● ハンカチ・ウエットティッシュ
● 生理用品
● メガネ・コンタクト
● 小型懐中電灯
イメージが湧いたら、落ち着いて行動できそう!
外出中のシーン別で地震に遭った際の行動シミュレーションをご紹介しました。
「自宅に居るときに地震に遭遇するとは限らない」ので、どんなときでも落ち着いて行動できるよう、シュミレーションしておくと安心ですね。
特に一人暮らしの女性の場合、日中はほとんど会社で仕事を行っているという方が多いはず。
自宅への備蓄や備えももちろん大切ですが、外出時の備えも怠らないようにしてくださいね。